LOVE PSYCHEDELICO、15ヶ月ぶりに両A面シングル「Beautiful World」をリリース!
LOVE PSYCHEDELICO | 2012.11.12
「It’s You」以来、15ヶ月ぶりに両A面シングルをリリースするLOVE PSYCHEDELICO。映画「任侠ヘルパー」主題歌「Beautiful World」、09年の「FNS歌謡祭」で話題となったジョン・レノンとオノ・ヨーコの「Happy Xmas(War Is Over)」、更に新曲「Good to me」の3曲入りで、どれも彼等らしい魅力に溢れている。KUMIとNAOKIが、それぞれの曲に込めたピュアな思いを語ってもらった。
- EMTG:「Beautiful World」は前作「It’s You」と対称的な雰囲気の曲ですね。
- KUMI:「It’s You」もこの曲も、去年の震災後にすぐに取り掛かった曲なんです。
- NAOKI:殆ど同時だったね。
- EMTG:映画「任侠ヘルパー」の主題歌ということで書いたのではなくて?
- KUMI:曲自体は既に取り掛かっていて。映画のお話をいただいて、ドラマとか見てなかったんだけど、監督さんから映画はこういうストーリーでこういう曲をイメージしていると聞いた時に、まさにこの曲だわと思って。 映画のオファーをいただいて一気にイメージが湧いて完成に至ったという曲です。
- NAOKI:即決だったね。
- KUMI:それで実際に映像が出来て見たら、私たちの曲ともシンクロする、ホントにいい映画だった。
- EMTG:この曲には昨年の震災の経験が反映されているんでしょうか?
- KUMI:多分。それを意識しないぐらいの頃に作り始めちゃったから、すごい影響はあるんだと思う。
- NAOKI:震災の数日後ですよ。まだ世の中が混乱してる頃。何か作らなきゃって。
- KUMI:元々曲作りの期間に入っていて、地震が起きた時もスタジオにいたんです。それまでどんな曲を作っていたかも覚えていない。何が出来るかといったら、とにかく曲を作らなくちゃと、すぐに取り掛かった。
- NAOKI:その前に作ってた曲は全部ふっとんだね。
- KUMI:被災した人たちへの思いも勿論あるけど、自分たちの気持ちを整理したかったんだろうね。何を感じて何を見つめて行けばいいんだろうって、自分にもすごい向き合ったし、そういう人たちへの応援歌でもないし、頑張ってみたいな事でもないし。美しさって何だろう、「Beautiful World」って何だろうって、哲学しながら作りました。
- NAOKI:「Beautiful World」に行こうということではなくて、あなたのいるところが「Beautiful World」だよという歌。理想郷的な話ではないね。
- EMTG:曲が出来てから1年以上経ち、曲に対する気持ちが変化することはなかったですか?
- NAOKI:逆に音楽って、その時にしか書けないものとかその時にしか歌えないものってあるじゃないですか。これも歌詞が出来た直後に、ひょいと歌った仮歌をそのまま使ってるんですよ。レコードって記録だから、むしろその時にしか歌えないもの、書けなかった事をちゃんと記録出来て。それを時間差はあるけれども、みんなにピュアに伝えられるのが音楽だから、そこにあまり自分たちのエゴというのはのっけないよね。
- KUMI:気持ちの変化はいろいろあったと思うけど、この曲に関しては、こうじゃなかったというのはなかった。この曲の主人公の立ち位置はシンプルだと思うんだけど、いろんな感情を歌ってるから、歌い直そうと思った時に、この曲の全部を理解しきれない自分がいたんですよ。自分が歌詞を書いたんだけど(笑)、どこで何を言いたいんだろうというのがすごい複雑で、でもきっとこれでいいんだなっていうか。もやっとした感じが、きっとリアルというか。何度も歌い直したんだけど、その時パッと歌った歌が一番よくって。
- NAOKI:ホントリアルだったよね。リリースさせるには完成させなくちゃいけないんで、イントロのギターを入れ替えたりとか、変化はしていったんですけど、歌やドラムのベーシックなものは最初のまま。
- KUMI:カオスな感じというか。それがこの曲の世界観なのかな。
- NAOKI:どんなに楽器が入って来ても、孤独なんだよね。
- EMTG:アコースティックなアレンジがいいですね。
- KUMI:アコースティック・ギターにマンドリンがあって、そこにエレキが入ってみたいな世界観は結構最初からあった。
- NAOKI:あと打込みに聴こえる音も、いわゆるシンセサイザーとかリズムマシンとか、ああいう音源は使ってないんですよ。実際にドラムを叩いて、その音をマイクで拾って加工して作ってるから、実は打込みに聴こえる音も耳に優しいというか、ちゃんと空気を通してる音。そういうのは気をつけたかな。それとは別に生ドラムも入っていて、後はパーカッション。俺もベース弾いたりしてる。
- EMTG:その手間をかけたらシングルが年1枚になるわけですね。
- KUMI:それは自然にそうなるね。
- NAOKI:でもやってると、早くやりたいというより早く片付けたい(笑)。
- KUMI:頭にあるアイディアだったりを形にするのに時間かかるわけで、頭にあるのに作るのに時間かかってると苛々する(笑)。
- NAOKI:ホントに悠々自適にやってると思われてるけど、ホントに苛々してる(笑)。
- EMTG:2曲目のジョン・レノンとオノ・ヨーコの「Happy Xmas(War Is Over)」は、以前にもTV番組などで歌った事がありますが、満を持しての録音でしょうか。
- KUMI:時期的にもいいし、作品にしてみようかって。
- NAOKI:楽しかったね、そんなに気負いなく。ジョンさんに悪いけど。
- EMTG:あまりにも有名だから、自分たちのテイストをどう出すか考えられたかと思いますが。
- KUMI:それよりも、私がこう歌うというのが明確にあったから。これを作ったジョンとヨーコが込めた気持ちは色々あるだろうけど、この曲に託されたのは「願い」というか。願えば平和は自分たちの側に持ってるんだよというメッセージに私は共感していて、それを信じられる世代にいると思っていて。だからこの曲を、ホントにハッピーな気持ちで歌える、という思いがあって。それを頼りに作ったから、素直にこの曲の喜びだったり楽しさにフォーカスしてやりましたね。あとマンドリンは外せなかった(笑)。自分たちなりのマンドリンをいっぱい重ねて。
- NAOKI:マンドリン楽しかったねえ。キーボードの堀江(博久)君と3人でマンドリン持って、1テイク録っては同じのをもう1回録って重ねて、人数にしたら30人ぐらいいる(笑)。あとブズーキという楽器と、12弦ギターと。
- KUMI:それが大きいね。クワイアも5、60人入ってもらったんだけど、ゴスペル的な祈りと言うか、そういう雰囲気はゴスペルとマンドリンに託して。それぐらいだよね?
- NAOKI:そうだね。
- EMTG:もう1曲の「Good to me」も軽快ないい曲ですね。
- KUMI:たまにはセッションで作ってみようって、ドラム叩いてみたりベース弾いてみたり。遊んでる中で、私がこのサビを思いついて、なんとなく出来てきて。
- NAOKI:クミがホントにその場でサビをサクっと作ったから。
- KUMI:歌詞もその場で出来てたかな。
- NAOKI:その曲いいじゃんって始めたんだよね。だからもっと早くできると思ったよね(笑)。
- KUMI:意外に時間はかけたね、細かいところやるから。でも骨組は出来てたし、そんなに難しくはなかったよね。
- NAOKI:楽しんで出来たね。
- EMTG:どのあたりが最初に出て来たんですか?
- KUMI:(歌いながら)“I know it’s good to me?”ってあたり。
- NAOKI:サビの英語のところはホントに、何かやろうよって始めた途端に出てきて。こういう作為的じゃない、言葉とメロディーとコード進行がポンと出て来たカジュアルな感じというのを大切にした。一生懸命音楽やってるとそういうところから遠くなって行きがちなので、こういうのを大切にしたい。作っているときは頑張ってるんですよ?(笑) でもそれは聴く人に伝えることじゃないですからね。楽しけりゃいいじゃん!みたいな音楽が、今でも生まれてくるのが嬉しいですよね。
【取材・文:今井智子】
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■ライブ情報
Dream Power ジョン・レノン スーパー・ライヴ2012
2012/12/08(土)日本武道館
THE SOLER BUDOKAN
2012/12/20(火)日本武道館
※その他のライブ情報、詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。
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2012/12/08(土)日本武道館
THE SOLER BUDOKAN
2012/12/20(火)日本武道館
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