大切な人を想う気持ちを真っ直ぐに歌った珠玉のバラード「ギフト」でバンドとしての新たな魅力を打ち出したBRADIOが、今年2枚目となるシングルをリリースする。タイトルは「Back To The Funk」。原点へ回帰するだけでなく、さらなる高みを目指して前進し続けている彼らだからこそ打ち出すことができた、濃厚かつフレッシュなファンクミュージックだ。4人のセンスとエンターテナーっぷりが炸裂したMVも併せてチェックしてみてほしい。

EMTG：今回の新曲、タイトルがすべてを語ってくれてますよね。

大山聡一（Gt）：「Back To The Funk」！

酒井亮輔（Ba）：以上！みたいな（笑）。

田邊有希（Dr）：たしかに（笑）。

真行寺貴秋（Vo）：でもそれくらいの気持ちよさはありますよね。

大山：僕ら的には別に狙ってたわけではなく、今年の夏以降、この先の作品も見据えてがっつり曲出ししていた中から浮かび上がってきたものなんです。

真行寺：今までの曲作りって、凝り固まったり煮詰めたりすることが多かったんですけど、この曲に関しては元ネタをもらって数分で出来たんですよね。勢いでドーン！とやったら、だいたい出来ちゃったみたいな。歌詞もほぼ仮歌詞のまま。力が入りすぎていない、一番いい理想の曲作りが出来た気がしてます。

田邊：今回は僕たちが思う「かっこよさ」を、そのまま素直に表現すればいいんじゃないかと思ったんですよね。結果的には、それがよかったのかなと。

EMTG：サウンド的には、ベースがかなり効いてます。

酒井：レコーディングした時点で僕はかなり満足してたんですけど、MIXの段階で聡一が「もっとベースが欲しい！もっと！」って言い出して（笑）。BRADIO史上、一番ベースが前に出てるんじゃないですかね。でも、いわゆるああいう時代ってベースがバカでかかったりする音楽あるじゃないですか。歌とか喰っちゃってるみたいな（笑）。そういう角度からも、この曲のムードみたいなのを作れてるのかなとは思いますね。

EMTG：時代感的には80’sで？

大山：最初に音を立ち上げた時は、特にディスコとか80’sファンクの曲を作ろうみたいなテンションではなかったんですよ。でも、その時期たまたま自分の中でベースブームが来てて、(酒井に)結構いいやつを借りて弾いてたらこの曲のアタマのバキッとしたベースのフレーズが出てきて。これ最高じゃん！ってひとりでテンション上がっちゃったのもあって、こういうディスコな感じになっていった気がします。で、仮オケで適当に歌乗せてもらった時に、(真行寺がそもそも好きな)80’sの匂いが急に入ってきて、これはもう行ったれ！と。

真行寺：僕はもう、何をどうしようとか、こんな感じでいこうとかすら考えてなかったですけどね。メロディーがすぐ出来ちゃって、歌詞もパパパッて出来ちゃったから、何も語れることがない（笑）。

EMTG：さすがですね（笑）！

大山：（笑）。でも、バンド的には1回迷ったんですよ。ある程度形になってたんだけど、もうちょいあるんじゃないかと。現代的なアプローチがね。メロを変えてみたり、キャッチーな方向を探したりしてたらどんどんダメになっちゃって、ここに帰ってきたんです。

田邊：結局ね。

大山：ファンクミュージックって、力むとダメなんですよね。(真行寺の)歌詞もそうだし、ギターのカッティングとかもそうだけど、気合いが入ると根本的にグルーヴしなくなる。

酒井：そうそう。

大山：前作(「ギフト」)の時は本当に考えたんですよ。オケも歌詞もメロディーも考えに考え抜いてたどり着いた楽曲。ああいう良さもすごくあるんだけど、今回はその反動っていうか（笑）。よりリラックスしてる感じが、サウンドと歌からも表現出来てると思います。

EMTG：MVも最高でしたね。コーラスの女性たちの佇まいがナイスです。

真行寺：あの野生的な感じがいいんですよね。すごくブラックミュージックを感じさせる。

大山：あんなカメラ目線ありますか!?ってくらい、コーラス隊がカメラ目線（笑）。めちゃくちゃ80’sですよね。実際、あの中のひとりがレコーディングでもコーラスをしてくれてるんですよ。プリプロでは貴秋が歌ってたんですけど、「なんか、ねぇ？」みたいな話になって。

真行寺：結構自由にやってもらいました。彼女のニュアンスを取り入れて、僕がそれに合わせるみたいなところもあったりして。また新しい感じが生まれましたね。ライブでやるのがすごい楽しみです。

EMTG：カップリングの「夢見るEnergy」もすごくライヴ感がある1曲ですよね。

大山：そうですね。結構ロック色が強い仕上がりなんで、盛り上がりそうだなと。

真行寺：歌詞は、こんちくしょう！とか、妬みとかそういうものが、自分の実現したい未来を邪魔してるみたいなジレンマを書いてみました。制作のイメージとして持ってた”等身大”は書けたのかなと。BRADIO史上、自分の中では一番気に入ってる歌詞かもしれないです。

酒井：曲はかなり前のを掘り起こしたんだよね。1年以上前？

大山：だね。カップリングはいつも表題とのバランスとかあまり考えず自由に決めてるんで、勢いのあるやつを持ってきてみました。

EMTG：シングルのリリース日からツアーも始まりますが、今回は「ファンカジスタツアー2016～PUMP UP FUNK編～」というタイトルが付いてますね。

大山：サブタイトルは、いつもやってくれてる音響の人が「パワーを注入したいよね」みたいなことを言い出して。今回すごいファンキーな新曲を出すわけだし、カップリングでも”エネルギー”って言ってる。これはもうPUMP UP（※気合を入れること）したい！みたいなパッションで決めた気がします（笑）。

酒井：なんだかんだふざけてる中で決まったりもするんですけど、結構そこにヒントがあったりするんですよね。

大山：7カ所でやった前回の「ファンカジスタツアー2016～レインボービッグバン編～」は俺らとオーディエンスが一緒に作る景色っていうのを強調出来たツアーだったので、今回ここでPUMP UPして、マッスルになったものをドーン！と来年に持っていこうかなと。

真行寺：そう！

田邊：今年培ってきたものをしっかり表現して、来年への光が見えるようなツアーにしたい。新たなチャレンジをしつつ、最高のエンターテイメントを追求出来たらと思ってます。

【取材・文：山田邦子】