androp、美しきサウンドが煌めいた全国ツアー最終日
androp | 2012.11.19
場内が暗転し、鳴り響いたビート。瞬いたフラッシュライト。音と光に合わせて手拍子する観客の熱量が凄まじい。そして、スタートした1曲目は「MirrorDance」。ミラーボールが放つ光の粒子に彩られながら誰も彼もが全力で踊る。続いて、「AM0:40」「Bell」「Glider」「ShowWindow」も演奏され、ますますフロアは沸き立っていった。「今日でファイナルです。すごい人ですね。人がたくさんいる一つのコミュニティなので、体調が悪い人がいたら、一声かけてあげてください」と、内澤崇仁(Vo&G)が挨拶して「Q.E.D.」へ。佐藤拓也 (G&Key)がキーボードを演奏したこの曲は、ステージの背景に映し出されるグラフィック、場内を飛び交うグリーンのレーザー光線が鮮烈! 前田恭介(B)と伊藤彬彦(Dr)が放つキレの良いビートを軸に、心地よいグルーヴを躍動させた「Colorful」。起伏に富んだ展開でワクワクさせてくれた「Amanojaku」……などなど。表情豊かなサウンドを、前半戦から存分に体感した。
「約1ヵ月間、14ヶ所を回ってきて、いろいろな思い出もできました。それを踏まえたメンバー紹介をしようと思います」と佐藤が言い、「andropは落し物が多いチームなんですけど、彼は唯一落し物が無し。素晴らしい成績を残しました。内澤崇仁!」、「「Amanojaku」を始める前のベースソロは、各地でテーマを決めてやっていました。高松でのテーマは“うどん”(笑)。前田恭介!」「桜島に行った時に日本最長の足湯に浸かったんですが、買って6日目のiPhone5を湯の中に落としました。伊藤彬彦!」。ツアー中のエピソードを絶妙に盛り込んだ紹介が抜群に面白い。快調にトークを展開したそんな佐藤を「すぐに調子に乗って、ライヴ中の静かにするところでも大きな声を出すんです(笑)」と前田が紹介し返し、観客は大爆笑。メンバーの仲の良さが窺われるMCタイムであった。
「まだ音源になっていない、昔からある曲。大切な曲です」という言葉を内澤が添えてスタートした「Hana」。柔らかなサウンドに合わせて観客は静かに身体を揺らす。続いて「Merrow」と「Traveler」も演奏。美しいアンサンブルを堪能した後、「飛び跳ねる準備はできていますか?」と内澤が観客に呼びかけて「Boohoo」。激しい手拍子を引き起こした「Roots」。曲中で演奏を一旦止め、観客と歌声をじっくり交わし合った「Pray」(「高い声が出ない男子は叫べばいいから!」と、佐藤が見本を見せる場面が観客を沸かせた)。イントロの時点で凄まじい歓声が起こり、圧倒的な盛り上がりへと至った「Train」……場内の熱気は天井知らずに上昇していった。
「今回はいつもと違うツアーにしようと思っていました。どう違うかと言うと、いつもテーマにしている“光”に焦点を当てて、光にこだわった演出、演奏をやろうとしていました。光の感じ、伝わっているでしょうか?」、内澤が問いかけると、観客の間から起こった拍手。「僕たちも光を貰っています。みんながキラキラしているんです。今日は来てくれてありがとう。ラスト2曲。気持ちをこめてやりますので、聴いてください」。スタートしたのは「Bright Siren」。煌びやかな音像が抜群に心地よい。そして、本編ラストは「World.Words.Lights.」。演奏が終了し、ステージの背景に「androp」という文字とバンドロゴがグリーンのレーザーで映し出されると、観客は歓声を上げた。
アンコールで最初に演奏されたのは「Meme」。そして、内澤がメンバーを代表して想いを語った。「本当にここに立てて幸せだなと。ツアーをやってきて、1日として同じライヴはありませんでした。いろんなスタッフが関わってくれたお陰でできています。こうやってステージに立っているのは、音楽を届けるためです。みんなが輝いていて、とても幸せに思います。音楽って何かあった時にすぐに助けてくれるものじゃありません。でも、僕らが助けられたのは音楽。音楽を信じているから、これからも作っていきたいです」。MCを経て始まったのは「Waltz」。内澤のギターと歌のみのオープニングの後、他のメンバーのパートが合流。一気に奥行き深いアンサンブルが広がる様が素晴らしかった。
演奏を終えて、ステージを後にしたメンバーたち。観客の間から起こった拍手は、全く止む様子がない。すると、4人が笑顔を輝かせて戻って来た。「もう1曲だけいいですか? 最後に“ありがとう”という気持ちを伝えたくて。気持ちを音楽で返したいので」(内澤)。「音楽は俺らだけじゃできません。みんながいてくれるからできている。これからもよろしく!」(前田)。「最高のチームに恵まれています。これからも応援してください」(佐藤)。「ツアー中は体調も含め、個人的にもいろいろありました。でも、みんな優しくしてくれました。ステージの後方からメンバーを見ていて、成長しているということも感じました」(伊藤)。4人それぞれの気持ちが伝えられ、最後に演奏されたのは、今日のライヴのオープニングも飾った「MirrorDance」。力強く飛び跳ねながら踊り、共に歌った観客たち。清々しい興奮を噛み締めたエンディングであった。
【取材・文:田中 大】
photo by RUI HASHIMOTO
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リリース情報
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unBORDE X’mas PARTY
2012/12/24(月/祝)Zepp DiverCity
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2012/12/29(土)インテックス大阪
COUNTDOWN JAPAN 12/13
2012/12/30(日)幕張メッセ
one-man live tour "one and zero"
2013/03/10(日)日本特殊陶業市民会館 フォレストホール
2013/03/16(土)オリックス劇場
2013/03/30(土)国際フォーラム・ホールA
※その他のライブ情報、詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。