“この場所でこそ感覚ピエロに出会ってほしい” 満を持して発売される初シングル「#HAL」

感覚ピエロ | 2017.11.21

 感覚ピエロが4年間の活動で初となるシングル『#HAL』を11月22日にリリースする。これまでミニアルバムや配信シングル、レンタルシングルなど、タイミング毎に様々な形態で作品を発表してきた彼らが、満を持してリリースする初シングルには、“この場所でこそ感覚ピエロに出会ってほしい”という強い願いが込められている。メインとなる「ハルカミライ」が人気アニメ『ブラッククローバー』のオープニングテーマになっているほか、3曲目の「0になって」はスマホ向けゲーム『PaniPani-パラレルニクスパンドラナイト-』のイメージソングというWタイアップで感エロの王道ロックを追求。2曲目の「ミステリアスに恋して」では彼らのもうひとつの顔である妖艶でダークなサウンドが花開いた今作は、まさに感エロの美味しいところが全部詰め込んだ濃厚なシングルになった。

EMTG:6月のZepp DiverCityでのワンマンでは初めてステージに露出度の高いダンサーさんを大量に投入したりして、演奏だけではない感覚ピエロのライブになりましたね。
秋月:ずっと俺らはライブハウスでやってきたけど、2,000人規模のハコになると、やっぱり一体感の作り方が違うんですよ。後ろのほうは俺らの表情が見えないわけじゃないですか。そういう場所で俺らのバカ要素とかエロ要素をどうやって伝えたらいいかなって考えたら、どんどん派手になりましたね。
EMTG:ちょっと目のやり場に困るぐらいでしたけどね。
秋月:俺らもあれは息抜きになる(笑)。
横山:うん、有意義な時間(笑)。
EMTG:大きなステージに立つ機会も増えてきましたけど、コツは掴んできましたか?
横山:いや、まだそんなことないですね。最近は学祭でやらせてもらうことも多いんですけど、どうやったらお客さんとの距離を縮められるかなとか考えたりするので。キャパによって、やり方を掴んできたみたいなことはないですね。もっと良くしていきたいです。
秋月:初心を忘れずにやっていきたいな。
EMTG:そんななかリリースされる今回の「#HAL」は初のシングルですね。いままでシングルを出そうと思ったことはなかったんですか?
秋月:ないんですよね。シングルって、1曲の表題曲に対してカップリング2曲みたいな感じだから、3曲だけで出す意味があるのかな?って考えちゃうんですよ。
滝口:どうせやったら、いっぱい入ってるほうがいいよねって。
秋月:3曲で俺らを表現するのは難しいと思ってたんですけど、今回はタイアップをいただけたっていうのもあって、いまなら出す意味があるんじゃないかなと思ったんです。
横山:今回のシングルに意味を感じるのは、僕らがアニメの主題歌になるのは初めてなんですね。『ブラッククローバー』は火曜夕方6時のアニメだし、たぶん年齢層も下の子たちが見るから、このシングルを出すことで間口が広がるんじゃないかと思ってるんですよ。いままで感覚ピエロは知らなかったけれど、『ブラッククローバー』が好きだからCDを欲しいっていう子たちも手が届きやすいものだと思うので。“こんなにかっこいいバンドだったら、他の曲も聴いてみようかな”って思ってもらいたい。そういう願いもあるんです。
EMTG:だからこそ3曲全てが感覚ピエロらしい1枚になったんですね。
横山:「ハルカミライ」と「0になって」を入れることが決まったあと、残り1曲をどうしようか?ってなったときに、突拍子もない曲を入れるよりも、むしろ感覚ピエロらしいものを出したほうがいいなと思ったんです。それで、ちょっとアダルトな要素の曲があったほうがいいねっていうところで、「ミステリアスに恋をして」を入れたりして。
EMTG:では、まずTVアニメ『ブラッククローバー』の主題歌になっている「ハルカミライ」から話を聞ければと思いますが。これは横山くんと秋月くんの共作になるんですね。
横山:これは最初にアニメ制作の方とディスカッションをする機会があって、そのときに僕が作っていたイチ押しの曲を聴いてもらったんです。それをずっと先方が気に入ってくれたみたいで。で、秋月のなかでどうしても使いたいサビのメロディもあって、そのふたつを合わせて作っていった感じなんですよね。
秋月:だから曲作りはスムーズでしたね。
EMTG:逆に歌詞は大変でしたか?
秋月:第1期のオープ二ングだから、この曲=『ブラッククローバー』みたいな顔になってほしいなと思ったんですよ。それで、僕らが小中学生ぐらいで見ていた歴代のジャンプのアニメを見返したんです。『BLEACH』とか『NARUTO -ナルト-』『シャーマンキング』『テニスの王子様』『ハイキュー!!』あたりを。で、“いまからアニメを見るのが楽しくなるのはどんな曲だろう?”っていうのを考えながら、王道を意識して書きましたね。
EMTG:たしかに『NARUTO』だと、アジカンのイメージが強かったりしますよね。
秋月:そうそう。『BLEACH』はORANGE RANGEがやってましたし。
EMTG:それと同じように『ブラッククローバー』と言えば、感覚ピエロだよねってなるように。
秋月:なんなら、第3期ぐらいでまた俺らが登場できたらいいなと思ってます(笑)。
EMTG:メンバーも全員、原作の漫画は読んだんですか?
秋月:読みましたね。
滝口:もともと健ちゃんは『ジャンプ』を読んでたよね。
西尾:そうなんですよ。だから、めちゃくちゃ嬉しかったんです。
秋月:最初にこの話が決まったとき、健ちゃんに『ブラッククローバー』について聞いたんですよ。そしたら「俺はいまのジャンプで読んでて、もし俺らがジャンプのなかで曲を作るなら、この漫画やと思ってた」って言ってたんです。
西尾:『ブラッククローバー』はテーマが黒を基調にしてるんですよね。他の作品は明るい感じだったりするから、色的にはこれかなっていうのがあったんです。
EMTG:歌詞に≪愛想振りまいたって 自分自芯は 変わらないさ≫って出てきますけど、この“自分自身”の“身”を“芯”にしてるのが、秋月くん節ですよね。
秋月:こっちのほうがしっくりきたんですよ。それこそ漫画の主人公のアスタは芯が通ってるっていうのもありますし、僕らもそうですよね。どんどん進むんですけど、やっぱり芯はブレちゃいけないよねっていう意味もあって、この“芯”にしたんです。
EMTG:いま感覚ピエロがブレてはいけない芯の部分は何だと思いますか?
横山:周りに流されないことだと思います。せっかくエイベックスさんと一緒にタッグを組んで、JIJI INC.っていうかたちになったんだから、僕たちにしかできない何かを追求しないと意味がないんですよ。いまはたくさん人気のバンドがいて、若いバンドもすごく注目されていて、大先輩も入れ替わらないでずっとそこにいてはって。そういうなかで、僕らは誰かのポジションとか、いま流行ってるところじゃなくて、感覚ピエロのポジションを作らなきゃいけない。そこだけはブレちゃいけないなと思いますね。
秋月:真面目に好き勝手やるっていうところですかね。ずっと悪いことをしたいなと思ってます。周りがせえへんやろなっていうことを、平気でしたいですよね。
EMTG:なるほど。2曲目の「ミステリアスに恋をして」は、横山くん&滝口くんっていう珍しいふたりで作詞をしてるんですよね。
横山:これはいろいろあったんですよね。作るときに。
西尾:旅行に行ったんだっけ?
横山:行ってへん!!(笑)
秋月:この曲を作ってから、すごくふたり仲が良いんですよ。
EMTG:何があったんですか?
滝口:何もないです!(笑)
横山:曲を作るとき、僕はいつも仮歌として全く意味のない歌詞を歌ってるんですけど、たまたまサビの「ゴメンナサイ」だけ先にあって。歌詞をどうしようかってなったときに、そこから広げることにしたんですよね。で、「横山と滝口がせーので歌詞を書いてみよう」ってやってみたら、ふたりとも「ゴメンナサイ」の方向性が大体一緒だったんですよね。
EMTG:恋愛のなかにある、相手に謝らなきゃいけないシチュエーションというか。
横山:ってなったときに、“ミステリアスに恋をして”っていう言葉が、僕の書いた歌詞に入ってたんですよ。
秋月:これが良かった。
横山:で、タッキーさんが書いてきた歌詞は、僕がつけたメロディの譜割りを無視して書かれてたんですけど、それが、僕がもともと用意してたよりも良いメロディになってたんです。それで、このタッキーさんの歌詞を下地に作り直したりして最終的にこうなったんですよね。
滝口:けっこう途中で歌詞のストーリーが変わったりして、面白かったです。
秋月:Cメロの“悲しくても 悲しくても”のところとかは、滝口の歌詞をそのまま使ったんですよ。いままでも歌詞の共作はなかなかないから面白いなと思います。
EMTG:しかも、「ハルカミライ」とは対照的な、感覚ピエロのもうひとつの顔となる曲ですし。
秋月:横ちゃん特有のドロドロとした感じだよね。ザ・むらさき。
横山:闇! 憎しみ、怨念(笑)。
秋月:この曲を入れることで、ずーっと応援してくれてる人に向けては、俺らの根っこは全然変わってないですよっていうアプローチもできるんじゃないかなと思います。
EMTG:3曲目の「0になって」は秋月くんが作詞ですね。爽快感のあるロックナンバーですけども。
横山:この曲は今年の頭ぐらいからずっと温めてた曲ですね。
滝口:秘蔵っ子です。
秋月:もともとは仮歌詞からサビの頭に“Naked”が入ってる、英詞の曲だったんですよ。
横山:最初のテーマは洋楽のメロディで作るっていうことやったので。
秋月:で、『PaniPani-パラレルニクスパンドラナイト-』っていうスマホゲームのイメージソングに決まってから、少しだけ歌詞の世界観を合わせていった感じなんです。
EMTG:Nakedっていう言葉をそのまま生かそうと思ったのは? 意味は“無防備”とか……。
秋月:あとは“裸”とか。
横山:“ありのまま”っていう意味もありますね。
秋月:メロディを大切にしようとしたら、“Naked”以上にハマる言葉がなかったんですよね。でも、意味としても“ありのままに”だから、俺のなかで、リスタートできる曲にしたいなと思ったんですよ。それで、「0になって」っていうワードが出てきて。もう1回準備を整えて、気持ちをフラットにして行きますかっていう前向きな曲にしたいなって。
EMTG:どうして、このタイミングでリスタートの曲にしたいと思ったんですか?
秋月:どこか大きいステージを想像したときに……たとえば武道館でやったときに、最後のほうの曲で、こういう「これがゴールじゃなくて、第2章のスタートだよ」みたいなメッセージを伝えられる曲があったらいいなっていう漠然としたストーリーがあったんです。それで、自分のなかのターニングポイントの曲として書いたんだと思います……たぶん。
横山:僕の勝手な解釈なんですけど、もともとこの曲を作ったのが、今年の1~2月だったんですね。それがどういう時期だったかって言うと、自主レーベルのJIJI RECORDSを株式会社にしてJIJI INC.としてやっていこうかっていう決断をしたときで、すごく社長(秋月)のなかで揺れ動いてた時期だったと思うんですよ。いろいろな大人とのやりとりもあって、すごく忙しかったし。っていうのを考えたら、「0になって」っていうワードがすごくしっくりくるんですよ。
EMTG:なるほど。
横山:2017年、ここから僕らはリスタートだからっていうメッセージもあって。だから今回の初シングルにこの曲が入ってることはすごく大きな意味があるんです。
EMTG:あと、いまの話を秋月くんが自分で言わないで、隣に座ってる横山くんがするっていうのも、なんか良いなと思うんですよね。
秋月:俺のことをわかってくれてるんやなあ(笑)。
横山:でも今回いろいろ取材を受けたんですけど、この話をしたのは初めてです。
秋月:他では、ほんまに言ってないですよ。僕のなかでいつか感覚ピエロがそういう場所で、こういう曲を歌えたらいいなって思うんですよね。
EMTG:ちなみに、普通だったらシングルのタイトルは「ハルカミライ」だと思いますけど、「#HAL」にしたのは?
秋月:これね、全く意味がなくて。
EMTG:ハッシュタグがついてるから、ツイッターで拡散したいためとか?
秋月:そういうのでもないんですよね。けっこうジャケットを作りながら、そのデザインに合うタイトルにしようかなっていうのを考えてるので。
EMTG:デザイン優先で……でも、「ハルカミライ」の二文字とった感じですよね?
秋月:それも、「そう言えば」ってあとから気づいた感じで。本当に意味はないんです。
EMTG:わかりました(笑)。最後にこのインタビューが掲載されるころには、アルバムのリリースと2年ぶりの47都道府県ツアーが発表されるそうですね。
秋月:そうですね。
EMTG:こんなに短い期間で2回も全県をまわる人たちはちょっと聞いたことがないですが……。「もう二度とやりたくない」って言う人もいますし。
滝口:って、僕らも終わったときは言ってたんですよ。でも、気づいたら、おかわり(笑)。
秋月:自分が成長しやすいものなんですよね。修行って言うか。いまは日本中に僕らの音楽を届けるツールがあるけど、ライブに来られない人のほうが多いので。それやったら、俺らはまだ行ってあげられるようなスタンスでおりたいなと思うんですよね。だから、いろいろなバンドさんが「全国ツアー17本」とか言うんですけど。それは、俺は全国ツアーじゃないと思うので。ちゃんと全国47都道府県ツアーを回りますからっていう感じですね。

【取材・文:秦 理絵】

tag一覧 シングル 男性ボーカル 感覚ピエロ

リリース情報

#HAL

#HAL

2017年11月22日

JIJI RECORDS

01.ハルカミライ
02.ミステリアスに恋をして
03.0になって

お知らせ

■コメント動画



■ライブ情報

感覚ピエロ 47都道府県ツアー(仮)
2018年
03/04(日) 愛知 Zepp Nagoya
03/09(金)東京 Zepp Tokyo
03/10(土)埼玉 西川口HEARTS
03/11(日)静岡 UMBER
03/17(土)大分 DRUM Be-0
03/18(日)宮崎 SR-BOX
03/20(火)鹿児島 SR-HALL
03/21(水・祝)熊本 熊本 B/9 V2
03/23(金)福岡 DRUM LOGOS
03/24(土)佐賀 Live House GEILS
03/25(日)長崎 DRUM Be-7
03/31(土)山梨 甲府KAZOO HALL
04/01(日)長野 松本ALECX
04/04(水)岩手 盛岡CLUB CHANGE WAVE
04/05(木)青森 青森Quarter
04/07(土)栃木 HEAVEN’S ROCK Utsunomiya VJ-2
04/08(日)千葉 柏ThumbUp
04/13(金)広島 HIROSHIMA CLUB QUATTRO
04/14(土)岡山 CRAZYMAMA KINGDOM
04/18(水)愛媛 松山サロンキティ
04/20(金)高知 高知X-pt/
04/21(土)香川 高松DIME
04/22(日)徳島 徳島club GRINDHOUSE
05/16(水)秋田 秋田LIVESPOT2000
05/17(木)山形 山形ミュージック昭和セッション
05/23(水)群馬 高崎club FLEEZ
05/26(土)茨城 水戸LIGHT HOUSE
05/27(日)神奈川 横浜BAYSIS
05/31(木)福島 郡山 CLUB #9
06/01(金)宮城 仙台CLUBJUNKBOX
06/03(日)新潟 新潟GOLDEN PIGS RED STAGE
06/06(水)石川 金沢LIVE HOUSE vanvanV4
06/09(土)福井 福井CHOP
06/10(日)富山 富山MAIRO
06/17(日)北海道 Sound Lab mole
06/23(土)岐阜 岐阜CLUB ROOTS
06/24(日)三重 松阪M’AXA
06/30(土)和歌山 和歌山GATE
07/01(日)奈良 奈良NEVER LAND
07/06(金)兵庫 music zoo KOBE 太陽と虎
07/07(土)京都 京都MUSE
07/08(日)滋賀 滋賀U★STONE
07/14(土)鳥取 米子 AZTiC laughs
07/15(日)島根 松江 AZTiC canova
07/16(月・祝)山口 LIVE rise SHUNAN
07/21(土)沖縄 桜坂セントラル
07/28(土)大阪 なんばHatch

チケット先行受付開始:11月24日(金)20:00〜

▼感覚ピエロ公式LINEより、LINE LIVE放送決定!
11月24日(金)20:00〜22:00

▼感覚ピエロ公式LINE
https://page.line.me/kankakupiero


5th Album Release Tour
11/22(水) 岡山 CRAZYMAMA KINGDOM
11/23(木) 山口 RISING HALL

Jumpin’jack Special 2017
11/28(火) 大阪 なんばHatch

夜の本気ダンス 「ZENKOKU O-BAN-DOSS TOUR」
12/14(木) 長野 CLUB JUNK BOX
12/15(金) 石川 金沢 EIGHT HALL

rockin’on presents COUNTDOWN JAPAN 17/18
12/3(日) 千葉 幕張メッセ 国際展示場1〜11ホール、イベントホール

※その他のライブ情報・詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。

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