マレーシア出身の23歳の女性シンガー、Iris（アイリス）。マレーシアで歌手、女優として活動していた彼女は、中国のドラマにも出演。’15年に日本デビューを夢見て来日し、バラエティ番組の企画をきっかけに “美少女ヒッチハイカー”として話題を集め、メジャーデビューが決定した。6言語を話す才女で、９頭身という圧倒的なスタイルを持つ彼女は、デビュー前にしてコーセーの４代目イメージキャラクターに抜擢され、東京ガールズコレクションにも出演し、ミスiD2016にも選出された。親しみやすさとクオリティの共存共栄を体現する彼女にデビュー直前の心境を聞いた。ちなみにインタビューは全て日本語で行っている。

EMTG：シングル「I love me／good bye」でのCDデビューが決定しました。

Iris：自分のCDが出るのは初めてなので、すごく緊張だけど、やっぱり楽しみの方が大きいですね

EMTG：１曲目の「I love me」は、バラエティ番組「なんでもワールドランキング ネプ＆イモトの世界番付」のレギュラーコーナー「NIPPON優しさ旅」を通して作った「tell me」の歌詞を書き直した曲になってます。

Iris：そうですね。ヒッチハイクの旅ではいっぱいの感動があったので、スタッフさんに私から歌詞を変えたいですって言いました

EMTG：今、振り返ってみて、ご自身にとってはどんな旅になりました？

Iris：思い出いっぱいです。辛いこともあったけど、楽しかったし、たくさん勉強にもなりました。私が一番良かったなと思うのは、いろいろな人のライフスタイルを知れたこと。特に、家族みんなで畳に座ってご飯を食べる時に、ウォームな気持ちになりました。マレーシアではテーブルだし、パパが家に帰ってくるのは遅い時間で、お兄ちゃんもあんまり一緒に食べない。だから、いつもバラバラだったんですね。でも、今回の旅では、家族一緒に座って、話しながらご飯食べることができて。それが嬉しかったし、感動した出来事ですね

EMTG：たくさんの人の生活に触れる中で、他にも文化の違いに驚いたことはありますか？

Iris：みんながお風呂（湯船）に入ることにはびっくりしました。マレーシアはシャワーだけでお風呂には入りません。私は、今回、初めてお風呂に入ったんですけど、すごく気持ちよかったです。あと、寒さが苦手なので、北海道は大変だったんですが、食べ物が美味しいから、バランスですね（笑）

EMTG：（笑）そんな旅を経て、どんな思いを込めたいと考えてました？

Iris：私の旅はお金を持っていなかったんですね。でも、お金がないのが貧乏じゃなくて、夢がないことが貧乏なんだっていうことに気づきました。旅の中で本当にいろんな人と出会って、いろんな話をしました。年齢の近い、若い子とも話したけど、夢や目標を持っていない人もいるんだなぁ…って分かりました。それはどうしてだろう？　っていうことをずっと考えていて。夢や目標を持てるようになるためにはどうしたらいいのか。まず、自分を愛すること、自分を好きになることから始めるのがいいんじゃないかなって思ったんです

EMTG：「I love me」というタイトルがそのままテーマになってるんですね。

Iris：そうです。私は昔、すごく太ってたんです。だから、小さい頃からシンガーになりたいと思っていたけど、そんなことを言ったら笑われると思ってて。高校生になっても恥ずかしくて言えなかったんですね。そのあと、毎日たくさん走っていたら、がんばっている自分のことが好きになって、周りの世界……自分が見る世界も変わった。だから、何かを変えるために、まず自分を好きになることから始めようっていうことを言いたいなと思って

EMTG：マレーシアから単身来日し、全国を横断したこれまでの経験が詰まってる？

Iris：そうですね。昔は、これをやるのは怖いなって恐れてばかりだったけど、自分を好きになれてからは、なんでも大丈夫大丈夫っていうポジティヴな気持ちになったし、なんでもトライしてみようっていう勇気や自信が出てきたから

EMTG：日本に来ることも迷わなかった？

Iris：うん、大丈夫です。家族や友達と会えなくなることは悲しかったけど、それよりもチャレンジしたい気持ち、自分を信じる心が強かったから。それに、私は小さい頃から日本の文化と食べ物が好きで。和食、お刺身、お寿司、日本酒。京都の古い建物や町の文化も好き。だから、来ちゃった！　あはははは

EMTG：あはははは。つられて笑顔になっちゃいますね。

Iris：ありがたや?（笑）。レコーディングも楽しく歌いましたので、皆さんも私の曲を聴いて、ストレスをリリースして欲しいです

EMTG：もう一方の「good bye」は出会いと旅立ちがテーマになってますね。

Iris：そうですね。ミュージシャンのHIKARItちゃんが、番組を見て作ってくれて。最初に聞いたとき、いっぱい泣いちゃった?

EMTG：どんなことを思い出して涙が出ました？

Iris：マレーシアの家族や友達と別れたとき。空港に見送りに来てくれて、バイバイした風景は忘れられないですね。それに、今回の私の旅は、いろんな人と出会ったけど、皆さん、すぐに別れなければいけなかった。この別れる気持ち、寂しくなる気持ちはすごくわかります。昨日出会った人と、明日は会えないかもしれない。人生１回きりだから、その出会いと別れの１つ１つを大切にして、感謝の気持ちを持って、それでも次のステップを歩こうという気持ちで歌いました

EMTG：「さらにボーナストラックとして、「上を向いて歩こう」と「tell me」の２曲が収録されています。

Iris：坂本九さんの「上を向いて歩こう」はマレーシアにいた時から知ってた曲なんですけど、まだ日本語ができなかったので、あまり意味がわからなかったんですね。でも、旅に出た時に、知ってる日本語の曲はこれしかないから、歌いましょうの気持ちがあって。どんどん旅をして、日本語の勉強をしていくうちに、だんだん意味がわかってきて。私が歌うとお、おじいちゃんやおばあちゃん、お父さんやお母さんた?と、みんな泣いちゃって。歌詞の意味がわかってからどんどん好きになっていった曲です

EMTG：どんなところが好きですか？

Iris：ツやっぱり＜♪上を向いて歩こう／涙がこぼれないように＞という歌詞ですね。旅の時は別れがつらくて。いつも上を向いて、泣かないように泣かないようにって自分に言い聞かせながらバイバイしてました

EMTG：「tell　me」は、番組の最終回で日本語歌詞を完成させて、お世話になった家族との別れのシーンで披露した曲です。

Iris：もともとは、旅に出る前から英語歌詞で製作していた曲なんですね。旅の最後に、みんなとの絆を思い出しながら、日本語のリリックを書いて。一言で言えば、感謝ですね。あの時は、長い旅が終わっちゃうんだていう悲しい気持ち、まだ終わりたくないの気持ちが強かったです

EMTG：４曲揃って、日本のファンにはどう聞いて欲しいですか？　最後に今後の目標を聞かせてください。

Iris：まずは、今、夢や目標を探して悩んでる人に聞いて欲しいですね。そして、旅でお世話になった人に恩返しするためにも、紅白歌合戦に出たいです。そのためにも、もっと日本語を勉強します（笑）。それに、いつか私の母国であるマレーシアでも歌いたいし、アジアツアーもやりたいです！

【取材・文：永堀 アツオ】