神様、僕は気づいてしまった バンド名をタイトルに冠した1stミニアルバムを堂々リリース
神様、僕は気づいてしまった | 2017.07.26
TBS系 火曜ドラマ『あなたのことはそれほど』主題歌「CQCQ」のヒットでシーンの最前線に躍り出た4人組ロック・バンド 神様、僕は気づいてしまった(通称、神僕)。ジャパニーズ・ロックの歴史を一歩も二歩も前に進めるかのようなハイブリッドで高性能なサウンドは、昨年11月に始動したニューカマー・バンドながらもシングルがオリコン週間ランキング10位に登場し、YouTubeで930万再生という圧倒的評価を叩き出した。そして7月26日には、「CQCQ」も収録した初の1stミニアルバム『神様、僕は気づいてしまった』をリリースする。インパクトが強烈な覆面ヴィジュアルから様々な憶測が飛び交う中、素性の知れないバンドは、なんと初ライブを『SUMMER SONIC 2017』RAINBOW STAGEで行うことを発表した。前回に引き続き、メインで詞曲を手がけるギタリスト東野へいとと、テクニカルな魅力を解き放つベーシスト和泉りゅーしんに話を聞いた。
- EMTG:ドラマ主題歌として話題となった「CQCQ」のヒットで知名度が広がったと思います。今の状況をどう受け止めていますか?
- 和泉:どこか現実感がなくて、他人事のように感じていますね。
- 東野:先日、テレビを観ていたら、若い人が聞いているロックバンドとして芸人さんが僕らを紹介してくれていて驚きました。YouTubeの数字ではなかなか実感が沸かなかったんですけど、バラエティ番組でふと自分たちのバンド名をテロップで見ると、少しだけ浸透してきたことが実感できますね。
- EMTG:なるほどね。聴かせていただいた1stミニアルバム『神様、僕は気づいてしまった』のクオリティの高さに驚かされました。情報量が多くてスピード感があって、プレイ的にもオイシイ決めどころを入れてくるセンスが素晴らしいなと感じました。音楽好きがが喜ぶツボを、ほんとよくわかっていますよね。
- 和泉:ありがとうございます。本当にびっくりするくらい良い曲ばかり収録されたミニアルバムとなりました。こんな音楽聴きたいなってサウンド表現ができたなと自画自賛しています(苦笑)。
- 東野:今はまだ期日どおりに終わって良かったなという気持ちです(苦笑)。レコーディングはけっこうパツパツだったよね(和泉と顔を合わせてうなづきながら)? マスタリング当日のギリギリまでミックスを詰めてましたから。
- 和泉:僕とドラムの蓮さんの工程は割とゆとりを持って終わったんですけど、ボーカル録りやミックスに時間がかかりましたね。
- EMTG:あ、そのこだわりの感じわかりますよ。なんせ、全曲キラーチューンになりえる楽曲が揃っているなとおどろかされましたから。バンド名がタイトルとなっていますが、アルバムのコンセプト的なものはあったんですか?
- 東野:6曲目の「大人になってゆくんだね」だけは全体のバランスを考えて作りました。それ以外はストックであった曲なんですよ。全曲シングルになりうる尖ったテイストを追求しました。それをまとめて名刺がわりとなるミニアルバムにした感じですね。
- EMTG:1曲目の「わたしの命を抉(えぐ)ってみせて」は、リズムが素晴らしく楽しめるロックチューン。この楽曲はどんな風にできあがったんですか?
- 東野:アルバムの中でも特殊な曲ですね。今までバンドのリリック面で言うと、メッセージをそのまま文字にして起こす曲が多かったんですけど、これに関してはそこから遠く退いています。ぱっと聴きストーリーは単純なんですけど、その裏で別の物語が成り立っているという二面性を意識した曲です。
- 和泉:まず、音楽として新しいですよね。最初にデモを聴いたときめちゃくちゃびっくりしました(笑)。ドラムがすごく早いシャッフルで、レコーディングも楽しかったですね。
- 東野:何処と無くジャズっぽいんだけど、リズムはすごいパワー系だよね。
- EMTG:2曲目は「宣戦布告」、ヴォーカリストである どこかのだれか さんがつくった曲で、ものすごく疾走感を感じられます。
- 東野:これは、神僕にとってかなり早い段階でできていた曲なんです。どこのだれか のデモを元に、自由にギターやベース、ドラムを追加して仕上げていきました。
- EMTG:3曲目の「CQCQ」は、イントロから高揚感を上げてくれるキラーチューン。改めてミニアルバムの中に入ってみていかがですか?
- 東野:疾走感がある曲なんですが、実はBPMはそこまで速くないんですよ。速すぎず遅すぎない、アルバムとして重要な役割を担っている楽曲だと思います。
- EMTG:4曲目は「僕の手に触れるな」。これはまた歌詞的に中2感全開なナンバーですよね(笑)。
- 東野:そうかもしれないですね(笑)。そんな想いにちゃんと対峙していこうという気持ちがあるので。ロックバンドって骨太なサウンドにするためにシンプルなコードをよく使うんですが、この曲ではあえて濁ったコードを使っています。スピード感でロックっぽさは出ているので、コードでは色合い的なエモさがを表現するように意識しました。
- 和泉:一番速い曲が真ん中に収録されているのが良いなと思います。僕はこの曲が一番好きなんですよ。
- EMTG:そして次が「天罰有れかしと願う」。この楽曲はヴォーカルにエフェクトをかけていて、その効果もあってサビでの弾け具合が気持ち良いですよね。これも どこのだれか さんの作詞作曲。
- 和泉:曲自体は早い段階からありましたけど、完成したのは後の方でしたね。
- 東野:デモのときと比べてメロディーがかなり変わったよね。すごくかっこよくなった。
- EMTG:6曲目は「大人になってゆくんだね」。メロウでフォーキーなテンポで、アルバムの中でも目立つ楽曲です。神僕の中では異色作ですが、名曲感ありますよね。
- 和泉:自分たちでいうのもなんですが、とても良い曲だと思います(笑)。
- 東野:この方向性は絶対やりたいなと思っていたんです。ただ、このバンドでは正統派のバラードみたいなものはやりたくないと思っていて……。なので、聴覚上は遅く聴こえるんですけど、実はBPMは速いんです。バラード感は出しつつも、ちゃんと踊れる楽曲になっています。
- EMTG:歌詞のイメージはどんなところから出てきたんでしょうか?
- 東野:プライベートな話になってしまうんですけど、深夜に突然Facebookから“最近使ってないね”みたいなメールがきてログインしてみたんです。Facebookって“知り合いかも?”っていうフレンドをレコメンドしてくれる機能があって、まだ繋がってないけど関連性のあるフレンドのプロフィールが出てくるじゃないですか? そうしたら中学生くらいのと昔の知り合いの名前がいっぱい出てきて。いろいろ見てたんです。結婚している人もいれば、バカだったやつが頭の良い大学に入学していたりして……そのまま感情的になって、一気に書いた曲なんです。
- 和泉:Dメロの歌詞にめちゃくちゃ感動しました。歌詞カードを読まなくても頭の中にぱっと入ってくるワードで情景も思い浮かぶんです。ファンの人たちに刺さってほしいですね。
- EMTG:この楽曲があることで神僕の面白さが無限に広がった気がします。そしてラストが「だから僕は不幸に縋っていました」。とにかくギターリフが最強ですよね。めちゃくちゃエッジーでかっこいい曲。
- 東野:1つ前の「大人になってゆくんだね」をミニアルバムの最後にするのか、この曲で最後にするのかで迷ったんです。でも、救いのないこの曲が最後に流れたときのダークな感じがいいなと思って。この楽曲を最後にもってきました。
- 和泉:最初に発表したデビュー曲を、最後に収録しているって熱いよね。
- EMTG:アルバム・タイトルがバンド名になっているのもかっこいいなと思いました。スムーズに決まったのでしょうか?
- 東野:アルバム名をバンド名にするのはデビュー前から決めていました。自分が聴いてきたリスペクトしているバンドは、バンド名がアルバム名になっていて、しかも全部名盤なんですよ。そんな先輩方への憧れが強くて、自分もバンドやるならば絶対こうしようと決めていました。
- EMTG:そして、今年の夏は初ライブの舞台として『SUMMER SONIC 2017』への出演も決まっていますが、どんなライブになりそうですか?
- 和泉:ライブをやるのなら演出をしっかりして、ひとつの世界観を構築したいということはずっと言っていたんです。それを実現化して行きたいなと思っています。
- 東野:ライブを観るというよりは、オーディエンスも作品の当事者として世界に巻き込まれてほしいなと願います。演奏はもちろん、照明などにもこだわっています。楽しみにして欲しいですね。
- EMTG:音楽好きなお二人だと思いますが、今年の『SUMMER SONIC 2017』で楽しみなアクトはあります?
- 和泉:NakamuraEmiさんという女性シンガー・ソングライターの方とカサビアンですね。
- 東野:僕はカルヴィン・ハリスとジャスティスかな。
- EMTG:『SUMMER SONIC 2017』以降は、神僕のライブはどういう感じになりそうですか?
- 東野:バンドはライブをやらなくちゃいけないという固定概念があると思いますが、僕たちは表現方法のひとつとして考えていきたいんです。ライブを中途半端にはやりたくなくて、やるのであればしっかり準備してやっていきたいですね。
- EMTG:それが、世界観を大事にされている神僕らしさって事ですね。最近気になっている音楽やカルチャーはありますか?
- 和泉: Nakamura Emiさんですね。最近ずっと聴いてます。
- 東野:スウェーデンのラッパーのYung Leanですね。ミュージック・ビデオがすごくサイケデリックで、あのテイストは日本人には出せないものだと思います。
【取材・文:ふくりゅう(音楽コンシェルジュ)】
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和泉りゅーしん(Ba.)
ジェイコブ・コリアー
“ジェイコブ・コリアー”という多重録音アーティストを検索していました。いろんな楽器が弾けて、アカペラもできて、一人で全部やっているのがすごいなと思います。
東野へいと(Gt.)
木,ワーキングテーブル
最近は、機材整理のためにテーブルを変えようと思って、テーブルをオーダーできるメーカーを検索してました。なので検索キーワード的には“木,ワーキングテーブル”です(笑)。
■ライブ情報
SUMMER SONIC 2017
08/19(土) - 20(日)
ZOZOマリンスタジアム&幕張メッセ
※その他のライブ情報・詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。
和泉りゅーしん(Ba.)
ジェイコブ・コリアー
“ジェイコブ・コリアー”という多重録音アーティストを検索していました。いろんな楽器が弾けて、アカペラもできて、一人で全部やっているのがすごいなと思います。
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木,ワーキングテーブル
最近は、機材整理のためにテーブルを変えようと思って、テーブルをオーダーできるメーカーを検索してました。なので検索キーワード的には“木,ワーキングテーブル”です(笑)。
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SUMMER SONIC 2017
08/19(土) - 20(日)
ZOZOマリンスタジアム&幕張メッセ
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