今や、日本のラウドロックシーンを牽引する存在に成長したcoldrain。多くのイベントやフェスに参加し、積極的にライブツアーを行ってきた彼らは、着実にパワーをたくわえ、昨年秋に行ったワンマンツアーではソールドアウトを連発。そして、1月18日、満を持して新木場COASTでワンマンライブを行った。新木場COASTはモッシュやクラウドサーフなど、自由度の高いノリで楽しめる人気の会場である。それゆえ、この会場を満杯にすることを目標とするバンドも多い。coldrainは見事にこの日の公演をソールドアウトさせ、3000人のオーディエンスの前にその勇姿を見せつけた。

　ライブは場内の照明が暗転した瞬間から、観客の歓声と拍手でテンションが急上昇。ボーカルのMasatoの「新木場?！」というシャウトで、1曲目の「Behind the Curtain」からフロアはファンでうねり始めた。

　昨年4月にリリースしたアルバム『THE REVELATION』からの曲を中心にしながらも、ライブとともに育ったマストチューンや、初期の楽曲などを網羅した選曲は、まさに神リスト。6曲目の「Given Up On You」のあと、Masatoが口を開いた。

「調子はどうですか？　楽しんでるんですか！　たった5人に3000人が負けてるんですか！」

　この煽りにオーディエンスも雄叫びをあげて反応。Masatoはさらに、会場には26台ものカメラが入っていると告げ、「歴史の一部分になる準備はできてますか！」と、呼びかけ、「No Escape」へとつなげた。おなじみのギターのリフで始まるイントロに、フロアはますます盛り上がって行く。アドレナリン出まくりのサウンドながら、彼らの曲にはキャッチーな歌メロがはさみこまれている。これによって、サビの部分では合唱も起こり、明確にバンドのメッセージも伝わっていくのだ。歌詞は英語だが、力強く的確な表現で、素直に聴く者に浸透していく。熱いグロウルもありながら、“歌”も重視されているのが、彼らのよさであるように思う。15曲目の「Miss You」では、ギターのY.K.Cと、Sugiがアコースティックギターに持ち替え、じっくりと聴かせる時間帯を作った。続く「Carry On」も、歌を全面に出し、リズム隊のRxYxOとKatsumaも、押さえたプレイでライブに奥行きを持たせる。後半からは再び、ワイルドな楽曲で熱い空間を作り出し、昨年を象徴するシングルナンバー「The Revelation」で、本編を締めくくった。

　アンコールでは、「6年前にさかのぼっていいですか！」とMasatoが曲につなげ、1stマキシシングル「Fiction」収録のタイトルチューン「Fiction」を披露。続く「Adrenaline」「Final Destination」まで、バンドもオーディエンスも、全力で熱い空間を楽しんだ。もちろん、最初の勢いを失うこともなく……。改めて感じるのは、メンバーも彼らのファンも、タフなことこの上ないということ。止めなければ、まだまだライブは続いていたのでは？と思うほどだ。この勢いを手みやげに、彼らはいよいよ海を渡る。1月後半からの初の英国ヘッドラインツアーに加え、2月に英国はウェールズ出身のバンド、BULLET FOR MY VALENTINEとともにヨーロッパをかけめぐる。さらに、6月にイギリスで行われる大規模なロックフェス、ダウンロード・フェスティバルへの参戦も決定！　この経験は、バンドにとって新たな刺激となるに違いない。帰国後、さらに逞しくなって戻ってくるのが楽しみだ。

【取材・文：海江敦士】
【撮影：KOHI】