04 Limited Sazabys メジャー1stシングル「TOY」をリリース

04 Limited Sazabys | 2015.10.27

 04 Limited Sazabys――人呼んでフォーリミ。昨年くらいから各地で「フォーリミ」という言葉と、ハイトーンヴォイスを生かした楽曲を耳にする機会がぐんと増えた。この4月に1stフルアルバム『CAVU』でメジャーデビューした彼らは、10月28日にメジャー1stシングル「TOY」をリリースする。メロディックパンクを出自としながらも、そのひな形には拘らない、毒や暗さをはらんだ日本語詞と、自由な発想を生かしたバンドサウンド。ポップなのに型破りな彼らのオリジナリティを、明確に表現した一枚になっている。GEN(Bass・Vocal)とKOUHEI(Drum・Chorus)のインタビューからも、GENのフロントマンらしいキャラクターや、突き抜けるべくして突き抜けたバンドのスキルが見えてきた。

EMTG:急成長しているイメージですけど、実は2008年結成なんですよね。
GEN:そうですね。僕ら見た目が若い分、最近出てきたバンドだと思われがちなんですけど、意外と歴史を積んできているんです(笑)。
EMTG:メジャーデビューは、ずっと目指してはいたんですか?
GEN:いやあ、全然そんなことなかったです、正直。自分が好きなことを、こんなにみんなからいいと言ってもらえるとは思っていなかったので。
EMTG:こんな言い方は何ですけど……自信がなかったんですか?
GEN:そうですね。自分が特別な人間だとは、今でも思っていないです。ただ、ほんとに音楽が好きで。いろんな趣味がある中で、一位みたいな感じだったから、仕事として成り立つとは思っていなかったんです。
KOUHEI:今は純粋に幸せですけどね。
GEN:うん。音楽に集中できている今は幸せなので、少しでも長くこの状態を続けたいです。
EMTG:それだけみなさんを夢中にさせた音楽の原点って、どういうところにあるんですか?
GEN:意外とメンバーはバラバラだとは思うんですけど、組んだ当初はHi-STANDARDやGOOD4NOTHINGやlocofrankやOVER ARM THROWいう共通のルーツは確認していました。所謂メロコアやパンクロックが好きで、速くて英詞の音楽をやろうって集まりました。
EMTG:今は、そういった所謂メロコアな音楽性からは逸脱していますよね。
GEN:最初にCDを出した2010年から、なかなか次のCDの話がまとまらなくて、3年も空いたんです。そこから会場限定でCDを出したりして、インディーズバンドとして自分たちだけでバンドを動かせるようになってから、3年ぶりに正式な音源(2ndミニアルバム『sonor』)を出したんですけど、それを作っている時に、僕がふと一曲を日本語詞で書いたのがきっかけですね。
EMTG:ふと、っていうのは?
GEN:ずっと書きたかったんですけど、僕の能力だとダサくなるだろうと思っていたんですよ。メロコアのバンドが日本語詞を書くと、途端に青春パンクみたいにダサくなる場合があるじゃないですか。しかも、当時のメロコアキッズなお客さんがいなくなっちゃうんじゃないか心配で。でも、『Now here,No where』のメロディを考えていた時に、サビメロが日本語詞で出てきたんですよ。だから、そのまま勢いで書ききったんですよね。歌った時もまだ不安だったんですけど、その曲をきっかけに、ジャンルがギターロック系にも広がったし、メロコア界隈でも、ライヴがカッコいい先輩たちが、日本語カッコいいじゃないか、むしろ日本語だろって言ってくれたんです。今まで認めてくれなかったのに。それが自信になって、そこから日本語詞になっていきました。
EMTG:歌詞を聴いて想像するに、GENさんは、決して明るいだけの人ではないだろうなって。
GEN:そうですね(笑)。
EMTG:所謂キラキラした、スポーティなメロコアらしい歌詞ではなく、むしろ内省的な歌詞ですよね。
GEN:そうですね。英詞の時は、先輩たちみたいな前向きなことを歌わなきゃいけないって思っていたんですよ。それって、僕が思っているっていうよりは、カッコつけて書いていただけだったんです。でも日本語詞になってから、自分の弱さも隠さず出せるようになった気がします。
EMTG:KOUHEIさんから見ていて、この歌詞はGENさんの性格が出ていると思いますか?
KOUHEI:思います。多重人格に見えませんか?
EMTG:そんな感じはありますね。
KOUHEI:ほんとそうなんですよ。歌詞を知るのがレコーディング当日なんですけど、一緒にいても知らなかった一面を出してきたりするので、一生こいつは掴めないんだろうなって。でも、それがいいんだと思いますね。わかっちゃうとそれまでな気がして。
EMTG:バンドサウンドと歌詞もギャップがありますよね。
GEN:そうですね。メンバーに歌詞を伝えないっていうのも、そこに理由があるんですけど、こういう歌詞でって説明して、どんどん曲が暗くなっても違うと思うんですよ。楽曲は疾走感があって決め決めなのに、僕の歌はふわふわしていてもいいと思いますし。ギャップは大事にしているかもしれないですね。
EMTG:ちなみに、今作はメジャー1stシングルですけど、名刺的な意味合いは考えましたか?
GEN:僕らの名刺です!っていうつもりはそんなにないんですけど、全部の曲でひとつの作品として聴いてほしい気持ちは強いですよね。
EMTG:だから曲名がタイトルになっていないとか?
GEN:そうですね。何なら楽曲の中身が決まる前から、「TOY」っていうタイトルは決めていたんですよ。去年の夏に『YON』っていう4曲入りの作品を出しまして、その進化版、対になっているような作品を出したくて、タイトルもシンメトリーな感じにしたくて、ジャケットのイメージもあったので、それで思いつきました。
EMTG:細かいところまで考えていますね! メンバーに相談したりはしないんですか?
KOUHEI:ジャケットは、こういう感じで大丈夫?って聞かれて、今回も変だね、いいよって(笑)。言ってしまったら、僕たちが想像できるような範疇じゃダメかなって。ジャケットを見ただけじゃ、どんなバンドかわからないですからね。
EMTG:確かにそうですよね。
KOUHEI:何なら、最近(GENは)ミュージシャンじゃないんじゃないかなって思いますからね。歌詞やメロはしっかり考えるんですけど、演奏は二の次っていうか(笑)。
GEN:楽器も、見た目がピンときて買ったりしますからね。
KOUHEI:ドラムとしては、ベースもちゃんとして欲しいですけどね(笑)。
EMTG:(笑)。世界観作りのアーティストっていう感じがしますよね。これからの目標も見えてきている時期なんじゃないんですか?
GEN:それが、より明確じゃなくなってきているんですよね。状況としては、CDを出すたびに良くなっていて、ぐいぐいだね!とか言われるんですけど、一緒にやるアーティストもどんどんカッコよくなっていて、全然まだまだって思わされているので、これじゃ全然だめだっていう気持ちの方が強いです。
KOUHEI:でも、わりと自分たちでケツを叩けている気はしますね。そうじゃなきゃ、この作品もできなかった気はします。

【取材・文:高橋美穂】

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リリース情報

Alice

Alice

発売日: 2019年09月18日

価格: ¥ 2,500(本体)+税

レーベル: ヴィレッジアゲインアソシエイション

収録曲

01.Stockholm
02.時鳴りの街
03.火花
04.硝子の国
05.UP TO DATE
06.あの子はきっとインベーダー
07.クローバー
08.青とゲート
09.ホリデーバード
10.夜はモーション
11.プレイアデス

ビデオコメント

リリース情報

TOY(初回限定盤)[CD+DVD]

TOY(初回限定盤)[CD+DVD]

2015年10月28日

日本コロムビア

[CD]
1. Letter 
2. in out  
3. escape 
4. soup

[DVD]
"Live Movie"2015.7.10「CAVU tour 2015 -Final Series- 」 @Ebisu LIQUIDROOM
"Offshot Movie" in OKINAWA

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お知らせ

■ライブ情報

TOY tour 2015
2015/11/13(金)高松MONSTER
2015/11/15(日)福岡BEAT STATION
2015/11/20(金)新潟GOLDEN PIGS RED STAGE
2015/11/21(土)仙台MACANA
2015/11/23(月)札幌cube garden
2015/11/26(木)広島CLUB QUATTRO
2015/12/02(水)Zepp DiverCity(TOKYO)
2015/12/04(金)心斎橋BIG CAT
2015/12/10(木)Zepp Nagoya

※その他のライブ情報、詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。

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