2016年に鳴るべき音━━メジャー・デビューを果たした今年の大本命、雨のパレードとは?
雨のパレード | 2016.04.04
- EMTG:フレデリック、夜の本気ダンス、My Hair is Badと共にまわったスペースシャワー列伝ツアーが終幕したばかりですが、まずはその感想からお願いします。
- 福永浩平(Vo.):このツアーは登竜門的な見方をされていて、その中で自分たちが何をすべきなのか考えてみると、「このツアーでどれだけ成長できるか」なんじゃないかなと思ってました。だから一つ一つのライブを大切にして、学べることは全部学ばせてもらいました。
- EMTG:9公演ありましたが、最初と最後のライブは違うものだったということですか?
- 福永:全然違うと思います。お客さんに向けて発信するということ、そしてその熱量について再認識できました。意外と僕らライブ・バンドだったんだなと思いましたね。
- 山崎康介(Gt.):カラーの違う4バンドが集まったので、今まではステージへ上がる前に前後のバンドに影響されることはなかったですけど、今回は良い影響を与えてもらったかなと。よりアグレッシブなライブができたと思うし、今後の糧となる経験でした。
- 大澤実音穂(Dr.):私もライブの価値観がガラッと変わりましたね。良い意味で前のバンドを「越えてやろう!」という意識を持てるようになりました。
- EMTG:改めてバンドの根本的なところを探りたいのですが、活動するにあたって1番大事にしていることは何ですか?
- 福永:いつも考えているのは、僕らの音楽を聴いて新しさや新鮮味を感じてほしいということです。3月に出したアルバムが『New generation』というタイトルなんですが、僕けっこう海外のインディー・ハウスやR&B、エレクトロニカが好きで。そういう人たちってサンプリング・パッド━━RolandのSPD-SXとかAKAIのMPC━━に好きな音を入れ、バンドでは出せなかった音でライブ演奏をしているんですね。具体的にはAsgeir、Astronomyy、FKA twigsとか。そういう音楽が僕の中での「新世代」で、日本においてそういうシーンを引っ張りたいと思っています。
- EMTG:でもメンバーの皆さんはそれぞれの音楽的ルーツを持っているわけですよね?
- 山崎:はい、僕がギターを始めたきっかけはゆずでした。少ししたらGLAY、L’Arc-en-Ciel、X Japan、あとはメタル系も通りましたね。広く浅く、色々なものが好きでした。
- 大澤:私はクラシックから入ったんです。両親が声楽をやっていたので、生活の中に自然と音楽がありました。今ではメンバーが教えてくれる音楽も聴きますし、プレイヤーではスティーヴ・ガッドやスティーヴ・ジョーダンとか、どっしり重ため系の人が好きです。
- 是永亮祐(Ba.):僕は青春パンクを聴いてギターを始めようと思ったんですけど、じゃんけんに負けてベースをやることに(笑)。そこから東京事変、特に亀田(誠治)さんから1番影響を受けましたね。亀田さんのような歌えるフレーズを弾くことが目標です。
- 福永:まあみんなバラバラですけど、気になるものを共有しながらという感じですね。
- EMTG:では作品のお話に戻ると、手応えは感じますか?
- 福永:サウンド的な新しさを感じてもらえると思うし、歌詞でも「時代を変える」と言いたかったので、そういうものにできたかなと思います。
- EMTG:しかしバンドが電子音楽を取り入れるという手法には、1980年前後から国内に先駆者がいますよね。そういった上の世代と比べてどんな部分が違うのでしょうか?
- 福永:それぞれのミュージシャンがそれぞれの時代を反映しているはずだし、単純に音が変わってきています。それに僕らは同期やシーケンスを使ってないんです。それらはいわゆるバンドとして出す音というイメージがあまりないと思うんですけど、僕らはバンドとして実際に演奏してるし、今後のバンドが自然とそういう形になっていけばうれしいです。
- 山崎:演奏の中で特にギターって、感情表現や肉体的な機微がそのまま出るので、バンドに絶対必要な楽器なんですよ。今回のレコーディングでは、ミニマルなフレーズも切り貼りせずにずっと弾いていたりするんです。だから若干前後に揺れてますけど、それがグルーヴにつながっているのかなと。
- 大澤:ドラムもパッドを使ってるけど自分で叩いてるので、人がその場で演奏する良さを感じてもらえるんじゃないかなと思います。
- 是永:それはベースも同じですね。あと個人的に今回は、ZOOMのB3というマルチ・エフェクター1個でどこまでやれるか、そういう自分との戦いもありました(笑)。
- EMTG:なるほど(笑)。最後に、アルバムを聴いたり4月から始まるワンマン・ツアーに行ってみようと思っている人へ、メッセージをお願いできますか?
- 山崎:今回のアルバムは、邦楽ロックをバリバリ聴いている人たちにとってはあまり馴染みがないサウンドかもしれないですけど、「こういう音を出せるバンドがこの世代にいるんだよ」ということを提示できたと思うので、チェックしてみて下さい!
- 是永:「これ誰がどの音出してんだ?」みたいなところもあると思うので、聴いて楽しんでいただけたらうれしいです。
- 大澤:“New generation”というコンセプトに基づいて書かれた福永の歌詞にも注目して、歌詞カードと照らし合わせたりしながら楽しんでもらいたいですね。
- 福永:本気で音楽シーンを変えようと思ってるので、マジで付いてきて欲しいです!
バンドマンが当たり前にDAWソフトやサンプラーを駆使する2016年。そんな時代を象徴する新鋭が雨のパレードだ。ロック・バンドとして多彩なルーツを持ちながら、電子音楽の要素も導入。3月に発売した1stフルアルバムでメジャー・デビューを果たした。そんな彼らの魅力に迫るべく、まずはファイナル公演を終えたばかりのスペースシャワー列伝ツアーについて、メンバー全員に聞いた。
【取材・文:秋摩竜太郎】
リリース情報
All For One
発売日: 2021年01月27日
価格: ¥ 1,818(本体)+税
レーベル: 日本コロムビア
収録曲
01.Under The Rainbow
02.Rise Again
03.New Coaster
04.Call Me David
05.My Last Rebellion
06.We Promise
07.Unchain
Bonus Track.Rise Again (EX-ARM TV Size)
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リリース情報
お知らせ
雨のパレード ワンマンライブツアー『New generation』
2016/04/09(土)東京・渋谷 clubasia
ツタロック スペシャルLIVE2016
2016/04/19(火)渋谷TSUTAYA O-WEST / TSUTAYA O-nest
Ivy to Fraudulent Game pre."行間にて" release tour -高崎にて-
2016/05/21(土)高崎 club FLEEZ
雨のパレード 企画イベント
2016/06/6(月)渋谷WWW
YATSUI FESTIVAL! 2016
2016/06/18(土)渋谷TSUTAYA O-EAST 他9会場
※その他のライブ情報、詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。