先日17歳の誕生日を迎えたばかりのトラックメイカーSASUKE、Fanplus Music初登場!

SASUKE | 2020.05.29

 SASUKEが5月22日に7曲目の配信シングル「目覚めるだけ」をリリースした。彼は先日17歳になったばかりのトラックメイカーであり、シンガーソングライターでもダンサーでもある。2歳で自然と踊り出し、5歳から父親のパソコンで遊びながら曲を作り始めたという早熟の天才だ(そのキャリアについては検索してみてください)。2018年12月にワーナーミュージック・ジャパンからメジャーデビュー以来、日々注目度を上げている。「新しい音楽ジャンルを作りたい」「世界の大きなステージでお客さんを楽しませたい」と夢も大きなSASUKEがFanplus Music初登場。実年齢を思うと驚異的なほど落ち着いた語り口にも注目です!

――「目覚めるだけ」はこれまでのシングル曲の中でいちばん音数が少なくて、歌が前面に出ている印象です。どんな意図があったんですか?
SASUKE:実はあんまり意図的ではないんです。音数は少ないほうがいいだろうな、とはずっと思ってたんですけど、なんか欲張っていろいろ入れちゃうんですよね(笑)。それでいろいろ試行錯誤してきて、やっとそのバランスがちょっとずつわかってきたかな~、ぐらいの。いまも変わっていってるところなので、自然とこうなったんだと思います。あとはミックスも今回自分でやったので、ちょっといつもとバランスが違ってる可能性はありますね。自分の感覚を頼りにするしかないんで。
――ダンスミュージックは音数が少ないほうが、J-POPだと多いほうが一般的ですよね。
SASUKE:その間みたいなところを目指してたりはするんですけど、僕が好きなアーティストは音数を意識されてる方が多いので、自然とそういうふうになったんですかね。変化の過程を見せてる感じです(笑)。
――チャカポコしたイントロからつかみがすごい曲ですね。
SASUKE:昔のリズムマシーンの音を再現したサンプルをダウンロードしてきて使ってます。その音がほしくて機材名で検索しました。
――どうしてその音色を使おうと?
SASUKE:それが、移動中にふと思いついただけなんです(笑)。エレクトロでコミカルな感じで始まって、なのに普通にきれいな曲になったら面白いな、って。
――なるほど、狙い通りですね。いろんなリズムのパターンが入り組んでいて、音色は懐かしい感じだけど、その組み合わせ方に現代性と個性を感じます。
SASUKE:いろんな音楽が好きなので、ジャンルの壁なく作っていきたいんです。アコースティックな音にシンセやブレイクビーツを合わせて、いい具合のバランスがないかな?っていうのを常に研究してて、最近それを表に出せるようになってきたんです。シンセブラスの音が好きなので常に使っちゃうんですけど、その要素もありつつ、今回偶然思いついたドラムマシーンの要素もありつつ、サビはよく聴いてもらうとブレイクビーツががっつり入ってたりとか。さらに後半はバンドみたいになって、最後はエレクトロで締め、みたいな。自由な感じは常に意識してますけど、今回はけっこうハチャメチャですね(笑)。
――ハチャメチャといえばハチャメチャですが、曲としてよくまとまっている感触もありますね。
SASUKE:エレピとかで展開をいったん作っちゃってからいろんな要素をバーッと詰め込んでいくんで、それでまとまった感が出るんだと思います。
――先に展開を作っちゃうということは、楽曲の骨格を組んでからアレンジしていくような感じ?
SASUKE:アーティストによってはそれでデモとして出しちゃう人もいるようなレベルまでまず作っちゃいます。作曲して、それを自分で編曲するみたいな感じですね。最近はコードにすごくこだわっているので、そこから作り始めることが多いです。サビのループから作る人も多いと思うんですけど、そうするといろんな展開は思いつくんですけど、自然じゃなかったりするんで。前から順番に進めていくタイプです(笑)。
――現代のトラックメーカーと、その前の時代の作曲家のいいとこ取りみたいな感じですね。
SASUKE:淡々としたものがあんまり好きじゃないっていうのはありますね。常に展開が変わっていたほうが楽しいなって。ループでコードもずっと同じでも聴ける曲はあるし、僕も昔はそれしかできなかったんですけど、いまはせっかく感覚もつかめてきたので、いろいろ挑戦してみようと思って、展開を意識するようになってきました。
――SASUKEさんは楽器もいろいろ演奏しますよね。そのこととも関係がある?
SASUKE:僕、楽器から入ってないんですよ。5~6歳のときにいきなりパソコンで曲を作り始めたのが最初なんで。GarageBandだとループを並べていったら簡単に曲っぽいものができるじゃないですか。まずそこにハマって、「ここは生でやりたい」って思ったところから楽器に入ってるんです。なので、もしどこかで違う道にずれていたらいまもループの音楽をやっているかもしれないなぁと思います。
――まず曲作りありきで、必要なパーツを自分でやるために楽器を覚えていったんですね。「違う道」と言いましたが、いまの道との分岐点はどこにあったと思いますか?
SASUKE:やっぱりメジャーレーベルでやらせてもらうことになったときに意識が変わりました。「プロにならないといけない」と思って、それまであんまり好きじゃないって遠ざけていた音楽も含めていろんなものを聴くようになって、さらに音楽が大事なものになってきた感覚はあります。そこで「ループでいいのか?」っていう疑問が出てくるんで、自然な流れだったと思うんですけど、僕の性格がちょっと違ったら変わってたなって思います。ちょっと適当だったりしたら、また違う音楽になってたかなって。
――さっき「歌が前面に出ている」と言いましたけど、それもあって今回は歌詞が聴き取りやすいです。これまでのSASUKEさんの曲は、ことさらに歌詞を強調するタイプではないけどポッ、ポッとときどき耳に飛び込んでくるフレーズがあるバランスが面白いと思っていたので、新鮮です。
SASUKE:歌詞の雰囲気にはクセがあるなと思います。その耳に飛び込んでくるっていうのが、自分で「クセが出たな」と思うときですね(笑)。なんか普通と違うことを言っちゃうんですよ。簡単に元気づけようとする曲とか共感を求めるような曲ができなくて。今後もできないと思うんですけど。今回も全体を通して題名の通り目覚めたことしか書いてないんです(笑)。いちばん最後の文字で、なんでそうなのかがわかるようになってるんですけど。
――<目に見えるものに全て 奪われてしまうの禍?>の<禍>ですね。愚問ですが、やっぱり「コロナ禍」を見て思いついたんでしょうか。
SASUKE:そうです(笑)。最初「鍋かな? 渦かな?」とか思ったんですけど、ちゃんと意味を調べてから使いました。「1文字だったら使いやすいぞ」って。
――社会の動きを見て思ったことを歌った、時事的な曲ですね。
SASUKE:大変な人や不安な人がいっぱいいるだろうし、SNSを見てたら「何かしなきゃ」「何か行動を起こさなきゃ」って焦ってる人が多いなと思って、それもいいけど朝目覚めるだけですばらしいんだよ、みたいなことを思って、それを伝えられたらいいなと思って作りました。僕のクセのひとつとして「遠回しに言いすぎる」っていうのがあるんですけど(笑)、今回はそれがひどくて、朝起きるたとえ話を延々してるんで、最後の<禍>でなんとかなりました。「こんな時期にほのぼのした曲出すんだな」って思われて、<禍>で「そのことか!」っていう流れです。
――フフフ、面白いですね。そういうアイデアもなにげないときにふわっと思い浮かぶんですか?
SASUKE:いきなりでした。そもそも何か新曲を出したいなと思って、なんとなく作ってたトラックだったんです。

――後半はSASUKEさんご自身についてもうかがっていきたいんですが、他のインタビューなどを読むと音楽への目覚めがすごく早いですよね。ご両親も音楽好きなんでしょうか。
SASUKE:めちゃくちゃ好きだと思います。家では常にテレビはついてない状態で、音楽だけずっとかかってるんです。その日の気分でお父さんが選んで。
――お父さんは楽器などは?
SASUKE:小さいころに習いごとでピアノをやっていたとは聞きましたけど、どっちかっていうとリスナーっていうか音楽オタク的なほうですね。
――じゃあCDやレコードがたくさんある家で育ったわけですね。
SASUKE:2歳のとき勝手に踊り始めてしまって、それが自然と日課になっていたので、その中でめちゃめちゃインプットがあったんだと思います。
――ダンスやフィンガードラムなど体技中心の幼少期から、徐々に曲作りの比重が増していきましたよね。
SASUKE:いまもダンスは好きで踊っているので、バランスが変わったぐらいの認識です。楽器のひとつというか、音楽表現のひとつとして捉えていて。歌があってギターがあってダンスがあってドラムがあって……という感じにいまはなっていますね。
――10歳でアポロシアターのアマチュアナイトで優勝したのは偉業だったと思いますが、そのときにステージから目にしたのがこれまで見た中でいちばんすごい光景だったと話していますよね。どんな眺めでしたか?
SASUKE:人前に出てパフォーマンスするのは基本的に好きなんですけど、その中でいちばんいいときというか、いまのところピークって感じです。異常な歓声で、本当に「ワーッ」って言うんだ、って(笑)。天井が高くて何階席もあるんで、空間がタテに長いんですよ。密集した歓声を上からも下からも浴びせられるっていう。もしかしたら横に広いところでやるよりもすごい刺激を受けたかもしれないですね。
――アメリカは感情表現が素直ですからね。その意味ではSASUKEさんは日本よりもアメリカの人のノリのほうがしっくりくるところもあったのでは?
SASUKE:僕には合ってましたね。それまでなかなか人と話が合わないというか、「なんか感覚が違うよな」って思ってたんですけど、その距離みたいなものがないなって。僕が求めてた反応っていうか。ニューヨークでは靴屋さんとかで曲にノッてただけで人が集まってくるんですよ(笑)。「もっとやれよ」みたいな。で、ちょっと踊ったらめちゃくちゃ沸くっていう。こういうのが日本でもあったらいいのに……って思ってました。
――アメリカにも欠点はたくさんあるけど、才能を見出して励ましてくれるのはいいところですよね。日本は目立つと足を引っ張られるほうが多かったりするから。SASUKEさんは大人になったら海外に行きたいって言っていますけど、ぜひ行ってほしいし、できれば早く行ってほしいです。
SASUKE:行きたいですね。
――しょっちゅう言われると思うんですが、受け答えが本当にしっかりしていますよね。僕も大人びた子どもだったのでもしかしたら……と思うんですが、小さいときからそうじゃないですか?
SASUKE:そうです(笑)。最初からこんな感じで、実際変わってないんじゃないかっていう。昔から緊張も何も全然しなくて、めちゃくちゃしゃべるし、話が合うのは大人で、同年代の友達より大人と話してることが多いみたいな。ダンスの場とかもあったんで、そっちのほうが楽しいってなってて、たぶんそのまま来ちゃってますね。
――でも小学校から中学校に上がるころにはちょっと性格が変わったとか。
SASUKE:どっちかというとまわりが思春期で性格が変わって、僕が子どものままだったんじゃないかと思うんですよね、いま考えたら。ニューヨークとかに行けば普通なんですけど。みんながどんどん大人びていっちゃうので、僕の変なノリには付き合えなくなったんでしょうね(笑)。無駄に疲れるだけになったので、意図的に変えました。
――学校と別に大人と付き合うチャンネルがあったのはよかったですね。
SASUKE:そうですね。うまく使い分けようとしてました。こういう仕事をしていることもあって、引きこもり感はすごいですけど。小さいころの映像とか見ると、すごい変な人というかぶっ飛んだ人だったみたいで、変なとこに破天荒でした。どこでも踊るとか、友達に無理やり踊らせるとか、意見が強いとか、納得するまでめちゃくちゃ言ってくるとか。そうではなくなりましたけど、根本は変わってないんだと思います。
――MVやライブの動画を見ても、所作や表情に一切迷いがないのがすばらしいなと思うんですが、それも性格的なものですか?
SASUKE:それはダンスをやってたのが大きいと思います。フリースタイルで踊るバトルの大会みたいなのにもめちゃくちゃ出てるので、慣れみたいなのはあるかなと。全然緊張しない、めちゃくちゃ主張が強い、みたいなのはもともとの性格だと思うんですけど。
――性格的にダンスが合っていたし、ダンスをやったことで性格が強化もされたと。音楽関連以外の趣味はありますか?
SASUKE:温泉ですね。コロナで行けなくなっちゃいましたけど。家の近くにいっぱい温泉があって、選べるんです。
――いいなぁ。コロナ前は愛媛と東京半々みたいな生活だったそうですね。
SASUKE:そうです。先月ぐらいからはずっとこっちですね。
――コロナ禍の影響は他にはどんなところに出ていますか?
SASUKE:いろいろイベントが飛んじゃいましたね。オンラインフェスみたいなのには誘っていただけて、それはそれで楽しいんですけど、また別のものって感じがします。ずっと家にいる分、曲は相変わらず自分の曲からお仕事までいろいろ作っているので、SNSでの情報解禁を楽しみにしておいていただきたいです。
――SASUKEさんは「世界で活躍したい」と公言していますが、そのために練っているプランとかイメージみたいなものはありますか?
SASUKE:計画とか作戦みたいなのは通じなくなっている気がするんですよね。日本ではまだ行けると思うんですけど、世界規模になると難しいなと思います。音楽の聴かれ方が変わってきてて、操作しにくいというか「こういう系の人に気に入られるような曲を作ろう」みたいなのはもうできないですね。ただ、僕はそもそも好きなように音楽を作っていたいので、逆に合ってるかなと思います。いい曲を躊躇なく出していく、ぐらいかなと思ってます。やりたいことはたくさんあるんですけど。
――その「やりたいこと」のほうは例えば?
SASUKE:いろいろありますけど、僕は音楽がすごく好きっていうのが根本にあって、そこから広がっていろいろなことができるのが楽しいんです。この3月まで1年間ラジオのレギュラーをやらせてもらいましたけど(InterFM『SASUKE’s konnichiwa Radio』)、テレビとかにも出たいし、そういうことが今後も増えていくといいなって思いますね。知名度が上がれば上がるほどやれることも増えるし、何をやっても話題になるじゃないですか。いまは「こういう人たちを集めてこういう企画をやりたいな」とか思いついても「でも、できないからね」で終わるんですけど、簡単にできるようになったらいいなって。だから何か思いついたらメモするようにしてます。
――すばらしい。どんどん知名度を上げてやれることを増やして、さっきも言いましたが、世界で目立ってもらいたいです。
SASUKE:ありがとうございます! 基本、目立ちたがり屋なんで(笑)。

【取材・文:高岡洋詞】

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リリース情報

配信リリース「目覚めるだけ」

配信リリース「目覚めるだけ」

2020年05月22日

WM Japan

01.目覚めるだけ

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ここ最近はずっと、うちの通信速度がどれだけ遅いのか、どれだけ速ければライブ配信とかが快適にできるかを調べてました。いろいろわかって、ケーブルを買ったりしてなんとか解決しました。あとは、Zoomの使い方だったり…仕事のことばっかり検索してますね(笑)。

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