VAMPS主宰“HALLOWEEN PARTY”開催
VAMPS | 2011.11.07
去年に引き続 いて“HALLOWEEN PARTY”は幕張メッセでの開催だ。海浜幕張駅からの道すがら、悪魔やらメイドやらの仮装に、今日のパーティに参加するオーディエンスたちのハンパない 気合いを感じて嬉しくなる。音楽的大暴れの中で心を解放してくれるVAMPSの主宰するパーティの趣旨を、ファンたちはしっかり分かっている。そんなパーティ・スピリットの”理解者“が増えたことを象徴するように、会場は去年より大きくなっている。いや、 BREAKERZ、Acid Black Cherry、そしてVAMPSという人気と実力を兼ね備えたバンドが集結することもスケールアップの大きな理由だ。
ステージには お城のセットがドーンと置かれ、左右にはカボチャのシルエットが浮かんでいる。いよいよ開演。まずステージ上方のスクリーンに悪魔キャラ が現われて、ナレーションを開始。「みなさん、元気に死んでますかぁ?!」と歓迎の呼びかけをすると、会場の悪魔たちは大騒ぎ。お城が真ん中から割れて左右に開き、まずは今年のMC狩野英孝がそこにいた。L’Arc?en?Cielの「虹」ネタで会場をつかんだのも束の間、「おめでとう!」と 逆襲を受ける。そう、狩野は先日、婚約したばかり。持ち歌の「PERFECT LOVE」でオーディエンスとコール&レスポンスを楽しむ。今年の MCもいい感じだ。
トップバッターのBREAKERZは、今年、東京ドームで再結成されたCOMPLEXの仮装で登場。ステージ右手からDAIGO扮する吉川晃司、左手からは布袋寅泰・・あれ? 布袋が2人いる。ドームのCOMPLEXと同じ演出で中央にゆっくり歩み寄り、がっちり握手。ドームでは超かっこよかったシーンが、3人での握手だから爆笑が起こる。そのまま、「BE MY BABY」を歌ったのだが、DAIGOはエンディングで吉川のトレードマークのシンバル・キックを失敗。シンバルを下げてもらって、二度目で成功。
「COMPLEXさん、知ってる人? けっこういますね。俺達は大好きなんですけど、世代的にどーかなと 思ってたんでよかったです。反応低かったら、俺達のコンプレックスになっちゃいますから」とDAIGOが笑わせる。BREAKERZ はこのイベントに4年連続出場しているが、その間にバンドとして急成長を遂げた。そのモチベーションのひとつには、HYDEと VAMPSから受けた刺激が確実にあったはずだ。
舞台転換の 間、狩野のMCでオーディエンス代表のカラオケ大会。凝った仮装にユーモラスな小芝居を混ぜて、アマチュアとは思えないパフォー マンスが繰り広げられる。中には被災地からやって来た家族もいて、このパーティの懐の深さを痛感する。
セカンドバッターは、Acid Black Cherryだ。こちらはお城のセットにふさわしい、モンスターの仮装。ドラムはフランケンシュタイン、ベースは狼男、ギターはミイラ男と魔女。そしてヴォーカルのyasuはドラキュラだ。金髪にゴールドのモールの付いた黒いジャケットをまとったyasuは、伯爵と呼ぶにふさわしいシックな雰囲気を持っている。そんな男がシャープなハイトーン・ボイスで歌うから、会場はキャーキャー大歓声。5ヶ月連続シングル・リリース中ということもあり、実力派なのはもちろんだが、人気の方も急速に上昇中。1曲目は最新シングル「シャングリラ」だ。続く「罪と罰?神様のアリバイ?」で、二人のモンスターがかっこいいツインギターソロを披露。
「はい、Acid Black Cherryです。去年に引き続いて出してもらってます。10月が近づいてくると、HYDEさんからのメールが増えて嬉しいんですよ」とyasu。そう、この名物イベントは、首謀者VAMPSに誘われるのを誇りにしているバンドが沢山ある。ミュージシャンにとっても、観客にとって も、それほど楽しい“お祭り”なのだ。
曲が進むごとに温度を上げるAcid Black Cherryのベストは、ラストの「SPELL MAGIC」だった。激しいオルタナティブ・ロック・サウンドを従えて歌い切るyasuは、今、アーティストとして新たなピークを迎えているように感じた。
そんな余韻も覚めやらぬうち、カラオケ大会にyasuとDAIGOが登場。ハイトーンで有名な名曲、クリスタルキングの「大都会」を歌う。このネタは 去年も二人がやったのだが、今年は小芝居をはさんでバージョンアップ。「ライブの後に、これはキツイわ」と今度はyasuが笑わせ る。
さあ、大トリのVAMPS だ。ナレーションが煽りに煽る。最初に登場したのはドラムのARIMATSU。ホラー映画『SAW』に出てくる、自転車に乗ったジグソウの仮装だ。続いてマニュピレーターのJINがゾンビのアクションまで再現して会場を怖がらせる。いつも凝りに凝ってい るJu-kenは、ジャック・ニコルソンの当たり役『バットマン』のジョーカー姿で会場を震え上がらせる。ギターのK.A.Zの仮装 は、『もののけ姫』のサンだ。顔にもメイクをほどこして、美形ギタリストがさらに美しくなってスリリング。一人が姿を現わすごとに、 会場は日常から遠ざかっていく。そしてボーカルHYDEは、シザーハンズのエドワード。ワイヤーで吊られながら、空中で両手のハサミを振り回す。ここで完全にオーディエンスたちはVAMPSのハロウィン・ワールドに連れ去られたのだった。
ハサミの手でマイクを持って「MIDNIGHT CELEBRATION」を歌ったHYDEは、「We are VAMPS! 血が足んねー、血が足んねー」と叫ぶ。2曲目「DOLLY」で、魔界のパーティは一気に頂点に上り詰める。
それにしてもHYDEの声の強さはどうだ。「REVOLUTION」で会場の大合唱とダンスとハンドクラップをもらっ たHYDEは、その何倍ものエネルギーを返す。K.A.Zはお立ち台の上で、Ju-kenは耳まで裂けた口をニタニタさせながら、オーディエンスを異界に導く。この曲はこれまでの“HALLOWEEN PARTY”の中で、最高のパフォーマンスだったかもしれない。
「ハァハァ、 ほってちゃう」とHYDE。「久しぶりのVAMPSです。みんなに会えて嬉しいです。たまんねー。今まで何回かこの格好してるんですけど、この仮装を悔いなく終わらせるために、今回は飛んでみました。アンタたちを切り刻んで やるぜ。切り刻んじゃっていいかな? 全力でかかってきてー!」。
「TROUBLE」、「SEX BLOOD ROCK N’ ROLL」とキラーチューンを立て続けにプレイして、この日のVAMPSはオーディエンスと一体になって燃え尽きた。
アンコールは 出演ミュージシャン全員がステージに並んで演奏する“モンスター楽団”。指揮者はもちろんHYDE だ。曲目は3拍子(Inst.)といったところ。Acid Black Cherryの美メロ曲「眠り姫」をHYDE、yasu、DAIGOの3人でハモったりして、パーティは最後の最後まで盛り上がったのだった。
【 撮影:今元秀明、田中和子 】
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セットリスト
- BE MY BABY
- CLIMBER×CLIMBER
- GO
- BAMBINO ~バンビーノ~
- 灼熱
- シャングリラ
- 罪と罰~神様のアリバイ~
- 愛してない
- Black Cherry
- チェリーチェリー
- ピストル
- SPELL MAGIC
- MIDNIGHT CELEBRATION
- DOLLY
- THE PAST
- VAMP ADDICTION
- REVOLUTION
- DEVIL SIDE
- ANGEL TRIP
- TROUBLE
- SEX BLOOD ROCK N’ ROLL
- 3拍子(Inst.)
- 眠り姫
- HALLOWEEN PARTY