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初のホールツアーを敢行中の阿部真央。7/31渋谷公会堂でのライブをレポート!

阿部真央 | 2012.08.13

 “阿部真央らいぶNo.4”ツアーの12本目、渋谷公会堂に行った。今回のツアーの最大の特徴は、初の“ホールツアー”であるということだ。これまで主にオールスタンディングの会場でツアーをしてきた阿部だが、いよいよ全国のホールに進出する。オールスタンディングのライブは勢いと熱がキーワードだとすれば、ホールはシートがあるだけに歌をじっくり聴かせることができる。これまで阿部は、オールスタンディングでも充分歌を聴かせてきたのだが、たとえば背の小さな女の子にとっては決して楽しみやすい環境とは言えなかった。もっとたくさんのオーディエンスにパフォーマンスと歌を快適に楽しんでほしいと願っていた阿部にとって、ホールツアーはトライしてみたい重要アイテムだった。実際、この日の渋公は、これまでよりぐっと女子オーディエンスの割合が増えている。その誰もが期待を膨らませて開演を待っている。

 今回のツアーは、もちろんニューアルバム『戦いは終わらない』の曲を中心にした内容だが、特に注目すべき点の一つは、喉の不調の後、歌い方を修正した阿部の歌がライブでどう聴こえてくるか。二つ目は、ポップな曲調の多い『戦いは終わらない』をライブでどう表現するか。この二つに注目しながらライブを観た。そして始まったライブは、オールスタンディングと遜色ない熱気と、ホールならではの広々した環境の中で、阿部もオーディエンスも伸び伸び楽しめるライブになった。

 オープニングにふさわしいアッパーなロックチューンでスタートしたライブは、阿部のカラフルな声の魅力が散りばめられている。たとえば最新シングル「世界はまだ君を知らない」では、彼女のイノセントな面、キュートでリズミカルな歌が前面に押し出される。一方で、ファーストアルバムのタイトル曲「ふりぃ」では、パワフルな歌でオーディエンスをリードする。この好対照な2曲が象徴するように、阿部はキャリアを重ねてもフレッシュな部分を失わず、キャリアを重ねたからこそ初期の曲がさらに心に響く。そんな現在進行形の阿部の、絶妙なバランスの成長が頼もしい。

 阿部真央の圧倒的なボーカルが、渋公を終始、力強く支配する。会場を1、2曲であっという間に盛り上げることもできるし、たった1曲のバラードでしーんと聴かせることもできる。そんな阿部の並外れたボーカルの才能があればこその、起伏の多いライブが渋谷公会堂で展開された。

 中盤には阿部の紹介で特別ゲストが登場。ストリートの匂いをぷんぷんさせるバンド“勝手にしやがれ”のホーンセクション4人が加わってのスペシャル・メドレーだ。『戦いは終わらない』の中でも特にポップな「Sunday morning」から、なんと西条秀樹の「YOUNG MAN(Y.M.C.A.)」、郷ひろみの「GOLFINGER99」、フィンガー5の「学園天国」を、ブラスを従えて颯爽と歌い切る。往年の大ヒット曲を歌うキュートな阿部に、会場は完全にノックアウト。阿部の“新しい声”が、完全に彼女の武器の一つになったシーンだった。

「みなさん、楽しんでますか? 今日、初めて阿部真央を見る人は? かなりいるね。初めてなのに、あんなに乗れるの? もしかしてDVD見て勉強してきた?」と阿部は楽しそうにしゃべり出す。「渋公は“あべま”にとって思い入れのある場所です。デビューのきっかけになった“ヤマハ・ティーンズ・ミュージック・フェスティバル”の決勝戦がここだったの。17才の夏、5年前に一度この場所に立ってる。どのライブも大事だけど、今日は特別。まじで楽しみにしてました。楽しい時間はあっという間で、 最後の曲、聴いてくれますか?」。
 渋公への思いを会場のみんなに披露して、アコギを抱えて歌って、本編は終わったのだった。

 アンコールではギタリストの西川進が、電飾付きギターで暴れ回る。最後の最後は、阿部がたった一人で弾き語る。特にラストナンバーは、広いホールの良さが発揮され、オーディエンス全員がこの夜の 思いをしっかり噛みしめて終わることができた。阿部の魅力は、パワフルさとキュートさだ。それは別々のものではなく、パワフルでキュートな阿部真央が“新しい声”を伴って渋公に現われた。この後、彼女はどこまでスケールアップを果たすのか。ツアーはまだまだ続く。

tag一覧 ライブ 女性ボーカル 阿部真央

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リリース情報

戦いは終わらない (初回限定盤)

戦いは終わらない (初回限定盤)

2012年06月06日

ポニーキャニオン

ディスク:1
1. How are you?
2. 戦いは終わらない
3. 世界はまだ君を知らない
4. 春
5. 君を想った唄
6. 側にいて(piano ver.)
7. .嫌われてないかな
8. Sunday morning
9. プレイボーイ
10. ここにいて
11. 18歳の唄
12. for you
ディスク:2
1. 側にいて (music clip)
2. 世界はまだ君を知らない (music clip)
3. 「世界はまだ君を知らない」&「戦いは終わらない」 (ジャケット メイキング)
4. 世界はまだ君を知らない (music clip メイキング)
5. あべまおらじお【番外編】メイキング
6. NHK「春ナビ」メイキング
7. 側にいて (music clip メイキング)

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お知らせ

■ライブ情報

サマーソニック2012
2012/08/18(土)大阪会場 舞洲サマーソニック大阪特設会場
2012/08/19(日)東京会場 QVCマリンフィールド&幕張メッセ

FM802×FM COCOLO present MARK’E Rolling 60 -It’s great to be alive!-
2012/08/29(水)大阪城ホール

『Ma! Ma! Ma! MANNISH BOYS!!!』Release Circuit Tour 2012 ※GUEST出演
2012/10/14(日)Zepp Sapporo
2012/10/18(木)Zepp Nagoya 

※その他のライブ情報、詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。

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