アカシックから届いた1stシングルはキラキラ極上のJ-POP「愛×Happy×クレイジー」
アカシック | 2017.03.08
昨年3月の1stフルアルバム『凛々フルーツ』リリースを経てアカシックが、2017年、パワーアップし極上の“J-POP”を生み出した。それが、フジテレビ深夜ドラマ「ラブホの上野さん」主題歌になっている今作「愛×Happy×クレイジー」だ。アカシックが思う“J-POPの王道”とは?理姫(Vocal)とバンビ(Bass)に話を聞いた。
- EMTG:去年3月にアルバム『凛々フルーツ”をリリースして以降の1年間を振り返ってみていかがですか?
- 理姫:ずっと我慢の年だったね。
- 黒川絢太(以下・バンビ):メンバーが抜けたりいろいろあったし。
- 理姫:新曲は作ってたけど、表立った出来事はなくて、去年後半にドラマ主題歌の話が出てきたあたりから気持ちを入れ替えた感じです。
- EMTG:今作「愛×Happy×クレイジー」はドラマ「ラブホの上野さん」の主題歌ですが、ドラマ主題歌を担当することはアカシックの目標のひとつだったんですよね。それはまたなぜ?
- 理姫:私はテレビを観て育ってきたしテレビが大好きで、学生時代とか新しい音楽を知るきっかけはテレビだったんですよ。なので、今の時代もそうなのかはわからないけど、“なるべくお茶の間の近くに”っていう意味で、テレビで自分たちの曲が流れることに憧れがありましたね。
- バンビ:“やっぱり、テレビだよね”って。
- 理姫:そうそうそう。普段のライブで目の前にいるお客さんに「今日はありがとうございました」って言うのももちろん大事なんですけど、テレビで流れると自分たちに興味がない人たちにも届くじゃないですか。それも大事だなって思ってます。
- EMTG:憧れを経由しての目標だったんですね。では、「愛×Happy×クレイジー」はドラマをイメージして作った部分が大きいんですか?
- 理姫:いや、これは去年の夏から秋にかけて作ってた曲で、それを先方が聴いてくれたみたいで「この曲がいいですね」って言ってくれたんですよ。でも、私たちはそのことをまだ知らなかったし、私が「この曲、あんまりよくなくない?」って言って仲間内で意見が割れしていた時期で。ただ、「この曲がドラマに合ってると思うんですよ」っていうお話だったので、「じゃあ、ぜひお願いします」と。だから、ドラマの内容はまったく意識してないです。
- EMTG:理姫さんとしてはどの辺りが違うと思ってたんですか?
- 理姫:今となってはもちろん満足した作品になってますけど、デモの段階では私の趣味とちょっと違って、「ああ、こんな感じかぁ……」って思ってたんですよね。私が意図したことを表現できてる曲ではなかったんです。
- EMTG:だけど視点を変えてみたらOKになってきた。
- 理姫:まさにそうです。
- EMTG:そういういろんな思いが交錯していたとは思えないぐらい突き抜けた一曲になっていると思います。アレンジがリッチですよね。
- 理姫:ブラスが入ってたり。
- EMTG:サビ前にキラキラした音色が入っていたり。
- 理姫:J-POPを意識して。
- バンビ:ド派手な感じにしようって。
- 理姫:バブルなぐらいやりすぎてもいいかなって。
- バンビ:みんなの意見を合わせてがっつりといろいろ入れた感じですね。
- 理姫:王道にしたかったんです。私たちが思うJ-POPの王道。自分たちが青春を過ごしていたときに聴いてた音楽が未だに私たちの中では王道なので、いくら今の時代にそれが流行らないと言われてもそれがやりたいっていう。だから、“ブラスが入ったら意外とJ-POPになるよね”みたいな話をメンバー間でしてました。
- バンビ:ブラスの音量はめっちゃ悩みました。
- 理姫:すごい悩んで悩んで、結構時間かかったよね。
- バンビ:遠征先の車の中で上がってきたものを聴き比べて、“直感でどっちがいいか答えよう”みたいなことをやったり。
- EMTG:それはドラマ主題歌ということが大きかった?
- 理姫:いや、あくまでも自分の作品に対するこだわりですね。あとで“もっとできたな”って思いたくなかったし。
- EMTG:歌詞に関してはいかがですか?
- 理姫:原作をみんなで読んで、ドラマの雰囲気にちょっと合わせました。でも、元からあったサビの歌詞を並び替えたりしたぐらいですね。
- バンビ:なんか異例らしくて。ドラマの主題歌って結構細かい指定が入るらしいんですけど、今回僕たちは自由にできたんです。
- EMTG:それはすごいですね。
- バンビ:気に入ってもらってね。
- 理姫:ねぇ。
- EMTG:では、カップリング曲についても聞かせてください。
- 理姫:「平成へゴー!」は、シングルのカップリングでデュエットをやりたいっていうのがあって。
- EMTG:これはいい曲ですよね。この抜け具合、すごく好きです。
- 理姫:あ、本当ですか!?これ、録音するのにアナログテープを使ったりして、結構こだわったんですよ。
- バンビ:いろいろ録ってみて、「もうちょっと昭和に寄せたいんだよなぁ」みたいな話をしたり。
- 理姫:でも途中で気付いたのが、いくら私たちが当時の雰囲気に寄せようとしてもその感じは出せない。なぜなら当時の人たちは当時の機材をマックスに活かして録ってるから。だから、私たちも今の機材を活かして録らないと同じベクトルには行けないっていう結論に辿り着いて、“ちゃんとした音を作ろう!”っていうことになりました。
- EMTG:歌詞のイメージはどこから?
- 理姫:未だに“昔はよかった”っていう話をよく聞くし、自分でも昭和の雰囲気っていいなって思っちゃうんですよ。でも、そんなに大昔のことでもないのに、なんでみんなよかったって言うんだろう、もうそろそろ平成を楽しもうって思いたいなと思って書いた歌なんですよ。
- EMTG:それを聞くと深みが増しますね。
- 理姫:そうなんです。不景気だからとかお金がないからとかじゃなくて、いつの時代もカッコつけましょうっていう感じですね。
- EMTG:「幸せじゃないから死ねない」を録り直したのはなぜですか?
- 理姫:お客さんに“アカシックのどの曲が好きですか?”っていうアンケートを取ると、この曲が昔から上位に食い込んでくるんですよ。
- バンビ:ロングセラーなんです。
- 理姫:SNSとかを見てるとこの曲を聴いてるっていう人が多くて。それで最近またライブでやるようになったんです。あと、歌詞の内容とか雰囲気が「ラブホの上野さん」のイメージにも意外と合ってて裏主題歌みたいな感じもあるので、今だったらいいタイミングでみんなに聴いてもらえるかなと。改めてちゃんと聴いてもらいたいですね。
- EMTG:原曲と聴き比べるとよくわかるんですけど、理姫さんのボーカルがすごく成長してますよね。
- 理姫:えー!?うれしい!
- EMTG:すごみというか、力強さが出てきてます。
- 理姫:うれしいです。でも、日々練習してるんで、上手になってなかったらおかしいですよね(笑)。
- EMTG:そういう観点で聴くと、「福富朝陽」も今の理姫さんのボーカルだからこそ歌えた曲なのかなと。
- 理姫:たしかに今回の4曲は全部そんな気がします。今回はタイミングが良かったと思います。私、1年前ぐらいからボーカルのレッスンを始めたんですよ。めちゃめちゃ怖い先生に付いてもらってるんですけど、最近やっと褒められるようになってきたんです。前は「100均みたいな歌」って言われてて。
- EMTG:その表現(笑)。
- 理姫:「別にいいのよ? いいんだけど、やっぱりもうちょっと高島屋とか伊勢丹みたいになりなさい。食材からゴルフ用品までなんでも売ってる、みたいな歌を歌えるようになってから100均みたいな歌も歌えばいいじゃない」って言われたんですよ。
- EMTG:例えがわかりやすいですね(笑)。
- 理姫:昔の作品の歌が嫌いなわけではないですけど、今思うと、あのときの私のままドラマ主題歌なんてやらなくてよかったなって思いますね。そう考えると、今歌える最大限をこのシングルで出せたと思います。
- EMTG:演奏陣からすると理姫さんのボーカルはどうなんですか?
- バンビ:常々そういう話はしてますけど、変わりましたよ。ドラムとかも「理姫ちゃんの歌って最近すごくいいよね」って。
- 理姫:私のいないところでそういうこと言ってるんですよ! 嫌ですよね。
- EMTG:褒められてるんだからいいじゃないですか(笑)!
- バンビ:レッスンに通ったことによるレベルの違いは最近のライブでもメンバーみんな感じてます。
- EMTG:逆に理姫さんから見て演奏陣はどうなんですか?
- 理姫:私、演奏のことはわからないんですけど、リーダー(奥脇達也/Guitar)はいつもバンビのベースはすごく上手だって言ってます。ドラムの(山田)康二郎も、「私だってレッスン行ってるんだからあなたも行きなよ」って言ってたら、いつの間にかドラムレッスンに通い始めてたんですよ。
- EMTG:その成果が今作で一気に発揮できたという。そうなるとこの先も楽しみになってきますね。さて、2月25日からは東名阪ワンマンツアーが始まります。
- 理姫:それ、大事なんです。
- EMTG:東京は3月11日、赤坂BLITZですよ。
- 理姫:どうしよう! 毎回ワンマンのときは「どうしよう」って言ってるんですけど、大阪と名古屋は初めてのワンマンだから思いっきり楽しみたいよね。
- バンビ:楽しみたい。
- EMTG:名阪の勢いでBLITZもバシッといきたいですね。
- バンビ:がっちり行きたいですね。
- 理姫:BLITZは今までやってきた会場に比べて広めなので、演奏に関して今からみんなで話してるのは、“なるべくCDを再現しよう”と。さっき話に出たキラキラ音とかブラスとか、そういうのを忠実に再現したいですね。
【取材・文:阿刀“DA”大志】
リリース情報
愛×Happy×クレイジー[初回盤]
2017年03月08日
ワーナーミュージック・ジャパン
1.愛×Happy×クレイジー
2.幸せじゃないから死ねない(single ver.)
3.福富朝陽
4.平成へゴー!
2.幸せじゃないから死ねない(single ver.)
3.福富朝陽
4.平成へゴー!
お知らせ
■コメント動画
■ライブ情報
アカシックワンマンツアー
「I Happy Crazy Tour」
03/04(土) 大阪MUSE
03/11(土) 赤坂BLITZ
海鳴りのはじまり
〜駐輪場で待ち合わせツアー〜
04/01(土) 大阪ROCK TOWN
〜ベビー誕生!リリース記念〜
フレンド申請ツアー2017
05/20(土) 仙台enn 3rd
※その他のライブ情報・詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。
■ライブ情報
アカシックワンマンツアー
「I Happy Crazy Tour」
03/04(土) 大阪MUSE
03/11(土) 赤坂BLITZ
海鳴りのはじまり
〜駐輪場で待ち合わせツアー〜
04/01(土) 大阪ROCK TOWN
〜ベビー誕生!リリース記念〜
フレンド申請ツアー2017
05/20(土) 仙台enn 3rd
※その他のライブ情報・詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。