変幻自在! そして癒しの空間をも演出したスタイリッシュな武道館ライブ
柴咲コウ | 2011.12.13
5月にリリースした最新アルバム『CIRCLE CYCLE』を掲げ、9月から全国ツアーを行っていた柴咲コウが、11月28日に日本武道館で無事にツアーファイナルを迎えた。クルクル回るオルゴールの回転盤を見つめる小さな女の子の映像からライブがスタートしたが、アルバムタイトルの『CIRCLE CYCLE』にからめた演出は心憎いセンスだ。
1曲目は「パラレル・ワールドリーディング」。クラブ系サウンドでの幕開けに、オーディエンスもすんなりとリズムにのっていく。ハットに白いジャケット、スパンコールのミニワンピで登場した彼女は、8000人の観衆に向かって、まずは「武道館!」と大きな声で挨拶。そして、3曲目にはギターを手に「Graspin’all of it」を披露したかと思えば「となり」や「影」「EUPHORIA」などで癒しの歌声を聴かせる。これだけでも、彼女の多面的な歌声が楽しめるのだが、このあとステージはさらに予想外の展開へ。
アッパーでグルーヴィーな「ゲノミクロニクル」で、この曲を提供したクリエーターのDECO*27がギターを手に登場。続く「無形スピリット」でも、柴咲と共に会場を盛り上げた。このあと、ライブはまたまた進化。ガラリとスペーシーなムードになり、柴咲とDECO*27、そしてクラブシーンで活躍中のDJ TeddyLoidの新ユニット、galaxias!が登場する。11月23日リリースしたデビューアルバム『galaxias!』からの曲を何曲かお披露目し、柴咲もサイバーな衣装に着替えて、前半とは全く別のパフォーマンス・スタイルで魅了。galaxias!のあとはDJタイムが繰り広げられ、武道館がクラブスペースに。そこから、お次は何とアンプラグドコーナーへと変貌。カバー曲「ルージュの伝言」「最愛」「月のしずく」など、暖かみのあるアレンジで包み込むような歌を聴かせていく。デジタルとアンプラグドという真逆の要素が共存するライブにも関わらず、自然となじむのは、彼女の持つパワーのせいだろうか。
後半は「武道館! 体温上げてかない?」と煽りのMC。そして「invitation」や「ラバソー~lover soul~」といったアッパーな曲で再び会場を熱い空間へと導いた。ラストナンバーの「フィロソフィア」では、柴咲自ら「曲終わりで、この会場をひとつにしたいんです!会場をひとつのサークルにしたいんです!みんなで手を取り合って!」と、観客に呼びかけた。この呼びかけに、隣り合った人達がいっせいに手を繋ぎ、武道館に見事なサークルが出来上がる。「すごい!今、みんながひとつになってる!」と、はじける笑顔の彼女。アンコールではラフなTシャツ姿で登場。会場中をクルクルまわるタオルで埋め尽くしたキュートなポップナンバー「KISSして」と、大ラスにふさわしい「サヨナラブ」の2曲を届けた。
様々なサウンドに彩られた武道館だったが、一貫して漂っていたのは彼女の歌の暖かみ。この個性をあますところなく表現した堂々のステージは、音楽に向き合う彼女の真剣さがストレートに伝わるものだった。
【 取材・文:海江敦士 】
リリース情報
リリース情報
セットリスト
- パラレルワールド・リーディング
- 愛の輪
- Graspin’all of it
- となり
- 影
- EUPHORIA
- ゲノミクロニクル
- 無形スピリット
- CONNECTION(galaxias!)
- Boys&Girls(galaxias!)
- EMERGENCY(galaxias!)
- 無形スピリットリミックス(DJ)
- DJ
- ルージュの伝言(Unplugged)
- 最愛(Unplugged)
- ミラーボール(Unplugged)
- 月のしずく(Unplugged)
- 泪月-oboro-
- アイネクライネ
- wish
- invitation
- よくある話
- ラバソー~lover soul~
- Focus
- フィロソフィア ENCORE
- KISSして
- サヨナラブ