ファンキー加藤が7thシングル「走れ 走れ」をリリース
ファンキー加藤 | 2016.10.12
11月2日には2ndアルバム『Decoration Tracks』(通称:デコトラ)のリリースも発表されているファンキー加藤。そのおよそ1か月前という時期にリリースとなる7枚目のシングル「走れ 走れ」のインタビューを敢行、ライブやフェス、作品の事、ミュージックビデオの事、ファンキー加藤の過去と現在、そして未来をじっくり語ってもらった。
- EMTG:「ブラザー」以来のシングルになりますが、その間には夏フェス出演もありつつも、楽曲制作にも多くの時間を取っていたとのこと。以前は制作にあたってスランプになることもありました。最近はいかがですか?
- ファンキー加藤(以下、加藤):最近はもう、スランプになったりドツボにハマったりということはないですね。「走れ 走れ」では少しだけ右往左往しましたが、それ以外、今作っているアルバム曲は、全然、煮詰まることもなく制作出来ましたね。
- EMTG:そのニューシングル「走れ 走れ」ですがデビュー10周年のアニバーサリーイヤーを締め括るシングルでもあります。振り返るとこの10年についてどんなことを思いますか?
- 加藤:僕は単純に、デビュー当時の、本当に夢に見ていた、いわゆる音楽業界というシーンに飛び込んでいく瞬間の高揚感とか不安だったりが蘇るんです。当時26歳という年齢でしたし、僕にとっては人生の中で、こういう世界に向かって挑戦できる最後のチャンスという覚悟でいたので。それでも何か新しいものが始まるというワクワクと、不安とが入り混じっていたそんな感覚を思い出したんですね。それが10年前で、そんな時の自分と今の自分とでエールを送り合う、をテーマにしようかな、というのはありましたね。
- EMTG:10年を振り返ってもらったら、初期の、全国のショッピングモールを廻ってインストアライブしていた頃が蘇るのかとも思ったけど。自分たちを知らない人たちの足をどう止めるか、と頭を悩ませていた頃のこととか苦労とか。そういうのではないんですね。
- 加藤:あの時はもう、転がり始めていたんですよね。本当にその流れとか風の中で、ええい、ままよ!と転がり続けている。その時はガムシャラだし必死ではあったんですけど、僕が思い出すのはその前のことなんですよね。始まる瞬間。もっと言ってしまえば「そのまんま東へ」のデビューシングルが初めて地元・八王子のタワーレコードに並んで、柱の陰からそれをモン吉とケミカルと3人で見ていたその瞬間ですよね。“始まったね”って。地元・八王子では新人アーティストなのに結構大きく取り上げてもらったんですよ。それが本当に嬉しくて。不安だったし、でも嬉しかったし。そんな気持ちだったことが一番蘇るんですよ。
- EMTG:今、このタイミングで。10年前の自分と向き合えたことで、どんな気持ちになりましたか?
- 加藤:いい時間でした。10周年ですから。11年目、15年目、と重ねていくと、そんな風に後ろばかり振り向いていられなくなると思うので。今年の1月に出たファンモンのベストアルバムで10年前のライブの映像がついていたんですけど、それで当時の自分のライブを見ていると、本当に凄いなと思って。失うものは何もない、というライブで、一つでも何かを掴み取ろうとしている姿は、ショックを受けるくらいにカッコいいなって思って。すごく大切にしている想いはあるけれど、何か忘れかけていたものがあった。それがガムシャラさなのか、ひたむきさなのかはわからないですが、そういうものがあったな、と。当時の映像を見ていて反省するものが多かったですね。
- EMTG:失うものがない強さというのはありますよね。若い頃特有の。
- 加藤:ありますよね。火事場の馬鹿力なのか何なのか。一度コケたら次はない、という想い。いつからか次のステージ、次のリリースというものを用意して頂けるのが日常になってきていましたが、当時はそうではなかった。このライブ1回コケたらもうおしまいだ、というのがあったと思うし、CDをリリースしても最初の頃は思ったようなセールスにならなくて、次のリリースで結果を出さなければという感覚もあったし、ヒリヒリしていましたよね。
- EMTG:それが10年前のご自身に感じるガムシャラなんでしょうね。
- 加藤:そうですね。だからどれだけ恵まれた環境でやってるんだ馬鹿野郎って、あのライブ映像で尻を蹴られましたね。
- EMTG:だからこそこの「走れ 走れ」から11年目を走っていく、という気持ちの表明でもあるわけですね。このシングルが。アルバム先行の1曲ではなく、シングルとして。
- 加藤:そうです。ツアーも始まりますけど、本当に、歌詞にあるように、もう一度踏ん張っていかないといけないって思いましたね。
- EMTG:歌っていて如何ですか?
- 加藤:泣きそうになる。レコーディングもそうなんですけど、MVの撮影でまた。バイクに乗ってるシーンの時に歌っていて、当時のことを思い出して何度も涙が込み上げてきましたね。自分で書いておきながらグッと来ます。レコーディングでは苦労したんですよ。それは泣く、というのではなく、つい握りこぶしをグッと作って歌ってしまうんですよね。この曲は外へ発信するのとはまた違うんですよね。内側に向けて対話しながら歌うから、拳を握ってしまうと外へ放ってしまう。そこはプロデューサーのNAOKI-Tさんからも、もうちょっとリラックスして歌ってくださいって言われますよね。
- EMTG:まさに今のファンキー加藤の歌になりましたね。
- 加藤:そうですね。本当に。
- EMTG:そしてカップリングの1曲目は「カラフル」です。こちらはどのように作っていったんでしょうか。
- 加藤:ちょっとキラキラしたハッピーな楽曲で、ライブで一体感を呼べるような楽曲が欲しいなぁ、と思って。僕がいつも作る、シングルのタイトル曲と対比になる、対になるような一曲ということで作りました。僕が自分自身に言い聞かせたり、後輩とかから相談を受けると言う言葉が、“無色な日々よりも色々なことがあった方がカラフルでいいじゃないか”ということなんです。それを曲にしたいな、具現化したいな、と思って作ったのがこの曲ですね。悩んだり悔しい想いをした方が生きている実感があるじゃないですか。この曲に関しては、トラックもメッセージも、こういうものを作ろう、というのが見えてました。タイトルも最初から「カラフル」と決めていましたし。歌詞を書いていても、“赤っ恥 青色吐息 黄昏刻”っていう言葉が出てカラフルが表現できたことで、すごくいいスピードで書けました。
- EMTG:2曲目のカップリングには「急性ラブコール中毒 Part.2」。シングルではお馴染みの、お楽しみソングですね。ただ…ジャッキー サモハン ユンピョウがわかるのは我々以降の世代では厳しいのでは…。
- 加藤:そうなんですよ!みんな、知らない(笑)。お楽しみソングですから、スタジオでプロデューサーの田中隼人と踊りながら作ってましたね。タイアップで制限がある中で作って良い曲を完成させる充実感というのはもちろんありますが、何も決まっていないまっさらな状態で、好きに作っていいよと言われて、ウヒョウヒョ言いながら作るのもまた楽しいんですよね。(笑)この曲は元々は僕のソロデビューシングル「My VOICE」のカップリング用だったんですが、ゴリゴリのEDMだし、それをソロデビュータイミングでは出せないな、とお蔵入りしたんです。「急性ラブコール中毒 Part.3」がリリースされたし、この曲も完成させよう、ということで手を加えて制作したんですが、本当に楽しかったです。歌詞も楽しかった。最初に韻を踏んでから言葉を作っていって。一生懸命楽しんで作りました。
- EMTG:そんなシングルが完成すると楽しみになるのがこの先に待つアルバムです。
- 加藤:今回シングルが「そのまんま東へ」のプロデューサーだったNAOKI-Tさん、そして、soundbreakersさん、田中隼人、とファンモン時代から支えてくれる3人のプロデューサーと一緒に作って10周年を締め括ったので、11年目に踏み出したアルバム、ということになるんですが、深く考えず、その瞬間瞬間に作っていたものを集めていく、僕の10年の足跡という音楽になっているかな、と思います。久しぶりに16小節×2のラップを作ったし、一方でフォーキーな曲もある。ファンキー加藤らしい、ファンキー加藤にしか作れないアルバムになりそうです。「走れ 走れ」を作ったことで思い出したことも沢山ありましたし、結局、一歩を踏み出して前に進むしかない。そういう気持ちです。
- EMTG:アルバムが出たらすぐにツアーですね。
- 加藤:夏フェスで再認識したんですが、ステージ上の自分が好きだな、と。それを全国のみなさんに見てもらえるなと思うんです。だから楽しみですね。前回のツアーで自分が自信を持って“ファンキー加藤です”と言えるようになったので、みなさんに会えるのが楽しみです。ブチかまします。期待していてください。
【取材・文:えびさわなち】
リリース情報
走れ 走れ≪初回限定盤≫
2016年10月19日
ドリーミュージック
M1. 走れ 走れ
M2. カラフル
M3. 急性ラブコール中毒 Part.2
【DVD収録内容】
・VIDEO CLIP
・漢への道 番外編 〜修行編〜
M2. カラフル
M3. 急性ラブコール中毒 Part.2
【DVD収録内容】
・VIDEO CLIP
・漢への道 番外編 〜修行編〜
お知らせ
■コメント動画
■ライブ情報
HALFWAY STAR TOUR
2016/11/12(土) ハーモニーホール座間
2016/11/17(木) 神奈川県民ホール
2016/11/25(金) 市川市文化会館 大ホール
2016/11/29(火) 静岡市民文化会館大ホール
2016/12/01(木) 神戸国際会館こくさいホール
2016/12/06(火) 郡山市民文化センター 大ホール
2016/12/09(金) 滋賀びわ湖ホール
2016/12/11(日) 福井フェニックスプラザ
2016/12/17(土) iichikoグランシアタ
2017/01/12(木) 大宮ソニックシティ 大ホール
2017/01/22(日) レクザムホール(香川県県民ホール)大ホール
2017/01/29(日) 倉敷市民会館
2017/02/04(土) 福岡サンパレス
2017/02/06(月) 大阪フェスティバルホール
2017/02/12(日) 新潟県民会館
2017/02/18(土) 仙台サンプラザホール
2017/02/19(日) 盛岡市民文化ホール 大ホール
2017/02/25(土) 名古屋国際会議場センチュリーホール
2017/03/11(土) わくわくホリデーホール(札幌市民ホール)
※その他のライブ情報・詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。
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