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lego big morl、約1年ぶりの復活ライブ!

lego big morl | 2014.02.04

 昨年の2月にギタリストのタナカヒロキが不慮の事故によって右手首を骨折。表向きなバンド活動の休止を余儀なくされたlego big morlが1月24日(金)、東京・恵比寿LIQUID ROOMで約1年ぶりとなるライブ「lego big morl“Thanks Giving”vol.5 supported by TOWER RECORDS』」を開催。アマチュア時代から交流があるflumpoolをゲストに招いたこの日のライブでlego big morlは見事な復活劇を遂げると同時に、この先の新たな飛躍を予感させるステージを繰り広げた。

 最初に登場したのはflumpool。「いくぞ! リキッド!!」という山村隆太のシャウトとともに「Because... I am」「MW?Dear Mr. & Ms.ピカレスク?」というヒットシングルが続けざまに放たれる。いまやアリーナクラスのバンドになったflumpoolをライブハウスで体感できること自体がめちゃくちゃ貴重。メンバーのテンションもふだん以上に高く、演奏も驚くほどに生々しい。

「いやー近いね! lego big morl復活、おめでとうございます! みんなより知ってると思うよ、legoのこと。元気(尼川元気)とか、ヒロキと同級生だし!」という阪井一生のMCのあとは、山村が「flumpoolのなかで唯一、復活について歌った歌」と一言発し「reboot?あきらめない詩?」を披露。アマチュア時代から対バンを繰り返し、お互いに刺激を与え合ってきた2バンド。「いつだって 何度だって 変わってゆける」というフレーズを濃密な感情を込めて歌う山村からは、legoに対する強い思いがはっきりと伝わってきた。

 さらにアグレシッブなグルーヴが炸裂した「覚醒アイデンティティ」、切なく、愛しいメロディが広がった「花になれ」を演奏した後、山村は「今日はちょっとだけ後悔してるんです」と話し始めた。昔からlegoには対バンで悔しい思いをさせられてきて、「legoにだけは負けたくない」と思ってきたこと。でも、今日のリハを見て、今回も昔のようにコテンパンにやられるかもしれないけど、それを新しい自分たちの力に変えようと腹を括ってステージに立っていること――そして、「自分たちの悔しさなんかに比べたら活動休止を余儀なくされたlegoの悔しさは測りしれない」と感じたことを語った。その直後に披露された「強く儚く」における力強いパフォーマンスは、legoに対するエールであると同時に、flumpoolの新たな覚悟でもあったと思う。

 そして20時30分、ついにlego big morlがステージに登場。タナカ(Gt)が姿を見せた瞬間、ものすごい歓声が沸き起こる。1曲目は「バランス」。繊細なアンサンブルと強靭なダイナミズムを共存させた演奏を浴びているうちに「legoが戻ってきた!」という実感がジワジワと生まれてくる。さらに1/22に配信リリースされたばかりの始動第一弾シングル「Wait?」へ。と、ここでトラブル発生。何と途中からタナカのギターの音が出なくなってしまったのだ。演奏を終えた瞬間、カナタタケヒロ(Vo/Gt)が「神様、いたずらするな?」と笑顔で叫び、会場にリラックスした雰囲気が広がる。機材をセッティングする間、カナタが改めてこの1年の経緯を説明。「flumpoolがゲストで出てくれることになって、ホントに嬉しかった。ありがとう」と感謝の気持ちを表した後、再び「Wait?」を演奏する。爆発的なグルーヴを放つベース、シャープなリズムを描き出すドラム、エッジの効いたフレーズによって楽曲に彩りを与えるギター、そして、「限られた時間だ/笑って死ねるように」というライン。音楽的なトライアルと“復活”にかける思いがひとつになった、本当に強い曲だと思う。

 ここからはlegoを象徴する楽曲が次々と演奏される。スリリングなアンサンブルと洗練されたメロディが溶け合う「knock to me」、豪快かつノイジーなギターサウンドで始まり、叙情的な歌へとつながっていく「dim」、独特のオルタナティブ感覚とポップな手触りがバランスよく融合した「ワープ」。また、本編ラストで披露されたふたつの新曲も強く心に残った。エレクトロ、テクノの要素を感じさせるアレンジはまさにlegoの新機軸。ライブ活動が出来ない期間も彼らは、確実に自らの音楽を進化させていたのだ。

 アンコールでも新曲「RAINBOW」(壮大なサウンドスケープと開放的なメロディがひとつになったナンバー)を披露。最後にflumpoolのメンバーを呼び込み、この記念すべきライブを終えた。4月には「lego big morl Spring Tour 2014 “Something New”?雪辱編?」とタイトルされた東名阪ワンマンツアーも決定。メンバーの怪我による活動休止という試練を乗り越えた彼らはここから、一気に上昇していく――そのことをはっきりと予感させてくれるステージだったと思う。

【取材・文:森 朋之】
【撮影:橋本塁(SOUND SHOOTER&STINGRAY)】

tag一覧 ライブ 男性ボーカル lego big morl flumpool

リリース情報

Wait?

Wait?

2014年01月22日

OORONG-SHA

1.Wait?

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お知らせ

■ライブ情報

大ナナイトvol.85
〜TAKASAKI club FLEEZ 10th ANNIVERSARY〜

2014/02/22(土)群馬・高崎club FLEEZ

Challe Rock Festival 2014
〜NEXT DOOR〜

2014/03/14(金)福岡 DRUM Be-1

Spring Ash!!! 2014
2014/03/16(日)鹿児島 SR HALL

SANUKI ROCK COLOSSEUM」
〜BUSTA CUP 5th round〜

2014/03/21(金・祝)香川・高松市内

MUSIC CUBE 14
2014/03/23(日)広島・広島市内

lego big morl Spring Tour 2014 "Something New" 〜雪辱編〜
2014/04/11(金)東京・代官山 UNIT
2014/04/19(土)大阪・梅田 Shangri-La
2014/04/20(日)愛知・名古屋 ell.FITS ALL

※その他のライブ情報、詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。

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