愛媛発・LONGMAN、メジャーデビューシングル「Wish on」リリース! メロディックパンクをアップデートしていく彼らにインタビュー
LONGMAN | 2019.11.06
男女ツインボーカルを武器に、ライブハウスをキラッキラに照らしてきたメロディックパンク3人衆、LONGMANがシングル「Wish on」でメジャーデビューする。彼らのフェイバリットは10-FEETやELLEGAEDEN、SpecialThanks、04 Limited Sazabys……こういったバンドをじっくり聴き、そのリスペクトを自分たちのスタイルで昇華したことがわかる彼らの楽曲からは、メロディックパンクの醍醐味を改めて感じることができる。珠玉のメロディと、心踊るアレンジ、そしてリアルな歌詞。すべてを磨き抜き、メロディックパンクをアップデートしていく彼らを、ぜひ見逃さないでほしい。インタビューでは、新曲についてはもちろん、紆余曲折の道のりや、3人のキャラクターまで語りつくしてもらった。
- EMTG:このたび、メジャーデビューを迎えるにあたって、どんな思いがありますか?
- ひらい(Gt/Vo):メジャーというよりは、まずバンドを続けられていることが嬉しくて。さらに、いろんな人が関わってくれるようになって、すごい幸せだと思います。
- EMTG:それだけ紆余曲折があった、ということですよね。この3人になってから7年とのことですが、それ以前の歴史もあったわけで。
- ひらい:はい。メンバーが違って、僕だけは変わらないんですけど、男だけでLONGMANをやっていたんです。
- ほりほり(Dr):ライブでコントやってたらしいです。
- EMTG:そうなんですね! そこから、どのような流れで現体制になったんですか?
- ひらい:まず、さわちゃん(Ba/Vo)が入って、1年後にほりほりが入りました。
- EMTG:さわさんが入ることで、LONGMANの持ち味である男女ツインボーカルが確立できたと思うのですが、そもそも「次は女性のベース&ボーカルを入れたい!」というコンセプトがあって誘ったんですか?
- ひらい:前のベースが、キャラが強くて面白い人だったので、その後釜って考えると、普通の人じゃダメだな、パンチがある人はいないかな……女子だ!と思って。当時は男女ツインボーカルのバンドも珍しかったし。さわちゃんは大学の後輩で、声もいいと思っていてたから。当時さわちゃんは違うバンドをやっていたんですけど、「掛け持ちでいいけん、一緒にやろう」と。
- さわ:ただ、そのバンドではギター&ボーカルだったんです。でも、ベースで入ってくれって言われて。ベースは触ったこともなかったし、最初は断りました。でも……それでも何回も誘ってくれて、ご飯もおごってくれたので入りました(笑)。ちょうど就職かバンドか迫られている時期だったんですけど、バンドの方が楽しいかな?って。
- EMTG:では、ほりほりさんは?
- ほりほり:僕は大学1年の時に誘われて。でも、メロコアをあまり聞いてなかったんです。地元のバンドがみんな同じことやってるようなジャンル、って勝手に思っちゃっていて。だから断ろうと思ったんですけど、ひらいさんの曲を聴かせてもらったら、ありきたりじゃないな、面白そうだなって思って、すぐ入ろうって決めましたね。
- EMTG:確かにLONGMANの楽曲には、ありきたりじゃない魅力があると思うんです。ひらいさんは、メロコアが好きだからこそ、ありきたりなことをやりたくない、進化させたい、みたいな志はあったんでしょうか?
- ひらい:そうですね。僕も、メロコアが全部同じに聴こえるっていう意見もわかるんです。でも、いい曲はいいから、そこを目指しているというか。いいメロコアを作りたいんです。
- ほりほり:コントも、他と違うことをやりたかったからやっていたんじゃないの?
- ひらい:そうそう(笑)。
- ほりほり:コントも、他と違うことをやりたかったからやっていたんじゃないの?
- EMTG:この3人になってからは、コントをすることはなく?
- ひらい:一切捨てて、曲で勝負してます。
- さわ:でも、めっちゃ最近、仙台でやったでしょ?
- ひらい:ああ、MCでめっちゃスベって、このままじゃ曲行けないってなってやったんですけど、めっちゃウケました。あの頃の相方に見せてやりたかった(笑)。
- さわ:でも、めっちゃ最近、仙台でやったでしょ?
- EMTG:そっち側も進化していたんですね(笑)。そして、LONGMANのもうひとつの転機といえば、2年前にさわさんが喉の不調に見舞われて活動休止をしなければならなかった時期です。実際、どんな状態だったんでしょうか?
- さわ:まず高音が出なくなって。ツアーもあったんで、そのまま歌っていたら、だんだん声が裏返ってきてしまって。最終的に、お店で店員さんに「すみません」っていうのも言えなくなったんです。小さい声なら出るけど……。
- ひらい:声が張れなくなったんですよ。もう解散だと思っていましたね、僕は。
- さわ:私も、もう終わったと思いました。でも、あきらめずリハビリして、いろんな人に励まされて、ここまできました。
- ひらい:声が張れなくなったんですよ。もう解散だと思っていましたね、僕は。
- EMTG:ほりほりさんは、どんな思いで見守っていたんですか?
- ほりほり:さわちゃんだったら絶対に治す!って僕らが思っていたら、治らんかった時にさわちゃんがメンタル的にしんどかったと思うんです。でも、治らんって思っているわけでもなくて、まあ、なるようになるかって。だから、治ったらできるように、もしくは治ってなくてもある程度はできるように、粛々と準備をしていました。
- EMTG:その時期に、「Wish on」はできたんですよね。もちろん辛い時期だったとは思うんですけど、決して無駄じゃなかったということが、この曲を聴くとわかります。
- ひらい:ありがとうございます。休止してよかったって言えるようにならなきゃいけないと思ったので、時間をかけられるぶん、いい曲を作ろうとは思っていました。今作に入っている2曲目「No End」も休止中で、3曲目の「Journey」だけ復活してから作ったんです。
- EMTG:ここまでの発言を聞いていても、曲を聴いていてもわかるんですが、3人はバラバラなキャラクターの持ち主ですよね。
- ひらい:かぶらんように努力はしてます。髪型とかもね。
- ほりほり:すみ分けを話し合うことはしてるね。例えば、さわちゃんらしさとはどういうところか、みたいな話を車でしたりします。
- EMTG:その“さわちゃんらしさ”って、どんなところですか?
- ひらい:まだ世に出ていないところもあるんですよ。めちゃめちゃポンコツなんです。
- ほりほり:会話のテンポも遅くて。
- ひらい:Windows95って呼んでます(笑)。
- ほりほり:会話のテンポも遅くて。
- EMTG:(笑)。ちょっぴり意外です。明るくてポジティブで、バンドの中では太陽みたいな存在なのかな、って思っていました。
- ほりほり:それはそうだと思う。プラス、Windows95っていう(笑)。
- EMTG:じゃあ、ほりほりさんは?
- ひらい:何もしない(笑)。免許もないしね。
- ほりほり:基本そうですね(笑)。流れに身を任せてるっていう。
- さわ:でも、一番ポジティブです。
- ひらい:弱音は吐かない。
- ほりほり:吐いてもしゃあないしね。
- ひらい:僕、真逆だから。
- ほりほり:(ひらいは)心配性なんです。僕は、そう考えることがむしろマイナスじゃね?って言っています。
- ひらい:足して2で割ったらちょうどいいんです。
- ほりほり:基本そうですね(笑)。流れに身を任せてるっていう。
- EMTG:確かに、さわさんが太陽ならひらいさんは月なのかな、って歌詞を見ていても思います。そして、ほりほりさんは二人を支えるニュートラルな存在、というか。
- ひらい:そうですね(笑)。
- ほりほり:そう考えると、バランスいいのかもしれないですしね。
- EMTG:そんなひらいさんが、これだけキラッキラな曲を生み出しているのは、憧れからくるものなのでしょうか?
- ひらい:完全にそうです。暗いことを暗く歌ってもしゃあないし。
- EMTG:「Wish on」の歌詞は、暗いというわけではないと思うのですが、揺れた心境のまま終わっていくところが印象的でした。とてもリアルだなあって。
- ひらい:そう、元気出そうぜって言われて元気が出ることもあると思うんですけど、自分たちは、俺もしんどいんだよね、俺も同じだよっていうところを出して、お客さんに共感してもらって、元気づけていきたいんです。
- EMTG:ひらいさんは10-FEETが好きなんですよね? 彼らも、まさにそういった姿をむき出しにし続けてくれていますよね。
- ひらい:ああ、10-FEETの歌詞は、すごく影響を受けています。SABOTENの歌詞もすごく好きなんです。
- EMTG:メロコアの魅力を、歌詞からも感じてきたんですね。
- ひらい:はい。僕は学生の時に、こういうバンドの歌詞に元気づけられてきたので。
- EMTG:10-FEETと対バンしたことはあるんですか?
- ひらい:ないんです。会いたくないっていうくらい好きなんですよね(笑)。
- さわ:DVDを観て、“10-FEETノート”を作っているくらい好きなんですよ!
- ほりほり:ライブのここがいい、とか書いてあって。自分たちのライブでも、10-FEETのあの時のライブのああいうところみたいにしたい、って言われることがあります。
- さわ:DVDを観て、“10-FEETノート”を作っているくらい好きなんですよ!
- EMTG:ひらいさん、研究型なんですね。
- ほりほり:めっちゃ研究型ですよ。マーケティング論とかの本も読んでいるし。
- ひらい:自主レーベルもやっていたからね。
- さわ:SUM41のスコアにも、何かめっちゃ書いてたよね。
- ひらい:コーラスを研究したくて。僕、練って出すタイプなんですよね。
- ひらい:自主レーベルもやっていたからね。
- EMTG:さわさんとの歌声のバランスも絶妙ですけど、そこも研究されていますか?
- ひらい:そうですね。さわちゃんの声の方が抜けるし、単純に明るくなるんで、重要なところは歌ってもらっています。何故か「Wish on」は僕が歌ってますけど(笑)。今回は上ハモが生きる曲だと思ったので、敢えて僕がメインになったんですよね。
- EMTG:キラッキラな「Wish on」もいいですけど、その次に1分足らずのパンクチューン「No End」をぶっこむ姿勢も最高ですよね(笑)。
- ひらい:そうですね(笑)。「Wish on」は激しくはないので、2曲目は今までのお客さんのことも考えて、いっぱいストックがある中から、パンチ力がある「No End」を選びました。まあ、単純に僕らはこういう曲が好きなんですよね。
- ほりほり:うん。僕はもともと2ビート好きじゃなかったんですけど、だんだん(曲に)2ビートがないほうがイヤっていうようになりました。
- ひらい:加入した頃は(ほりほりの)2ビートの音がめっちゃ小さかったんですよ。サビなのに音圧が落ちるっていう(笑)。でも、うまくなりましたね。
- さわ:私は、昔からdustbox好きだったりするので、こういう曲も好きです。dustboxと対バンした時に、ベースを弾かせてもらって、めちゃくちゃ楽しかったんですよ!
- ほりほり:うん。僕はもともと2ビート好きじゃなかったんですけど、だんだん(曲に)2ビートがないほうがイヤっていうようになりました。
- EMTG:「Neo Chavez 400」?
- さわ:そうです。
- EMTG:ならば「No End」を弾きこなす姿も納得です(笑)。そして3曲目の「Journey」は、さわさんの高音が気持ちよくって! ほんと、歌声が戻ってよかったなあって実感できるような曲ですね。
- さわ:ああ、そうですね。ほんっと、最近、歌えることが楽しいんです。
- ひらい:僕らも、さわちゃんが歌えるようになるにつれて、楽しくなりますしね。
- EMTG:これからの目標って見えていますか?
- ひらい:どうやろ? ひとつひとつ目の前のことをやっていくっていう……ずっとそうなんですよね。先を見ても不安になっちゃうので。今で言うと、リリースからのツアーですね。
- EMTG:松山は、松山市総合コミュニティセンターということで。故郷へ錦を飾りますね。
- ひらい:経済をまわしていきたいですね、消費税も上がったし。
- ほりほり:微々たるもんやろ!
- EMTG:曲のストックも、まだまだありそうですし、楽しみにしています。
- ひらい:はい。なんせ1年休止していたんで(笑)、まだまだ出したい曲もいっぱいあります!
【取材・文:高橋美穂】
LONGMANメジャーデビューシングル「Wish on」Music Video
リリース情報
Wish on
2019年11月06日
SMAR
01.Wish on
02.No End
03.Journey
02.No End
03.Journey
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