ゆず、『LAND』の世界を完全再現!現実とアノ世界をつなぐ幻想的なライブ
ゆず | 2013.10.08
2013年5月1日。ゆずは、2年3ヵ月ぶりとなる通算11枚目のアルバムをリリースした。彼らがこのアルバムに付けたタイトルは『LAND』。アルバムジャケットを手掛けたのは、世界的現代美術家の村上隆だ(村上隆とタッグを組むのは、2005年にリリースされたベストアルバム『Home 1997-2000』『Going 2001-2005』以来8年ぶりのこと)。
『LAND』というファンタジックなタイトルと村上隆とのタッグとなれば、素晴しくコンセプチュアルなモノであることが想像出来る。そしてそのコンセプチュアルなアルバム『LAND』を引っさげてまわった全国17ヵ所29公演というスケジュールで行われた「YUZU ARENA TOUR 2013 GO LAND」も、アルバムに詰め込まれた『LAND』の世界を堪能出来た素晴しいライヴだったのは言うまでもない。
9月22日の横浜アリーナでのライヴは、6月15日の北海道からスタートしたこのツアーの追加公演でもあり、ツアー全体のセミファイナルの場でもあったこともあり、今回のコンセプトでもある、【“自分たちがいま生きている島国=日本”と、幻想世界へ誘う“ランド”】の2つの意味合いが、すっかり根付いていたのがとても印象的だった。会場内に一歩足を踏み入れた瞬間、まさに、そこは『LAND』一色だったのである。
アルバムのリード曲でもあった「LAND」のミュージックビデオの世界観がそのまま再現されたかのようなステージ。そのステージの上では、LANDの世界の住人達がオーディエンスを迎え入れていた。
鐘の音を合図にそのサーカスは幕を開けた。
胸に大きな赤いハートを抱いた少女がステージに現れると(この少女もミュージックビデオに登場するLANDの世界の住人だ)、1曲目に「砂漠のメリーゴーランド」が届けられた。少し物悲しさがフロアに広がった。そんな世界観も、まさしくこの『LAND』のテーマでもある。北川と岩沢はサブステージからメインステージへと移動し、間髪入れず、「流れ星キラリ」の心を打つメロの上で声をハモらせた。
今回のツアーでは5曲目に“日替わりメニュー曲”が置かれていて、日によって違う楽曲が演奏されたが、この日は、「命果てるまで」。“生きている”ということの尊さを歌ったその歌の中で、2人はとことん強く生きることを叫んだ。柔らかな印象を放つゆずに、揺るがない強さを見た瞬間でもあった。きっと彼らのこんな言葉にも、オーディエンスは強く惹かれているのだろう。この時代に生まれ、生きる苦しみや悲しみと向き合う現実と、歌を通して、こうして1つになれる喜びを歌う彼らは、まさに、『LAND』で掲げたテーマそのものを、これまでも歌ってきたのだ。
「今回の『GO LAND』ツアーは、『LAND』というアルバムの世界観を表現しています。なので、もちろん『LAND』の曲もたくさんやりますが、『LAND』の世界観にぴったりと合う様な、あんな曲やこんな曲、懐かしい曲もやりますんで、そちらの方も楽しんでいって下さい!」
そんな北川のMCに、大きな歓声を返すオーディエンス。彼らは、そんな言葉どおり、2ndアルバムから「始まりの場所」、1stアルバムから「贈る詩」など、さらには、シングルデビュー曲であった「夏色」までも披露したのだった。しかし。そんな15年も前の曲たちが、まったく古さを感じさせることなく、こんなにもコンセプチュアルに作り込まれた『LAND』の世界の中に自然と馴染んで聴こえてきたことに、改めて、ゆずというアーティストの偉大さを感じた。
北川はこの日、集まったオーディエンスに、「10代の人?! 20代の人?! 30代の人?!」と問いかけ、挙手させていったのだが、ナント、下は0?10歳、最年長は70歳というファン層の広さに、岩沢も北川も心からの感謝の言葉を贈っていた。
「しかし、0?10歳のコスプレした子供たち………、きっと望んでいないのに、無理矢理着させられて来たのでしょう………可哀相に……」
と付け加えた北川の一言に、会場は笑いの渦となった。そんな洒落のきいたテンポのいい北川のトークもまた、ゆずのライヴの魅力なのだ。北川と岩沢の人間的なあたたかさと強さを、直に感じたライヴでもあった。
そして。ライヴ後半やアンコールでは、LANDの住人達と共に、ミュージカルテイストでライヴを盛り上げたのだった。
この2DAYSで、今年に入って横浜アリーナでライヴを行うのが10回目であることと、デビューしてから、この日が60回目の横浜アリーナ公演であったことを告げ、改めてオーディエンスに感謝の言葉を贈っていたのも実に印象的だった。その言葉とこの日のライヴを受け、この先もずっと彼らとオーディエンスの関係性が続いていくであろうことを確信した。
【取材・文:武市尚子】
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セットリスト
LAWSON presents
YUZU ARENA TOUR 2013 “GO LAND”
supported by 日本生命
2013.9.22@横浜アリーナ
- 砂漠のメリーゴーランド
- 流れ星キラリ
- 飛べない鳥
- 始まりの場所
- 命果てるまで
- 贈る詩
- 遊園地
- 灯影
- with you
- DOT PIERROT
- 仮面ライター
- REASON
- LAND
- LOVE & PEACH
- GO★GO!!サウナ
- 夏色
- ムーンライトパレード
- ゼラニウム
- また明日
- イロトリドリ
- 友 ~旅立ちの時~
お知らせ
★DVD / Blu-ray『LIVE FILMS GO LAND』2013 年12月発売決定!
★NHK 連続テレビ小説『ごちそうさん』の主題歌「雨のち晴レルヤ」が11月13日のCD発売に先駆け、iTunes Store、レコチョクにて配信中!
★映画『劇場版HUNETR×HUNTER ―The LAST MISSION―』の主題歌「表裏一体」を含む40th Single、2014年1月発売決定!
★来春、12thアルバム、発売決定!
★2014年初夏、全国アリーナツアー開催決定!
■ライブ情報
めざまし LIVE ISLAND TOUR 2013 FINAL
in 日本武道館
2013/10/26(土)日本武道館
Golden Circle Vol.18〜Yohito Teraoka 20th Anniversary Special〜
2013/11/09(土)日本武道館
ニッポン放送開局60週年記念 ラジオが教えてくれた音楽コンサート 〜あの日の自分に帰る夜〜
2013/11/03(日)東京国際フォーラム・ホールA
※その他のライブ情報、詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。