飛ぶ鳥を落とす勢いのシンガーソングライター・優里の変わらない想いとは?これまでの歩みや現在の心境を探った

優里 | 2021.02.24

 2019年よりSNSにアップした歌唱動画投稿が注目を集め、同年12月に初のオリジナル曲「かくれんぼ」を配信限定リリース、2020年8月に配信限定シングル「ピーターパン」でメジャーデビューし、同年10月に発表した「ドライフラワー」が男性ソロ史上最速、歴代3位のスピードでストリーミング再生回数1億回突破とバイラル大ヒット中という、まさに飛ぶ鳥を落とす勢いのシンガーソングライター・優里。2021年第1弾となる楽曲「インフィニティ」はTVアニメ『SK∞ エスケーエイト』の書き下ろしエンディングテーマであり、彼にとって初の友情をテーマにした楽曲だ。3月10日に同曲を表題にしたシングルCDが期間生産限定盤としてリリースされることも決定している。Fanplus Musicでの初インタビュー取材では、これまでの歩みや現在の心境、「インフィニティ」から垣間見える彼の変わらない想いの正体を探っていった。

――リリースする曲が次々と記録を打ち立てるだけでなく、メディアにも引っ張りだこですが、現在はどんな心境でいらっしゃるのでしょう?
優里:ランキングに自分の名前が出てきたり、友達や親戚からメールをもらったりするたびに「1位取ってるのか!そんなに上のほうにいるんだ!」と嬉しくなりますが、今までどおり曲を作って、YouTubeもやりつつ、楽しく音楽をやっていくという感じです。
――今後お客さんを目の前にしたときに実感が湧くのかもしれませんね。SNS経由でのリアクションも多いのではないでしょうか?
優里:僕は曲作りに時間がかかるタイプなので、どの曲も「どういう言葉がいちばん心に残るんだろう? 響くんだろう?」、「どんな歌詞なら寄り添えるんだろう?」と考えながら書いていくんです。そうやって出来上がった歌詞について「好き」という声をいただくと、響いてるんだなと実感できてうれしいですね。
――記録や数字というよりは、リスナーさん一人ひとりからいただくリアクションがうれしい、ということですね。
優里:そうですね。カバーをしてくれる方々がたくさんいるのもうれしくて。僕もカバーした動画に対してご本人からリアクションがあると、「本人からいいねが来た!」って飛び跳ねるくらいうれしかったんです。僕も歌を歌っている人を応援したい気持ちがあるから、カバーしてくれている人には「僕の歌を歌ってくれてうれしい。ありがとう」と「歌頑張ってるね。僕と同じだね」という気持ちでいいね押してます。
――歌に魅せられて音楽の道に入った優里さんの音楽のルーツは、お母様のお好きだったBon Jovi、Queen、AC/DCといった洋楽のロックなんですよね。
優里:そうです。小学生の時から『ベストヒットUSA』が好きで、それを観ては気に入った曲をメモして、誕生日プレゼントやクリスマスプレゼントにCDをお願いしてました。70~90年代くらいのCDを集めて聴くのが好きだったので、Bay City RollersやDuran Duranもよく聴いてましたね。家でもずっとポータブルCDプレイヤーでイヤホンをつけたまま過ごしたり、真似して歌ってみるっていう小学生で(笑)。Bon Joviだけ30曲入れたマイベストCDを作って、それを聴きながらピアノや水泳、学校に行ったりしてましたね。
――それで高校時代にバンドを組むと。
優里:Bon Joviのリッチー・サンボラが大好きで、ギタリストでありながらハスキーな声で歌うリッチーに憧れてギターを始めて。ギターコーラスで校内ライブに出たら、先輩から「コーラスの歌が良かったからボーカルとして入って」と言われてThe OffspringとGreen Dayのコピーバンドをすることになったんです。その時はまだ全然音楽の道に進むことなんて考えてなくて、ただ楽しくバンドをやってたんですよね。
――音楽の道に進もうと思ったのには、どんなきっかけがあったのでしょう?
優里:歌うことが好きだから、高校卒業をしたあとにライブハウスとかに出てみたんですけど、学校内みたいにはうまくいかなくて。でも日常生活でしんどいことがあっても、家に帰ってきてギターを弾いたり、音楽を聴いたり、歌を歌ったりすると、その日1日が楽しい気持ちで終えられたんです。そういうなかで「やっぱり歌が好きだな。もうちょっと歌でチャレンジしていきたい」と思うようになりましたね。
――カバー曲をSNS上にアップするようになったのも、その一環ですか?
優里:SNSに弾き語りをアップする人たちが少しずつ増え始めた時期があると思うんですけど、それを見て僕もやってみたいなと思ったんですよね。SNSに動画をあげることができる1分とか1分30秒とか、そのわずかな時間でいかに聴いた人が忘れられない歌を残せるかを考えていました。
――どうやって広げようか、ではなく、聴いてくれた人にどれだけ強く印象づけるかを大事にした、ということですね。
優里:そうですね。好きだな、歌ってみたいなと思う曲で、聴いてくれた人に「いい声だな」と思ってもらえる歌を録ることに専念していました。カバー曲でしたが、いつも自分の曲かのように歌ってましたね(笑)。それをいいと言ってくれる人がいて、このカバーをいいと思ってくれる人はまだまだいるかもしれない、という気持ちで投稿していました。「いつか、このなかに自分のオリジナル曲を入れたい、それをいい曲だと言ってもらえるようにがんばろう」と思ってました。
――カバーがどんどん注目を集めて評価されていくなかで、オリジナル曲を出すのはハードルが高かったのでは。
優里:いつもサザンオールスターズさん、Mr.Childrenさん、スピッツさんとか、錚々たる方々の名曲をカバーしていたので……やっぱりハードルは高かったですね(笑)。悩みながら何曲も何曲も作ってみるものの、耳に残らない、いいとは思えないなと感じてしまって。だからオリジナル曲の第1弾である「かくれんぼ」は、「もっといい歌詞があるかもしれない、もっといいメロディもあるかもしれない」と試行錯誤しながら作っていく中で、「これならいけるかも!」と思えた曲だったので、人前で披露することにしました。

――「かくれんぼ」で描かれた恋を女性目線で描いた「ドライフラワー」が、「かくれんぼ」以上に注目を浴びたことは、大きな自信になったのではないでしょうか?
優里:そうですね。「かくれんぼ」の後に出した曲も評判は良かったんですが、どうしても曲だけがひとり歩きしている感覚もありました。うれしい反面、自分の声を好きになってほしいから、どうしても優里という名前を知ってもらいたかったし、「優里が歌うからこの曲はいいんだよね」とも思ってほしかった。だからみなさんに「ドライフラワー」を気に入ってもらえたのはうれしかったですね。
――「かくれんぼ」を女性側の視点で描いた曲、というのもリスナーの好奇心を刺激したのではないかと思います。
優里:「かくれんぼ」を聴いていたときに「この男女っていったいどうなるんだろう?」と考えるようになったんです。「かくれんぼ」は、ふたりの人間性までしっかり考えたうえで作った曲なので、現実に存在しないとはいえ、僕はふたりのことをよく知っていたし、感情移入もできていました。その発想から作り出したのが「ドライフラワー」なんです。
――終わった恋をドライフラワーに例えたことも、ロマンチックだと思います。
優里:僕の実家、生花やドライフラワーがたくさん飾ってあるんです。小さい頃からずっと同じ花が飾ってあるのを見て、枯れているけれど残り続けてるなんて綺麗だな、と思っていたので、いつか歌詞に入れたいなと思っていたんです。“残っていく”って素敵なことですよね。ドライフラワーに例えたのも、そういうイメージですね。

――そして2021年第1弾となる新曲「インフィニティ」は、初の書き下ろしタイアップ曲。TVアニメ『SK∞ エスケーエイト』エンディングテーマです。
優里:いままでは自分の身の回りのこと、自分のなかから出てきたものを曲にしてきたけど、書き下ろしということでアニメの世界観を崩さないように、だけど自分の色も出していきたいなって。そんなに得意ではないですけどスケボーも滑ったことがあるので、『SK∞ エスケーエイト』も楽しんで観てますね。でもアニメのエンディングで自分の曲が流れるっていうのは……全然イメージが湧かなくて観るまでドキドキでした(笑)。本当に流れてくるのかな!?って(笑)。
――はははは。『SK∞ エスケーエイト』という作品が持つ友情や青春というテーマにフォーカスされた1曲になりましたね。レゲエ調のサウンドも心地いいです。
優里:友情をテーマにした曲を今までに書いてこなかったので、試行錯誤しながら満足のいくものに仕上げました。数少ない友達との(笑)、友情への想いを歌詞に入れていきました。ひとりの時間も好きだけど、悲しい時にふっと誘ってくれる友達はありがたい存在で。逆に友達に何かがあったときはすぐ駆けつけたいですね。本当の友達がいることが大事だと思うし、そういう友達となら助け合いができると思うんですよね。
――優里さんが音楽という存在に対して、友情のように歌っている歌詞にも感じられました。
優里:歌詞を書く時はいつもひとりで黙々と床に座りながらノートに鉛筆で書いているので、記憶があんまりないんですよ。だから次の日の朝にそれを見て「もっといいものがあるはずだ!」の繰り返しで(笑)。そのなかで「お、これはいいぞ!」と思えると完成するんですよね。あと僕、どんなアーティストさんの曲でも、最後のサビの前のセクションの歌詞が好きなんです。だからそこは自分の曲でも大事にしています。
――「インフィニティ」の該当箇所であるCメロの歌詞、優里さんらしいなと思いました。特に<変わらない僕らでいよう>というラインは象徴的ではないかと。
優里:仲良くしてる友達とも、ずっと今のままでいたいなと思うんです。昔から、今がすごく楽しいんです。僕も頑張り時だけど、それは友達や仲間、家族、身の回りのみんなで頑張っているような感覚があって。目指してる場所が違っても、みんな頑張ってるからそう感じられるんだとですよね。くだらないことで笑ってる時間が、すごく楽しいなと思うんです。子どもの頃にやっていたようなゲームをして笑い合える友達と過ごす時間って、すごく居心地がいいんですよね。僕は今のままでいたいし、今がいちばん美しいと思っています。
――「ピーターパン」で歌っていたこととつながる精神性ですね。
優里:あの曲は僕自身の決意が全面に出ている曲ですだからメジャーデビュー曲は絶対「ピーターパン」にしたかったんです。もちろん音楽をたくさんの人に聴いてもらえるのは本当にうれしいことですし、たくさんお仕事をさせていただくと新しい刺激がありますが、でも根っこは今のままでいたいんですよね。普通にギターを持って歌っているだけで楽しいんです。……あ、でも、ラーメンは最近トッピング入れるようになって、ちょっとグレードアップしちゃいました(笑)。

――あははは。優里さんには今後もその「楽しい」を続けていってほしいです。
優里:ありがとうございます。ずっと音楽を続けていきたいし、いろんな曲を作って歌っていきたいです。僕のいちばんの持ち味は声だと思うし、この声で自分の歌いたい曲を歌っていきたい。聴いている人たちが「悲しい時は優里のこの曲、楽しい時は優里のこの曲、ドライブの時は優里のこの曲――」と思ってもらえるような、いろんなシーンに寄り添える曲作りをしていきたいですね。

【取材・文:沖さやこ】





■優里ニューデジタルシングル「桜晴(さくらばれ)」
配信URL:https://VA.lnk.to/g0QCaj

■優里ニューデジタルシングル「桜晴(さくらばれ)」リリックビデオ(1コーラス)
公開URL:https://youtu.be/UMViKmsAm2c

■優里『ドライフラワー』
配信URL https://VA.lnk.to/pDtB0i

■優里「インフィニティ」MV(フル)
公開URL:https://youtu.be/3rTIYxKGoNg

■優里「インフィニティ」配信中
TVアニメ「SK∞ エスケーエイト」エンディングテーマ
https://VA.lnk.to/UzgYiL

■優里「インフィニティ」CD(期間生産限定盤のみ)情報
2021年3月10日発売
BVCL-1028~1029
¥1,500+税

<CD>
1インフィニティ
2 インフィニティ-Acoustic ver.-
3インフィニティ -TV size ver.-
4インフィニティ -Instrumental ver.-

<DVD>
TVアニメ「SK∞ エスケーエイト」ノンクレジットエンディングムービー

<期間生産限定盤>
TVアニメ「SK∞ エスケーエイト」描き下ろしアニメジャケット
トールデジパック仕様
2021年4月末日生産分まで

<「インフィニティ」購入者特典>
■優里応援店特典:優里オリジナルステッカー
 対象店舗:https://www.yuuriweb.com/shoplist/210310/
■アニメチェーン店:TVアニメ「SK∞ エスケーエイト」描き下ろしアニメジャケット絵柄ステッカー
 対象店舗:全国アニメイト(通販含む) / ゲーマーズ全店(オンラインショップ含む) / ソフマップ×アニメガ(一部店舗除く)
■Amazon.co.jp ・・・ メガジャケ
■楽天ブックス ・・・ TVアニメ「SK∞ エスケーエイト」描き下ろしアニメジャケット絵柄A4クリアファイル

※特典は数に限りがございますので、無くなり次第終了となります。予めご了承ください。
※上記店舗・オンラインショップ以外での配布はございません。予めご了承ください。
※各オンラインショップに関しまして、カートが公開されるまで時間がかかる場合がございますので、予めご了承ください。

■優里「インフィニティ」CD予約リンク
https://aoj.lnk.to/BVCL-1028

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リリース情報

ドライフラワー

ドライフラワー

2020年10月25日

Sony Music Labels Inc.

01.ドライフラワー

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インフィニティ

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2021年01月23日

Sony Music Labels Inc.

01.インフィニティ

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2021年02月19日

Sony Music Labels Inc.

01.桜晴

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