Ms.OOJA、リスナーのカラフルな心模様を映すニューアルバム『COLOR』
Ms.OOJA | 2014.06.18
- EMTG:ニューアルバム『COLOR』のテーマは?
- Ms.OOJA:毎年、アルバムのタイトルが活動のテーマにもなっていて、毎回必ずアルファベット5文字で考えるんです。それで去年の暮れぐらいから、来年はどんなテーマにしようかなと考えていて、『COLOR』はどうかなって思い付きました。これまでにオリジナル・アルバムを3枚、カバー・アルバムを2枚出してきて、今回は自分本位ではなくて、リスナーの人がどんな歌を聴きたいのかな、どんなメッセージを求めているのかなということを、より考えるようになりました。音楽って、聴く人のものだなって思うんですね。聴く人が、その気分によって音楽を選んで聴くことによって、普段見えない景色が見えたり、普段気付けなかったことに気付けたりとか、楽しいことがあった時はより楽しくなったり、嬉しいことがあった時はより嬉しくなったり、悲しい時はより悲しんだりと、その場面場面をより色濃くするもの、色付けるものじゃないのかなって。じゃあその役割を、私はどうやったらできるだろうって考えた時に『COLOR』というテーマが出てきたんです。
- EMTG:そのテーマに沿っているのかも知れませんけど、今回は作家陣も多岐にわたっていますね。
- Ms.OOJA:リスナーの人たちがどんな歌が聴きたいのかな、という中で、よりいい歌、よりいい楽曲を歌っていきたいなという思いがあったんです。もちろん自分でも書くんですけど、カバー・アルバムなどで、自分が知らなかった自分を引き出してもらった感覚があったので、自分じゃ思い付かない部分を、引っ張り出してほしいなという気持ちで、いろいろな方にお願いしました。自分の“COLOR”も、いろいろと試してみたかったんです。
- EMTG:古内東子さんやPUSHIMさんが、歌詞を提供されていますね。
- Ms.OOJA:古内東子さんが歌詞を書いてくれた「また恋をすることなど」は、以前から曲を書いていただいているJiNさんの作曲です。すごくいい曲だし、自分が歌詞を書くよりも、客観的な歌詞を付けてもらいたいなと思って、ふと、古内さんの世界観で歌詞を書いていただいたら、すっごく良くなるんじゃないかって感じたんです。古内さんは、大人の恋を歌う女性というイメージで、憧れがありましたけど、これまでの私にはまだ歌えないなっていう思いもありました。でもデビュー4年目で、年齢的なものも含めて、今だったら古内さんの世界観を歌ってもいいんじゃないかって、思えるようになってきました。それで、まったく面識がなかったんですけど、お願いしてみたらOKをいただけました。言葉選びとか、言葉運びが素晴らしくて、歌いやすいし、恋する女性の気持ちを絶妙に捉えてますよね。一回目に歌った時から、はまり具合がすごくて、初めて歌った感じがしなかったです。すごいのができたなと思いました。
- EMTG:これまでのMs.OOJAさんの歌にはなかったタイプの女性が登場しますよね。
- Ms.OOJA:そうですね。大人だし、はかない感じというか、より女性らしさがありますよね。でもMs.OOJAらしさも出ていて、新しい扉を開いた感じがします。
- EMTG:PUSHIMさんが歌詞を書かれた「ORANGE」は?
- Ms.OOJA:PUSHIMさんは、憧れの大先輩で、大好きで、『FAITH』の「JUS’TONIGHT」という曲でもコラボレートさせていただいてます。今回は曲が先にあって、歌詞をどうしようかなって考えていた時に、PUSHIMさんのライブで「夕陽」という曲を聴いて、あの温かい感じをこの曲にも入れたいなって直感的に思ったんです。そのライブの楽屋で歌詞を書いてくださいってお願いしました(笑)。今回の歌詞もすごくPUSHIMさんらしくて、力強くて、でも温かいし、私じゃ思い付かないような独特の符割りになっていて、私にとっても挑戦だったし、楽しかったです。
- EMTG:「同じ空の下」という曲では、TOKYO No.1 SOUL SETのBIKKEさんがラップで参加していますね。
- Ms.OOJA:実は曲は2年ぐらい前にできていて、大人な、ちょっとオシャレな感じのラップを入れたかったんですけど、合う人が見つからなくて、ずっと温めていたんです。今回アルバムのコンセプトにも合うので、ぜひ入れようということになって、ラップは誰がいいだろうって、すごく考えました。それでマネージャーから、BIKKEさんはどうだろうっていうアイディアが出てきたんです。聴いてみたらすごくステキで、ポエトリー・ラップというか、不思議な感覚ですよね。この曲にピッタリだし。まったく面識がなかったんですけど、Twitterを相互フォローしていて、それでオファーさせていただいたら、曲を聴く前に「いいよー」っていう返事が来ました(笑)。言葉の選び方とかもステキで、曲の世界観をすごく理解して、ラップのリリックを書いてくださいました。
- EMTG:『COLOR』というタイトルで、いろいろな作家陣の曲があるにもかかわらず、全体的に、これまでの作品よりも統一感があるというか、アルバムとしての流れが感じられるような印象を受けます。
- Ms.OOJA:今回は、アルバム全体を通してのバランスというのを特に考えました。前2作などは、1曲1曲に対する思い入れが強く出てましたね。それはそれで、それぞれの曲が個性的になって、いろいろなテイストがあって、面白かったと思うんです。だけど今回はアルバム全体の統一感を大切にして、日常生活の中で聴くという感覚を大事にしたいなって思って作りました。私としては、いろいろな挑戦をしてきて、それを経て原点に戻ったというか、ファースト・アルバムの『VOICE』に戻ってきたなっていう感じもすごくしています。ボーカルに関しても、力を抜いて、より語りかけるように歌いました。身近な歌詞の曲も多いですし、より近くで寄り添いたいなって思ってます。
- EMTG:今回の曲で、自分的にチャレンジだった曲というのはありますか?
- Ms.OOJA:「SHE」という曲は、曲を聴いた時に、物語風というか、第三者的視点から見た、不思議な感じの歌詞を書くという、今までやってみたかったことができるかも知れないって思って、チャレンジしてみました。誰でも、魔法が使えればいいなって考えると思うんですけど、魔法が使えないからこそいいのかなっていうのを歌詞にしてみました。
- EMTG:では今回のアルバム全体で、リスナーに伝えたい思いは?
- Ms.OOJA:私の音楽を聴いてくれている人って、音楽に救いを求めている人が多いと思うんです。私に求められているのは、寄り添って背中を押すとか、夜寝る前に心を安らげるとか、そういうことなのかなって思うので、常にみんなの側にいたいな、と。通勤の時とか、夜寝る前とか、料理している時とかに、常にMs.OOJAの音楽がかかっていてくれると嬉しいですし、それが日常を色彩る風景のひとつになってくれれば嬉しいですね。悲しい時、楽しい時、嬉しい時、怒っている時、心が揺れ動く時、その答えとしてこのアルバムがあればいいなって思います。
- EMTG:秋には、このアルバムを引っさげてのツアーも予定されています。
- Ms.OOJA:私自身、音楽は座って、じっくり聴きたいタイプなので、今回はライブ・ハウスですけど、椅子を設置して、全席指定でやろうと考えています。もちろん立って盛り上がっていただける部分もありますけど、じっくり、ゆっくり音楽を堪能していただけるような内容にしたいなと思っています。
日常の喜び、悲しみ、救いなどを温かい歌声で歌い、多くのリスナーのハートを癒し続けているMs.OOJA。彼女の4作目となるオリジナルアルバム『COLOR』がリリースされた。今回は古内東子やPUSHIMなどが歌詞を提供するなど、より幅広い視点に立った、タイトルどおり色とりどりの楽曲を収録。彼女の新たなる表情や魅力が引き出された作品になっている。
【取材・文:熊谷美広】
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