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凛として時雨、初の日本武道館公演の様子をレポート!

凛として時雨 | 2013.07.11

 4月にリリースされた5thフルアルバム『i’mperfect』を引っ提げたツアーのファイナルであり、且つバンド結成10周年を記念した初の日本武道館公演『凛として時雨TOUR 2013“Dear Perfect”ONEMAN LIVE at 日本武道館 ?10th Tornado Anniversary?』。開演時間を過ぎ、暫くして不意に客電が落ちると、ソールドアウトでぎっしりと埋め尽くされた客席から、拍手がシャワーのように降り注ぐ。その中を3人が登場し、青い色と後光に照らされて「abnormalize」からライヴをスタート。ピエール中野(Dr)は、興奮を抑えられないとばかりに手を突きあげる。すると続いて、会場中にどんどん手があがっていく。その後も、「JPOP Xfile」や「I was music」、「DISCO FLIGHT」など、これまでライヴを沸かせてきた楽曲も織り交ぜながら披露。小さなライヴハウスのステージに立っていた時から、核を少しもぶらさないままで、ただただ進化を遂げて、武道館を占拠している光景に、早くもグッときてしまった。MCもなく、音楽だけで全てをなぎ倒していくような、純粋で力強いスタイルは、こういった大きな会場では、いつも以上に感動的。さらに、高い天井まで伸び伸びと轟音が響き渡り、その演奏と完全にシンクロした照明が輝く。華美な演出ではないにも関わらず、広い空間を思いきり有効に活用したエンタテインメントとなっていた。とは言え、中盤に「make up syndrome」、「Filmsick Mystery」、「Sitai miss me」、「キミトオク」と、『i’mperfect』の収録曲が連続した頃には、武道館というお題目が吹っ飛ぶほど、ひたすら時雨の世界観に飲まれてしまっていたのだけれど。《偽物の完成形》と歌う「キミトオク」を聴きながら、ロックの殿堂と呼ばれて久しい日本武道館で、TK(Vo&G)はどんな思いでこの言葉を歌っているんだろう――そんなことを考えていた。そして、「あの、余韻にお浸りのところ申し訳ないです。喋ってよろしいですか?」というピエール中野のMCタイムで、本当にハッと我に帰ったのだった。

 ピエールの基本的なMCのスタンスも、武道館だろうが変わらない堂々としたもの。九段下の駅の自動販売機でリアルゴールドを買ったら、出てこなくて、補充していたお兄さんに出してもらった話や、台湾にライヴに行った時の思い出を、隣のお兄さんみたいに話し続ける。でも、「みんな、何? 様子見てるの?」とリアクションが届いていない様子で、ドラムセットの前に出てくると、客席は大盛り上がり! そのままお馴染みのコール&レスポンス(ピエール「Say、バーイブス」、客「バーイブス」、ピエール「チョコレート!」、客「ディスコ!」などなど)。トータルで何分あっただろう(笑)。でも、「なるべく武道館にいたいじゃん」、「自分の憧れのバンドが憧れとしていた場所に立てて光栄」という言葉からは、感慨が伝わってきて笑みが零れた。

 ピエールのドラムソロから突入した終盤は、「想像のSecurity」や「テレキャスターの真実」など、初期の楽曲も畳み掛ける。時折、目くらましのような照明になるところは、まるで音楽そのものが発光しているかのようだった。「Telecastic fake show」では345(Vo&B)も跳ね、「nakano kill you」では全てのオーディエンスを連れて絶頂へ。そして一気に静へと誘った「am3:45」では、ミラーボールが回り、まるでプラネタリウムのように幻想的なムードを作り出していた。 ここまで、何度かの「ありがとう」以外は口にしていなかったTKが、改めて「凛として時雨です」と挨拶。すぐに345に振ると、彼女もいつものライヴと同様にグッズ紹介。おずおずと紹介しながらも、「ぜひ! ぜひ!」と繰り返し勧める彼女らしさも健在で、温かな歓声が巻き起こっていた。

 ラストは「Missing ling」。どんな言葉よりも雄弁な3つの楽器と、泣いているような歌声で、オーディエンスの心を解放へと導き、大きな残響音をお土産にステージを降りていった。暗闇の中BGMが流れ、ふっと客電が点く。その時に沸き上がった拍手は、まるで己を貫いて武道館公演を完遂させた彼らを、湛えているように聞こえてきた。

【取材・文:高橋美穂】
【撮影:河本悠貴】

tag一覧 ライブ バンド 凛として時雨

リリース情報

i’mperfect

i’mperfect

2013年04月10日

SMAR

1. Beautiful Circus
2. abnormalize
3. Metamorphose
4. Filmsick Mystery
5. Sitai miss me
6. make up syndrome (album mix)
7. MONSTER
8. キミトオク
9. Missing ling

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セットリスト

凛として時雨 TOUR 2013 “Dear Perfect”
ONEMAN LIVE at 日本武道館 〜10th Tornado Anniversary〜
2013.6.28@日本武道館

  1. abnormalize
  2. JPOP Xfile
  3. MONSTER
  4. Metamorphose
  5. I was music
  6. DISCO FLIGHT
  7. O.F.T
  8. make up syndrome
  9. Filmsick Mystery
  10. Sitai miss me
  11. キミトオク
  12. illusion is mine
  13. Beautiful Circus
  14. 想像のSecurity
  15. テレキャスターの真実
  16. Telecastic fake show
  17. nakano kill you
  18. am3:45
  19. Missing ling

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