神秘的な存在感で注目のシンガー・Uru。待望の5thシングルが初の連続ドラマ主題歌に
Uru | 2017.11.10
聞いた瞬間、歌声が身体中に染み込み、じんわりと優しく包んでくれる歌声を持つシンガーUru。新曲「奇蹟」は、現在放送中のTBS 金曜ドラマ『コウノドリ』の主題歌として話題を呼んでいるミディアムチューンだ。赤ちゃんが生まれるということは、当たり前のことではないもの。だからこそ、この曲には、命を懸けて産む母親の愛と、子供の未来を願う家族の愛が詰め込まれている。この曲の歌詞を書く時に触れた子供たち、その母親とのエピソードや、ドラマに寄り添うことで生まれてきた感情など、たっぷりと話を聞いた。さらに、カップリングには、ドラマ『コウノドリ』の前シーズンの主題歌だったmiwaの「あなたがここにいて抱きしめることができるなら」をカバーした、コンセプチュアルな1枚になっている。
- EMTG:新曲「奇蹟」は、TBS 金曜ドラマ『コウノドリ』のために書き下ろした歌詞になるんですよね。Uruさんは、『コウノドリ』に対して、どんな印象を持っていましたか?
- Uru:原作を読ませていただいたときに、命が生まれてくるその瞬間に立ち会う医療の方や、お父さん、お母さんの抱く感情など、それこそ“奇蹟”の瞬間が描かれている作品だと思いました。
- EMTG:その主題歌だからこそ、歌詞に込めたい気持ちが溢れてきたと思うのですが、どんなことを一番大切にしたいと思いましたか?
- Uru:赤ちゃんと言えども、お母さんから同じ人間が生まれるわけではないんです。みんなそれぞれ違う環境で生きてきた人間が、新しい人間を産む。そんな、それぞれの人間のストーリーを大事にしたいと思ったんです。
- EMTG:歌詞の言葉選びはとてもシンプルでいながら、すごく印象的でした。言葉選びは大変でしたか?
- Uru:最初に歌詞を書いたときに、聴いた人たちが明るい気持ちになれるような曲にしたいと思い、生まれてきた時の感動や希望を意識して、あまりネガティブな言葉は入れずに作り上げたんです。でも、赤ちゃんを産む前の不安を抱え、ものすごい決心をして産まなくちゃいけないケースや、ドラマの3話でもテーマになっていた“産後うつ”など、すべての出産が幸せにつながっているわけではないんですよね。そんな歓びに達するまでの波や、その背景も組み込めるような歌詞に仕上げたんです。
- EMTG:Uruさんは普段から、赤ちゃんと接する機会は多い方ですか?
- Uru:もともと、子供は好きなので、友だちの子供などとはよく接していました。友だちが、お子さんを本当によく写真に撮っていたので、その心境を聞いたことがあったんです。その時の答えが、“子供の毎日は本当に一瞬で、すぐに大きくなってしまう。だからこそ、その瞬間を宝物として閉じ込めておきたい”という、素敵なものだったんです。たしかに、赤ちゃんの髪の毛のやわらかさや、ものすごい激しい夜泣きをした次の日に、ママも本当に疲れているはずなのに、ふとした笑顔にまた“かわいい”と思ったりするその瞬間は、何にも代えがたい“宝物”。そして、その“宝物”すべてが“奇蹟”だと思ったんです。
- EMTG:たしかに、赤ちゃんが成長していく姿は、“奇蹟”の連続ですよね。
- Uru:はい。初めてハイハイした日、下の歯が生えて来た日、初めて離乳食を食べさせた日……。そのすべてが愛おしい瞬間だと思うんですよね。私は母親ではないので、リアルな心境はまだ感じられていませんが、この曲を歌うことで、あらためてその奇蹟のすばらしさを感じました。
- EMTG:だからこそ、タイトルが「奇蹟」なんですね。
- Uru:はい。最初は他の案もあったんですが、制作が進むにつれ、この言葉以外考えられないようになりました。
- EMTG:そんな深いストーリーがあるからこそ、あらためてレコーディングで歌う時は、今までとは違う感覚があったのではないでしょうか。
- Uru:そうですね。歌詞の意味に沿って声色を変えるような工夫は重ねました。さらに、最初は口を閉じ気味で歌い、閉鎖的な世界を作りながら、サビではどうしようもなくかわいい我が子を抱きしめながら、優しいまなざしを赤ちゃんに向けているような母親を想像しながらレコーディングをしました。
- EMTG:ドラマ主題歌としてオンエアされたときの気持ちはどんなものでしたか?
- Uru:実は、ドラマ自体が本当に愛されている作品だったので、大きなプレッシャーがあったんです。なので、初回は客観的に聴くことはできませんでした。でも、友だちが“ドラマとあってるね”と言ってくれて、心底ほっとしたのを覚えています。そう言ってもらえて、純粋に嬉しかったですね。
- EMTG:この曲は、冨田恵一さんが編曲を務めていますが、どんな仕上がりになったと思いますか?
- Uru:もともとはテンポがすごく遅くて、もっとバラードだったんです。それを編曲の段階で少しコードを変えたり、音の厚みを増やして、より素晴らしいものに仕上げていただきました。あらためて、赤ちゃんが産まれてくる瞬間の背景に合うような曲になったと思います。
- EMTG:これだけがっつりとドラマのための“主題歌”に携わってみて、どんなことを思いましたか?
- Uru:この機会を頂いて、Uruとしての曲と、ドラマとしての曲というふたつの側面が上手く交わった時にこそ、『コウノドリ』の主題歌である「奇蹟」に仕上がるということを思ったんです。私の想いだけで作るのではなく、ドラマの制作側の方たちと一緒にひとつのものを作り上げていく面白さも感じさせていただいたので、すごくいい経験になりました。
- EMTG:カップリングには、前作の『コウノドリ』主題歌だった「あなたがここにいて抱きしめることができるなら」のカバーが収録されます。
- Uru:この曲は、ドラマのピアノテーマを担当されているピアニストの清塚信也さんに編曲して頂いて、素晴らしい土台を作ってくれたんです。そこで感じたものを私なりに歌わせてもらいました。もちろん、miwaさんの原曲も大好きで、実はデビュー前にYouTubeでカバーさせていただいていたんです。だからこそ、初めてこの曲を聴いたときの衝撃を思い出しながら、曲の雰囲気を壊さないように、でも、私らしさを失わないように、大事に歌わせていただきました。
- EMTG:ここで綴られている歌詞は、とてもリアルな言葉達ですよね。
- Uru:はい。とくに“自分以上に大事な人”というフレーズはすごく素敵ですよね。歌う時も、すごく大切に歌わせていただきました。
- EMTG:このシングルは、ドラマ『コウノドリ』のコンセプチュアルな1枚になりましたね。
- Uru:はい。もちろん、『コウノドリ』の主題歌として書かせていただきましたが、“誰かを大切にしたい”と思う事や、子供を愛でるような母性や優しい気持ち、人を想う気持ちは、親子間だけでなく、友人や男女間など、どんな人にも当てはまると思うんです。全体的に、人を愛する気持ちに沿えるような曲になったと思うので、大切な人を思い浮かべながら聴いてもらいたいですね。
【取材・文:吉田可奈】
リリース情報
奇蹟(初回盤)
2017年11月08日
Sony Music Associated Records
1.奇蹟
2.あなたがここにいて抱きしめることができるなら
3.奇蹟 -instrumental-
4.あなたがここにいて抱きしめることができるなら -instrumental-
2.あなたがここにいて抱きしめることができるなら
3.奇蹟 -instrumental-
4.あなたがここにいて抱きしめることができるなら -instrumental-
お知らせ
■ライブ情報
「monochrome〜吹き沁む頬に熱いザフサス〜」
2018/03/04(日) 東京都 昭和女子大学人見記念講堂
※その他のライブ情報・詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。
「monochrome〜吹き沁む頬に熱いザフサス〜」
2018/03/04(日) 東京都 昭和女子大学人見記念講堂
※その他のライブ情報・詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。