初の全国アリーナツアー“三代目 J Soul Brothers LIVE TOUR 2012「0~ZERO~」”を行った三代目J Soul Brothers。アリーナクラスの公演はどこも大盛況で、東京周辺の公演は、横浜アリーナ（2DAYS）、日本武道館（5DAYS）、そして12月のさいたまスーパーアリーナでの再追加公演（4DAYS）という大規模なスケールとなった。ツアー自体は9月からスタートしていたが、おそらく公演ごとに進化を遂げていたのは間違いないだろう。ちょうど中盤にあたる10月31日、日本武道館での公演に足を運んでみた。満員の会場は、幅広い世代、そして男女のバランスも理想的な観客でビッシリと埋められていた。開演前からステージ後方には“0”に向かって細かくカウントダウンする時間が表示されている。そしてカウントが100を切った頃、場内のBGMのボリュームがアップ。開演が近づいている証拠だ。1分前には客電も落ち、場内のテンションは急激に上がる。メンバーの映像から1曲目の「LET’S PARTY」へ。前半はアッパーなダンスチューンが並んでいるのだが、艶っぽいふたりのボーカル、今市隆二と登坂広臣の歌声、そして楽曲をもり立てるパフォーマー、NAOTO、NAOKI、ELLY、山下健二郎、岩田剛典のダンスがもう圧巻！　ソロで見せるダンスコーナーなど、ため息モノだ。前半のブロックのあとは、バラードナンバーを次々に歌い上げていく。特にデビューシングルでもある「Best Friend’s Girl」や今年の夏にリリースしたシングル「0~ZERO~」から、情緒的で美しい「花火」や「リフレイン」などの聴かせる楽曲ではグッと観客の気持ちを惹きつける。

　さらには11月14日リリースのニューシングル「Powder Snow~永遠に終わらない冬~」もお披露目し、ステージの上から粉雪が舞う演出でもり立てた。実は、このバラードで固められたコーナー、曲によって春夏秋冬の季節を表現したもの。このところ、バラードでの持ち味を発揮している彼らならではのブロックだった。

　後半になると、彼らの後輩グループで、11月21日にシングル「BRAVE IT OUT」をリリースしたGENARATIONSが登場したり、アグレッシヴなラップユニット、DOBERMAN INCをまじえて「FIGHTERS」で煽りまくり、ライブは本編大詰めへ。キャッチーな「Feel The Soul」では、メンバーがフリスビーを次々に客席に飛ばしていく。これがまた見事な飛びっぷり！　2階席にも届く勢いで、オーディエンスもこれには大歓声。本編は「I Can Do It」で、暖かい一体感を生み出して終了した。

　アンコールは24 karatsのメドレーでスタート。ここでもDOBERMAN INCがラップでステージにはずみをつける。ラスト前のMCではニューアルバム『MIRACLE』のリリースも発表され、今市は「11月31日にはデビュー2年になります。これからも歌とダンスを届けることが恩返しだと思ってます！」と、今後の決意を語ってラスト曲「次の時代へ」へとつなげた。デビュー2年目 で、これほど完成度の高いステージをこなせるのも、そんな思いあればこそ。情感タップリの「次の時代へ」は圧巻だった。最後に登坂は「また大きくなって帰ってきます！」と宣言し、ライブは幕を閉じた。歌とパフォーマンスで存分に魅せるライブ、どうやらまだまだ進化は止まらない様子。彼らの楽曲を耳にすることは多いが、ライブにこそ、その魅力があるのは間違いない。チャンスがあったらぜひ見て欲しいグループだ。

【取材・文：海江敦士】