LOVE PSYCHEDELICO、3年振りに行なったツアーの最終公演の模様をレポート!
LOVE PSYCHEDELICO | 2013.06.28
3年ぶりのツアー・ファイナルを迎えた渋谷公会堂で、LOVE PSYCHEDELICOはオーディエンスと一つとなって完全燃焼した。
ローリング・ストーンズの「She’s a Rainbow」が流れる中、バンドのメンバーとともにKUMIとNAOKIが登場、軽やかにKUMIが歌う「Your Song」からスタートをきった。続く「No Reason」でイントロからグルーヴィなパーカッションを聴かせたのはレニー・カストロ。前作『ABBOT KINNEY』で親交を深め、最新作『IN THIS BEAUTIFUL WORLD』にも参加した名パーカッショニストが、このツアーにはサポート・メンバーとして同行したのだ。KUMIとNAOKIにとって、最高の顔ぶれでのツアーとなっていたのは言うまでもない。「Welcome to Free World!」とKUMIが呼びかけた「Free World」で、早くもオーディエンスは大きく沸いた。歌い終えると「今日はみんな来てくれてどうもありがとう。今日はみんなと思い切り素敵な時を過ごしたいと思います。一緒に歌ってね」とKUMI。椅子のある会場だが、KUMIのフランクな言葉も功を奏して、のっけから誰も座ってなどいないのを明るい照明が照らし出していた。
2週間で全国10ヶ所を回ったこのツアーの布陣は、レニー・カストロの他は以前のツアーでもお馴染みの堀江博久(Key、G)、高桑圭(B)、白根賢一(Dr)、権藤知彦(Programming、Euphonium、他)。ハイ・クオリティなサウンドでLOVE PSYCHEDELICOの曲を伝える強者たちだ。彼等とともにKIMIとNAOKIは「Shining On」「It’s You」など最新作の曲や、懐かしい「GRAPEFRUITS」なども披露。「It’s Ok, I’m Alright」では後半に伸びやかなセッションを聴かせた。
中盤にはNAOKIが、「次のアルバムの曲を書き始めている」と近況報告し、「L.A.から大親友が日本のツアーに来てくれた」と改めて紹介したレニーと、二人だけで息の合ったジャム・セッションを展開。レニーも「初めて日本のツアーに参加した。私の人生で最高の経験だ」と謝辞を述べると、そのままNAOKIが歌う「Take It Easy」へ。イーグルスの代表曲であるこの曲は3年前のAXでも歌ったことがあり、彼のオハコとなっているようだ。和んだところにKUMIが加わり、レニーのカホーンとNAOKIのエレキギター、KUMIのアコースティック・ギターで「裸の王様」。「1曲くらい座ったらどうだい?」とNAOKIの言葉で座ったオーディエンスは、暖かみのある演奏になったレアなバラード曲をじっくり楽しんだ。
再びバンドが揃った後半は、ミラーボールがムードを盛り上げた「all over love」を皮切りに、KUMIと共に皆が手を振った「Calling You」、KUMIの表情豊かな歌にオーディエンスが合わせた「Aha!」、スケール感のある演奏とドラマチックな照明が歌を引き立てた「Mind across the universe」と、ダイナミックな演奏に背中を押されるようにKUMIがステージ前をステップしながら歌った「Everybody needs somebody」、そして本編最後の「LADY MADONNA」は、途中でロイ・オービソンの「Oh, Pretty Woman」が挿入されNAOKIが歌ったのだが、これは彼の敬愛するヴァン・ヘイレンがカヴァーしていることへのオマージュだろう。こんな音楽好きならではの遊び心がたっぷり見えたのも、このツアーならではだったと言えようか。
アンコールは美しいアコースティック・バラード「Last Smile」に始まり、KUMIの歌に合わせてオーディエンスが手を振り会場が揺れた「Shadow Behind」、その流れにのってKUMIが大らかに身体を揺らした「This Way」と一気に進み、「今日はホントにどうもありがとう。最後にみんなで一緒に歌おう!」と呼びかけた「Freedom」をKUMI力強く歌い出した。「カモン!」と彼女が声をかけるとまさに会場全体が一つとなって歌い、大団円を迎えるかに思えたその時に、実は体調が悪かったというKUMIの声がかすれたのだが、すかさずNAOKIがコーラスとギターでフォローし、それを見たオーディエンスは力の限り歌ったのだった。曲が終わり互いに握手しハグした後で、「今日の「Freedom」のヴォーカルは、みんなだね」とNAOKI。KUMIは「歌ってくれて有難う、みんなの愛をありがとう、最高の夜でした」と投げキッスを送った。
余談めくがKUMIはラジオのレギュラー番組を休むほど体調が悪かったにもかかわらず、このツアーこのステージを最後までやり遂げた。そして、そんな彼女を支えたNAOKIと、ラヴ・サイケデリコを愛するオーディエンスとの絆を改めて感じさせた夜だった。
【取材・文:今井智子】
リリース情報
IN THIS BEAUTIFUL WORLD(初回盤)
2013年04月17日
ビクターエンタテインメント
1. No Reason
2. Calling You
3. Beautiful World
4. Shining On
5. It’s You
6. It’s Ok,I’m Alright
7. Good To Me (Album Version)
8. Almost Heaven
9. Good Days Ahead
10. Dry Town ~Theme Of Zero~
11. Favorite Moment
12. Bye Bye Shadow
ディスク:2
1. 「Beautiful World」ミュージックビデオ
2. 「It’s You」ミュージックビデオ
3. 「Dry Town ~Theme Of Zero~」ミュージックビデオ
4. 「Beautiful World」ミュージックビデオ撮影オフショット映像
5. アルバムレコーディングオフショット映像
6. 最新フォトセッション撮影オフショット映像
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セットリスト
TOUR 2013 "IN THIS BEAUTIFUL WORLD"
2013.6.14@渋谷公会堂
- Your Song
- No Reason
- Free World
- Abbot Kinney
- Shining On
- It’s You
- GRAPEFRUITS
- It’s, I’m Alright
- Beautiful World
- 【NAOKI Time】take it easy
- 裸の王様
- all over love
- Calling You
- Aha!
- Mind across the universe
- Everybody needs somebody
- LADY MADONNA(〜pretty womas)
- Last Smile
- Shadow Behind
- This Way
- Freedom