ゆびィンタビュー vol.09 カノエラナ
ゆびィンタビュー | 2019.03.06
シンガーソングライターのカノエラナが、自身初となるシングル「ダンストゥダンス」をリリースする。個性的な着眼点で綴られる歌詞と、圧倒的なポップ感で仕上げられるサウンドは、今回も多くの音楽ファンを唸らせるはずだ。事務所を立ち上げレーベルも移籍するなど、新しい環境の中で音楽を楽しみ始めたカノエラナ。シングルのリリース後は約1年ぶりとなるバンドスタイルでのツアーが始まり、地元・佐賀での音楽イベント開催、22本にも及ぶ弾き語りツアーなど、その勢いは止まらない。
PROFILE
カノエラナ
1995年12月4日 佐賀県生まれの女性シンガーソングライター。
独特な着眼点から生まれる歌詞と、その世界観にあわせて色とりどりに変化する歌声と圧倒的な歌唱力。ギターやピアノの弾き語りはもちろん、バンド編成の圧巻のライブパフォーマンスとゆる~い佐賀弁トーク炸裂のギャップで魅せるステージで、いま同世代を中心に支持を集める注目の女性アーティスト。
- 新曲「ダンストゥダンス」が完成。シングル、初ですよね。
カノエラナ
そうなんです。カノエラナ
これまでミニアルバムって形でたくさん出してきたけど、去年フルアルバム(「キョウカイセン」)を出せたことで一区切り付いたかなと思って。- その初シングルを、蔵前レコーズという新レーベルからリリース。少し前だけど事務所も立ち上げ、いろんなことが新しく動き始めてますね。
カノエラナ
自分1人じゃできなかったこともたくさん経験させてもらったけど、もっとこうしたいとか、自分でここまでやりたいとか、より納得のいく形で活動していきたいなと思ったんです。- なるほど。
カノエラナ
もともとある<カノエラナとしての像>みたいなのは変わらないし、ブレもしてないけど、自分でできる範囲をどんどん広げていきたいなって。カノエラナ
メジャーデビューして活動する中で見えてなかった部分にも目を向けて、ひとつひとつ自分でノックして、自分でドアを開けて確認してっていう作業をしている感じです。- でも環境が変わるって、不安とかもありそう。
カノエラナ
ウィルス対策は万全なんで(笑)。- (笑)
カノエラナ
これまでだっていろんなこと経験してきたし、ここに打ち勝って進めばまた何か見えてくるんだろうなって思えたというか。自分が変わる、自分で何かを変えられる、そういう時でもあるよなって思えたからすごく前向きです。- 頼もしい!
カノエラナ
今年、年女なんですけど、すごい何かきてるなって思うんですよ。去年とも一昨年とも全然違う感じがある。カノエラナ
大吉まで引いたし。- おみくじ?
カノエラナ
そう。人生でほぼ初めてみたいな。- 地元の唐津で?
カノエラナ
はい。家族の中で1人だけ引いちゃって、周りがザワついたくらい珍しいこと(笑)。絶対、何かある(笑)。- そのパワー、お裾分けしてください。
カノエラナ
ゴォォォォォォォーー- いただきました!今のこの無敵感が、今回の新曲にも反映してるんですね。
カノエラナ
自分で何回も聴いてます。それくらい大好きな曲になりました。初のシングルだし、新体制でのスタートでもあるわけで。テーマとか方向性はどんな風に絞っていったんですか?カノエラナ
リード曲に関しては、既存曲は使わず全く新しいものにしようと。それでたくさん曲を作ったんですけど、なんかこう、自分の中で「んー…」って感じで。でも、この「んー…」ってなってる曖昧な部分を書けばいいのかなって思ったんです。というと?カノエラナ
今までは結論を大事にしてきてて、起承転結をちゃんと書かなきゃいけないって脳みそだったんです。カノエラナ
でも今、この東京でフワリフワリと動いていってる自分のさまみたいなものも書ければいいなって思ったのもあるしカノエラナ
もともと彷徨ってるっていうエピソードもあったんで。曲にまつわるオフィシャルのコメントとして、東京駅の八重洲口がわからなかったっていう話が出てましたね。カノエラナ
上京して5年くらい経ったけど、いまだに道わかんないし、そもそも地図読めないし。カノエラナ
あとは自分自身がどこに行くべきなのかっていう人生観的なエピソードだったりも。でも、結局ゴールはわからないじゃないですか。だったら、今の状況に身を任せてみるのもいいんじゃないかなって、そういう歌詞になってますね。今回も、言葉の使い方が天才的でした。文字で見たときの理解と、音になったときの楽しさ。両方がとんでもない得点をたたき出してます。カノエラナ
いやぁ。カノエラナ
難しかったです。以前「トーキョー」という曲がありましたが、今回歌われているのはアナザーサイドの東京観でもありますね。カノエラナ
そうですね。歌詞もちょっとリンクしてるし。今でも目覚ましのアラームは5分おきなんだなって。カノエラナ
そこは変わってない(笑)。単純に比較することはできないと思いますが、ふたつの曲の中の東京についてお話ししてもらえます?カノエラナ
「トーキョー」を書いたのは上京して右も左も分からなかった時。故郷あるし頑張んなきゃなって素直な気持ちを、バッと書いて感情で歌いました。カノエラナ
でも「ダンストゥダンス」のほうの東京観はカノエラナ
そこから何年か経ってなんとなく東京の街には慣れてきたけど、アラームはまだ5分おきに鳴ってるし、いまだに道迷うしっていう相変わらずの自分はいるけど、周りはどんどん変わっていく。20歳過ぎてお酒が飲めるようになって、付き合う人たちも変わってくるし、友達もそれぞれの変化の中にいたりする。めちゃくちゃ真面目だった友達がチャラくなっていくとか(笑)、人生楽しんでるなっていう、そういうのを一歩引いた目で見つつ面白く歌っている感じ。気持ちとか気合いだけじゃない、実感としての東京なんですね。顔見たことないお隣さんがうるさくてイライラするっていうのは、SNSで好き勝手言ってる人たちのことかなとも感じました。カノエラナ
そうです、その通りで。カノエラナ
私はもともと田舎だし、地域の人みんな知ってるみたいなとこで育ったけど、東京ってそんなのありえないですよね。隣に住んでる人の名字も知らないし、顔も見たことない。それってSNSと一緒だなって。カノエラナ
曲調からするとちょっと昔っぽいムードかもしれないけど、歌詞はめちゃくちゃ今なんですよ。現代。ではそのサウンド面に関しては?カノエラナ
自分が1番好きなもの、原点はなんだったかなって思い浮かべた時に、自分のスタートって割とジャジーな感じだったよなって。EGO-WRAPPIN’的な。カノエラナ
そうそう。Ego-Wrappin’カノエラナ
今回は初めてピアノとギターを同時進行で作ったんですよ。そのあとGarage Bandでデモ音源を自分で完成させて、それをアレンジャーさんにブラッシュアップしてもらいました。今まではイメージで伝えることしかできなかったけど、今回は具体的な音で提示できたのが大きかったです。レコーディングに関わる顔ぶれも変わったんですか?カノエラナ
そうですね。でも素敵な方と巡り会えば素敵な音が生まれるし、素敵な方が教えてくださったエンジニアさんも素敵な方で。そういう連鎖、間違いないですね。カノエラナ
ひとつひとつみんなで話し合いながら協力して作れたので、それが音にも表れてるんじゃないかなって思います。ボーカル面も確実にステップアップしてますね。カノエラナ
それも弾き語りのツアーやってたことが大きかったと思います。カノエラナ
表現力に関して、ここは譲れないみたいなところもどんどん増えてきたんですよ。「ダンストゥダンス」は曲もめちゃくちゃ難しいけど、歌詞も詩的な部分が多いというか、ニュアンスが曖昧だったりするので、その曖昧さをどう表現するかみたいなところもあって。ちょっと小馬鹿にしてるというか、まぁノラリクラリ歌ってますよ的な部分も出さないといけなかったりして、色々試しながら歌いましたね。今回のタイトルに関してですけど「ダンス」という言葉は、これまでのカノエワールドにはなかったタイプですよね。カノエラナ
はい。ピアノで作ってる時に、なんとなくダンスホールで貴婦人みたいな人が踊ってるようなイメージがあったんです。でもギターでやってると、あれ?これはロックなジャズな感じなのかなって。楽器の性格が出るみたいな。カノエラナ
私、ピアノで作るとどうしてもクラシックな感じになるんですよ。舞踏会チックな、3拍子とか作っちゃう。それがイイ感じで出てるサビの最後のフレーズに「dance to dance」って言葉がハマったんです。そのまま引っ張られてタイトルにもなったんですよね。踊るっていう楽しい一面もあるけど、踊らされるとなると全然違う世界が広がっちゃう単語ですよね。カノエラナ
そうなんですよね。「ダンス」っていう単語だけでいろんな想像ができるし、2回繰り返すことでより掻き立てられるかなって。カノエラナ
MVもかなり見ごたえのある感じになってるんで、ぜひ最後まで見てみてください。じゃあカップリングの「猫の逆襲」についてですけどこれは結構前からライブでやってますよね。カノエラナ
2~3年やってるかな?カノエラナ
みんなから、音源化してほしいってすごく言われてた曲なんです。カノエラナ
今回自分の中では「ダンストゥダンス」と並ぶWリード曲みたいな感じで、両方パンチあるシングルにしたかったんですね。今まで通り振り幅を効かせて、別の人が歌ってんじゃないの?って疑われるくらい別次元から攻めたかった。カノエラナ
このシングルでカノエラナを知った人でも、カノエがどんなやつなのかわかりやすいかなと思います。間違いないですね。猫の曲といっても、ただ可愛いだけじゃない。後半に出てくる猫の声が、カノエラナの作品ならではの毒っ気を表現してますよね。カノエラナ
めっちゃ頑張って唸りました(笑)。え?あれって自分で?カノエラナ
実は私の声なんです(笑)。ちょっと可愛いのと怒り気味の唸る感じの2テイク録って、こっちがいいかなと。芸達者(笑)。カノエラナ
フフフ。カノエラナ
驚きは大事です。では最後になりますが、バンドと弾き語り、それぞれのツアーも楽しみにしてますね。カノエラナ
やってる最中は必死だし、終わった直後は放心状態だったりするけど、ツアー後にやる対バンとかのライブで「あれ?自分、なんか強くなってないか?」って毎回気づくんですよ。ムキムキになって、レベル上がったんじゃね?みたいな。今回も弾き語りツアー終わるの6月ですけど、今よりもっと強くなってたらいいなと思うし、絶対なってるだろうなって思ってます。ムッキムキにね。カノエラナ
なってますよ、確実に(笑)。【取材・文:山田邦子】
リリース情報
ダンストゥダンス
2019年03月13日
蔵前レコーズ
01. ダンストゥダンス
02. 猫の逆襲
03. ダンストゥダンス -Instrumental-
04. 猫の逆襲 -Instrumental-
02. 猫の逆襲
03. ダンストゥダンス -Instrumental-
04. 猫の逆襲 -Instrumental-
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クトゥルフ神話 TRPG
テーブルゲームというか、紙とか鉛筆とかサイコロなんかを使って、プレイヤー同士が会話しながら遊ぶ対話型のロールプレイングゲーム。自分もやってみたいんだけど、周りにそういう人がいないから、夜な夜な検索してはその動画を見てます(笑)。
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※その他のライブ情報・詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。
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