Shout it Out 連載第2回ゲスト:Aqua Timez<前編>

Shout it Out | 2016.11.16

【連載内容】
Shout it OutのVo.&Gt.山内彰馬とDr.細川千弘が「今、本気で語り合いたい先輩バンド」をゲストに招き、 “音楽”についてじっくりと話をする対談企画。

第2回目のゲストは、Aqua TimezVo.太志さんDr.TASSHIさん

小学生の時に初めて買ったCDが2人揃って彼らの作品だというほど、Shout it Outにとっては“スター”的存在であるAqua Timez。

今回は、唯一無二の詞曲センスと圧倒的存在感を持つ太志さんと、Dr.細川千弘がドラムを始めるきっかけとなった憧れの存在であるTASSHIさんを迎え、 「生まれて初めて買ったCD」「幅広い年代のファンに支持される秘訣」「音楽を生業にするということ」という3つのテーマについて、熱い会話を繰り広げていただきました。

<前編>となる今回は、「生まれて初めて買ったCD」「幅広い年代のファンに支持される秘訣」についてをお届けします。

今回も憧れの2人を前に、ガッチガチに緊張したShout it Outをお楽しみください!

Shout it Out連載




テーマ①「生まれて初めて買ったCD」

千弘:まず最初に、「生まれて初めて買ったCD」についてお聞きしたいんですけど、僕ら2人ともAqua TimezのCDが初めて買ったCDだったんですよ!
TASSHI:それは嬉しいね!
太志:それって何歳のとき?
千弘:小学校4年生のときですね。「決意の朝に」ってブレイブストーリーの主題歌だったじゃないですか?CMでパッと流れてきて、「この歌めっちゃかっこいいな」と思って、初めて曲に恋してしまって。それでお年玉貯めてシングルを買って、そこから次のアルバム『風をあつめて』も買って。
太志:あれ、売れたよね(笑)
一同:(爆笑)
彰馬:僕が初めて買ったCDは「千の夜をこえて」で。実はCDより着うたの方が早くて、初めて買った着うたもAqua Timezの「等身大のラブソング」(デビューミニアルバム『空いっぱいに奏でる祈り』収録)だったんです。お母さんの携帯から曲が流れてきて、その時、ポップスばっかりでバンドとか全然聞いてなかったので、「なんじゃこの曲は?!」ってなって。
太志:俺が一番最初に買ったCDはZOOの「Choo Choo TRAIN」だったんだけど、俺、絶対ZOOにはならないじゃん?(笑)ならないってわかってても、昔からいろんな曲を聞いたりしてたからね。AIR JAM世代だから、BRAHMANのライブに行ったり、BACK DROP BOMBのコピーもしてたし。
千弘:それっていくつくらいのときですか?
太志:大学のときかな?
彰馬:ギャップが凄いですね!
TASSHI:そうだね、『空いっぱいに奏でる祈り』ってミニアルバムは結構ミクスチャーな曲が多く入ってて、太志のルーツが見えたりもして。最初は結構そういう音楽でAqua Timezはスタートしたんだよね。
千弘:TASSHIさんが初めて買ったCDは何だったんですか?
TASSHI:俺はね、B’zの『FRIENDS』っていうミニアルバムですね。俺らが小学生のとき、クラスみんなB‘z聞いてたよね?
太志:そうだね、B’z聞かないとダサいみたいなね。で、中学になると「え、ボンジョビ知らないの?」「エアロスミスまだ聞いてないの?」って洋楽の流れもちょっと入って来たりしてね。
千弘:僕、お母さんがB’zの追っかけやってて(笑)
太志:えーーー!!すげぇ!
TASSHI:なんか俺らの話、全部2人のお母さんと被るね(笑)それくらいジェネレーションギャップがあるんだね…
千弘:TASSHIさんたちでいう当時のB’zみたいな存在が、僕らが小学生のときとかはAqua Timezだったんですよ。
太志:そんないいもんじゃないでしょ!(笑)
彰馬:いやいや、確実にみんな知ってましたからね!「等身大のラブソング」でみんな恋の勉強をしてました!
太志:ははは!でも、俺はああいう恋はしてないんだよ!あの曲の主人公だけ、ちょっと湘南乃風みたいなの(笑)「決意の朝に」とかは全然違うでしょ?歌詞も“僕”じゃなくて“俺”だったし。でも、それも今では俺らの一つの軌跡って感じで。
千弘:本当に、みんな聞いてましたからね!僕、昔買った音楽の教材本の巻末に「千の夜をこえて」の譜面が付いてて、これ叩けるようになるまでドラム頑張ろ!って思ったのがきっかけでドラム教室に行き始めたんですよ。好きになったのが小学4年生の時だったので、初恋の相手がTASSHIさんだったんです!
『風をあつめて』とかも、もうどんな時でも聞いてて。僕たちが小学生の時って遊ぶツールがゲームだったんですけど、コンポがあるお母さんの部屋に行って、アルバム聞きながらゲームして…みたいな。本当にひたすら聞いてましたね。だから、一年前の11月の大阪でのライブを見に行かせていただいたときに、「Perfect World」をやってくれたじゃないですか?僕あの曲が一番好きなので、聞けたときはビックリして、めっちゃ感動して泣きそうになってしまって…。
TASSHI:ホント?!それは嬉しいなぁ、ありがとうございます!(照)

テーマ②「幅広い年代のファンに支持される秘訣」

太志:2005年にインディーズデビューしたときは、全国流通っていうけどやっぱり難しいんだなって感じたし、お店に平置きもしてもらえなかったりしてたからさ。でも、今の音楽業界の若い子たちって、ミュージシャン同士で「ホントどうする?」みたいな話をするじゃん?俺、それって結構リアリティがあっていいと思うんだよね。続けるか辞めるか、どっちも生き方は間違っていないと思うんだけど、俺らはもちろんやり続けたし、2人もそうでしょ?だから、仲間だなって思うよね。だって、金持ちになれる職業ではないわけじゃん?
彰馬:そうですね(食い気味に)
太志:すごい早かったね(笑)
TASSHI:前に2人に貰ったミニアルバムを聞かせてもらったけど、クオリティの高さに驚いたよね。自分たちが同い年くらいにやってた曲のクオリティとは全然違うし。曲作りってどんな感じでやってるの?
彰馬:僕、実は超機械音痴なので、ほとんどアナログでやってるんですよ。弾き語りで作って、スタジオに持っていってみたいな。
TASSHI:それから多彩なアレンジはどうやって?
彰馬:頭の中にあるやつだけは伝えて、あとは本当にもうアドリブでやるぞって言って。
千弘:スタジオで歌詞と構成とリズムとかを教えてもらって、「よし、とりあえずやろう!」って何回も通して、やっと完成するみたいな感じですね。
太志:俺もそうかも。メンバーにコードとメロディを取ってもらって、こんな景色っていうのを伝えて、あとは俺寝てるから(笑)
彰馬・千弘:すげー(笑)
TASSHI:でも、寝てるかと思ったらちゃんと起きてて、急にムクって起きてきて、「それちょっとイメージ違うね」って言ってまた寝るっていう…(笑)
太志:詞曲に関してはみんな俺を信頼してくれてるから、変更とかが出ないような段階にして渡すけどね。音色とかはもうメンバーに任せてるかな。でも曲作りのとき、「シングルだから、ちょっとわかりやすくしなきゃな」とか考えるでしょ?
TASSHI:そうそう、12月にまたタイアップ付きでリリースが決まってるみたいだけど、タイアップっていうと“お題”がある訳でしょ?その歳で、お題に合わせて歌詞をちゃんと仕上げなきゃいけないって、俺すごいなと思って。
太志:でも、タイアップ絡みでそういう“お題”があったからこそできたのが「虹」って曲だったのね。正直、最初は自分の中でも「本当にこれでいいのかな?」って思いながらだったけど、お題に寄せていったからこそみんなが知ってくれた曲で。そういう意味では、タイアップのおかげだなって思ってるよ。
TASSHI:2人が聞いてくれた「決意の朝に」とか「千の夜を超えて」とかは、直しも一切なくて、太志が作ったままだったんだよね。だから、僕たちもそれで行けるものだと思っちゃってて。それで次のタイアップのお話をいただいたときに別の曲を推し曲で持っていったら、「違うんじゃないか」ってなって。バンドとしてもすごく悩んだんだけど、せっかくのチャンスだから掴みたいし、絶対にいい曲を作ってやるんだって太志が最後に持ってきたのが「虹」で。アコギ一本の弾き語りで持ってきたんだけど、超いい曲だったから震えたよね。
太志:「子供から、おじいちゃんおばあちゃんまで分かる曲を作ってほしい」って言われたの。それって実は音楽家としては大事なことじゃん?でも、俺若いときなんて、「わかる人だけわかればいいんだよ」って思ってて。あと、「アルバム曲の方が俺たち言いたいこと言えてるから」みたいな考えや、「もっと文学性に富んだものの方がかっこいいな」みたいな考えもあったし。
TASSHI:でも、実は世の中の人に知ってもらうにはやっぱりシングルがメインになるし、名刺代わりになるわけだから、だとしたらシングルに自分たちがやりたいことをちゃんと詰め込んでいかないとって。そういうバランスって、曲を作る人は大変なんだろうなって思って。
太志:でもShout it Outはあんまりぶれてないよね。
彰馬:そうですね。僕、初めてタイアップを貰った時に、本当に…あの……心が折れそうになって…。
一同:(笑)
太志:そうだよね、俺も作ってるからわかるよ!
彰馬:今回アニメのタイアップ(テレビアニメ「DAYS」エンディングテーマ)をやらせていただくんですけど、前回の経験もあって、曲を生み出す時点からタイアップのことを考えて作るということが、いつの間にか自分の中でできるようになっていたんです。それ以降は前回より思い通りにできたので、「タイアップってこういうものなんだ」っていうのがちょっとだけわかった気がしました。
太志:いろんな人に聞いてもらえる機会が増えるからね。やって良かったって思うのは、ツアーもそうだし、特に学園祭なんてバンドを知らなかった人たちもたくさん来るけど、知ってる曲をやったらやっぱり喜んでくれるからね。あと、ライブでアンケートを取ると、おばあちゃんとかも来てくれてるのね。でもさ、レッテルってあるじゃん?“若者に向けた曲”とか、そういう風に打ち出されることもあったけど、別に俺そんなの狙ってないし。
TASSHI:俺はこのバンドに最後に入ったから千弘君と一緒なんだけど、彼の曲や歌詞を聞いた時に…(ウインナーを頬張る太志さんを見て)全然聞いてないでしょ、人の話!(笑)すぐお肉に夢中になっちゃうんだから!
太志:(ウインナーに夢中)
TASSHI:いや、でも彼の歌詞は本当に世代が関係ないというか。「等身大のラブソング」も若い子に聞いてほしいとか言われてたけど、むしろ今の自分たちと同じか、さらに上の世代の人たちにも聞いてほしいと思えるような歌詞を彼は10年前からずっと歌っていたから、それは彼のすごいところだなって。
太志:俺はタイアップだからっていって歌詞の方向性や質を下げたつもりはないし、「虹」も「決意の朝に」も絶対に若いときにだけ聞く曲ではないっていう自信もあるし。そういう意味では、“ずっと歌い続けていく曲”を書けたんじゃないかなって思うよ。
あと、みんな好き嫌いってあると思うけど、好きになる人もいっぱいいる、嫌いになる人もいっぱいいるってバンドで俺はいいと思ってるんだよね。みんなが良いっていうより、ちょっとくらいダサい方が俺は魅力を感じるし。一回上がったものってずっと上がりはしないけどさ、ずっと続けていけばいいと思ってるんだよね。俺もよく言われるよ、「まだやってたの?」って。でも、「うん、まだやってるよ。俺はお前らみたいにすぐ辞めないよ。」って気持ちでいるし。「いつまでやるの?」って聞かれたら、「死ぬまでやるよ」って言ってやるよ。それがバンドマンだって俺は思うけどね。だって、ファンに対してはそれが一番だもん。マナーというか、感謝だよね。2人にも、ダメな日があっても応援してくれる、自分たちのバンドの家族みたいなファンを増やしていってほしいし。
彰馬・千弘:はい。
太志:俺、Shout it Outの曲を聞いてすごいなって思うのは、これこそ青春のヒリヒリした感じだなって。俺には書けないもん。
TASSHI:1曲目の「逆光」(EP『僕たちが歌う明日のこと』収録)の歌詞の冒頭と、それを受けての最後の“誰かから漏れたものだろうと――全部受け取ってやんだ”ってところとか、すごい決意表明だなって思って。
彰馬:本当にすごい聞いてくれてはる…ありがとうございます!
千弘:ありがとうございます!!
TASSHI:ライブも見に来てくれたけど、どういう人となりかあんまり知らないまま今日こうやってお会いして話してて、正直もうちょっと強い感じの人なのかと思ってたけど、実際お会いしたら柔らかい感じの方で…(笑)
太志:もうちょっと生意気なヤツかなって思ってたよね!「なんだよ、誰だよ」みたいなね(笑)
彰馬・千弘:(笑)
TASSHI:歌詞と曲のイメージからするとね!内に秘めるタイプ?
彰馬:結構そうかもしれないですね。昔から、あんまり考えとか悩みとか全然人に話してこなくて。
太志:シャイな方がいい歌詞は書けると思うよ。人と何話していいかわからないヤツっていっぱいいるじゃん?そいつらの言いたいことを代弁している感じはあるよね。「一から」(1stシングル「青春のすべて」収録)って曲で、1番で“大丈夫 そこに立っているのは 今までを生き抜いたあなただ”って歌って、最後は“そこに立っているのは これからを生きていくあなただ”って歌ってるのを聞いて、パクろうかなって思うくらい良かったよね(笑)本人に許可を得ればいいかなみたいな!
一同:(爆笑)
TASSHI:どんどん俺らのイメージが違ってきているからね!(笑)
太志:この空気感は文字で伝わるのかな?(笑)カッコいいとこ見せようと思って来たんだけどなぁ~(笑)

    【次回予告】対談<後編>は11月30日更新予定!お楽しみに!!

tag一覧 対談 Shout it Out Aqua Timez

ビデオコメント

リリース情報

これからと夢

これからと夢

2016年12月07日

ポニーキャニオン

1.DAYS
2.これからのこと
3.君はまた夢を見る
※ボーナストラック付き

リリース情報

Aqua Timez「アスナロウ」

Aqua Timez「アスナロウ」

2016年12月14日

ERJ

1. アスナロウ
2. 最後までII
3. 空想楽
4. We must
5. 冬空
6. 12月のひまわり
7. ソリに乗って
8. サンデーパーク
9. ナポリ
10. Dub Duddy〜ライブ前日に見た夢〜
11. 三日月シャーベット
12. 閃光
13. Pascal
14. 生きて
15. 魔法を使い果たして

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お知らせ

■ライブ情報

【Shout it Out】
3MAN LIVE「始まり Vol.2」
2016/12/06(火) あべのROCKTOWN

Shout it Out EPリリース記念ワンマンライブ〜これから〜
2016/12/26(日) 新宿LOFT


【Aqua Timez】
アスナロウ TOUR 2017
2017/02/04(土) 狭山市市民会館
2017/02/11(土) 広島JMSアステールプラザ大ホール
2017/02/12(日) スターピアくだまつ大ホール
2017/02/18(土) 渋川市民会館
2017/02/19(日) 常陸太田市民交流センター (パルティホール)
2017/02/25(土) 三島市民文化会館 ゆぅゆぅホール
2017/03/04(土) NHKホール
2017/03/11(土) 日本特殊陶業市民会館 ビレッジホール
2017/03/12(日) バロー文化ホール(多治見市文化会館)
2017/03/17(金) 熊本県立劇場 演劇ホール
2017/03/18(土) 福岡市民会館
2017/03/20(月) 鯖江市文化センター
2017/04/01(土) 電力ホール

※その他のライブ情報・詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。

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