新世代シンガー・yamaが踏み出した一歩とは? 「真っ白」に込めた想い

yama | 2020.12.12

2020年、音楽シーンに大きな転換期が訪れた。コロナ禍によってライブがままならない時代。自身発のオリジナル曲「春を告げる」(4月配信)がヒットチャートを席巻し、SNSを中心に話題となったネット発音楽シーンでブレイクしたシンガー、yamaに注目をしたい。 10月21日、ソニーミュージックへのメジャー移籍となった通算6曲目となるyamaの新曲「真っ白」は、ABEMAにて9月26日より配信された恋愛リアリティーショー『恋愛ドラマな恋がしたい~Kiss On The Bed~』主題歌となった。これまで、くじらによる作品を歌うことでTikTokなどでも注目を集めてきたyama。結果、LINE MUSICやYouTubeでその人気は可視化され、ストリーミングサービスでの再生回数の増幅が止まらない、一躍時代を代表するニューカマーへと躍り出た。 今回、主題歌に決定したyamaの新曲「真っ白」は、アーティストとしても活躍する作家TOOBOEによる書き下ろしナンバーだ。yamaの洗練された歌声が際立つ、繊細な音色が魅力的な楽曲に仕上がっている。一方通行の想いやそれぞれの別れを描いたというせつなき作品、「真っ白」。yamaは本作にどんな思いを込めて、さらなる一歩を踏み出したのだろうか? 訊いてみた。

――最新曲「真っ白」が完成してみてどんな心境ですか?
yama:「真っ白」は、作家がくじらさんからTOOBOEさんになり、これまでの楽曲とは一味違うyamaの新しい側面を感じてもらえると思います。
――柔らかなサウンドが心地いい「真っ白」。yamaさんが感じた聴きどころポイントを教えてください。
yama:2番のサビの後、転調して雰囲気が変わるパートがあるのですが、そこから最後のサビにかけては聴く人の感情を動かす部分になっていると思います。一方通行の想いやそれぞれの別れ、報われない恋などをテーマに制作した楽曲ですので、聴いてくれる方のそれぞれの心情にそっと寄り添えたら幸いです。
――「真っ白」を歌う上で、yamaさんならではのこだわりポイントなどありましたか?
yama:柔らかく、触れたらなくなってしまう雪を手で掴もうとするようなイメージで、切なく儚い表現ができるようにウィスパーに歌いました。ただ、柔らかさの中に少しの力強さも入れたかったのでそのバランスが難しかったです。
――「真っ白」の歌詞でグッときたポイントを教えてください。
yama:<ご覧 夕日が沈むのが早くなりました>や<路上に咲いた花 雪に埋れてく>、<それは美しい満月の晩でした>などの風景の描写が美しく、切なさをより強くしていて個人的にはグッときます。
――2020年、インターネット発アーティストの躍進が目覚ましいです。yamaさんは、今のような状況をご自身ではどのように感じられていますか?
yama:一般人や知名度のないアーティストでも、インターネットをうまく活用すれば自分の音楽をより多くの人に聴いてもらえる可能性があります。コロナ禍で外出が自粛される今、インターネットを利用し発信するアーティストはこれからも増えていくと思います。たくさんのアーティストがいる中で、yamaの楽曲をいつ聴いても“新しい”と感じてもらえるように、今後もインターネットを活かしながら作品を発信できたらと思っています。
――1stシングル「春を告げる」から5thシングル「あるいは映画のような」まではくじらさんに詞曲を提供していただいてましたが、yamaさんにとってくじらさんはどんな存在ですか?
yama:アーティストとしてとても尊敬している方です。これまで、5曲連続でくじらさんに書き下ろしていただきましたが、毎回デモ音源の段階で曲の素晴らしさに動悸がしていました。人の心を動かす作品を生み出すにはとてつもないエネルギーが必要で、様々な葛藤や想いがあると思います。特に「あるいは映画のような」やくじらさんのアルバムのリード曲となっている「寝れない夜に」からは生命力を感じ、背中を押される気持ちになりました。くじらさんからはいつも刺激を受けています。
――4千万回以上再生されている1stシングル「春を告げる」のヒットは、yamaさんにとってどんな影響を与えてくれましたか?
yama:最初は戸惑いと驚きで、少し怖い気持ちもありましたが、たくさんの方に聴いていただけて本当に感謝しています。今まで以上に技術や表現力を磨いて、恐れて挑戦できなかった事にも向き合おうと決意したきっかけになりました。その第一歩が10月に行った、初めての配信ライブ「versus the night」です。至らない点はありましたが自分が成長できる良い経験となりました。「春を告げる」がヒットしなければこのような機会もなかったと思います。
――あらためて「春を告げる」が多くの人に聴かれた理由については、どう思いますか?
yama:キャッチーで耳に残りやすいメロディから始まるのは大きな理由のひとつだと思います。初めて聴く人を惹きつけたかったので、とにかく最初の<深夜 東京の6畳半>に全てを込めて歌いました。プロモーションなしで、SNSや口コミでじわじわと広がっていったので、純粋に曲自体が魅力的だったのだと思います。
――もともと、音楽をやってみよう、歌ってみようと思われたきっかけは? 影響を受けたアーティスト、シンガーなんていらっしゃったのですか?
yama:そうですねえ、思えば誰かに影響されて音楽をはじめたわけではなく、物心ついた時には歌うことが好きでした。自分が表現できる唯一の方法が歌だったという感じなんです。
――なるほどねえ。ちなみに最近、ハマった音楽以外の趣味、映画、小説、雑貨、インテリア、食べ物などありましたら教えてください。
yama:最近はセブンイレブンの「ささみあげ 梅しそ」にハマってよく食べています(笑)。揚げものですが脂っこい感じはなく、かといってパサパサしているわけでもなくちょうど良いジューシーさです。そして中に入っている梅と大葉が美味しい……ステマじゃありません。
――ははは(笑)
yama:また、最近見た映画『シェイプ・オブ・ウォーター』も強い影響を受けています。動画配信サービスのおすすめに出てきて何となく見はじめた映画でしたが、とても良かったです。ただの美しい純愛映画でなく、人間の自己中心的で残酷な言動や偏見、思想の対立など、現実社会と人間の泥臭い描写もあります。しかしそのリアルな世界とは対照的に、属性にとらわれずありのままをお互いに見て、言葉がなくとも心を通わせていく2人。これは自分の音楽に対する考えと匿名性を維持している理由に重なる部分があります。自分も含め、ほとんどの人間は得る情報が多ければ多いほど型にはまった見方をしてしまうと思います。だから“歌”以外の要素をなるべく削り、聴いて下さる方に余計な情報を与えず、世界観に没入してもらえるようにしています。何の偏見もなしに人や作品をありのままを感じられるような世界を作っていきたいですね。
――yamaさんが音楽活動を行う上での夢、目標、野望などありましたら教えてください!
yama:音楽でずっと食べていくというのが人生の目標ですので、聴いてくださる方には常に新鮮さを感じてもらえるように表現力の幅を広げていきたいと思っています。そのために今後も作家さんは固定せずに、いろいろなアーティストの方とご一緒して良い作品を作っていきたいです。どんなに時間が経っても誰かの心にずっと残っている音楽を届けられたら本望です。

【取材・文:ふくりゅう(音楽コンシェルジュ)】



yama 『真っ白』Music Video (Anime Edition)

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リリース情報

Digital Single『真っ白』

Digital Single『真っ白』

2020年10月21日

MASTERSIX FOUNDATION

01 真っ白

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■配信リンク

yama
Digital Single
「真っ白」
https://yama.lnk.to/ssrxrCvF

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