04 Limited Sazabys がメジャー2ndシングル「AIM」をドロップ

04 Limited Sazabys | 2016.05.27

 彼らが主催するロックフェス「YON FES 2016」を地元名古屋で成功させるなど、ますますシーンをリードする注目のバンド04 Limited Sazabys。彼らのメジャー2ndシングルが編集部に届き、早速インタビューを申し込んで話を聞いてみた。これまでコツコツと実績を積み上げて今がある事もよく分かったし、そして今まで以上に、彼らの動向から目が離せない。

EMTG:「AIM」はメジャー2枚目のシングルになるわけだけど。すごく勢いのある1枚になったね。
GEN:そうですね。去年の10月に「TOY」っていうシングルをリリースしたんですけど、「TOY」のときに、初めてメジャーというシーンで音源を出すということを、自分たち自身がすごく意識しすぎたところがあったんです。意識するあまりに、自分たちであんまり方向性が定まらなかったんですけど、今回はそこを意識せず、昔の感覚に戻って制作出来たかなって思ってます。前作の「TOY」は、歌をしっかりと聴かせる楽曲だったので、その分、今回は強い感じの曲にしようという話合いはしましたね。
EMTG:じゃあ、今作は04 Limited Sazabysの原点に近い感じってことでもあるんだね。
KOUHEI:そうですね。すごく原点に近い、1番04 Limited Sazabysらしい曲たちになったなって思いますね。
GEN:「TOY」はメジャーとしては一発目のシングルだったからね。僕らずっとライヴハウスで活動してきたこともあって、1番ライヴ感ってものを大事にしてきたんですよ。でも、広いところで音楽を届けていくとなると、勢いだけじゃダメなところってあると思うし。そんなところを意識しての制作だった気がしますね、「TOY」は。
KOUHEI:具体的に言うと、ツービートを避けたってとこかな。いままでの自分たちを越えられなかったんで。まぁ、越えられなかったってところが理由だったわけじゃなく、“こういう面も見せれるんだぞ!”っていうところを、強く魅せたかったというか。
GEN:うん、そうだね。違った自分たちも見せたかったっていうか。ツービートだけじゃなく、こういう正当派な、純粋にいい曲ってのも出来るんですよ、みたいな、ちょっと背伸びしたというか。そんなところを見せたかったというかね。
EMTG:なるほどね。それって自分たちの中の意識だったりするよね。きっと、ここまで多くの支持を受けている04 Limited Sazabysは、聴き手からしたら、決してツービートだけのバンドだとは思っていないだろうし、それしか出来ないなんて思ってはいないと思うし、そんな評価ではないけど、メジャーという新たなシーンに向かうために感じた変化でもあったというか。
KOUHEI:うん。本当にそう思いますね。なんか、自分たち的にも変化が欲しかったんだと思うんですよね。メジャーっていうタイミングだったからこそ、なんか変化が欲しかったというか。だから、今度は「TOY」だけで04 Limited Sazabysを判断して欲しくないってところで、本来の04 Limited Sazabysをおもいっきり出した曲を作ったっていう感じですね。
GEN:そうだね、そういうのは少なからずあったかも。それに、「TOY」は秋にリリースされるシングルでもあったから、秋の夜長に聴いてもらいたいなっていう思いもあったんで、歌が響く楽曲に仕上げたんです。でも、今回はリリースが6月ってこともあって、ここからどんどん暑くなる季節なんで、この時期にピッタリの作品に出来たらいいなと思ったんです。
HIROKAZ:リード曲の「climb」はまさにそういう雰囲気を持った1曲ですね。サウンドをいかにシンプルにするかってとこを意識して作りましたからね。もっと作り込もうと思ったら作り込めたんですけど、みんなで話し合いながら、削ぎ落してこのサウンド感を作り出したんです。
RYU-TA:「climb」は演奏してても、原点回帰だなって感じがしますね。「TOY」という作品があったからこそ、もともと自分たちがやってきたメロディックシーンの底力を改めて見つめ直せた感じがします。
EMTG:そうだね。前作は敢えてツービートを避けての作品作りだったって言ってたけど、今作はやり続けてきたからこそのツービートの重みを感じたから。今ってどのバンドもすごく1曲が長くて、中には4分越えしてたりするけど、04 Limited Sazabysは全曲短めでしょ。「climb」なんて3分切ってるし。一気に駆け抜けるサウンドの力強さを感じたというか。
KOUHEI:そうなんですよ。僕ら4分越えする曲は1曲も無いですからね。
GEN:そう。基本3分が目安なんで(笑)。そこは意識してるとこでもありますからね。サウンドの中で4人の音がしっかりと聴こえてるっていう、そういうとこを目指しているんです。1つ1つの楽器の音を分解して聴けるのが、バンドサウンドの気持ち良さだと僕は思っているので。
EMTG:まさに今シングルが放つ魅力でもあるよね、そこ。
GEN:ですね。あと、スピード感ってのも、毎回すごく意識してるとこでもありますからね。「climb」もすごくテンポとしては速いんですけど、いつものツービートと違うとこは、前のめりじゃなく、ちょっと余裕があるというか、もっと速く走れるけど、90%くらいのところで気持ち良く走ってる感じというか。
KOUHEI:そうだね。そこは言葉の詰め方の問題でもあると思うしね。
GEN:そうだね。それに、いままでやってきたツービートって、泣きの要素があるメロで、感情的だったんですよね。もちろん、今回の「climb」も感情的なんですけど、この曲は、必死で食らいつくエモさというより、もうちょっと軽快なポップさがあるエモさになったなと思いますね。ツービートだけど、ポップな印象の1曲になったなと。
HIROKAZ:そうだね。今回ギターも、この曲に関してはすごくシンプルに表現しましたね。
GEN:最初HIROKAZが持って来てくれたイントロは、もうちょっと複雑でカッコイイ感じだったんだけど、敢えてシンプルにしてもらったりもしたんですよ。
KOUHEI:ギター始めてすぐコピー出来ますよ! って感じのイントロになったよね(笑)。
HIROKAZ:そうそうそう(笑)。
EMTG:ちょっと甘酸っぱさを感じたよ(笑)。一昔前のパンクシーンを彷彿させたというか。
HIROKAZ:たしかに。90年代のメロコアな感じはありますね。音は今の音なんですけどね。
EMTG:そうそう。音自体は変化してるもんね。
GEN:僕の中では、Sum41的なイメージがあったんですよね。
RYU-TA:音もそこまでこだわらずに、シンプルに出した感じでしたね。
EMTG:「climb」の歌詞は夢と信じる力を感じる、リアルなものだよね。
GEN:正直、自分たちがここまでバンドでやってこれるって思ってなかったんですよ。こんなに大勢のみんなの前で演奏できるようになるとか、まったく思ってなかったから、自分たち的にも、想像以上の場所に来れたなっていう。でも、現状に満足したら終っちゃうなって思っているんです。まだまだ上があるんだぞって、常に鼓舞してるし、ここがピークだったらどうしようっていう危機感は常に持っていようと思っているんです。それでこの歌詞を書き始めたんですけど、4月に自分たち主催で地元でやった『YON FES』に出てくれた同期バンドが、いろんな意味で悔しいなって思える感情を残してくれたので、3月の時点で本当に自分が思ってたことを歌詞にしたんです。『YON FES』が終ってから歌詞を書いていたら、また違った歌詞になってたと思うんですけどね。『YON FES』の前だったからこその不安感みたいなものが、リアルに出た歌詞だと思いますね。それくらいリアルな感情ですね、この歌詞は。
EMTG:2曲目の「fog」が出来ていった流れは?
GEN:この曲は種を作ってる段階で、ザックリとしたコードが出来て。いつもだったら、それに対してメロを作ってからHIROKAZに渡してHIROKAZが膨らませていってるんですけど、この曲のときは、HIROKAZが、僕がメロを渡す前にイントロのリードを付けてたんですよ。それがすごくいいフレーズだったんで、それをなんとか活かす曲にしようと思って構築していったんです。なので、サビのフレーズとか、5、6回変わってると思いますね。メロもすごく変わったし。Aメロも録り直前で変わったりしたし。
EMTG:なるほど。個人的に、この曲のイントロは、いきなりギターソロが始まったかのような印象を受けたんだよね。すごく印象的だったというか。
KOUHEI:メロから作ってないからこそ、そういう印象になったのかもしれないですね。先にメロが付いてたらあの雰囲気にはなってなかったのかなって思う。
GEN:そうかも。いつもは僕のメロをなぞった感じで、ギターのフレーズを重ねてくれていってるけど、今回は別個にHIROKAZが考えてくれたフレーズだったから、ギターソロっていう表現は正しいのかなって思いますね。いい意味で別物って感じがしますよね。
HIROKAZ:先に歌っちゃったってことだね(笑)。
RYU-TA:いつもにはない流れだったからこそ生まれた曲だったのかもしれないですね。
EMTG:そうなんだろうね。各楽器がフィーチャーされている音のリレーションが面白い楽曲だなって思った。歌詞に落とし込んだ情景は?
GEN:部屋の中でしたね。6月なんで、部屋の中で失ったものへの想いを実感してる感じを、ちょっと甘美に、色っぽく歌いたいなと思って書いた歌詞ですね。
EMTG:“天使の余韻”とか、ちょっと幻想的な言葉が使われてる歌詞でもあるから、他と少し違う空気感が漂っていたというか。“GENって、こんな一面もあるんだ!?”みたいに意外に思ったというか。まぁ、GENの何を知ってんだ? って話だけど(笑)。
一同:(爆笑)
GEN:あははは。僕の中のロマンティックな部分が出ちゃったかもしれないですね(笑)。
KOUHEI:そうかもね(笑)。今回の4曲の中で1番GENっぽいなって思う歌詞は「cubic」だからね。
HIROKAZ:そうだね、「climb」もすごくGENっぽいけど、「cubic」は昔からずっと歌ってきたGENっぽさが1番出てる歌詞だなって思うね。
KOUHEI:うん。「climb」はGENの性格がすごく出てると思うけど、「cubic」は、GENにしか書けない歌詞だと思う。GENの歌詞って、リアルなんだけど、ちょっと捻くれてるんですよ。絶対にGENじゃなくちゃこういう表現しないよなって感じというかね。「climb」は表に出てるGENで、「cubic」は、俺らにも見せないようなGENの内面なんだと思う。
GEN:たしかに、「cubic」は捻くれてるかもね。ちょっと理解しにくいかなって思うんです。でも、わざと捻くれて書いてるわけじゃないんですけどね。
EMTG:深層心理なのかもね。
GEN:そうなのかもしんないですね。
KOUHEI:逆に、今回でいうと「Give me」みたいな歌詞はいままでになかったんですよ。2年前くらいだったら、絶対に書いてなかった歌詞だと思いますよ。ここまで振り切ったことなかったですからね。本人も、“絶対、こういう歌詞は一生書かない!”って思ってたと思うし、きっと2、3年前にGENがこの歌詞書いてきたら、俺たちも躊躇したと思うからね。
RYU-TA:うんうん、そうかも。
KOUHEI:だよね。なんか、全員が振り切れるようになったのかなって思うんですよね。自分たちがこういう曲や歌詞も出来るっていう自信が付いたからこそ、今、「Give me」みたいな曲も歌詞も出せるようになったんだと思う。僕自身、「Give me」みたいな解りやすいフレーズを使った曲は、昔だったら絶対やるって言わなかったと思うからね。でも、いろんな曲をやってきた今、純粋にこういうストレートなことも出来るようになってきたというか。
GEN:たしかに、昔のKOUHEIだったらやってなかっただろうね。絶対嫌がってと思う。「Give me」のBメロの表現は、僕がやりがちなフレーズだったりするんですけど、昔のKOUHEIだったらすごく嫌がってたとこだったんですよ。でも、今回、KOUHEIからそういうフレーズを付けてきたんで、正直ちょっとびっくりしたんですよね。
KOUHEI:そうそう(笑)。ギター2人は逆にこういうの好きだったりしますからね。
HIROKAZ:そうそう。僕は「Give me」みたいな、パワーポップは好きですからね。むしろすごい得意分野でもありますね。アホっぽさというか、可愛らしさを出せる感じというか、そういうの好きなんですよね。
RYU-TA:HIROKAZはミディアムな曲が得意だったりするからね。
EMTG:GENくんの歌い方も「cubic」と「Give me」じゃだいぶ違うもんね。「Give me」はキュートさをも感じるというか。
GEN:そうですね、敢えて変えてる意識はありますね。「Give me」はちょっと胸キュンというかね。
EMTG:いろんな経験をしてきたからこそ、行き着けた音作りだったことを感じるね。
RYU-TA:たしかに、そうだと思いますね。
GEN:本当に、納得して振り切れるようになったからこそ、自信が付いたからこそ出来るようになったことが多いのかなって思いますね。「cubic」で解りにくい歌詞を書いて振り切ったからこそ、「Give me」では、すべての人に届くような解りやすい歌詞にしようと思いましたからね。「cubic」の歌詞は、状況としては「fog」と同じで室内で、失ったものを感じてるというか、喪失感の先を描いたものですね。「fog」は生活感のある部屋の中なんだけど、「cubic」は、もっと地下なイメージというか。真っ暗で出口がどこだか解らないような場所をイメージして書いたんです。そこと思うと、「Give me」はすごく光を感じる場所ですね。
KOUHEI:「Give me」は恋愛の歌詞だけど、対象をスタッフに置き換えても聴けるなって思っていて。今、自分たちの周りに居てくれる人たちがいい人ばっかだなって思えてるから、だからこそ、嘘なくこの曲が歌えてると思うんですよね。そういう意味ではすごくリアルなのかなって思うんですよね。仲間に対する愛を歌ってる1曲なのかなって思えるというかね。
GEN:そう解釈してくれても、もちろん間違いではないと思う。僕はいっさい結婚とか考えていないんですよ。結婚って、男にとっては、責任を背負うことだと思うんですけど、俺はそこはまったく考えていないけど、バンドという意味では、家族とかスタッフやファンを背負っていると思うんですよ。愛をもらった状態で、その愛をしっかりと受けとめながら、背負いながら進んでいく感じというか。「Give me」にはそんなところを感じてもらえると思います。
EMTG:「cubic」は、スピード感は充分に速いんだけど、ちょっといなたい毒っぽいロックで、「Give me」はかなりポップでキュートな印象の歌詞と楽曲だもんね。
HIROKAZ:「cubic」は音的にもちょっと悪そうな音というか、ダークなイメージで。いままでも使ったことはある音ではあるんだけど、ここまでいききった状態で使うのは初めてでしたね。それと比べて「Give me」はとことん明るいですからね。
RYU-TA:「cubic」は自分の中でも悪い雰囲気を音にしようと意識しましたからね。「cubic」ではところどころで俺の声も使われてるし、2Bは俺が歌ってるとこもあるんですけど、ちょっとアングラなとこを見せられたのかなって思ってますね。メジャーシングルで、こういう一面を見せられたのも、すごく良かったなって思ってますね。
EMTG:そうだね。04 Limited Sazabysというバンドのいろんな一面を見せられた1枚になったよね。ところで。このシングルを引っさげのツアーが6月8日から始まるけど。
GEN:はい。今回のツアーは、初めて2マンするバンドや、僕らが憧れてた先輩バンドとの2マンツアーになるんですけど、ライヴハウスツアーということもあり、共演というよりは、戦いなイメージだなと思っているんです。ある意味戦いというか。本当にみんなすごいバンドばっかなんで、負けないように、死に物狂いで向き合っていきたいなと思ってますね。もちろん勝つつもりで全力で戦いますけど、もしも、戦いに負けたとしても、学ぶことはすごく大きいと思っているので、とにかく必死で戦いたいと思ってます。そして、ファイナルの7月9日の豊洲PITのワンマンライヴでは、その戦いの成果を余すことなくみんなに見てもらえるように頑張りたいと思いますので、是非、遊びに来て下さい!

【取材・文:武市尚子】

tag一覧 アルバム 男性ボーカル 04 Limited Sazabys

ビデオコメント

リリース情報

AIM(初回限定盤)[CD+DVD]

AIM(初回限定盤)[CD+DVD]

2016年06月01日

日本コロムビア

[CD]
1. climb
2. fog
3. cubic
4. Give me

[DVD]
YON FES 2016ライブ映像、ドキュメント映像など収録予定

お知らせ

■ライブ情報

04 Limited Sazabys『AIM tour 2016』
2016/06/08(水) Zepp Nagoya
2016/06/11(土) 広島CLUB QUATTRO
2016/06/17(金) 仙台Rensa
2016/06/19(日) 札幌PENNY LANE24
2016/06/24(金) なんばHatch
2016/06/26(日) 高知キャラバンサライ
2016/07/01(金) 福岡DRUM LOGOS
2016/07/09(土) 豊洲PIT ※ワンマン

※その他のライブ情報、詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。

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