清 竜人２５のニューシングルは甘く危険な大人のサマーラブを歌った「アバンチュールしようよ♡」。近年のアイドルソングとしては珍しく全て生音で録ったというホーンとストリングスが耳に心地よい80’s感満載のシティ・ポップ・ナンバーで、曲に合わせ大人っぽく変身した夫人達のPVも必見。4月に中野サンプラザでの初ホール公演を成功させた２５は7月にリリースを挟んでの東名阪ツアーも慣行。2年目の夏へと突入するグループから清 竜人と第2夫人の桃花、第7夫人の優華に集まってもらい、新曲はもちろんプレミアムBOX限定生産盤にDVD映像が収録される中野サンプラザでのライブやそこで披露されたデュエット曲について話しを伺った。

EMTG：先ずは4月に行われた中野サンプラザでのワンマンについてお聞きしたいのですが、ギリシャ調のセットやバニーガールの演出、夫人とのデュエット以外は２５の最大の魅力であるエンターテイメントなショー部分をしっかりと見せる事に徹したライブだったように感じたのですが。

竜人：いつもと異なった肌感のものにはしたくなかったので普段の延長線上で少しショーとしての側面みたいなものを強めたコンサートに出来ればなって思いながら企画はしましたね。

EMTG：見所の１つだった各夫人とのデュエットコーナーはやってみたい企画だったんですか？

竜人：そうですね。パフォーマンスするプログラムを考える中でいくつか肝になるような場面が作りたかったので、今までやった事のなかった各夫人とカップルでパフォーマンスするっていうのは有りかなって思いました。

EMTG：曲は作る段階から各夫人の事を考えて制作したんですか？

竜人：この曲はこの子ってはなから決めて作りましたね。第一夫人から順にパフォーマンスするっていうのが自分の中にあったので、ライブの流れの中でのダイナミクスみたいな事とメンバーのカラーを融合させてそれぞれの曲を作ったって感じです。

EMTG：なるほど。ではここからは新曲の話しを伺いたいと思います。「アバンチュールしようよ♡」は夏テーマの楽曲ですね。

竜人：リリースが7月に決まっていたので、サマーソングみたいなものが今までなかったしそこは狙いました。あとはひと夏の火遊び的な所も２５のコンセプトに合うのかなって思ったのでそういう歌詞になりました。

EMTG：シティポップス風な曲調に２５っぽい掛け合いが入っていますがアレンジャーは？

竜人：これ僕がやっているんですよ。２５に関しては自分でやらないって決めていたんですけど、今回は曲を作ってみてこれに合ういいアレンジャーっていうのがパッと浮かばなくて自分でやっちゃった方が早いなと思ったので。1stアルバムを出してから音楽的にももうちょっと面白い事が２５で出来たらいいなって思い始めていた時期でもあったのでブラスやストリングス含めオケは全部生楽器なんです。そういう風に豪勢な音なのでアイドルポップスとして一つの終着点みたいなのも示せたらいいなってことで制作しました。男性ボーカル1人と複数の女性コーラスっていう構図の２５っていうプロジェクトで色んなジャンルの音楽をやってきましたけど、振り返ってみると今回みたいなAOR感があるものはなかったのでやるべき音楽をやっていなかったなと。

EMTG：AORという言葉が出ましたが、歌詞にもConvertibleとかTransistor Glamourというワードが使われています。そういう時代感も意識した？

竜人：そうですね。時代感はちょっと出そうかなと思いつつ、でもやり過ぎるとくどくなるのでそこは考えながらって感じで歌詞は作りました。

桃花：私は先ずアバンチュールって言葉がわからなかったんですよ。レコーディングの時は自分のパートしか覚えていかなかったので。夏の曲っていうのは衣装でわかったんです(笑)。でもPVとか撮影して「あぁ大人っぽい曲なんだな」って思って、私は大人っぽいって全然言われないのでそういうのが出せるのか不安だったんですけど髪色を茶色に変えたら大人っぽくなったって言われたので「よしっ！」って(笑)。

優華：この曲をレコーディングした時に「高飛車ないい女風に歌って」みたいに言われて、それってどんなんだろう？って考えながら歌ったのでちょっと新しい感じでしたね(笑)。

EMTG：もう1曲の「Coupling♡」と続けて聴くと昼と夜の組み合わせで夏の1日がパッケージングされているなとも思いました。

竜人：はい。そこはちょっと意識しましたね。

優華：「Coupling♡」は曲調も歌詞も可愛いので私は凄く好きな曲ですね。

EMTG：ロマンチックな曲でみなさんの歌い方もいつもより優しい感じがしますね。

竜人：楽曲にもよるんですけどアイドルのボーカルっていうのを音楽的に考えた時に、ハイトーンでそこに感情をのせて頑張って歌っている耳が痛い感じのものが多いなって最近思っていて。それはもちろんいい所でもあるんだけど、音楽的に言うと良くない所でもあったりするなと感じているんですよ。だから口先だけで歌うような歌い方のほうがもしかしたら音楽的に聴こえるんじゃないかなと思って。ちょっとずつ歌い方を変えさせていて、あんまり腹から声をださないようにしていたりするんです。

桃花：私は歌詞をもらった時に竜人くんぽい曲だなって思いました。なんか“もっとして”とかそういう歌詞が竜人くんは多いんですよ(笑)。

竜人：これは俺も書き終わった時に何か失ったなって思った(笑)。なんか自分から出てくる言葉が最近目を疑うような言葉になって来ていて。

全員：爆笑。

EMTG：それはもう完璧に２５の清 竜人になっているって事なんじゃないですか。

竜人：ミイラ取りがミイラになるみたいな。なんか2年もやっているとどっかがおかしくなっちゃっているみたいで。ソロと両立してやっていたらもうちょっと上手く出来るんでしょうけどね。

【取材・文：山村哲也】
【Styling：佐野夏水】
【Hair&Make-up：松永香織】