結成10周年のLIFriends、地元東京・羽村から笑顔こぼれるパーティーチューン発信

LIFriends | 2016.01.27

 歌とラップが混在した”メロディラップ”、どこか懐かしい時代感も漂うアゲアゲのパーティーチューンで、すでに2015年、渋谷公会堂でのワンマンライブも成功させたLIFriends。東京では微妙にマイナーな地元・羽村レペゼンなスタンス、アイドルや女性SSW(シンガーソングライター)の牙城と思しきショッピングモールも人懐こいキャラと音楽性で沸かせてしまうユニークさ。そんな彼らが歌謡テイストもEDMもブチ込んだニューシングル『恋のヒットパレード』をリリース。この振りきれ方の背景には何があるのか?

EMTG:LIFriendsはキャリアが長くて高校時代からなんですよね。
SHUNKUN(Vo):ちょうど今年で結成から10年目です。でも当時とあんまり変わらない(笑)。「もう10年か」っていう感じですかね。高校の文化祭でモテたくて始めたバンドが、音楽に魅了されて、音楽で人が笑顔になったりとか、「背中押されました」って言われるのが、自分たちが音楽を作る上で糧というか、原動力になる部分があって、それが自分たちの夢に変わっていって。その気持は変わらず、今も走り続けてます。
EMTG:しかも地元の羽村を背負ってるというか、地方活性化的な活動もしていて。
SHUNKUN:ほんとにそうですね。でも結成できたのは地元・羽村の羽村高校ってとこなんですけど、正直、誰か一人でもそこに行かなかったらLIFriends自体、存在してなかったと思うので、その大切な場所に恩返しじゃないですけど。地元でライブしたときの暖かさが忘れられなくて、友達とか、先生も来てくれて。都心のライブハウスだと冷たいというか、あまりこう…心から自分を出さないじゃないですか?田舎者だったのでそういうのに負けて帰ってきてたんですよ。で、羽村でライブしてからもっともっと地元をLIFriendsとともに知ってもらいたいなっていうふうに変わりまして。そこから応援隊長やらせてもらったりとか。
EMTG:活動の拠点もライブハウスだけじゃなく、全国各地のショッピングモールも多いですね。
FUNKY(B&Vo):そっちのほうが多いかもしんないですね。ライブハウスだと見る人が限られちゃうんで。ショッピングモールだったら普段ライブハウス行かない人だったり、音楽聴かない人もいるだろうし、そういう人たちにも自分たちの音楽を届けられるってことで、ショッピングモールでライブするのは好きですね。
EMTG:人も必ずしも大勢集まるわけじゃないでしょうし。
SHUNKUN:そうですね。地方の初めて行くような場所だと、まず自分たちで集めないと。なかなか人がいるとこでもないし。
HAYATO(Dr):とりあえずお店の人全員にチラシ配って。
SHUNKUN:(お客さんが)いるのが当たり前じゃなくて、その場所でやらせていただくからには自分たちで、広げて行かないといけないなと思ってて。そうしないと人が集まらないし、面が良ければ歌ってるだけで「キャー!」ってなるんでしょうけど(笑)。
EMTG:(笑)。そもそも同世代で活躍してるバンドというと?
SHUNKUN:同い歳で言ったら、まだお会いしたことないですけどKANA-BOONさんとか、あとは最近だとBLUE ENCOUNTさんとか、ちょうど先輩なんで。
FUNKY:俺の専門学校の先輩なんです。
EMTG:そういう方向性に行きたいと思ったことはないんですか?
FUNKY:ロックというか?どっちかと言ったら、初めはもっとバンド、バンドしててパンキッシュな感じでした。
SHUNKUN:もっとオラオラでした、昔は。「手ぇ挙げろ~!」みたいな。若さゆえの暴走ですね(笑)。そんなん言われても挙げないじゃないですか。
EMTG:最初はコピーとかしてたんですか?
SHUNKUN:2人(FUNKYとMAKOTO)がゆずさんが好きで、路上でフォークデュオするぐらい。僕は高校から加入したんですけど、出会ってからちょうどORANGE RANGEさんの「上海ハニー」とかがきてる頃で、初めてコピーしたのが「上海ハニー」で、そこからモテたいがためにビートルズやったりとか。
EMTG:モテるんですかね?ビートルズ。
SHUNKUN:モテなかったです(笑)。それからミスチルはやったね?で、すぐオリジナルも始めて、なんかそんなに変わってないね?もちろん、ロックだったり、今なら四つ打ちのビート入れたりもするんですけど、根本的なことはあまり変わってない気がします。
FUNKY:高校のときから、メジャーデビューしたいっていうのがあったんで、けっこう同世代のライブハウスでやってたバンドにはなめられてたりしたんです。すごいポップだったし、メジャー路線がダサイとかすげえ言われてたんですけど、「おまえらいつか見てろよ」と思ってずっとやってて。で、メジャーデビューさせてもらって、周りのバンドは解散して「ほらな?」っていう(笑)。
EMTG:その時のFUNKYさんのモチベーションはメジャーデビューすることそのものだった?
FUNKY:それの方が勝ちだなって思って。かっこつけて「ロックだぜ」ってやってるより、俺はこれを仕事にしたかったし、もともとポップが好きだったし、それが嫌だとかなかったし、単純に楽しかった。自分のやってることがダサいとか思ったこと一回もないし、「正しい」と思ってやってきたんで。
EMTG:面白く聴こえるものって演奏的なところや歌詞は難しいものですからね。
SHUNKUN:そうですね。
EMTG:今回も3曲目の「笑顔の作り方」はファンクやいろんな要素が入ってますし。
SHUNKUN:はい。「笑顔の作り方」は、ちょっとアイドルっぽく自己紹介を歌いたいなと思って。もともと1コーラス目までだったんですよ。ライブ始まりで「笑顔でやっていきたい」ってことで歌ってたんですけど、今回、シングルに入ることになって、後ろどう作ろうか?ってなった時にギターのMAKOTOが、その続きを考えてくれたんですけど、いろんなジャンルの部分があって。
MAKOTO(G&Vo):自己紹介やる?みたいな。メンバーそれぞれの個性を拾ったらファンクだったり、ダンスが得意なKAMIのところはちょっとヒップホップな曲調にしてみたり。
EMTG:そういえばSHUNKUNさんが他のメンバーの皆さんと合流する前は、ボランティア部にいたとか。
SHUN:あ、ありがとうございます。そうなんですよ。今もボランティア継続中なんですけど。
EMTG:進学のためとか就職のためにボランティアやってますというより、単純に人が楽しんでくれることが好きな雰囲気というか、そういう人がいるからLIFriendsの雰囲気も成立してるのかな?と。
SHUNKUN:最高の褒め言葉です。部活というか、地域で活動する会なんですよ。そんなに目に見えた活動はしてなくて、たまに老人ホーム行ったりとか、ごみ拾いしたりとかそれぐらいで。 で、ちょうどFUNKYが同じクラスでバンドやってるけど活動に悩んでるのを聞きつけて、ご奉仕人間としては「ああ、シメシメ、これはボランティア部の出番だな」って近づいたんですよ。
EMTG:だから作為がないんですよね。2曲目の「チャンス」のベタに前向きなことも歌詞にしても違和感がない。
SHUNKUN:でも自分たちのことを書いてる部分もあって、この時期だったら進学のことだったり、新しく社会人になったり、環境が変わる方が多いので、勇気をもって一歩踏み出せるようにトンと背中押せるような曲も書きたいなっていうのもあったり。自分たちの活動の中でも、俺らけっこうピンチバンドなんで。一昨年、渋谷公会堂やろうと思ったら大雪で中止になったりとか、日比谷野音やろうとしたら台風で九州から全然、飛行機飛ばないとか。そういうのがあって、ピンチの中でもまれてきたからこそ、ピンチはチャンスというか、ピンチだからって諦めたら絶対、今はないし。逆境に強いわけじゃないですけど、逆境の中で自分たちが強くあるためには、やっぱり自分を楽しませてやんなきゃいけないって部分も「チャンス」には書かせてもらいました。
EMTG:そしてすでにライブでもやっているタイトル曲「恋のヒットパレード」っていう…ボキャブラリーが昭和だなぁと(笑)。
FUNKY:もともと俺らいろんな音楽聴くんですよ。それこそ昭和の音楽とかも。で、この曲、もともとサザンみたいな曲だったんです。サザンの初期らへんの歌謡メロっぽい感じあるじゃないですか?そういう音楽だったんで、俺らっぽくないなって話はしてたんですけど、その中でもう一回、リアレンジしてみようかな、真反対行ってみようって、ディレクターとも話して。で、四つ打ち入れたり、シンセとかいろんな音入れていくうちに、踊れるような曲調になってきて、「あ、これ行けそうだね」って話から、歌詞もメロディも全部変えていったときに、なんかこう”ヒットパレード”ってワードが居酒屋で皆が飲んでる時に決まったんです。「タイトルなんだろうね?」って話になって、20個ぐらいタイトル並べたときに、「ヒットパレードっていうのはいいね」、「じゃ、その時代に寄せていこう」っていうのでその時代の音楽も聴いたりして、メロディも作っていった感じですね。
EMTG:あと、90年代のJ-POP感もあって。
FUNKY:90年代の音楽はすごい好きなんですよ。ZARDだったり。毎回T-BOLANの五味さんにプロデューサーとして入ってもらってて、その時代の音楽もすごい聴くようになって。そういう影響でその時代のサウンドが好きなんです。
EMTG:なるほど、腑に落ちました。
SHUNKUN:僕らこういうアップテンポな曲多いんですけど、この曲は30代、40代ぐらいの方にすごくいいねって言っていただけることが多くて。「アゲアゲええじゃないか!!!」って、2枚目に出した曲も同じようにアップテンポなんですが、けっこうクラブ寄りな感の曲なんで、10代、20代の人がいいねって言ってくれるんですけど、「恋のヒットパレード」はバブル前後を知ってる世代の方にも聴いていただけたんでよかったです。LIFriendsの曲はこの層って決めてないし、老若男女、誰もが楽しめる音楽のひとつの形ができたかなと。
EMTG:いろんなお客さんのいる場所で活動してると付いてくる地力なのかも。
SHUNKUN:そうですね。特にショッピンングモールとかはいろんな世代の方がいますが、やっぱり全員に楽しんでもらいたいというか。偶然ライブを見てくれた方にも楽しんでほしいので。
HAYATO:けっこう曲のジャンルがいろいろあるので、年齢層セットリストみたいの変えたり。今日、子供たちが多いから踊れるのとか、お年寄りが多いからバラードとか歌ものを多く、とか。
SHUNKUN:とりわけ声がいいわけでもカリスマ性があるわけでもないので…もちろん音楽を伝えたいんですけど、人間味も含めてのLIFriendsだと思ってるので、音とプラス人柄、全部込みで好きになってもらいたい、みたいな。
FUNKY:「割といい人だ」みたいな(笑)。
SHUNKUN:田舎者なんでワルを気取りたくなっちゃうんですけど、ワルになりきれない子たちの集まりですからね。優先席譲りたくないから最初から立っちゃうみたいな人たちなんで。
FUNKY:それなに?(笑)
SHUNKUN:わかるでしょ?譲りたくないから無駄に立ってるタイプ!
EMTG:大げさに感動した!というより、「今日イオンモールでLIFriendsってグループ見て楽しかった」みたいな?
SHUNKUN:そうですね。で、良かったらまた来てもらって。あいつら見てたら明日も頑張れそうだなって思ってもらえるのが、今いちばん嬉しいというか。
EMTG:基本的には照れ屋だからそういうスタンスになるんでは?
SHUNKUN:みんな人見知りなんです。都心とか行っても結局5人一緒になっちゃうんで、ライブとかで一緒になった人にも連絡先も聞けないし、飲みにも行けないし。で、地元の羽村から今日もここテイチクさん(所属レコード会社)に来るのも1時間半かかるので、なかなか行かないですよね。僕らにとって渋谷は芸能界です、はい。
EMTG:どんなことがあったら5人が大人っぽく個々の人間になっていくんですかね?(笑)
SHUNKUN:たぶんならないと思います(笑)。ま、でもいつかは一人ひとりが魅力的になって、LIFriendsを広めるためにいろんなことにも挑戦していきたいなと思うんですけど、たぶんこの形は変わんないかなって思います。
EMTG:じゃあマイクを向けると泣くとSHUNKUNさんが言うKAMIさんにもお聞きしますね。今回のシングルの聴きどころを伺っていいですか?
KAMI(Key):はい。聴きどころ…あの、そですね…楽しくなるから、あ、聴くだけじゃなく歌ったり、そういうところ共有してもらえたらよりいいのかなと(SHUNが小声で説明した通りに喋る)。
FUNKY:KAMIの人見知り、デビュー前よりひどくなってない?
KAMI:そう、最近、自己紹介とかメンバー紹介とかでも人見知りってことが多くなって、それに負けてる自分がいるんです。
一同:ははは!
EMTG:じゃあ最後に今年の目標を聞かせてください。
SHUNKUN:今年はですね、この「恋のヒットパレード」はもちろん、結成10周年ということもあって、スタートダッシュを切りたいなって気持ちもあって。2月後半から関東ワンマンライブハウスツアーを回りたいなと。去年、全国47ヶ所回らせてもらって、まだまだLIFriends伝わってないな、もっともっと行かなきゃいけないなと思う反面、地元の関東近辺をもう一回、時固めじゃないですけどしっかり回りたいなと思いまして。 今回、渋谷クアトロでツアーファイナルなんですけど、これまで渋谷公会堂とかホール関係が多かったので、ライブハウスから始めたバンドとしてはしっかりとそこを踏みたいというか、憧れの場所でもあるので。
FUNKY:というのも大好きな憧れの先輩のバンドがクアトロでワンマンライブをやってるのを見て、いつか立ちたいって、ずっと5人の中であったんです。ちょっと大きめのライブハウスでワンマンライブをやったことがなくて。10周年っていうのもあるし、お客さんとの距離も近いですし、そういう空気感でツアーをやりたいと思って。それで関東のツアーもライブハウスで、原点に戻って。
SHUNKUN:逆にライブハウスに来ない人にも来てほしいんですよね。ライブハウスに怖いイメージ持ってる人もいるかもしれないけど、生で感じる音楽ってこんなに勝手に身体が動いて楽しくなって熱くなって汗かけるんだよっていうのも、ぜひ体験してほしいです。あとは地元・羽村で3回目のフェスもやる予定なんですけど、前回の倍以上の1万人ぐらいの人に来てもらえるように計画中です。
FUNKY:JR青梅線で「福生と立川は知ってるけど」って人多いんですけど、そのあいだが羽村です!

【取材・文:石角友香】

tag一覧 シングル 男性ボーカル LIFriends

リリース情報

DEMAGOG

DEMAGOG

発売日: 2020年08月26日

価格: ¥ 1,800(本体)+税

レーベル: ソニー・ミュージックレーベルズ

収録曲

01.ハイドアンドシーク
02.パノプティコン
03.デッドウェイト
04.人間みたいね
05.悪夢
06.デマゴーグ
07.泥中の蓮

ビデオコメント

リリース情報

恋のヒットパレード(初回限定盤)[CD+DVD]

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2016年01月27日

テイチクエンタテインメント

[CD]
1. 恋のヒットパレード
2. チャンス
3. 恋のヒットパレード(Instrumental)
4. チャンス(Instrumental)

[DVD]
恋のヒットパレードMusic Video + MVメイキングドキュメンタリー

お知らせ

■ライブ情報

LIFriends 10th Anniversary 関東LIVE HOUSE ワンマン TOUR 2016
2016/02/28(日)東京・立川 Live Bar Heart Beat
2016/03/05(土)茨城・水戸 LIGHT HOUSE
2016/03/06(日)神奈川・横浜 BAYSIS
2016/03/12(土)埼玉・HEAVEN’S ROCK 熊谷 VJ-1
2016/03/20(日)栃木・HEAVEN’S ROCK 宇都宮 VJ-2
2016/03/21(月・祝)群馬・高崎 club FLEEZ
2016/03/27(日)千葉・柏 PALOOZA
2016/05/01(日)東京・渋谷 CLUB QUATTRO

※その他のライブ情報、詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。

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