SNS世代の“女心の代弁者”、MACOの2ndフルアルバム『love letter』

MACO | 2016.09.30

 YouTubeの総再生回数7,000万回突破を誇り、YouTube「好きなことで、生きていく」キャンペーンにも抜擢されたMACO。昨年11月に発表した1stアルバム『FIRST KISS』は、iTunesやレコチョクで総合1位を獲得するほどのヒットとなった。SNS世代の“女心の代弁者”的ポジションをつかんだ感のある彼女のラブソングが、特に10代や20代のカップルからの支持が高いのは、その音楽の中心に「恋ってなんだろう?愛ってなんだろう?人を好きになるとはどういうことだろう?」という問いかけがあるから。それは、前作から約1年ぶりとなるニューアルバム『love letter』でも変わらない。よりポップさの増した音楽の中で展開される、少しだけ苦味を増したラブストーリー。アルバム1枚を通して聴き終えた頃には、大切な誰かに向けて手紙を書きたくなってしまうような物語となっている。

EMTG:前作を経て、2ndアルバムはどんな作品にしようと考えてましたか?
MACO:ちょっと迷った時期もあったんですけど、はっきりと自分が表したい色やコンセプトが降りてきた日があって。今年の6月くらいでしょうか、自分が書いている歌詞が、好きな人に書いているラブレターや自分の日々の日記のようだなと感じたことがあったんですね。そこから色やテーマ、全体の流れも決まって。1stフルアルバム『FIRST KISS』の時にはなかった感覚だったので、すごく不思議な気持ちでした。
EMTG:本作はコンセプチュアルな構成になっているんですね。
MACO:はい。「love letter」から始まり、「手紙」で終わるという、感情+文字っていうところに着目したストーリーになってます。幸せで楽しいことだけじゃなく、失恋という切なさだけでもない、陰の部分も見られる一人の女の子の物語になってるかな、と思いますね。ただ、一人の女の子と言っても、自分の中にはたくさんのキャラクターがいるなと思っていて。しかも、今回は実体験や妄想だけじゃなく、「恋人同士」のように駅の改札口で見たカップルを題材にした曲もあるので、1つのストーリー仕立てではあるけど、いろんな色を表現できたな思っています。
EMTG:先ほどから出てきている“表したい色”というのは?
MACO:赤と青ですね。赤は、恋があるから生きていけると言っても過言ではない女の子の像。あと、恋愛している時の自分のモチベーションや血の色も表しています。私自身、朝がちょっと弱いんですけど、恋をしている時は頑張れるし、いつも貧血っぽい自分の血が濃くなってるように感じるんですよね(笑)。そんな自分を冷静に見ているのが裏の青いMACO。CDを買っていただいた方には、ブックレットを見ていただけると、衣装も含め、赤と青で分けているのでわかりやすいと思います。
EMTG:(ブックレットをめくりながら)本当だ!! これは、気付きませんでした。「love leter」から始まる最初の3曲は赤なんですね。
MACO:1曲目の「love letter」は恋に恋してる女の子というか、楽しくて仕方がない感じですね。ただ、全体を通すと、不器用で臆病な女の子なので、まだ素直な気持ちを伝えられてないもどかしさを感じていて。その人のことを考えるだけでいろいろ頑張れちゃうし、愛の証のようなブレスレットをもらったりもしているけど、たとえお互いに好き同士でも、絶対に全部を見せることって難しいと思うんですよ。親しき中にも礼儀ありだし、いつでも可愛くいたいから、ちょっと強がっていつもの自分よりワンランク上に見せたりしてしまう。そういう初々しい感じですね。好きな人への心の中で書いている言えない思い=「love letter」というイメージですね。それも結構、かわいいラブレター。まだ自分の陰、本音に気づいてないくらい舞い上がってる時のラブレターなんだなって思います
EMTG:青を象徴する曲をあげるとすると?
MACO:前半でいうと「あなたの彼女」ですね。彼女がいる人を好きになっちゃった女の子。自分の本当の気持ちを言ったら終わってしまうような関係で、相手もそんな女の子の気持ちを知りながら、二人の関係を保っていたし、自分もそれに乗っかっていたっていう。女の子だったら、よくあるのかなーって思います。でも、最後の大サビで<あなたの彼女でいたかったな>っていうネガな感じが出てくるっていう。あと、「日記」も青ですね。サビでは両極端なことを言っていて。
EMTG:あなたの何気ない一言で楽しくもなるし、辛くもなるって歌ってます。
MACO:好きで好きで仕方ないんですよね。だから、すごく平気な風に見せていても、その人の一言でぽきっと折れちゃうこともあって。そういう弱音を吐けなかったから書いた歌かなと思ってます。「love letter」や「人間活動の80%」でも歌ってるように、1日のテンションがあなたで決まるくらい、自分の世界はその人で満ちてるし、保ってる。だから、こういう気持ちに気づいてほしいなっていう、ちょっと独りよがりな1曲ですね。
EMTG:ラブレターが心の中にあるまだ言えない思いだとすると、日記というのは?
MACO:誰にも見せない本音ですかね。私は日記はつけてないんですけど、携帯に書いてる歌詞のメモ自体がまるで日記のようだなって思って。すぐに指で打てるので、思ってることをより過剰に、こんなに辛いんだっていうことを書いてることもあって。日時も残るので、後で読み返すと夜中が多いんだなとか、なんでこんな文章を書いてたんだろうとか、自分で見ていて思います(笑)。私にとっては、大切な日々の中で忘れたくないことを歌詞にしている、その歌詞のメモこそが、本音をさらけ出す日記なのかなって思ってますね。
EMTG:赤い「love letter」、青い「日記」などを経て、最後の「手紙」は何色になりますか?
MACO:赤とか青とかというよりも、まっさらな白っていうイメージですね。自分に降りてきたまま素直に書けたなと思っていて。私はこれまで、好きな人に手紙を書きたいと思ったことはなかったんですね。でも、ある日、メールやラインだけじゃもったいないというか、悔しいなと思ったことがあって。アカウントを変えたら消えちゃうものじゃないですか。それがすごく虚しいなと思ったんですね。ありがとうっていう感謝の気持ちだったり、本当はあの時こう思ってたんだよっていうのを、メールじゃなくて手紙にしたいって思ったのが、25歳になってこのアルバムを作っている時だったんです。そう思ったのが制作の序盤だったので、絶対に最後の曲は「手紙」にして、自分が今持っている、あったかい想いをそのまま曲にしようと思ったし、良いことも悪いことも教えてくれた好きな人に対する無償の愛を歌えたかなと思っています。
EMTG:心がほっこりする「充電」からの流れもいいんですよね。もう1曲、「family」だけ恋愛とは離れたところにある曲かなと思ったんですが。
MACO:そうですね。これは、MACOfam(MACOファンの愛称)に対して、私がいつも思っていることを最初から最後まで歌ってます。初めて聴くリスナーの方は、<お揃いのカッコしてくれてありがとう>ってなんじゃ?って思うかもしれないですけど(笑)、<最高なファミリー>というサビで、ファンのことを歌ってるんだなって気づいていただけるかなと思ってます。あと、アルバムを通して、「MACOちゃんはしっとりした曲だけじゃなく、ポップで楽しい曲も歌えるんだな」って感じてもらえたらいいなと思っています。
EMTG:ライブで一緒に歌って騒げる曲になってますよね。
MACO:そうですね。ライブでみんながクラップしている光景を想像しながら書いちゃいました。今回、失恋ソングだけど、気持ち良く聞ける「7月7日の今夜」のように、みんなが求めているものと若干違う方向から書いた曲や、ちょっと大人っぽい雰囲気の曲もあるので、少し不安もあるんですけど、新しいMACOを見せてこその2ndアルバムかなと思ったので、たくさん挑戦したし、25歳になったMACOが持っている色を存分に発揮できた1枚になったなって思っています。
EMTG:10月からは今年2回目となる全国ツアーの開催も結成しています。
MACO:1stツアーの時よりもメリハリのあるライブになりそうだなって思っています。自分で考えた『love letter』の流れ、このトラックリストを壊さないように、一本のストーリーとしてライブしていきたいなと思ってますね。

【取材・文:永堀 アツオ】

tag一覧 シングル MACO 女性ボーカル

リリース情報

love letter

love letter

2016年09月21日

ユニバーサル ミュージック

01. love letter
02. 人間活動の80%
03. 恋人同士
04. あなたの彼女
05 .7月7日の今夜
06. 夢見る私を笑わないで
07. 恋心
08. family
09. 日記
10. under the rose
11. 充電
12. 手紙

DVD:スペシャルスタジオライブ映像他収録予定

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お知らせ

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■ライブ情報

FIRST KISS TOUR 2016
2016/10/10(月・祝) Zepp DiverCity(東京)
2016/10/15(土) りゅーとぴあ 新潟市民芸術文化会館(新潟)
2016/10/22(土) BLUE LIVE HIROSHIMA(広島)
2016/10/30(日) Zepp Sapporo(北海道)
2016/11/03(木・祝) 仙台 PIT(宮城)
2016/11/13(日) Zepp Namba(大阪)
2016/11/23(水・祝) 愛知芸術文化センター 大ホール(愛知)
2016/12/03(土) 北九州芸術劇場 大ホール(福岡)

※その他のライブ情報・詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。

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