SHISHAMO的J-POP、共感を誘う歌が詰まった最新アルバム!

SHISHAMO | 2016.03.07

 今年1月に行われた初の武道館公演も満員御礼。バンドシーンの新星としてブレイクを果たしたSHISHAMOが、ニューアルバム『SHISHAMO 3』を完成させた。キラメキあるメロディに乗せて共感を誘う歌、ポップスとしての広がりを感じる全11曲。そこにはアーティストとしての確かな成長が刻み込まれている。全曲の作詞作曲を手掛ける宮崎朝子に話を聞いた。

EMTG:『SHISHAMO 3』、今まで以上にバラエティにあふれた新作だと思います。
宮崎:ありがとうございます。
EMTG:まず振り返っての話から聞いていきたいんですけれども、改めて、SHISHAMOというバンドを組む以前から曲は作っていました?
宮崎:作ってないですね。中学時代の塾からの帰り道に口ずさんでたようなことはあるけれど、楽器もほとんどやってなかった。SHISHAMOを始めてからもずっとGO!GO!7188とかのコピーバンドをやっていたんです。高校2年の頃まで、曲を作るという発想はなかったです。
EMTG:その頃はミュージシャンとしてやっていくという意識は?
宮崎:それも全然なかったです。曲を作ることになったのも、もともと部活の方針としてオリジナル曲を作るというのがあって、うちのドラムの吉川(美冴貴)が真面目で熱いやつだったんで「作ろう!」ということになって。最初に曲を作ったきっかけは、友達のライブを観にいった時に、オリジナルの曲をやってる年下の女の子たちを見て「私がやった方がもっと褒められる気がする」と思ったことなんですね。その場で歌詞を書いて、家に帰って作った曲が、初めてのシングルになったんです。
EMTG:ということは、これまではギター、ベース、ドラムの3人でやれる曲というのが、SHISHAMOのフォーマットとして当たり前にあったんですよね。でも、今回のアルバムは「みんなのうた」でホーン・セクションが入っていたり、アレンジが広がっている。それはどんな感じだったんでしょう?
宮崎:でも、これも普段と同じ作り方なんです。曲を作るときにギターやベースのフレーズが出てきたのと同じように、この曲はホーンのフレーズが頭の中に鳴っていた。曲にも応援歌みたいなテーマがあったし、背中を押してる感があるなと思って。
EMTG:アルバムを作るときって、コンセプトや全体像をイメージして作っていくんでしょうか?
宮崎:基本的に全体像から決めることが多いです。もともと単体でアルバムに入れたい曲があって、そこから「こういう曲がなきゃだめだよね」とか、バランスをみながら、たりない曲を作っていく。
EMTG:では、キーポイントになった曲は?
宮崎:「ごめんね、恋心」は、レコーディングの前にツアーでもやってたんです。その時にも1曲目で演奏していたんで、アルバムの1曲目にしたいというのは最初に決まってました。で、曲順が最後になる曲は、だいたい最後に作ります。そこはこだわっていますね。その曲がそのアルバムの象徴になると思っていて。1枚目のアルバムの最後の曲の「恋する」という曲もそうなんです。それが、今回は「みんなのうた」という曲になった。
EMTG:「みんなのうた」はどういうところでアルバムの象徴になったんでしょう。
宮崎:アルバムは、作品としてレベルがあがったものを作ろうと思ったんです。今まではライブでの再現ができない曲をやらないって縛りはあったんですけれど、そういうのは取っ払って、とにかく『SHISHAMO 3』のアルバム単体ですごくいいものを作ろうと思って作りました。で、「みんなのうた」はとにかくいろんな人に当てはまる曲を作ろうというのを決めて作ったんですね。SHISHAMO的なJ-POPというか、いろんな人が「わかる」という気持ちになる曲を作ろうと思った。
EMTG:SHISHAMOは今までライブやフェスで支持を獲得してきたバンドですよね。その基盤はありつつ、もっと広いところに踏み出していく意図があった。
宮崎:そうですね。武道館でライブをやったり、Mステに出たりしたのもあって、今まで以上に沢山の人に聴いてほしいと思って作りました。
EMTG:ここ数年、よくも悪くも邦楽のロックのフェスを中心にしたシーンって、盛り上げ合戦みたいなところがあると思うんです。どれだけお客さんを煽れるか、どれだけ一体感を作れるか。SHISHAMOの音楽はその機能を持っているんだけれど、宮崎さん自身はそういう動きをちょっと引いた視点で見ていそうだな、と。どうですか?
宮崎:そうですね。シーンというより、そういう時代なのかな、と思うんです。私たちもその時代でやっている。だから、ライブにはそういうお客さんも来るし、それも悪いことじゃなくて。何のためにライブに来るかは人それぞれだと思うんです。でも、なんか信用ならねえっていうか(笑)。SHISHAMOは盛り上げたいと思って演奏したことはないんですね。歌詞も含めて、曲をちゃんと聴いてほしくてバンドをやっている。自分に重ねて泣いてくれてる女の子とか、そういうお客さんを前にすると、このために演奏してるんだなって思います。
EMTG:歌詞やメロディに共感のある曲を大事にしている。
宮崎:生きてたら、みんな大変なことがあるわけじゃないですか。でも、そういう人は、音楽に助けを求めることが多いと思うんです。私もこれまで音楽を聴いていて救われたことがあったし。そういう風にいろんな人を助けるような曲を作りたいと思います。
EMTG:4月からはワンマンツアーも始まります。これは初のホールツアーになりますが、これまでとは違う雰囲気になりそうですね。
宮崎:これまでとは、全然違うものになりそうです。でも、ホールはすごくいいんじゃないかと思うんです。私も曲を1番大事にしてライブをやるので、1対1で曲を聴きにきてもらえる場所にしたいですね。

【取材・文:柴 那典】

tag一覧 アルバム 女性ボーカル SHISHAMO

リリース情報

PHYSICAL

PHYSICAL

発売日: 2021年01月27日

価格: ¥ 1,800(本体)+税

レーベル: ビクターエンタテインメント

収録曲

01. GIVE & TAKE
02. SMILE SMILE
03. empty boy
04. SOMA
05. Melting
06. insomnia

リリース情報

SHISHAMO 3

SHISHAMO 3

2016年03月02日

GOOD CREATORS RECORDS

1. ごめんね、恋心
2. 中庭の少女たち
3. 生きるガール
4. 笑顔のとなり
5. 手のひらの宇宙
6. 推定移動距離
7. 女ごころ
8. 熱帯夜
9. 旅がえり
10. 君とゲレンデ
11. みんなのうた

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ワンピース 何人目 法則
ワンピース(漫画)の仲間が増える時の法則について調べていました。 これ本当にすごいんですよ、新しい仲間が入るときの話のタイトルに?○人目?とつけられているという法則。
例えば、ウソップは3人目の仲間なんですが、そのタイトルが付けられたのは、439話。てことは、ウソップが一番初めに登場した5~6巻の時点で、尾田(栄一郎)さんは、その先の439話で本当の仲間になる、ということまで考えていた可能性があるってことです。この法則、すごくないですか!?


■ライブ情報

SHISHAMO ワンマンツアー2016春「少女たちが恋心に気付いたのは、宇宙からの旅がえり」
2016/04/09(土) 埼玉 川口総合文化センター リリア(メインホール)
2016/04/16(土) 神戸 神戸国際会館こくさいホール
2016/04/17(日) 広島 JMSアステールプラザ 大ホール
2016/04/23(土) 茨城 結城市民文化センター アクロス
2016/04/24(日) 千葉 市原市市民会館
2016/05/01(日) 高松 サンポートホール高松
2016/05/04(水祝) 金沢 本多の森ホール
2016/05/05(木祝) 名古屋 名古屋国際会議場 センチュリーホール
2016/05/07(土) 神奈川 神奈川県民ホール 大ホール
2016/05/08(日) 仙台 イズミティ21(大ホール)
2016/05/15(日) 福岡 福岡サンパレス

SHISHAMO NO OSAKA-JOHALL!!!
2016/06/25(土) 大阪城ホール

※その他のライブ情報、詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。

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