凛として時雨、2年ぶりのリリースとなるシングルが完成!
凛として時雨 | 2012.11.14
凛として時雨が、4thアルバム『still a Sigure virgin?』以来、2年ぶりのリリースとなるシングル「abnormalize」を完成させた。この間、1stソロアルバム『flowering』をリリースしたTKをはじめとして、個別の活動も見せてきた3人。経験値を高めた上での待望の新作なのである。さらに、この楽曲は彼らにとって初めてのタイアップが付いている。TVアニメシリーズ『PSYCHO-PASS サイコパス』のオープニング・テーマなのだ。あらゆる角度から興味深い一枚だが、聴けばさらに、無駄なく濃縮された時雨に魅了されること必至。気になることをTKに洗いざらい訊いた。
- EMTG:2年ぶりのリリースということで、結構時間が空きましたね。
- TK:あのー……僕に空いている感覚はないんですよね(笑)。これが時雨のペースです。
- EMTG:いつも通りというところはありつつ(笑)、今回はTKさんをはじめとして、各々のソロワークも目立ったじゃないですか?
- TK:まあ、元々時雨が動いていても、他に何かやっちゃいけないっていう縛りはないので。元々は(ピエール)中野くんの足が故障して休養していたので、いわゆるバンドを休もうかっていう感じとは性質が違ったんですけど、僕は、休むなら作品を作ろうかなってソロを作って、その後に(時雨の)シングル出したいなって思っていたら、タイアップのお話が来たんで、タイミングがバッチリ合って……順風満帆です、僕の中で(笑)。
- EMTG:TKさんの中では、これから時雨はどう行こうか、みたいなところも考えて曲は作られたんですか?
- TK:そうですね。ソロで百戦錬磨のミュージシャンたちとやっていたんで(ドラムはBOBO、ベースは日向秀和)、音も制限なく、時雨では、より削ぎ落して、このメンバーじゃなきゃできないようなことを、より自分も感じたかったですね。
- EMTG:ソロをやったことで時雨のよさが客観的に見れた、というか?
- TK:よさがわかったというより、ほんとに家族みたいな感じなので、もっとよさを知りたいっていう方ですかね。どっちかっていうとハードルが上がったというか。こっちでも俺を興奮させてくれ! みたいな(笑)。
- EMTG:久々に二人と会って、スタジオに入った時、どんなことを思いました?
- TK:時雨は時雨だな、っていう感じですね(笑)。別に何も変わっていなかったです。デモから3人の音にするまでのプロセスは、やっぱり時雨の方が大変ではありましたね。
- EMTG:デモは結構カッチリ作ったんですか?
- TK:そうですね。今回は特にタイアップということで、向こうのプロデューサーさんに聴かせるっていうのもあって、いつもより気合いを入れ目で。あと、二人に聴かせる時も、まず二人にカッコいいって思ってもらいたい気持ちが一番強いんで、結構カッコ付けたデモを持って行きます(笑)。これを弾きたい、叩きたいって思って欲しいデモを、僕は曲を作る立場として提示していかなければいけないって思っているんで。自分の好き放題な曲をバンドでやるからには、曲としての力が宿っていないと、それをやる権利はないと思っているから。
- EMTG:今、お話出てきましたけど、今回はタイアップが付いたんですよね?
- TK:来ました!(笑)
- EMTG:(笑)。お話が来た時の心境というのは?
- TK:僕、アニメをそんなに知らないので、できてみないとわからなかったし、怖いところもあったんですけど、キャスティングやテーマを訊いた時に、時雨とちゃんとリンクするようなアニメになると思いました。僕もテーマを与えられて曲を作ることは好きですし、個人的にはやりたかったことなので、いろいろタイミングがばっちり合ったというか。
- EMTG:最初にニュースを訊いた時は、時雨は確固たる世界観があるから、アニメのような確固たる世界観があるものと交われるのかな? って思ったんですよね。
- TK:そうですよね。僕もそう思ったんで、誘ってくれた人と直接話をしたいって言って、そうしたら、時雨の世界観を知っている上でお誘い頂いていることがわかって。だから、あとは曲を作るだけでしたね。
- EMTG:曲は、アニメの素材か何かを見て、ゼロから書き始めたんですか?
- TK:そうですね。
- EMTG:じゃあTKさんから見た『PSYCHO-PASS サイコパス』のイメージとは?
- TK:基本的には、真実って……このアニメの中では正義って言われていますけど、それを何で測るのか? っていうテーマがあって。アニメの土台は未来の話っぽいですけど、何か、今を見ているように感じたんですよね。何が正義かわからないし、それを数値で測るっていう……現実ではそうじゃないですけど、そうなってもおかしくないし、ある側面ではそうなった方がいいところもあると思うんです。そういう鋭いところを突いている気がして。自分も、今は真実が何処にあるかわからないし、果たして真実を掴んだ時に、本当に救われるのか? っていってもわからないし。そういういろんなことを考えていた時期と、アニメのテーマがリンクしたんですよね。
- EMTG:そういうタイミングも一致したんですね。
- TK:そうですね。
- EMTG:聴かせて頂いて、今までになくわかりやすく時雨らしさが出ているというか、シングルに相応しい曲なんじゃないかな、と思いました。
- TK:うんうん。まず、元々、僕は全曲シングルの意気込みで作っているんですよね。
- EMTG:あ、それ前にも言ってましたね。
- TK:複雑ですけど、自分の中ではポップだと思っていて。今回は、構成がいつもより複雑じゃない自覚はあるんですけど、ポップとかシングルっぽいっていう感覚についてはいつもと一緒となんです。でも、今回意識したのは、もちろん世界観もですけど、(オープニング・テーマの尺の)1分30秒っていうところが一番大きくて。普通はフルで曲を作ると思うんですけど、1分30秒で流れるなら、それを第一に考えたいと思って、最初に1分30秒で作ってから、それをフルでさらによくしようっていう感じで作っていって。そういうやり方って珍しいのかもしれないですけど、歌詞の世界観も含めて、エディットして1分30秒にはどうしてもまとめられなかったんですよね。タイアップ慣れしていない感じが出てますよね(笑)。
- EMTG:それがよさになっているんだと思いますよ(笑)。また、カップリングの「make up syndrome」も激しく畳み掛けてきますね。
- TK:そう、幾つか曲は作っていたし、静かな曲でもいいと思ったんですけど……攻め立ててみようかなって。初めて時雨を聴く人も多いと思うので、こんなの2曲続けて聴かされても大変だろうなって思ったんですけど(笑)、そこを敢えて。
- EMTG:今作は、時雨の今後を示唆するところもあるんでしょうか?
- TK:今回も特別に何かが変わったわけではないと思っていて。時雨の変わらない変化って面白いって思っているんですよね。逆に変われるのって凄いと思いますけどね。僕は、「TKくん、次、ボサノバで」って言われてもできないので(笑)。
- EMTG:ちょっと興味ありますけど(笑)。
- TK:じゃあ、また2年後のリリースの時に(笑)。
【取材・文:高橋美穂】
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パンダカメラ
サンディエゴ動物園のパンダが、ライヴ映像で見れるんです。寂しくなったらこれを見るといいよって勧められて……どんだけ寂しいと思われているんでしょうね(笑)。でも、曲を作っているとスタジオに籠っちゃうので、ケーキを食べたり、こういうのを見たりしているんです。曲を作っているときに、たまにパンダカメラ見て、ああパンダ可愛いなって。そこからまた、こういう曲を作るっていう(笑)。
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DECEMBER’S CHILDREN
2012/12/27(木)日本武道館
※その他のライブ情報、詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。
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