ネット発・ウォルピスカーター、オリジナル作品で突き抜けたアーティスティックな側面

ウォルピスカーター | 2020.04.07

 圧倒的歌唱力を持つシンガー、ウォルピスカーターが最新アルバム『40果実の木』をリリースした。2012年より歌い手として活躍してきた“高音出したい系男子”。昨今、ワンマンライブ「株主総会」「“大”株主総会」の大成功、アニメEDテーマとなったシングル「1%」のリリース、FM NACK5でのラジオ・パーソナリティーとしての活動、中川翔子の楽曲「ある日どこかで」のプロデュースなど、活躍の幅を広げてきた。全曲オリジナルとなったアルバム『40果実の木』では、7曲で作詞を担当。磨き抜かれたハイトーン・ボイスを武器に、よりアーティスティックな側面をみせてくれた。ロック・フィールドへも浸透しつつある、才気あふれるウォルピスカーターに話を訊いてみた。

――素晴らしいアルバムが完成しましたね。手応えはいかがですか?
ウォルピスカーター:今回の満足感は高いです。でも、間に大きなライブが2本あったので、割と急ピッチな制作でした。企画自体は、去年の夏頃から考えていたんです。僕の腰が重くて時間かかってしまったんですけどね。
――今回、タイトルが『40果実の木』ということで、コンセプチュアルでアーティスティックな雰囲気を醸し出しています。攻め攻めでドラマティックなナンバーが多いですよね。
ウォルピスカーター:アルバムを企画する前に作り始めていた曲も多かったので、もともと明確なコンセプトはなかったのですが、結果ジャンルも世界観もそれぞれ異なる11曲が集まったので、『40果実の木』というタイトルになりました。実は40種類のフルーツが実る木が実際にあるんです。今回のアルバムにぴったりだなって。
――多様性を感じられる世界観、ある種、今の時代っぽい感覚ですね。いいタイトルです。
ウォルピスカーター:40果実の木は、どこかの研究室で実験で作られたみたいですね。
――それは面白いですね。そこからアートワークやコンセプトへと広がったと。
ウォルピスカーター:そうですね。曲としては「雨子」、「1%」が最初にあって、その2曲のMusic Videoを手がけてくれた南條さんにアルバムのアートワークもお願いして。
――どんな作品の方向性にしたい、など、なんとなくイメージはあったのですか?
ウォルピスカーター:僕が好きな作家さんが、ボカロPの方が多いんですけど、曲作りは自由にお願いしました。一切、こちらからは注文をつけることなく、持ち味を最大限に活かしていただいて。
――なるほどねぇ。作り手の魅力を知っているからこその信頼関係だ。昨今、ボカロ文化圏から生まれたネット発アーティストの動向って注目されているじゃないですか? ボカロPや歌い手のアーティスト化など、こういったシーンって刺激になっていたりしますか?
ウォルピスカーター:僕自身、内向的で外に出ないタイプなので、あまり外界とのコミュニケーションは取らないんです。自分の情報源は必然的にインターネットしかないんですよ。で、まぁTwitterでネット発アーティストの活躍が流れてくるんですけど、そういうの見てると悔しさがあって、自分が辛くなってきちゃう(笑)。だからあまり見ないようにしてますね。シャットアウトしています。
――となると、ライブでオーディエンスと直接向き合えるという場の存在は大きそうですね。
ウォルピスカーター:ライブはダイレクトに褒めていただけるので(笑)。心の隙間を埋めてくれますねぇ。
――今年、9月と11月に東京と大阪でZeppライブが決定しています。
ウォルピスカーター:お客さんからライブをやってほしいという要望が多いんですよ。なので、自分が一番楽しめるライブをすることで、みなさんにもより楽しんでいただければなって思っています。
――ちなみに、数年前に(ボカロPの)トーマさんに取材をしていて。ウォルピスさん、定期的にトーマさんの楽曲をカバーされていますよね? 今回も初回限定盤で「アザレアの亡霊」を歌われていて。トーマさん、それこそ米津(玄師)さんばりな才能を持っていたボカロPだったと思っているので、活動終了後も継承してくれるのはなんだか嬉しいですね。

ウォルピスカーター:トーマさん大好きなんですよ。僕が今こうして前線にいられるのであれば、伝えていきたいという気持ちですね。こんな名曲があるんだよって。昔からのファンにとっては、ようやく原曲キーで歌えるようになったんだよって報告でもあって。5年かかりましたから。
――シンガーとしてひとつの目標でもあったのですね。今回、こうして『40果実の木』として11曲収録のオリジナル・アルバムと初回限定盤に付いてくるカバー作品を2枚に分けているのも象徴的だなと。表現者として、アーティスト性を打ち出す覚悟を感じました。
ウォルピスカーター:そうですね。これまで混在することが多かったんですけど、思い切って全曲オリジナルをやりたかったんです。じゃあ、初回限定盤のDISC2で「歌ってみた」をやろうかなと。
――オリジナル曲として1曲目を飾った「Colors」が、疾走感がありつつもキャッチーかつロックで最高でした。
ウォルピスカーター:わりとメジャーコードでポップスな曲で。となると歌詞は明るくしたいなって。タイトルを先に決めてからこの曲は歌詞を書いたんです。「Colors」という色を作ることでアルバムのスタート感を打ち出しつつ、でも、僕は実は明るい歌詞を書くのが苦手なので、栄養ドリンクに頼りながら頑張って書きましたね(笑)。
――イントロから没入感の高いナンバーで、アルバムの入口になりますよね。人気曲になりそう。
ウォルピスカーター:そうなってくれたら嬉しいですね。ちなみに曲を書いてくれたのは神谷志龍という友達なんです。それこそ、自分が音楽活動を始めた頃からの。同い年なので、好きな音楽の趣味も似ていて、いろんな趣味の話をしていた会話の中からこの曲は生まれました。
――信頼関係やリスペクトという関係性から作家は決まるんですね。
ウォルピスカーター:そうですね。今回で言えば、3曲目の「マキナの祈り」を書いてくださったLITCHIさんは、完全に僕がファンだったからお願いしたというパターンです。はじめまして状態から連絡して、ご飯に行きながらお酒飲みつつ曲についてお話しして。
――ハードなロックチューンでかっこいいですよね。
ウォルピスカーター:そうなんです。それから2曲目「キャスティングミス」も熱いですね。
――シリアスな世界観で、サビでのハイトーンっぷりがクールで、ライブで大変そうとか思いました(笑)。
ウォルピスカーター:そうなんですよ。この曲はアルバムの中で音域のレンジが一番広いので大変ですね(笑)。僕の声の一番下から一番上までを全開で使っている曲ですから。

――そんな意味では、通常のJ-POP作品とは違う次元を感じるのがウォルピスカーターさんの面白さですよね。
ウォルピスカーター:僕は、音源への強いこだわりがあって。ボーカリスト目線では、ライブで生で再現できることを考えなければいけないんですけど、限界を突き詰めていったらどうなるんだろう?、ブレスもキーも関係なくいい曲を作ろうとしたらどうなるんだろう? そんなことを考えてしまうんですよ。ひたすらテイクを重ねてでもいいから、ひとつの作品としてどこまで突き詰めていけるんだろう、って考えていますね。なので、ライブは後付けなんですよ。だから……そうですね、ライブは今から考えないとですね(苦笑)。
――ははは(笑)。でも、本作はとってもライブ感ある曲たちでもありますよね。
ウォルピスカーター:そうですよね、ライブで聴けたらかっこいいだろうなって(笑)。
――(笑)。ちなみに、ボカロPとして人気のはるまきごはんさんが作詞作曲の6曲目「雨子」が大好きなナンバーで。それこそ、米津玄師の「vivi」、トーマの「オレンジ」級にメロウで最高級なナンバーだなって。

ウォルピスカーター:嬉しいです。はるまきごはんとは「1%」というアニメタイアップの楽曲を提供してもらってからの付き合いで。この「雨子」はその時のデモ楽曲の中にあった1曲なんです。そのときからすごく好きな曲だったので、お蔵入りさせずに完成させたいって話をして。彼とは波長があったというか仲良くなって、「ワンマンライブにも出てよ!」みたいな。今では気のおけない友人ですね。

――しかも、アルバムではデュエットバージョン「1%(Duet ver.)」として録音されて。せつなさでいっぱいのいい曲ですね。
ウォルピスカーター:ありがとうございます。シングルに収録された音源と聴き比べてみたら面白いと思いますよ。これからの野望としては、僕は、歌は一生涯の趣味にしたいと思っていて。歌う事以外も広げていきたいと思っているんです。いまやっているラジオのパーソナリティーだったり、声優や司会も新たに挑戦してみたいし。いろいろやってみたいことがあります。今後も歌詞を書いていきたいですし。僕自身、本を読むのがとても好きなんです。1日に相当な量の文字を読んでいますね。きっかけは、小学生の頃『ハリー・ポッター』を読んだことでした。そんな意味では歌詞を書くことがとても好きですね。あ、歌詞と歌、サウンドのハマり具合でいえば10曲目「ありきたりなさよなら」も大好きな曲です。
――こうやってお話を伺っていると、いろんなものを聴いたり読んだりするのがお好きで、分析されるのもお好きそうな感じがしますね。
ウォルピスカーター:そうですね、好きかもしれないです。あとは、11曲目「徒花の涙」も、アルバムラストを飾るドラマティックな1曲なので、チェックして欲しいですね。ぜひ、アルバムを通して楽しんでもらえたら嬉しいです。よろしくお願いします!!!

【取材・文:ふくりゅう(音楽コンシェルジュ)】

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リリース情報

40果実の木

40果実の木

2020年03月25日

日本コロムビア

01.Colors
02.キャスティングミス
03.マキナの祈り
04.REVE
05.蜃気楼に求め 歌:ウォルピスカーター×SILVANA
06.雨子
07.1%(Duet ver.) 歌:ウォルピスカーター×はるまきごはん
08.斜めがけ前線
09.偶像信仰上過失致死
10.ありきたりなさよなら
11.徒花の涙

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ゴジラ キング・オブ・モンスターズ
ハリウッドでやった映画ですね。すごい良い映画でした。ゴジラは、日本版とハリウッド版でまた全然違うんですけど、どちらも好きですね。ちなみに、その次に検索していたのは「巨大ムカデ まとめ」でした(笑)。



■ライブ情報

ウォルピスカーターワンマンLIVE 2020(東京編)『真・株主総会』
09/27(日)東京 Zepp Haneda

ウォルピスカーターワンマンLIVE 2020(大阪編)『ハイトーン刑務所 ~LIVEでキーを下げただけなのに~』
11/01(日)大阪 Zepp Namba


ちゃんげろソニック2020
05/10(日)千葉 幕張海浜公園 Gブロック特設会場

※その他のライブ情報・詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。

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