Bambooが表現する“ポップ”とは? 1st E.P.「SCRAMBLE POP」から伝わるもの
ゆびィンタビュー | 2021.03.15
東京生まれ、東京育ち。高校の軽音部で結成された同級生3人組のポップロックバンド、それがBambooだ。高校3年生のときには全国高等学校軽音楽コンテストでグランプリを獲得するなど在学中から数々のコンテストで好成績を収め、卒業後もバンドを続けることを選択した彼らは、インディーズながらもさまざまなタイアップに抜擢されるなど、若き実力派として高く評価されている。そんなBambooが3月10日、バンド初となるEP「SCRAMBLE POP」をリリース! 疾走感溢れるロックサウンドからカラフルにはじけるアッパーチューン、しっとりと聴かせるミディアムナンバーまで、ありとあらゆるポップがごちゃ混ぜに詰め込まれた破天荒ながらも高い音楽性に裏打ちされた、抜群にクセになる1作だ。このたびFanplus Music初登場の3人に、バンドの結成から本作に至るまで、たっぷりと話を聞かせてもらった。
PROFILE
Bamboo
2015年春に高校の同級生で結成された、21歳のポップロックバンド。2018年4月には1st Album『Bamboo』をリリース。2018年12月には1st Single「ウタウタイ」をタワーレコード限定でリリースし、同月に下北沢club Queで開催されたリリースイベントでは、200人を動員。シングルのタイトル曲「ウタウタイ」のミュージックビデオは再生回数30万回突破中。また、インディーズながらHonda「TOMODACHI Honda グローバル・リーダーシップ・プログラム」WEBムービー、Honda「社会貢献活動」WEBムービーソング、Honda「The Power of Teen」プロジェクトテーマソングの3つのタイアップに抜擢。2021年3月10日に1st EP「SCRAMBLE POP」をリリース。
- みなさんは高校の同級生で、Bambooは軽音楽部で結成されたバンドだそうですね。でも最初は特に意気投合したからとか、そういう理由ではなかったと伺いました。
ちなみ(Vo/Gt)
そうなんです。私たちの出会いが高校の軽音楽部だったんですけど、まず新1年生のなかから経験者を集めた選抜バンドを組むというのがあって。そこで、集められたのが私と大吉(Gt)を含めた4人メンバーで、最初は匠(Ba)はいなかったんですけど、しばらくして再度、バンドを組み直すタイミングで匠がメンバーになったんです。- 匠さんはこのバンドでベースに転向されたんですよね。
匠(Ba)
そうなんです。もともとは僕、ギターボーカルがやりたかったんですけど……。でもボーカル希望者が多いからオーディションで減らそうということになって、いざ臨んだらビリになっちゃって。一同
(爆笑)匠
ギターは小5くらいからずっとやっていて、先輩からは「リードギタリストになれよ」って勧められたんですけど、僕は歌いながらギターを弾いたり、自分で曲を書いて歌ったりしたかったから、それはちょっと違うなって。別の楽器もやってみたかったし、だったらいいタイミングだと思ってベースをやることにしたんです。もともと自分の歌以外で演奏したり曲を作るなら、ちなみ以外いないなって思っていたんですよ。すごい偉そうなんですけど「俺はこいつ以外に弾かないんだ」とか言って(笑)。- みなさんの軽音楽部は都内でもかなりの強豪校だそうで、バンドをやりたいがためにその高校に入学されたと聞きました。ということは、将来的に音楽をやっていこう、みたいなことをすでに考えていたり?
ちなみ
私は高校の部活動の3年間で何か見つけられたらいいな、くらいでした。バンドを組んだことがなくてすごくやってみたかったので、高校ではチャレンジしよう、と。大吉(Gt)
自分もギターを小6からずっとやってるんですけど、ギター以外では長続きしたものがなくて。空手とかサッカーとかいろいろやっても全然ピンとこなかったのに、ギターだけはすごくピンときちゃったというか。なので薄々これしかないなと思いつつ、いい出会いがあればなとは思ってました。- いきなり出会ったわけですね。
大吉
そうですね。中学のときからバンドをやっていて、パンクとかメタルばっかりだったんですけど、高校でもその路線でやろうと思ってて。そしたら選抜バンドっていうシステムで、ちなみと一緒にやることになって……一緒に曲を作ったりするなかで、自分のやったことのない音楽をやるっていうのも楽しくて。ひとりのギタリストとしても、音楽をやる人間としても、このバンドを続けてたら伸びそうだなっていうのは感じてました。匠
僕も小中学校のときにサッカーやバスケ、剣道をやったりしてたんですけど、そんななかで音楽は比較的得意分野だったんです。じゃあ全部をなあなあにこなすよりも、得意なことをひとつ伸ばしたほうがいいよなって。音楽は好きだし、そこを極めていきたいなと思ったんです。ここで3年間がっつり活動して、その先に繋がるような出会いや技量とかを手に入れられたらいいなって。- 当時からBambooというバンド名だったんですか。
ちなみ
はい。大吉
バンド名の申請っていうのがあって、理由をちゃんと説明してみんなを納得させないといけないんです。バンドの方向性もまったく何もない段階で、まず名前を考えなくちゃいけない。しかも出会って1週間もないくらいの状態で、バンド名を決めなきゃいけなかったので、言うなれば超フラットな状態で考えた名前なんですよね、Bambooって。- どんな意味が込められているんでしょう。
ちなみ
Bamboo=竹じゃないですか。竹って成長がすごく早いらしいんですよ。しかも、めちゃ高く伸びるじゃないですか。“選抜バンド”というプレッシャーもあったし、私たちを追い抜こうと頑張っているみんなに負けないように、自分たちがいちばん高く伸びるんだって想いが込められています。匠
今となってみれば“Bamboo”っていう言葉の響きとか、字面の丸くてふわっとしてる感じが今の僕たちにうまいことマッチしてきてる気はしますけどね。- 高3のときには見事全国大会のグランプリを獲得したBambooですが、早いうちから卒業後も続けようと決めていたんですか。
匠
わりと卒業ギリギリぐらいまで迷ってました。全国大会のあとに、1stアルバム『Bamboo』を作りだしたんですけど、それが完成するまでは「どうする?」みたいな感じで。でも完成した音源を聴いたときに「やっぱり続けたいね」って話になったんです。ちなみ
最初は「思い出でもいいし、せっかくだから高校3年間で作った曲をアルバムにしようよ」って作り始めたんですけど、いざ出来上がりを聴いたら「やっぱりいいな、やりたくない?」って。- 1stアルバムが決め手になったんですね。でも実際のところ、それまでとは全然勝手が違ったでしょう?
ちなみ
「高校生なのに、こんなにできてすごいね」っていうのが、卒業してからはなくなるんですよね。大吉
土俵が変わった、みたいな。ちなみ
もっとずっと長くやってる人たちのすごさを見せつけられて。ライブってこうやってやるんだ、とかいろんなものがひっくり返りました。高校の大会とかは部活の一環だから、自分たちが呼ばなくてもいっぱいオーディエンスがいたんですけど、そういうところにも自分たちからアプローチしていかなきゃいけないんだっていう壁にぶつかったり。匠
まさに、ぬくぬくの温室から突然外にほっ放り出されたっていう感じでしたね。- それでもめげずに活動を続けたのは、どこかで手応えを感じていたからですよね。自分たちならではの強みとか、このバンドでやっていく意味とか、そういったものを見つけたからなのかなって。
大吉
そうですね。僕たち3人とも聴く音楽が全然違うんですよ。正直、高校3年間だけでは、それを上手く混ぜ合わせられたっていう実感がなくて。常に「いや、もっとできるでしょ?」みたいな気持ちなんですよね。卒業後も節目節目でリリースをしてますけど、作り終わると「あ、これはもっとこういうふうにできたな」「もっと超えることができたのに」とか思うんですけど、それってフレーズ単位とかの話じゃなくて、核の部分にそれを感じてて。そういう可能性みたいなものに常に背中を押されてる気はします。もっとできる、もっとできるっていう気持ちが常にあるので。- そもそもの話ですが、バンドの音楽的方向性などについて、メンバー同士で話し合ったりはされていたんですか。
ちなみ
そういった話し合いはあんまりやってないです。- じゃあ各自、好きな音楽とかやりたいもの、鳴らしたい音を出し合いながらどんどんブラッシュアップしていく、みたいな?
匠
そんな感じですね。根底にはポップス、大衆受けする音楽っていう範疇からはずれないようにしながら、それぞれのエグみとか、そういうのをいい塩梅で混ぜていって出していきたいっていうのはあるんですけど。- やはり“ポップ”がBambooにとっていちばんの軸ですか。
匠
はい。- ただ、ポップってひと言で言っても、いろんな解釈がありますし、Bambooの作品を聴かせていただいてもジャンル的には本当に幅広くて。いい意味で雑食というか、とにかく自分たちがやりたいと思ったものは手当たり次第にものにしてやるというようなハングリーさ、貪欲さを感じるんです。一方で曲調はたしかにポップだけど、歌詞をよく読むとわりとギョッとするような言葉が使われていたり、感情を包み隠さずさらけ出していたり、一筋縄ではいかない深みもあって。
ちなみ
たしかに、今回の1st EPでは、今まではあんまり触れてこなかったリアルなところとか、心の内の内の言葉とかを引っ張り出してきて書いた曲とかもありますね。いつもポジティブ人間だけど、私だってたまにはネガティブになるんだよ、みたいな曲もあれば、明るい前向きな曲もあるんですけど、そういう、いろんな私の一面がもっと届けられたらと思って、今回はいろんな作詞にチャレンジしてみたので。- いわゆる爽やかポップスではないというか。心の中のドロドロした部分とか、抱えている鬱屈とか、そういったものを躊躇するでもなくサッと出してくるような潔さが面白いなって。
ちなみ
躊躇はしないですね。曲でそういうものを出すと気持ちいいんです(笑)。大吉
最近、Bambooが語るポップってなんですか?って考えさせられるタイミングがあるんですけど、たぶんアートのほうのポップ、ポップアートに近いのかなって思ったんです。表現したいことはあくまで自分のなかから出てくるものだけど、それを大衆的というか、聴きやすいサウンドに落とし込む、みたいな。表現したいものは自分のなかからでも、表現方法をいろいろ試行錯誤してるっていう感じが、ポップアートに近い。結果論なんですけど、たぶんBambooがやってることはそういうことなんだなって最近気づいたというか。- なるほど、ポップアートという捉え方は今、すごく腑に落ちました。ホント「SCRAMBLE POP」というタイトルがドンピシャですが、ところで今回はなぜEPという形でのリリースを選ばれたんでしょうか。
大吉
Bambooは今、1年に1枚のペースで音源を出していて。流れ的には今回もシングルなのかな、みたいな雰囲気は出ていたんですけど、去年1年、コロナ禍でまったく何もできなかったっていうのもあって、どうせリリースするなら無理してでも曲を詰め込みたいって気持ちが爆発したんです(笑)。- やっぱりコロナ禍の影響は大きかったですよね。
大吉
2019年末くらいから遠征をし始めて、やっとちょっと慣れてきたくらいの時期だったんです。最初の緊急事態宣言が出る前は、その2?3ヵ月先くらいまでの遠征もしっかり入っていて完全にライブモードだったのが一気にプツンと途切れてしまって……自分的には正直、燃え尽きかけたというか。完全に強制シャットダウンされちゃったので。スタジオにも入れず、その頃はまだ自分にはDTMをやる環境もなく。オンラインでみんなで曲を作れる環境が整ってなかったのも、当時の僕たちにとってはすごく痛手だったんですよ。すべてが制限されてしまった感じでしたね。- 燃え尽きかけた心をどうやって奮い立たせたんです?
大吉
ホント何回も燃え尽きそうになったんですけど……最初の配信ライブをやったときに、その準備で久々にスタジオに入ったんです。匠
みんなでバーン!って久々に音を出して「ああ、やっぱりいいな、楽しいな」って。今まで作ってきたものも全然間違ってなかったな、これをやってきてよかったなってつくづく思えたんです。改めて音を鳴らしてみて、このバンドは大丈夫だな、まだやっていけるなって感じて、また火がついたところはありました。ちなみ
私も最初、ライブが全部なくなった瞬間に「ああ、ダメだ」ってなっちゃって。上手く切り替えられなくて、何もする気になれないまま憂鬱な日々をしばらく過ごしてました。配信ライブの準備でスタジオに入ったときも、歌ってなかったから体力が落ちちゃっててまた落ち込んだり、配信ライブ本番もお客さんが目の前にいないから楽しんでくれているのかなって不安だったり。でも最近は、不安になるより、自分たちが楽しんでるところをしっかり届けられるように自分たち自身が頑張ればいいんだ、信じれば大丈夫っていうポジティブな気持ちにだんだんなってきてて。このコロナ禍でも自分たちが発信できることをもっとやっていこう、みたいな。- じゃあ、マインド的にもすごくいい状況のなか、この「SCRAMBLE POP」がリリースされたんですね。
ちなみ
コロナ禍になってから、気持ちが上向きになるまで時間はかかったけど、今の自分たちなら自信があります。- サウンドも世界観もこれまで以上に洗練されていますし、順調にバンドが進化していることが聴いてすぐに伝わってきました。1曲目の「アマノジャク」なんてこれまでのイメージがガラッとイメージが変わるくらい攻め込んだ楽曲になっていて。
ちなみ
ふだん内に秘めてる想いとか自分のイヤなところ、コンプレックスみたいなところを書いたんです。さらけ出して曲にしちゃえ!って。大吉
たしかこれ、DTMでアレンジをしたり、みんなの音を録ったりすることにちょっと慣れたタイミングで作った曲なんですよ。それまでもちょくちょくDTMは使い始めてたんですけど、「アマノジャク」はいきなりDTMから始まったような気がする。匠
そう、これは今までとスタイルをガラッと変えて、DTMで作るっていうところから入ったんです。大吉
完成形になったときにどうあってほしいかを最初からイメージしながら作っていた曲ですね。- でも、いい意味でDTM感を感じないといいますか……Bambooはポップを追求しながらもバンドサウンドに特化しているのが興味深いなとずっと思っていて。
匠
たしかに世の中的にバンドサウンド以外の音を入れていくっていう流れはあると思うんですけど、僕はそういう流れだから入れるというよりも、必要だから入れるっていうほうがいいと思っていて。なので今の僕たちがやっている音楽では、そんなに入れなくていいかなって思ってるんです。今回も、わざわざ他の音を入れなくても全然バンドサウンドだけでも成立してるので、そんなに派手には入れてないんです。大吉
今は簡単に入れられるからといって安易に手を出すのではなく、本当に表現で必要になったときにそういう手法もあるんだって思っておかないと、自分の頭の中で鳴ってた音がどんどん分からなくなっちゃう気がするんですよね。要は段階を踏みたいんです。本当に必要だって思ったときに入れたい。そういう意味では「アマノジャク」も、このEP全体を通しても、これからこうしていきたいっていうものが見え隠れしているような、今までのバンドサウンドよりも若干工夫しているような、そういうちょっと変わった部分もありつつ、これはバンドサウンドでできるよねっていうところをしっかり区別してやれた気がします。- 2曲目の「HONKIDA」はオールドスクールなロックのニュアンスが却って新鮮な、アッパーな1曲です。Honda「The Power of Teen」プロジェクト テーマソングにもなっていますが、タイアップのオファーを受けて作られたんですか。
ちなみ
はい。いただいたテーマが、コロナ禍のなか、10代の人たちがやりたいことや夢を叶えるための力になるような曲を、ということだったんです。この状況で、やりたいこともできなくなっちゃった人、私がそうだったように「ああ、ダメだ」って落ち込んでしまった人に届けられる曲になったらいいなと思って書いたものを、ふたりが明るく飾り付けしてくれました。- 聴くと背中を押されるようなパワフルな曲ですけど、歌詞には頑張れとか、そういう言葉はまったく使われていないですよね。むしろ<もがけ>と言ってる。
ちなみ
私は無理に頑張らなくていいかなと思っていて。頑張りたくないときは頑張らなくていい。でも諦めちゃうとそこで死んだも同然だから、だったらもがいたほうがいいんじゃないかなと思って、そう書いたんです。- 3曲目の「イビツボーイ・ミーツガール」は匠さんが歌詞も手掛けていらっしゃいます。
匠
ライブの定番曲が1曲ほしいなと思ったんです。テンポ感も速めで、イメージとしてはライブでやったときにお客さんの手が挙がりやすいような、そういうところもすごく意識して作りました。作詞で言うと、ちなみの詞って等身大のありのままを歌ってて、それがすごくいいんですよ。聴いた人に受け止めてもらえる歌詞だと思ってて。でも僕の場合は、もちろん自分の身から溢れるものではあるんですけど、等身大の自分を書くというより、漫画とか本とかみたいに、作品として世界観を構築して、読み物として面白いものにしたいな、と。- 言葉遊びもいっぱいで、すごく楽しいです。ロジカルに構築されていて、ちなみさんとはまた全然違った魅力に満ちていて。でも匠さんも結構ギョッとするようなワードを使う派なんだなと思って。
匠
僕はバキバキに使いますよ! バンドのトータルイメージを崩さないレベルで、とは思ってますけど。ちなみ
それがなぜかポップになっちゃってるんだよね。匠
そこが狙いなんですよ。内容を読むと、わりととんでもないことを言ってるんですけど、曲調はポップだし、ちなみが歌えば大丈夫だろって(笑)。僕のなかではテーマがあるんですけど、そこは好きに解釈してもらえたらうれしいですね。- コーラスパートとか、一緒に歌いたくなりますし、このギターソロもライブの見せ場になるでしょうね。
大吉
すごい速いんですよ、これ(笑)。ちなみ
この曲、めちゃくちゃテンポが速くて、Aメロなんかも手首がつっちゃうんじゃないかってくらいの弾き方を大吉がしているので、そこはぜひ聴いてほしいです(笑)。- そこから一転、ミディアムな4曲目の「人生残酷物語」っていう流れがまた素晴らしくて。
匠
この流れ、明暗があってすごく好きなんです。ある意味、コロナの期間を経たことで、よりダークさに深みが生まれたというか、伝えたいことがアレンジや歌詞にもグッと凝縮された感じがしてて。だから、この曲に関しては、あえてその期間を経てよかったなって僕はすごく思ってるんです。ちなみ
これはもともと弾き語りライブに向けて私が作った曲なんですけど、それをバンドに持ってきてアレンジしたんです。途中でテンポが変わって激しくなるところがお気に入りのポイントですね。- そしてラストの「サクタメの花」で一気に作品の世界が広がります。スケール感に溢れた12弦ギターのサウンドがUKロックを彷彿させますね。
大吉
それはかなり意識しました。実は高校のときからこういう曲が作りたくて、チャレンジしていたんですよ。今回、「サクタメの花」で表現していることに本当はもっと早く到達したかったんですけど。どうしたらもっと上手く表現できるのかっていう想いと楽曲が、今回、ちょうどいいタイミングで合致したなって。- 音像はとても伸びやかで開放的なのに、どこか物悲しさも漂っていて、そこがすごく好きなんですけど、その物悲しさってやっぱりちなみさんの歌詞に依るところが大きいと思うんですね。この曲に限らず、ちなみさんの歌詞っていい意味で諸行無常感があるんですよ。
匠
そう、ホントそれなんです。- 花は咲いたら散るし、緑の葉はいつか枯れて落ちる。そういうことを素直に受け止めて、書いていらっしゃる。それって実はすごい感性だと思うんです。
ちなみ
私、そういう言葉がスッと入ってきちゃうんです。だけど自分の書くものが綺麗事になるのはイヤだったんです。上っ面に聴こえちゃうのがイヤで。この曲自体、作ってみたはいいものの、最初は自信がないというか、ダメだなと思っていたんです。でもメンバーや周りの人たちはみんな、すごくいいって言ってくれて、だったら、ちゃんと向き合おうと思って、いろいろ考え直していくなかで、まさに人生の山あり谷ありと花が咲いて枯れてまた咲いてっていうのが似てるなと思ったんです。特にいちばん最後の歌詞のセクションは、この曲全体のまとめのつもりで書きました。自分たち自身にもそうだし、いろんな人やいろんな場面にあてはまるんじゃないかなって思います。- それにしても本当に聴き応えのある作品になりましたね。
ちなみ
暗い気持ちになりやすい今の状況のなか、暗い気持ちに埋まっちゃってる人たちに届けられたらいいなって思ってます。聴いてもらえたらきっと元気になるんじゃないかなって。私は元気を分けてあげたい、自分たちの楽しいを共有したいんです。こういう状況だからこそ、Bambooを聴いてスカッとしてもらえたら。- さて4月15日には東京・渋谷 TSYTAYA O-Crestにて初ワンマンライブが控えていますが。
ちなみ
音源とは違う、ライブでしか得られない私たちの破天荒ポップをぜひ感じてほしいですね。観て楽しい、聴いて楽しいライブなので。匠
ただ、コロナ以前の状態に戻したいとかは全然思ってないんですよ。あのときは楽しかったよねっていう気持ちはもちろんあるんですけど、コロナ禍を通じて得られたものもすごく大きかったし、学べたこともたくさんあるので、前の状態に戻すというよりも、新しい方向に成長したネオなBambooをお見せできたらなって思ってます。- ネオBamboo、楽しみにしています。
ちなみ
それとワンマンまで毎週、動画投稿企画をYouTubeでやっているのでぜひ観てください! Bambooチャンネル、毎週木曜日10時に更新してますので、よろしくお願いします!
【取材・文:本間夕子】
リリース情報
SCRAMBLE POP
2021年03月10日
sambafree.inc
01.アマノジャク
02.HONKIDA
03.イビツボーイ・ミーツガール
04.人生残酷物語
05.サクタメの花
02.HONKIDA
03.イビツボーイ・ミーツガール
04.人生残酷物語
05.サクタメの花
お知らせ
■ライブ情報
BAMBOO VIVA!!! VOL2
SCRAMBLE POP編
04/15(水)東京 渋谷 TSUTAYA O-Crest
※その他のライブ情報・詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。
BAMBOO VIVA!!! VOL2
SCRAMBLE POP編
04/15(水)東京 渋谷 TSUTAYA O-Crest
※その他のライブ情報・詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。