バクシン×ビレッジ×民やん、ライブハウス文化を牽引する3者による緊急座談会!

バックドロップシンデレラ × ビレッジマンズストア × 民やん(「見放題」代表) | 2020.03.25

 4月1日にシングルをリリースするバックドロップシンデレラとビレッジマンズストア、そして「見放題」の主催者として知られる民やん氏との座談会が実現した。2020年の「見放題東京」は新型コロナウイルスの影響で開催が中止となってしまったが、実際に開催された場合、バックドロップシンデレラとビレッジマンズストアは同イベントの最大キャパ会場・新宿BLAZEのトリ前と大トリを務めるはずだった。すなわちそれは、民やん氏がライブバンドとして信頼している証と言っていい。今回の座談会には、バックドロップシンデレラからは豊島“ペリー来航”渉(Gt/Vo)、ビレッジマンズストアからは水野ギイ(Vo)が参加。「見放題東京」が開催されるはずだった3月7日の翌日、急遽集まってくれた3人の想いをここに記す。

EMTG:「見放題東京」、とても残念でした。
豊島:民やん、今ここにどんな気持ちでいるんだろう。
EMTG:そのお話はまたあとでお聞きするとして。まず、お三方がここまでの信頼関係を築けた理由はどんなところにあるのでしょう?
豊島:もう、ライブしかないですね。まず2011~2012年くらいにバックドロップシンデレラとビレッジマンズストアは名古屋のSIX-DOGで初めて対バンをして。その時にみそっかすも出てて、ビレッジよりみそっかすのほうがいいなと思った(笑)。でもその2年後くらいにビレッジ観て、「めっちゃかっこいい! どうした!?」って思って(笑)。

みそっかす「SEXY DYNAMITE」PV

ビレッジマンズストア "逃げてくあの娘にゃ聴こえない" (Official Music Video)
一同:あはははは!(笑)。
豊島:最初観た時、良くも悪くも目の前のお客さんにしっかりピンポイントでライブをしているような印象があって。でも2年後に観たら、そこに届くことはもちろん、さらにライブの雰囲気が大きくなっていて。どこからも入ってきやすいなと思った。
水野:その頃の俺らは、小バコに出てるバンドにありがちなライブをしてましたよね。バックドロップシンデレラは、最初に対バンしたときは古き良きパンクロックのテンションというか、あんまり人を寄せ付けないような孤高の雰囲気を醸し出してて。バックドロップシンデレラはどんどん変わり続けているからかっこいいし、僕らも変わり始める時期やテンポがバックドロップシンデレラと一緒だから、今もこうして関わりを持てているのかなと思いますね。

バックドロップシンデレラ ダメ男とジュリエット(DEMO)PV
EMTG:その後、両バンドとも民やんさんと関わりができる、と。
民やん:僕もバックドロップシンデレラとビレッジマンズストアは、みそっかすきっかけですね(笑)。みそっかすのデストロイはるきち(Vo/Gt)が「民やんさん、めっちゃいいバンドいるんですよ! 絶対に『見放題』出したほうがいいです!」って、バクシンとビレッジをぐいぐいおすすめしてきて。でもアー写を見て「あ、これは『見放題』のカラーじゃないな……。明らかにベテランやし、『見放題』に出ても斜めから来る感じやな」と思ったんです(笑)。ちゃんと音源を聴かず、ライブも観に行かず2年くらいが過ぎたんですけど、それでもまだはるきちがぐいぐい来るからライブを観てみて。
豊島:……はるきちのおかげですねえ。
水野:ほんとそうっすね。
民やん:実際ライブを観たら「なんだこりゃ!」と。僕はアイリッシュとかも好きだったし、バクシンはただパンクをやってるだけの人じゃなかったことを知って反省しましたね。年齢とかキャリアとか関係なく、絶対に今からでも一緒にやったら面白いと思ったんです。たぶん僕が観たタイミングが、バクシンとビレッジがもっと外に向けたライブをやっていこうと変わっていた時期だったんじゃないかな。2013年くらい。
豊島:ああ、そうですね。そのタイミングで初めて民やんに観てもらえたのは良かったかもしれない。もっと出会いが早かったら、「見放題」に斜めから切り込んでたかも(笑)。
民やん:(笑)。だからめちゃくちゃ付き合いが長いというわけではないんです。
EMTG:2008年から始まった「見放題」の歴史の中頃から、ということですね。
水野:「見放題」、もう13年目なんだ! すげえ~。
豊島:13年連続で「見放題」に出てるバンドはいるの?
民やん:いやあ、さすがにいないですね。いちばん長く出続けてくれてるのはTHEラブ人間。2011年のBIGCATのトップバッターで、そこからずっと。

THEラブ人間「これはもう青春じゃないか」【Official Live Video】
豊島:その頃から、THEラブ人間の谷崎航大(Vn)に民やんの人となりとかは聞いていて、「見放題」に興味はあったんです。でも谷崎も「民やん紹介したいっすけどねえ。……民やんバックドロップ好きなのかなー!?」って(笑)。
水野:あははは! 俺らもいろんなバンドから同じこと言われた(笑)。
EMTG:特にその頃は、民やんさんに歌ものロックをチョイスするイメージが強い時期でもあったので、なおさらかもしれません。
民やん:どっちかというと、元々は泥くさい音楽が好きなんですけど、当時はちゃんと伝えていきたかったから、ある程度シーンを固めておきたかったんです。でもこの5、6年は、これまでの積み重ねもあるし、広げていこうという意識で動いてますね。
豊島:話す前はもっと頭の固い人だと思ってたけど、実際に話してみたらいい感じに情熱がある人で。でもここ2、3年は「あ、この人こんなに頭柔らかいんだ!」って驚きが強い(笑)。
水野:そうっすね! 「見放題」はパイオニアっすよね。個人でこれだけのサーキットイベントを開催してる人いなかったから。
豊島:そうだよね。それでここまでずっと続けてる人もいないし。だってもう、僕らを繋いでくれたみそっかすもいないですしね……。
一同:あはははは!(笑)。
豊島:「TOKYO CALLING」の去年の下北沢のブッキングも民やん中心となってやってたらしくて、出演者がほとんど僕が知らない若いバンドだったんですよ。そこまでちゃんとチェックしていて、ちゃんとイベントとして成功させているのは本当にすごいなと。正直こういうイベントは、これまでの関係値でずるずる同じバンドが出てることもよくあるけど、「TOKYO CALLING」しかり「見放題」しかり、ラインナップがごっそり入れ替わる。それはすごいなと思う。
水野:うんうん。でも俺、逆のイメージもあるんですよ。「見放題」をきっかけに外に出て行った人たちが、毎年必ず「見放題」にいるというか。それはバンド側からすると「信頼してもらってるんだな」って感じるんですよね。
EMTG:たしかに、「見放題」は新しい風と長きにわたる信頼関係、どちらもいい状態で両立されていると思います。
民やん:やっぱりバンドの調子がいい悪いにかかわらず、お互いの気持ちが伝わっている人に出てもらいたい。それが「見放題」のカラーにつながってるのかなと思ってますね。
水野:「見放題」はちゃんとバンド一つひとつを見て、そのうえで出るハコやタイテを決めてくれてることが伝わってくる。だからタイテを見てても、政治的な力がはたらいていない、気持ちで作られていることがわかるんですよね。
豊島:確実に今のライブハウスに詳しい人が作ってるよね(笑)。
民やん:僕は1年中サーキットイベントをやっているし、日本中のサーキットをいちばん観ている自信があるから、そこに関しては絶対に負けたくない(笑)。やっぱりお客さんがバンドの状況をいちばんわかってると思うんですよ。「なんでこのバンドがこんな小さいハコなの?」みたいに思われないようにはしたいし、今いるべき場所にアーティストを持っていってあげたい。あと、「見放題」はすごく縦軸も気にしてるんですよ。タイムテーブルを見た時、まず目に入ってくるのは縦の流れだと思うし、そこでわくわくしてもらいたい。イベント当日も前のバンドから待機してる人が結構いるから、そのバンドを好きな人の目に届いてほしいバンドを縦でつなげたりしてますね。
水野:「行くとこないし疲れたけど、民やんさんが自分の好きなバンドの前に持ってきてるバンドだから観てみよう」と思う人が増えたら最高ですよね。



EMTG:お三方の関係性について知れたところで、4月1日にリリースされるバックドロップシンデレラとビレッジマンズストアのニューシングルについて伺いたいと思います。まずバックドロップシンデレラの『新米美容師の彼女』について、民やんさんはどういう印象をお持ちになりましたか?
民やん:バラエティに富んだ3曲やなと思いました。でもバクシンはこんなナチュラルアフロの人がいるし、真ん中の人もヤバそうだから(笑)、それこそ昔の自分みたいに入っていけない人も多い気がして。でも入ったらみんなハマっちゃう。「新米美容師の彼女」のポップさは、今の場所がしっかりあるからこそ、そこにもっと入りやすい入口ができたんじゃないかと思うし、これからのことを考えてもわくわくしますね。
EMTG:水野さんはいかがでしょうか。
水野:最初に聴いて思ったのは、めちゃくちゃいい意味で「TVやCMで流れる曲じゃん!」ということで。でも、僕にとってバックドロップシンデレラは今も昔も変わらずポップな存在だし、生活のことや身近なことをまじめに歌ってると思うんです。「新米美容師の彼女」を聴いて、周りが新しいことに進んで先に行ってしまうような感覚や、自分とのズレとかを思い出して――今までもバックドロップシンデレラの曲を聴いて、そういうことを感じたりしてたんですよね。「新米美容師の彼女」はそれが素直に刺さってきた曲だった。あとバックドロップシンデレラのお客さんがライブでこの曲をどう料理するのかも楽しみで(笑)。
民やん:あー、それめっちゃわかる! バクシンはいろんな武器を持ってるから、お客さんも「今回はこの武器か!」って感じだと思うし。
水野:新しい風が起きると思うんで、早くこの3曲を現場で観たい。バックドロップシンデレラのお客さんのレスポンスはいつも想像の上を行くから、どんなふうになっていくのかめっちゃ気になりますね。
豊島:ありがとうございます。「新米美容師の彼女」は二転三転あってできた曲で。もともと最初はかっこいいギターリフから始まってるんですよ。でも制作の最中に異様にキャッチーなサビが出来て、サビがキャッチーすぎるぶんギターリフが邪魔になってきて(笑)。
EMTG:かっこいいギターリフありきで作っていたのに(笑)。
水野:その思い切りのいいジャッジ、すごいっすよね。せっかくできたものをマイナスするのって勇気がいるから。
豊島:抜いたほうがサビが映えるなと思ったし、かっこいいギターリフはそのうち使えばいいかなと。そういうジャッジができるのも、バンドとして余裕が出てきたからこそだと思います。あと“新米美容師の彼女”という言葉そのものは、もともとあゆみくん(でんでけあゆみ/Vo)が持っていたもので。
一同:へえ~!
豊島:だいぶ昔に“新米美容師の彼女”というタイトルの曲を持ってきたんだけど、結局ライブでほとんどやらないまま、音源にもならないままで。でもこのサビメロにたまたま“新米美容師の彼女”という言葉がハマったので、歌詞ではなく“新米美容師の彼女”というテーマでポエムを書いてほしいと、あゆみくんに頼んだんですよね。
水野:へえ~! すげえ! おもしれー!
豊島:そのポエムから言葉を借りつつ、僕が作詞していきました。やっぱり常に新しいことをやっていかないと面白くないので、かといって結構音源を出しているのでネタにも困りつつ(笑)、今回はこういうことをやってみようかと。新しい挑戦でしたね。
水野:バックドロップシンデレラの歌詞は、詩的なのにわかりやすいんですよね。「祝え!快速が来るので」も、普通このテンポだと歌詞を聞き取れないんですよ。でもあの曲は空耳もしないし、スッと言葉が入ってくる。ワードが強くて、並べ方もかっこいい。

バックドロップシンデレラ『祝え!快速が来るので』
EMTG:「祝え!快速が来るので」は、バックドロップシンデレラがこれまでも楽曲で訴え続けてきた、埼京線快速が南与野駅に停車するという悲願達成を祝した曲です。
豊島:今までは南与野の解放戦線側の意見や不満をたらたら述べていたんですけど、このたび《あたし暮らしやすくなります》という市民の感謝の言葉がパッとひらめきまして……これだ!と(笑)。この神フレーズのせいで世界観がぐっと固まったし、歌詞にずっとうっすらOLが宿ってますね(笑)。タイトルに関しては、キャナコさん(アサヒキャナコ/Ba)に「あの『祝え!朝が来るまで』という名曲をもうここでいじるの? 早くない?」って嫌な顔されましたけど(笑)、これしかないでしょう!と。

バックドロップシンデレラ『祝え!朝が来るまで』Music Video
EMTG:キャナコさんといえば、この曲の冒頭の台詞を読み上げていますが、若干噛み気味なまま突っ走るところがたまらないなと。
豊島:実はあれがファーストテイクで(笑)。本人としては出来が不満で4回くらい録り直したんですけど、ダントツで面白かったファーストテイクを使いました(笑)。
水野:英断! さっきの“若干噛み気味”で全員が「あれね!」って納得してる時点で大きなフックになってますし(笑)。
民やん:面白いし、かわいいよね(笑)。
EMTG:初期曲の再録「人生とは迷宮だ」は、豊島さんのカラーが前面に出た曲ではないでしょうか。
豊島:昔のバックドロップシンデレラは、あゆみくん作曲が多かったんですけど、この曲は僕が作っていて。それを僕が歌ってみたらどうなるかな?ということで今回収録してみました。そうすると、あゆみくんも「新米美容師の彼女」と「祝え!快速が来るので」の2曲に集中できるかなと。
水野:これまでの渉さんボーカルの曲でもそうですけど、「歌う人が変わるだけでこんなに変わるんだな」「渉さんが歌うとこんなにロックバンド然とするんだな!」って思いますね。あゆみさんの異物感ってすげえんだなとも思うし(笑)、どっちのすごさも伝わってきますよね。やっぱバックドロップシンデレラはみんな歌えるからうらやましいんですよ。
豊島:え、水野はほかのメンバーに歌ってほしいの?
水野:ずーっと歌いっぱなしは疲れるし(笑)、1、2曲歌ってほしいですよ。ひとつの音源でいろんな面が見せられるのはすごくいいことだし、バックドロップシンデレラはメンバー全員の個性を活かして固めれば、自然とそれができますよね。
民やん:うん。3曲でここまでバラエティに富んでるところが本当にすごい。
豊島:そういうことができる環境になれてること、それに違和感が生じないバンドになった、というのはラッキーだなと思いますね。



EMTG:では続いて、ビレッジマンズストアのニューシングル『アダルト / People Get Lady』の話題へ。豊島さんはバックドロップシンデレラのZepp Tokyoワンマンで、“両A面シングル”という形態をいじってらっしゃいましたが(笑)。
豊島:新曲を2~3曲で出すならばシングルしかない、シングルで出すならば1曲をA面にするしかないという気持ちのもと、僕らはとても素敵な3曲から表題曲を1曲に絞りましたので……。まさか両A面という手があったとは(笑)。
水野:(笑)。選べなかったんですよ。いろんな人に「この2曲どっちが表題がいいかな?」と聞いたらまじで半々だったし。
豊島:ビレッジのライブの後半のほうで盛り上がってるロックアンセム的な2曲が、ついにタイトル曲になるのか、という気がしましたね。
EMTG:ビレッジマンズストアの両極端な得意技をより磨いた2曲、という印象はありました。
水野:ああ、そう言ってもらえるのもうれしいですね。そんなに多彩なことができる器用なバンドではないから。どんなライブをやっているバンドなのか想像できる2曲にはしたかったんです。
豊島:「People Get Lady」の演奏は、ビレッジの職人芸って感じだね(笑)。こういうアレンジ作ってるバンドっていないんじゃない? 荒金(祐太朗/Gt)が入ってから特にそう思うかな。ああいうギターの刻みをやらせたらめちゃくちゃかっこいいし、岩原(洋平/Gt)との対比も良くなってきてるよね。ビレッジはギターの音もでかいけど、そのスタイルが確立してきた感じがしましたね。

ビレッジマンズストア「People Get Lady」 (Official Music Video)
水野:ギタリストふたりとも花形でいてほしいので、どんどん目立っちゃって俺を殺しにかかるくらいでお願いします、でも俺も負けませんよ、みたいなのがいいなと思ってるんです。岩原と祐太朗はプレイスタイルが全然違うので、バッキングとリードとかにとらわれず、自由にやれるバンドでありたい。祐太朗は岩原のプレイを見て「自分もこういうことをやらなければいけない」と思うみたいなんですけど、俺としては祐太朗のそのままを活かしてほしいなと思っているので、そこはコントロールするようにしてますね。
豊島:結成15周年の時期に出してた会場限定盤の曲たちも良かったけど、久しぶりの流通盤でそれを上回る曲が出ないと残念だな……という不安が払拭された2曲でしたね。
民やん:うん。「アダルト」も歌い出しからパワーが漲ってるし、もっと大きいところで会場全体が熱くなっていく感じが曲から見えてくる。どっちもビレッジの良さが詰まってるから、どっちをA面にするか悩むのも納得というか。
豊島:民やんの言うように、「アダルト」の歌い出しはいいよね。めっちゃかっこいい。

ビレッジマンズストア「アダルト」Short ver. (Official Music Video)
水野:あ、うれしい~! 渉さんに歌褒められるのめっちゃうれしいっす(笑)。
EMTG:『アダルト / People Get Lady』は両A面シングル+DVDという形態なんですよね。
水野:DVD付のシングルを出すことが決まったうえで曲作りをしたんですよ。俺らとしても1年間会場限定盤しか出さないのは閉鎖的な活動になってしまう不安があったので、シングルでそれを払拭したかったんですよね。ビレッジマンズストアが今やりたい2曲と、今までやってきたライブが伝わるものにしたかったんです。だからある意味ベスト盤みたいなものにはなったかな。ライブ映像がCDとして手に渡ってほしいなとも思ったし――っていうのも、最近よく思うんですよ。昔はCDがゴールだったけど、どうやったらCDきっかけでライブに来てもらえるかな?って考え方になってきてる。でも、ライブメインでの活動は憧れてきてたことでもあるから、すごくいいんじゃないかなって。

Don’t trust U20 - ビレッジマンズストア 2020.4.1 RELEASE『アダルト / People Get Lady』DVD LIVEティーザー



EMTG:ただ、最近はライブが開催できないことが相次いでおりますが……。
豊島:ね。ライブを目指して活動してきたのに……ということで民やんの心境を聞きたいよね。
民やん:「見放題東京」を開催する予定だった昨日は、ハコ1個1個回って挨拶とキャンセル料について話をしました(笑)。
豊島:生々しい~!(笑)。 でも昨日、「見放題」の会場で配信ライブをするバンドも結構多かったですよね。
民やん:そうですね。ライブハウスを使ってもらえて、アーティストの発信できる場所があったのは、不幸中の幸いというか。
水野:こうやってみんなが機転を利かせる動きはいいですよね。俺らは動けなくなっちゃったから、無力だなあって(笑)。危機に直面したときに「どうしたらいいんだろう?」と考えるのは大事だと思うし。
民やん:それで言うと、やっぱり打首獄門同好会の無観客配信ライブはすごかったっすね。あの機転の利かせ方はさすがやなと。
EMTG:無観客配信ライブで先陣を切ったのが打首獄門同好会でしたね。視聴者10万人超えという数字だけでなく、ゲストも多数出演、アイデアも盛りだくさんの内容でした。
豊島:速さと機転の利かせ方と……何よりもクオリティの高さだよね。
水野:ほんと内容が素晴らしかったですよね。これまでずっと毎回のライブを特別にし続けてきたからこそできることだと思います。でも会長からしたら、普段のライブと同じように考えてたんだろうなって。
豊島:うんうん、そうだよねえ。会場に集まってくれる3000人のお客さんが、ネットの向こうにいる10万人のお客さんになった、っていう。
民やん:こういうことを必ずしなきゃいけないわけではないけど、時代的に自分たちから発信できないと何もしていない、出来ないように見えてしまったりもするから……難しいですね。普通にライブをやっているだけだと、そう見えてしまう時代なんだなというのも浮き彫りになった気がする。
水野:こういう状況でどうやってプラスを生んでいけばいいのか、ちゃんとバンドで考えていかなきゃいけないとはしみじみ思ったかな。渉さんの企画した「無菌GIG」、めっちゃヤバいなと思って(笑)。
EMTG:豊島さんが店長を務める池袋Admで企画された「無菌GIG」は、出演者4人、12人でソールド、お客さん一人ひとりにオリジナル曲を作成して、ライブで演奏したものを録音したCD-Rをプレゼント。チケット10000円という、逆境を逆手に取ったアイデアだなと。
豊島:うちのハコの最終手段ですね(笑)。スケジュールを組む際に、こういうことでライブができなくなるだなんて、まったく考えてもみなかった。やっぱりこういう状況になると思い出すのは東日本大震災なんですけど、その時のAdmは地獄のように稼働してたんですよ。前日にイベントが飛んでも代わりのイベントを即座に入れたりしてて。
民やん:ライブハウスが「東北が大変なのに不謹慎だ」とか「電気をこんなことに使うな」とか言われてた時期でしたよね。
豊島:計画停電で電気が使えないなら無照明でライブをやってた。当時の僕にとっては「キャンセルが出るのは致し方ない。だけど休んでいてどうする。稼働することが大事だ」という信念があったんで、disられようが関係なかった。でも今回は状況が違いますよね。ライブハウスに人が集まることが難しくなってきてる。
水野:俺らもライブをしたいし、俺らが世間から叩かれるのは別に痛くないけど、集まってくれた人が責められたり、叩かれたりしているのを見てしまうと……簡単に「ライブをするぞ!」とは言えんな、と思ってしまった部分もあって。
EMTG:「見放題東京」は規模を縮小して開催する予定だったのが、中止という結果になりました。
民やん:規模を縮小して開催することを発表した翌日に、ライブハウスに来てた人が感染していて、そこから広がりましたという報道が出て。すると「見放題東京」に参加しようとしてる人の周りの人から僕のところに問い合わせが来るんですよ。「うちの知り合いがお宅のイベントに行こうとしてるんですけど、こんな状況で開催するなんて正気ですか?」って。参加を決めるのはお客さんなんだけど、お客さんが悪く言われるのは不本意だし。それに加えて、これだけの出演者がいて、これだけのライブハウスが関わってくれていて、ご迷惑をかける可能性はゼロではない――それで最終的に「この状況ではやれないのかな」という判断に至って。
EMTG:バックドロップシンデレラもビレッジマンズストアも4月からツアーが始まる予定ですが……。
豊島:もちろん絶対やるつもりで準備をしておりますが、極めて様子を見ていかなければいけないので……ただただそれだけですね。
水野:なるほど。
民やん:2020年にもなって、こんなことで全世界がパニックになるなんてね、思ってもみなかったよね。情報の強さを感じるし、何をもってしてOKなのか、というのがまったく見えない。“不安”という感情はものすごく付け入りやすいんやなって。
豊島:状況は震災を彷彿とさせつつも、震災とまったく方向性の違う脅威なんですよね。あの時は大地震が起きて東北でたくさんの人が亡くなってしまって、原発の問題が生まれて、それを解決させるためにどうするか、という状況だった。だけど今回の場合は、どんな未来が待っているのかがわからない。その不安で経済が崩壊しつつある。
民やん:ライブ以外にもCDやDVD、配信、ファンクラブやこういう記事を読むとか、アーティストを応援する方法や音楽を楽しむ方法はあるので、まずはシングルを手に取ってほしいですよね。
豊島:このCDを買ったらいつか「ああ、あの時大変だったな……」と思い出せるようにおさまるといいですね(笑)。そうなる未来を願ってます。
水野:ストリーミングでは味わえない感じっすね(笑)。バックドロップシンデレラとリリース日が同じなのは初めてなので、CDショップの展開で隣同士に置いてもらえるのかなあとか、結構楽しみですね。

【取材・文:沖さやこ】

tag一覧 J-POP インタビュー バックドロップシンデレラ ビレッジマンズストア 民やん(「見放題」代表)

リリース情報

新米美容師の彼女

新米美容師の彼女

2020年04月01日

NaturalAfroRecord

01.新米美容師の彼女
02.祝え!快速が来るので
03.人生とは迷宮だ(再録)

リリース情報

アダルト / People Get Lady

アダルト / People Get Lady

2020年04月01日

VERSUS music

01.アダルト
02.People Get Lady
《ライブDVD「LIVE at 2018.10.13 DIAMOND HALL」12曲収録》

お知らせ

■コメント動画




■ライブ情報

バックドロップシンデレラ
7th Singleリリース2manツアー
「新米美容師とウンザウンザを踊るツアー」

04/04(土)岩手 盛岡Club Change WAVE
04/05(日)秋田 CLUB SWINDLE
04/10(金)北海道 札幌Sound lab mole
04/12(日)福岡 CB
04/17(金)石川 金沢vanvan V4
04/18(土)広島 CAVE-BE
04/19(日)兵庫 神戸太陽と虎
04/29(水・祝)大阪 梅田TRAD
05/09(土)香川 高松DIME
05/10(日)静岡 UMBER
05/23(土)宮城 仙台MACANA
05/29(金)東京 恵比寿LIQUIDROOM
05/31(日)愛知 名古屋E.L.L.



ビレッジマンズストア 2020春tour
“People Get Ready”

04/09(木)愛知 名古屋CLUB UPSET
04/10(金)愛知 名古屋CLUB UPSET
04/19(日)大阪 梅田Shangri-La
04/24(金)東京 渋谷TSUTAYA O-WEST



「見放題2020」
7月開催予定!!!

※その他のライブ情報・詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。

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