go!go!vanillas、待望のプリティ復帰、約1年ぶりの新作「アメイジングレース」

go!go!vanillas | 2020.05.18

――2018年の12月にプリティ(長谷川プリティ敬祐)が交通事故にあって、一時はどうなることかと本当に心配したけど、2019年の10月のライブからステージに戻れて、こうして完全に復帰が叶って本当に良かった。
長谷川プリティ敬祐(Ba):本当にファンのみなさんにも関係者のみなさんにもご心配をおかけしました。本当にたくさん支えてもらいました! メンバーにも本当に心配かけてしまったし、同時に迷惑もたくさんかけてしまったし、いっぱい助けてもらって感謝してます。サポートでベースを弾いてもらっていたミュージシャンのみなさんにも本当に感謝してます。
――もう完全に大丈夫?
プリティ:ん~、完全にっていうとそうでもないんですけどね、まだ手とか曲がりにくかったり、ちょっと突っ張る感じがするんですけど、引き続き鍛えてるんで、基本ベースを弾くのも、生活するのも全く不便はないですね。
――本当に良かったね。事故に遭ってから、こうして元気な姿になるまで会ってないから、“大したことなくて良かったね!”みたいな感じに思ってしまうけど、今回のニューシングル「アメイジングレース」の完全限定生産盤に付くドキュメンタリー映像を見ると、こうして復帰できたことすら奇跡的なくらい絶望的だったことが分かるよね。
プリティ:そうなんですよ。
牧達弥(Vo/Gt):本当に。あの映像見ちゃうと、今更ながらよく復活できたなって思うというか。ベッドで寝てるプリティの姿を最初に見たときは、本当に絶望的でしたからね。
――映像を見ると、そのときの心境が痛いほどつたわってくるよね。でも、この経験は、作品にもすごく大きな影響を与えたんじゃないかなと感じる。今回の「アメイジングレース」は、まさにそんな温度を感じたというか。これは、復活後に書き下ろされた曲?
牧:そうです。プリティがちゃんとベースを弾けるようになってから書いた曲ですね。プリティが復活するまで、曲を作るにも3人になっちゃうし、ちゃんと戻ってこれるのかも定かではなかったから、メンタル的に曲を作る気になれなかったのもあったし。ちゃんとプリティが帰ってこれたときに作りたいなって思ったんですよね。それが筋だとも思ったし。それもあって「アメイジングレース」は、今年の1月くらいに作ったんです。
――「アメイジングレース」に向き合うとき、これまでとは違う意識が自分の中にあったと感じることはあった?
牧:そうですね。この1年間の間の中で経験したことや考えたことと、プリティが帰ってこれて本当に良かったなっていう想いを込めて作った1曲になったので、まさに、今しか生まれてこなかった曲になったと思いますね。歌詞も、いつも以上に広がりのある言葉になったと思うし。誰が聴いても入ってきやすい言葉で書いたのは、意識あってのことだったんじゃないかなって思いますね。
――なるほど。やはりそこはすごく素直に出る場所なんだね。サウンド的には、すごく“go!go!vanillas節”を感じたというか。それぞれのパートへのリレーションや、独特のループ感とか、“待ってました!”な1曲だなと。アップライトを思わすベースラインとかも、“あぁ、go!go!vanillasの音が帰ってきたな”っていう感覚だった。
牧:そう。ベースに関してはプリティと一緒に音を重ねながら考えていったんですけど、やっぱり音にプリティの癖とかも出てたから、あぁ、やっとまた4人で音作りが出きたなぁって思ったし。
――映像の中には、病室での様子やリハビリの様子と共に、ステージに復活するまでの道のりが赤裸々に収録されているけど、プリティの感覚を取り戻すためにライブハウスを貸し切って行ったリハーサルの様子も残されていて。そこでの様子は本当に生々しくもあり、“バンド”の絆の深さを感じさせるものでもあったよね。“疲れたね。音に出てる”っていう下りは、本当に胸にきたというか。分かるんだなぁって。
プリティ:そうですね。あのときは、自分がどれだけ気合いを入れても、平気な顔してても、音には全て正直に出ちゃうんだなって思ったんです。自分以上に自分のことを知ってくれて、分かってくれる3人なんで、何も繕えないんですよね。本当にそれだけ深く自分のことを理解してくれているんだなって感じたし。本当に、この4人で音を作れることの喜びを改めて感じたというか。ちゃんと見てくれてる3人だったから、自分は諦めずにここまで進んでこれたんだなって思ったんです。
――プリティ的にも、久しぶりに一緒に作った「アメイジングレース」は、これまでと向き合い方が違った?
プリティ:いつもと違ったというか、自分の事故があって、1年くらい時間が空く事になってしまって…っていうのもあるし、自分が牧の作ったgo!go!vanillasの曲を聴くのですら、これまでの感覚とは違ったんです。前とは全然違うんだろうなって感じるんです。若干、記憶が定かではないところもあるので、自分が事故に遭う前に、どういう感覚でgo!go!vanillasの曲を聴いていたかとかをはっきりと思い出せないんで、今は本当に新しい気持ちでgo!go!vanillasの音と向き合ってる感覚なんです。それもすごく新鮮で。
――なるほど。進太郎は久しぶりに4人で向き合って作った「アメイジングレース」への想いはどんなものだった?
柳沢進太郎(Gt):今話にも出ていたDVDに入ってる最初のリハーサルのとき、本当にいろいろと考えましたね。この4人である意味の深さというか。一昨年はいろんなサポートベーシストに入ってもらってライブを続けてきたわけですけど、そのとき、助けてくれたサポートメンバー達も本当に最高の人達で、音楽って本当に素晴らしいなって実感したんです。プリティさんが一緒に出られなくて、帰ってこれるかわからないというすごく辛い心情の中でのライブ活動だったんですけど、音楽を続ける意味、届ける意味をすごく感じたというか。だからこそ、絶対にまた4人でステージに立ちたいっていう気持ちが大きくて。音楽さえあれば笑えるなって思ったんです。最初に音を合わせたとき、プリティさんの指が動く様になってきて間もないときだったので拙い部分もあったんですけど、やっぱり4人で合わせると、俺たちが知ってる4人で合わせたときの、4人だから出せるグルーヴがそこにはあって。でも、1年間で成長してる俺たち3人の音もそこにはあって。その成長した3人の音にプリティさんが乗っかってきてる感覚もあったんですよね。その状態で始まっていったんですけど、「アメイジングレース」のレコーディングに入った頃には、プリティさんの拙い感じが全然なくなって、昔と変わらないプレイができるようになっていたので、自分としてはこれまでと変わらず楽しくレコーディングできました。曲のテーマとしても、広い愛を感じるものがそのときの自分たちの中にもあったので、気持ちを落とし込みやすかったというか。ちゃんとプレイに気持ちを乗せるというところを意識してレコーディング出きたので、そこはサウンドに乗ってるんじゃないかなと思いますね。
――進太郎は、プリティが完全に復帰するまで、自らがプリティに対して一番厳しい意見を言える立場であるべきだと考えていたみたいだけど、それはどうして?
柳沢:牧さんとプリティさんって、本当に小さい頃からずっと一緒にいた友達でもあるんですけど、音楽のことで向き合うときは本当に厳しく向き合っていたんですよ。けど、プリティさんが事故に遭ったとき、牧さんは、プリティさんに対して1友人としての優しさが溢れちゃって、バーストしてて。セイヤさんは至って変わらずだったんですけど、牧さんがプリティさんに対してすごく優しく接してる中で、自分はどんな役目としているべきなんだろう? って考えたときに、並大抵のことじゃ戻ってこれない事故だったから、誰かが常にプリティさんの尻を叩いてあげていないと挫けちゃうなって思ったんです。
――進太郎の優しさでもあったんだね。
柳沢:そういう役目が1人居ないといけないのかなって。年齢的にも、年下から“頑張りましょう!”って言われた方が、頑張ろうとする気持ちに拍車がかかるんじゃないかなって思って。エピソードとしては、プリティさんと一緒にランニングしたことがあったんですけど、そのとき、プリティさんが全然走れなかったんですよ。そのときに、まだ辛そうだなぁ、大丈夫かな、っていう気持ちを抑えて、“この日までにライブがしたいって思っているなら、こんなもんじゃ努力が足りないですよ!”ってキツイことを言ったりしてたし。自分でもちょっと厳しすぎるよなぁって思っていたんですけど、プリティさんは、それを全部乗り越えてきてくれたんですよ。それ見てて、本当にプリティさんすごいなって思ったんです。本当に、誰にでもできることじゃないですからね。レコーディングに入ったとき、完璧な今まで通りのプリティさんできてくれて、自分的にも、ケツ叩く役目をやって良かったなって思ったんです。
――いい話だね。それぞれがそれぞれの温度で一緒に乗り越えた気がするよね。セイヤはどう?
ジェットセイヤ(Dr):そうですね、みんなが言ってるように「アメイジングレース」は、この1年を通して、すごく丁寧に完結させた1曲になったなって思いましたね。プリティの事故を引きずるのではなく、ここから新たにスタートするっていう感覚になれたというか。「アメイジングレース」の曲調も、気持ち的に落ち着いているのが見えると思うんです。すごく陽気な曲だし。プリティが居ないときに曲を作っていたとしたら、こういう曲はできていなかったと思うんです。プリティは自分自身と一生懸命に戦ったと思うし、俺たち3人はプリティが居ない状態でツアーをやったりして戦ったし、それを乗り越えての4人での曲つくりだったから、全部を包んで先に進めた感じを、牧の言葉を通して出せたんじゃないかなって思う。ちゃんとプラスに変えて提示してるというかね。自分たちが経験して生まれた今の言葉が、聴いてくれるみんなの生活の周りにも染み込むような曲になっているんじゃないかなって。時代にも合ってるなって思うし。音楽をやる者として、導かれているのかなって思いましたね。
――本人達にしかわからない繊細な変化もあったことだろうしね。すごく伝わってくるよ。明るくてキャッチーなサウンドの中に力強さを感じたのは、そんなそれぞれの気持ちの強さの表れだったのかもしれないよね。
牧:そうかもしれないですね。

プリティ:本当に今回、みんながライブをやってた時間帯を1人家で過ごしていて、気持ちをみんなのところに飛ばそうと思ってたんですよね。純粋に聴き手の感覚になれたというか。直接みんながライブしているところは見てないんですけど、映像では見ていたので、それを見ながらいろんな発見をいっぱいしていたというか。常に驚きばっかりでした。次は何が起こるんだろう!? って、なんか本当にワクワクした気持ちでgo!go!vanillasを見ることが出きたんです。
――最初のリハーサルで、“もっと前に出て弾いてみろよ!”って言われてたよね(笑)。
プリティ:そうなんです。そういうタイプのベーシストじゃないし、ゴネてたんですよ。そういうのはちょっと…みたいに。そしたら、牧に“ビビってんじゃねぇよ、お前、バンドマンだろ!”って言われて。その一言が強かったんですよね。そのとき、改めて“あぁ、俺、バンドマンなんだな”って思ったというか。弱音なんか吐いてちゃいけないんだなって。“おう! 前に出て弾いてやるぜ!”っていうくらいの想いがなくちゃダメだなって。ダサいなって思ったんです。
――牧は、どういう意味をその“バンドマン”という言葉に込めていたの?
牧:僕の中で、バンドマンって“ステージの上に立てる人”なんです。ステージの上に立つ資格がある人って言った方が伝わるかな。それは、自分に自信がなくちゃできないことだと思っているから。それは、自分自身も3人でやっているときに自覚するようになったんです。プリティは性格的にも、縁の下の力持ち的な存在で自分やバンドを支えてきてくれていたんですけど、プリティが居なかった時間を必死で過ごした3人の成長と、昔のままのプリティだと、噛み合わなくなっちゃうくらいの温度差ができてたんです。そういう意味で、プリティにその言葉を発したと思うんです。恐怖心や気負いや迷いを持ってステージに立ってちゃダメだって。そんな気持ちじゃ今の3人についてこれないから! っていう想いだったんですよね。それくらいの気持ちでステージ立ってないと、聴いてくれるみんなもついてきてはくれないと思うから。
――そうなのかもしれないね。2曲目の「TTNoW」は、すごく新たなgo!go!vanillasを感じさせる1曲で。バンドサウンドというよりも、デジタルサウンドが前面に押し出された1曲だよね。
牧:4人で帰ってきましたっていうところもあり、ちゃんと向き合って作ったのが「アメイジングレース」だったので、そういうドラマティックな音楽だけじゃなく、音楽を純粋に楽しむという意味で「TTNoW」を作ってみたんです。僕が去年感じとったことはもちろん、進化を恐れないことも大事なことだなって思ったんです。バンドっていうのはこういうものなんだっていう概念を取り払いたかったというか。ロックって何? っていうところに立ち返ったときに、60年代なんて、みんなが新しいところを目指して音楽を作っていた時代でもあって。そこの恩恵を受けて自分たちは音楽をやれているのもあると思っているから、クリエイティブな面で自分ももっと新しい音楽を生み出していけたらなっていうところから向き合った曲でもあったというか。でも、かといって、歌詞で近未来的なことを歌うのかって言ったらそういうことではなくて。レトロフューチャーみたいなところが個人的にすごく好きだったりもするので、そういうところに着地させたかったんですよね。
――デジタルだし、アンニュイな雰囲気だし、英詞かぁー、なんか不思議な響きだなぁって、歌詞を見ずに心地よさを楽しんでいたんだけど、ちょこちょこ耳に入ってくる歌詞が日本語? みたいなちょっとした違和感があって、歌詞を見て聴いてみたら、<go 銭湯に行こう 癒しを浴びろ>って歌っていて(笑)。
一同:(笑)。
牧:まさかのね(笑)。
――楽器隊は?
セイヤ:ドラムはライブではパッドでやろうかなと思ってるんですよ! めちゃくちゃ楽しみで!
プリティ:ベースはシンセベースです!
柳沢:ギターは生身です(笑)!
牧:作る前から、大体の音像感が自分の中にあって、それを形にしていったんです。
プリティ:すごく楽しみながらやれましたね。自分の中では初の感覚でもあったけど、やってみたらすごく楽しくて。どういう風に組み立てていこうかっていうのはめちゃくちゃ考えたけど、ベース単品で聴いたらすごく面白かったりするし。本当に楽しかった。牧に“ちょっとプリティこれ弾いてみてよ”って言われたフレーズが、ベースにはあり得ないフレーズで。なんか鍵盤っぽいフレーズだったんです。そういうのもすごく面白かったですね。
柳沢:『FOOLs』(2017年7月26日リリースの3rdアルバム)とか『THE WORLD』(2019年5月15日リリースの4thアルバム)あたりくらいから、いつか近いうちにこういう感じの曲くるんだろうなって思ってたんですよ。なんとなく横で、牧さんの聴いてるものとか、日々の話の中ででてくるワードからも想像がついてたとこもあったと思うんですけど、自分も好きな領域の曲だったし、この曲が上がってきたときは嬉しかったですね、純粋に。ギター的にも、ベードラがバスバス鳴ってる上で、どんなギター弾こうかなってめちゃくちゃ楽しみだったし。
牧:ライブでの見せ方がすごく広がる1曲だと思いますね。『THE WORLD』っていうアルバムを作って、ハンドマイクで歌うようにもなったりして、その上でこういう曲をやったら、より引き込めると思うし。ちゃんと音楽を感じられる音楽を作っていけたら嬉しいなっていうとこでもありましたね。見せ方としては単純ではないと思うけど、可能性が多いことだなって思いますね。
セイヤ:新しいgo!go!vanillasを感じてもらえると思うし、牧がニュー・セイヤを引き出してくれたんで、自分的にもめちゃくちゃ楽しみなんです! 誰が想像したであろう、ニュー・セイヤを楽しみにしてて欲しいですね! どんな曲なんだろう? って想像して、聴いてみたときの最初の印象をぜひ聞きたいので、最初の印象をなんらかの方法で教えて欲しいです!
――セイヤ的には自分のルーツにはない音楽なの?
セイヤ:go!go!vanillasに入ってからはよく聴くようになってましたね。エレクトロ系のサウンド、嫌いじゃないんですよね。自分がやるとは思ったことなかったですけど、それを自分がやる新鮮さみたいなのがありましたね。
――と、そこまで振り切ったかと思えば、進太郎が作詞・作曲・ボーカルを担当している3曲目の「ノットアローン」は、ガレージ感満載の荒削りなロックンロールで。
柳沢:そうなんですよ。この曲は、プリティさんが事故に遭ったことで、出逢ってからのことを振り返ってみようと思いながら作ったんです。8~9年くらいになるんです、みんなと出逢ったのって。上京して初めて渋谷のClub Asiaっていうライブハウスで対バンしたときなんですけど、そのときに見たgo!go!vanillasの印象というか、そのときのメンバーの印象とかを反映させた曲を作りたいなと思って、この曲に詰め込んだんです。初期衝動というか、僕というフィルターを通したgo!go!vanillasという曲を作りたかったんです。当時牧さんはボーカルなのに、バリバリハードロック全開みたいなギターを弾きまくってて。プリティさんも何処に隙間があるの? っていうくらいのベースフレーズを弾きまくってて。セイヤさんはどんだけ音がデカイの!? っていうくらいの音でドラム叩きまくってて。叫んどるなぁ~みたいな(笑)。その全部を詰め込んだって感じです。
牧:その初期衝動的なものはわかんなかったなぁ(笑)。純粋に進太郎の曲! って思って受け止めてたわ(笑)。でも、昔は本当に構成的に同じことやんなかったですからね。
柳沢:そうそう。僕が見たgo!go!vanillasは、そのままだったんですよ。本当に当たり前のことをしないバンドだった。繰り返してたのかもしれないんですけど、リズムごとまるっとセクションが変わっていたりして。ガツガツ変えるやん! みたいな印象で。サビだけ一緒かい! みたいな、そんな印象だった。そんな僕の頭の中で広がったgo!go!vanillasの印象を詰め込んだのが、「ノットアローン」なんです。
――そうね。いろんなものが詰め込まれているからね。それが進太郎のgo!go!vanillasに対する初期衝動だったとはね。しかし、そこが本人達からしたら、進太郎らしさになってるって、また不思議だよね(笑)。
プリティ:たしかに(笑)。
――歌詞は?
柳沢:プリティさんが事故に遭って、それを助けてくれたのが、メンバーはもちろん、助けてくれた仲間やファンのみなさんの力でもあって。そんな大きな愛を念頭に置いて書いたんです。そこに、自分が愛して止まない楽器への愛も盛り込んだんです。歌詞の中に“相棒”って言葉がでてくるんですけど、それはメンバーであり楽器なんです。
セイヤ:俺ね、そのときちょうど読んでた本が、『相棒』が題材のアンディ・ウォーホルとかのエピソードが書いてあるものだったんですよ。そのリンクもあって、進太郎の書いてきた歌詞に“相棒”っていう文字を見つけたときは、おぉ~いいじゃ~ん! ぶち込んできたわぁ~! って思ったんですよね(笑)。
――いいよね、そういうシンクロ感。しかし、3曲3様のボリュームあるシングルになったね。ドキュメンタリーDVDも1時間超えだしね。

プリティ:本当にその日その日、その時その時の出来事が丸ごと切り取られている映像だと思うので。しゃべっている内容も含めて全部がリアルだから。
セイヤ:そのままだからね。
牧:本当はもっと長かったんですよ。2時間超えてた。
――そんなに!? でも、この1年は、2時間では収まり切らない時間だよね。
柳沢:本当にそうですね。
プリティ:本当に大切な時間だったと思います。
――本当にここに居られることが奇跡だと思うからね、あれ見たら。
牧:そう。あの状態見たらね。なんか、もう帰ってこれたの!? って思っちゃいますよね、本当に。
――印象的だったのが、復帰初の名古屋の会場の楽屋で、みんなに改まって“ありがとう”を伝えたプリティの姿と、その言葉を受け止めた3人の姿がね。本当にお互いよく頑張ったなって。セイヤが言ったように、ここからがスタートなのかもしれないなって思ったというか。
牧:いや、でもね、実はあの瞬間めちゃくちゃ心配になったんですよ。ライブの直前に改まって目の前にプリティが立つから、え? 何!? 怖い…って思った。“ごめん、ちょっとやっぱ怖いんだけど”って言い出すんじゃないかって。
――あ、そっちの心配(笑)?
牧:いや、あのタイミングはそれもあり得るでしょう(笑)! めちゃくちゃビビったというか。え? え? え? え? って思った(笑)。
柳沢:そうそう(笑)。旅立って行くのかと思った。
――結婚式の両親への挨拶みたいにね(笑)。
柳沢:そうそう(笑)。
プリティ:“お父さん、お母さん、お世話になりました”みたいな(笑)。でも、ちゃんとステージに立つ前にみんなに“ありがとう”って言いたかったんです、どうしても。
牧:そっちで良かったよ、本当に(笑)。
――そうだね。牧が、“この事故をきっかけにバンドが存続しないという決断を下す方向に向いていってしまうかもしれない”って言ってたけど、バンドって、強くて引っ張ってくれる存在でもあるけど、本当に繊細で弱くて脆いものでもあるのかもね。
牧:そう。運命共同体みたいなものですからね。命あるもので。命あるものはみんな脆くて。その脆さに感動したり、ありがたみがあったり、噛み締められたりするわけですからね。そんな温度のある音楽をこれからも続けていけたらなと思っています。

【取材・文:武市尚子】

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リリース情報

アメイジングレース

アメイジングレース

2020年06月03日

ビクターエンタテインメント

01.アメイジングレース
02.TTNoW
03.ノットアローン

お知らせ

■配信リンク

「アメイジングレース」先行配信中!
https://gogovanillas.lnk.to/amazingrace

ストリーミングサービスおよびiTunes Store、レコチョク、moraなど主要ダウンロードサービスにて「アメイジングレース」先行配信中!
またiTunesでは、6月3日リリースのSG『アメイジングレース』の予約注文受付も開始!
※音楽ストリーミングサービス:Apple Music、LINE MUSIC、Amazon Music Unlimited、AWA、KKBOX、Rakuten Music、RecMusic、Spotify、YouTube Music




■マイ検索ワード

牧 達弥(Vo/Gt)
昔のヒーロー
曲を作ってたときに、昔のヒーローっぽいなぁって曲ができたんですよ(笑)。その曲が、どのヒーローに合うかなぁって思って、昔のヒーローのキャラクターを調べてみたんです。なかなかピッタリとハマる感じで良かったんですよ、これが!

柳沢 進太郎(Gt)
アニメ制作 Mac
今、MacのCMで、“僕はMacで、アニメを作る喜びを知りました!”って新海誠監督が言ってるんですけど、僕はそれを聞いて、“いいなぁ”って思っちゃって、ダウンロードしてみようかなって!でも、冷静に考えたらあれって、そもそもアニメが描ける人じゃないと持ってても意味がないんだなって、諦めたって話です(笑)。僕、絵が地獄なんですよ(笑)! でも、それでやってみるのもいいかなぁ(笑)。

長谷川プリティ敬祐(Ba)
おくびにも出さない 意味
今、コロナが猛威をふるっている中、コロナではなく風邪をひいてしまった人は、コロナだと思われると周囲に心配をかけてしまうから、風邪を引いていることをおくびにも出さないんだろうなぁって思ったときに、“ん?おくびってなんだ?”って疑問に思って調べたんです。調べた結果、おくびというのはゲップのことらしいです。

ジェットセイヤ(Dr)
ウイルス 映画
ここ最近、ずっとウイルス系の映画ばっか探して観てるんです。現状と重ねてしまうというか。どれだけ怖いものなのかを再認識する為にも、探して観ちゃってますね。『復活の日』という小説を映画にした作品と、『コンテイジョン』っていう映画がかなりリアルで、今の世の中の状況とすごくリンクするんです。本当に1人1人が気をつけて、1日も早い収束を願って。早くみんなとライブで会いたいです!



■ライブ情報

ROAD TO AMAZING BUDOKAN TOUR 2020
06/13(土)新木場 STUDIO COAST
06/20(土)なんば Hatch
06/21(日)名古屋 DIAMOND HALL
06/25(木)旭川 CASINO DRIVE
06/27(土)帯広 MEGA STONE
06/28(日)札幌 PENNY LANE24
06/30(火)函館 club COCOA

11/07(土)愛知県芸術劇場 大ホール
11/13(金)福岡サンパレス ホテル&ホール
11/15(日)神戸国際会館 こくさいホール
11/23(月・祝)日本武道館

※その他のライブ情報・詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。

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