ゆびィンタビュー vol.05 ニトロデイ
ゆびィンタビュー | 2018.12.05
高校でこのバンドを組み、大注目新人としてフェスにも出演、『青年ナイフEP』(2017年)『レモンドEP』(2018年)と衝撃的な作品を発表してきたニトロデイが、1stフル・アルバム『マシン・ザ・ヤング』を完成させた。若々しいエネルギーをダイレクトに感じさせる爆音ギター、伝えきれない感情を吐き出す絶叫ヴォーカル、内臓を揺らすビート、全てが一回り大きくなったこのアルバムについて、歌っている時とは別人のように小さく穏やかな声で小室ぺい(ギボ)が語ってくれた。
PROFILE
ニトロデイ
ニトロデイは、横浜出身の小室ぺい(ギボ)、やぎひろみ(ジャズマスター)、松島早紀(ベイス オン ベイス)、岩方ロクロー(ドラムス)による4ピース・バンド。ギター/ヴォーカル=ギボ、ギタージャズ=マスター、ベース=ベイス オン ベイスと、それぞれを独自のネーミングで呼んでいる。平均年齢18歳でありながらも2018 年7 月にリリースした2nd EP 『レモンドEP』は、90年代のUSインディー、オルタナティブ、パワーポップなどの影響を色濃く受けたサウンドで業界からも定評があり、Apple Music 「今週のNEW ARTIST」「SPACE SHOWER NEW FORCE 2018」「タワレコメン」などに選出。小室の吐き出すように歌う様、独特の語感が、一度聞いたらヤミツキに。
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初フルアルバム完成ですね。手応えはどうですか。
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小室ぺい
今できる、一番いいものを作れた感じです。 -
アルバム・ジャケットは、サッカーやバスケットのボールでしょうか?
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小室ぺい
ジャケットの写真は、何度かライブの写真とか撮ってもらった小林みなみさんに撮ってもらったんです。こういう感じで行きたいって話して、そした撮影当日に、メンバー一人一人スポーツをテーマに撮ったら面白いかもねって。歌詞カードはそうなってるんです。 -
なるほど、それで野球のグローブ持ってたりサッカーボール蹴ってたり。ベースの松島さんはバスケやってたんですか?
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小室ぺい
いや、ボールが似合う(笑)、そういう感じで。 -
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スポーツがテーマ?
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小室ぺい
昔、野球やってて、最近その時の感じが良かったなと思って。 -
1曲目「ヤングマシン」の歌詞に出てくる「シンカー」は野球の球種のことなのは、そういう気持ちから?
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小室ぺい
歌詞を書く時も自然と思い浮かぶんで、そういうことを書いてます。最近は最初から終わりまで野球の歌詞とかも書いたりします。 -
野球が好きなんですか?
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小室ぺい
音楽やってるのが、自分は野球やってた感じに近くて。 -
好きなものに没入してるから?
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小室ぺい
好きだからやってるみたいなところが、近いものがあるなと思って。インタビューで、何で音楽をやるんですかって訊かれて、ただ好きだからやる、それ以上でも以下でもない、みたいなイメージですね。 -
好きな野球チームは?
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小室ぺい
昔、大阪に住んでいたので、阪神タイガースの試合をよく見てました。 -
このアルバムは、いつ頃から準備を?
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小室ぺい
今年の春ぐらいから、アルバムに入れたい曲とかイメージしながら曲を作って行く中で、最終的にこの10曲になりました。 -
これまでにリリースしてきた作品からの曲も収録されていますね。
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小室ぺい
作品を出すたびに結構変わってきたと思って。その中で、今やりたいことにも通じる曲とかを。今回再録した感じですね。 -
前作は『レモンドEP』ですが、そのリード曲も入っていますね。
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小室ぺい
『レモンドEP』あたりから、自分たちのやりたいことというのがわかってきて。そこに重点を置いて拡大させて行くような感じで、今回は作りました。 -
やりたいこととは?
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小室ぺい
まず、最初の作品を出した時とか、自分が当時聴いてたバンドとかにとらわれすぎていて、自分曲、自分たちらしい曲というのが作れてなかった。 -
そうですか?
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小室ぺい
でも、自分たちらしい曲ってどんなんだろうって考えるようになって。 -
自分たちらしい曲とは?
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小室ぺい
当時からUSロックとか90年代2000年代の感じがすごい好きで、そういう音にしていたんで、そこは大事にして曲のメロディとかで自分たちらしい感じになったらいいんじゃないかって。 -
それが今回の『マシン・ザ・ヤング』で実現できた?
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小室ぺい
前作でいろいろ試しながらやって、一番いいなってところを何となく掴んだので、今回のアルバムではそれを全面に出した感じです。 -
このアルバム・タイトルはどんな意味を?
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小室ぺい
1曲目が「ヤングマシン」ですけど、これはスタジオに「ヤングマシン」というバイク雑誌が置いてあって。いいなと思って曲を書いて。気に入ったんで、そこからアルバム・タイトルにしました。 -
自分たちが、若いマシンということかと思いました。
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小室ぺい
そういう意味も重ねて考えたちもして、1曲目は書いたんです。 -
2曲目「カリビアン・デイドリーミン」は、60年代のヒット曲「夢のカリフォルニア(カリフォルニア・ドリーミング)」からタイトルがついたとか?
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小室ぺい
タイトルだけです(笑)。曲もすごい好きで聴いてるんですけど。 -
3曲目「グミ」は、前作『レモンドEP』収録曲ですけどアレンジが変わってますね。
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小室ぺい
EPで聴くのとアルバムで聴くのは印象が違ってくる。そこが面白いなと思って。 -
次の「炭酸状態」はもっと前、一番最初のミニ・アルバムの曲ですね。
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小室ぺい
このバンドで最初からやってる曲の中では、今に通じる何かがある曲だなと思って。今だったら絶対作れてない。それで気に入ってて、今回アレンジとか練り直して。それで、いい感じに仕上がったんじゃないかと思います。 -
その次が新曲の「ジェット」。
-
小室ぺい
今年の春ぐらいにアルバムを作ろうってなって、一発目に作った曲。だから勢いがありつつ、インパクトもある感じになったかな。 -
パワフルな曲で気持ちもアガります。
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小室ぺい
歌がしんどいんですけど、コード進行が気に入ってて。こういうテンポが速い曲って、そういうところで面白さを出さないと。それがいい感じにまとまって良くなったと思います。 -
「ジェット」は演奏シーンのMVですけど、最後に野球のボールが出てくるのが「ヤングマシン」につながります。
-
小室ぺい
そうですね。 -
6曲目「アルカホリデー」も再録ですね。
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小室ぺい
これは「青年ナイフEP」に収録されている前々作の曲なんですけど、「炭酸状態」と同じで今やりたいことと共通するところがあったので。コーラス増やしたり、ちょっとしたテンポ感を意識して改良した感じです。 -
この曲のコーラスが起伏をつけていていいですね。
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小室ぺい
それは意識しました。コーラス・パートで、フッと弱まるといいうか、上がらないところが気に入ってます。 -
歌詞に、歯並びのことが出てきますけど。
-
小室ぺい
歯並びは悪いっすね。小さい頃に歯医者で、君は歯が1本多いって言われた。 -
それ過剰歯と言うそうですよ。ところで次の「フライマン」は新曲ですね。
-
小室ぺい
これは終盤にできた曲で、その時にすごいニュー・オーダーにハマってて。 -
「ブルーマンデー」とかですか。
-
小室ぺい
いや、「テンプテイション」とか、そういう綺麗な曲すごくいいなと思って、自分もそういうのがやりたいなと思って、目指して作った曲です。 -
そうでしたか。テンポがニューオーダー的かも。
-
小室ぺい
今までの曲のとらわれず自由に作って。サビっぽいサビもないけど、そこがイケたかなって気に入ってます。 -
”どこかに消えたいのに”という歌詞をシャウトしてるのがすごく伝わります。
-
小室ぺい
そこは、何回も録って、やっといいのができた感じです。 -
そして「レモンド」。これも再録ですか?
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小室ぺい
ミックスを変えただけです。今やりたいことが掴めた曲だったので、今回はこれを入れないと始まらない。 -
”不甲斐ないなあ”とシャウトするサビに強烈なインパクトがあります。
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小室ぺい
自分は、そういうのが自然に出てくるタイプなんで。スタジオで合わせながら適当に歌詞を叫んでいたら、そういうことになってたり。 -
それは驚きですね。もっと熟考して歌詞を書いているのかと。
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小室ぺい
『レモンドEP』までは、歌詞とかは全然丁寧じゃなかったというか。今は韻とかも含めて考えるようになって、前よりいろいろ表現できることが増えたかなとは思うんですけど。 -
「ハイティーン」はどうですか? ”デイドリームポップヒティーンキックス”という言葉の繰り返しが印象的です。
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小室ぺい
最初は違う歌詞でやってたんですけど、イマイチしっくりこなくて、探ってるうちに鼻歌みたいな感じで思い浮かんだのが、その歌詞です。 -
メリハリのある演奏が面白いです。
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小室ぺい
この曲はアルバムに入れるか悩んだんですけど、ベースの松島にコーラス入れてもらったらすごく良くなって。それで入れました。 -
10代へのアイロニーも感じますが。
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小室ぺい
後付けでそうなりますけど、もう何年か経てば大人になっちゃうけど、今の感じとか忘れたくないなあというイメージはありますね。 -
最後は「ボクサー」。勝てないんですね。
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小室ぺい
これは「ハイティーン」とかに比べるとシンプルな曲なんですけど。レコーディング最後の日に、もともとあった曲がボツになって。 -
えっ、そんなこともあるんですか? みんなの意見で?
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小室ぺい
そうなんです。でもあと1曲どうしても録りたくて、土壇場で作って、アレンジもその場でやって。でもしっくりきてて、あとあと聴いてメチャクチャいいなと思ってます。 -
締めの1曲みたいな気持ちもあったんでしょうか。
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小室ぺい
そうかもしれないですね。でもこの曲書いてよかったなと思います。 -
さて、今やりたいことを詰め込んだ作品が出来上がって、どうですか。
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小室ぺい
いっぱい好きなことをやれて、アルバムになったから、うん。それを聴いて、何かしらを感じてくれたらいいですね。 -
野球をやってた気持ちと同じという純粋な気持ちは素敵ですが、音楽を通じての望みみたいのはないんですか。
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小室ぺい
バンドとしての目標はずっとあって。歴史に残る名盤を作りたいとずっと思ってます。 -
それは大きな目標ですね。
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小室ぺい
自分も歴史に残る偉大なバンドの作品とか聴いてきて、そこに憧れがあるので、自分たちも名盤を作って、今の時代はもちろんですけど、これからもずっと長く聴かれたいと思います。 -
肩を並べたい名盤は?
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小室ぺい
日本でいうと、『スリーアウトチェンジ』(スーパーカー)、海外になると『ピンカートン』(ウィーザー)とか、『サイアミーズ・ドリーム』(スマッシング・パンプキンズ)とかが、自分の好きな作品なんですけど、それと並べるほどのものができたら嬉しいですね。 -
ちょっとマニアックな名盤でしょうか。
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小室ぺい
自分の中ではめっちゃメジャーな名盤なんですけど。このアルバムがないと、というか必然的なアルバムで。そんな風なアルバムになればいいと思います。 -
その人にとって重要な作品?
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小室ぺい
自分は、これはやらないといけない音楽だというスタンスで作ってるから、そこは伝わってほしいと思います。
【取材・文:今井智子】
リリース情報
マシン・ザ・ヤング
2018年12月05日
SPACE SHOWER MUSIC
01.ヤングマシン
02.カリビアン・デイドリーミン
03.グミ
04.炭酸状態
05.ジェット
06.アルカホリデー
07.フライマン
08.レモンド
09.ハイティーン
10.ボクサー
02.カリビアン・デイドリーミン
03.グミ
04.炭酸状態
05.ジェット
06.アルカホリデー
07.フライマン
08.レモンド
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