アットホームな雰囲気のシクラメン、冬ツアー!Zepp Tokyoでみんなが一つに
シクラメン | 2014.04.30
2013年シクラメンは、これまで以上にアクティブな活動を見せ、それに比例する成果と実績を上げた。5月の1stアルバム『スルメ1』のリリースとヒット。それを受けた全19会場にも及ぶ夏の全国ツアーも各地で大成功を収め、秋には初のドラマ主題歌を含むトリプルタイアップシングル『マナザシ / ブチコメ!!』を発表し、その見事なチャートアクションも記憶に新しい。
そして迎えたこの『シクライブ2013-2014 ~シックスセンスを研ぎ澄ませて~』。こちらは彼らにとって初の冬の全国ツアーだったわけだが、多くの土地でソールドアウトを記録したのも、彼らが既に全国区のアーティストとなっていることを物語っているようであった。
この日は、2013年の年末におこなわれたツアーの2日目。会場は彼らの単独ライヴとしては最大規模のZepp Tokyoであった。ちょうど半年前に、お隣のZepp DiverCityでのワンマンを成功させたかと思っていたら、そこよりも一回りも大きい同会場をも早々にソールドアウトさせた彼ら。そこからも今のシクラメンの勢いが感じられる。
場内に往年のジャパニーズ・スタンダード・ウィンターソングたちが流れている。それが途切れると、非常に滑舌の悪い(笑)、注意事項を告げる影アナが。会場中がそれに爆笑するも、実態がDEppaと肉だんご兄弟の父親の声だと告げられると再び場内の爆笑は大きくなる。ライヴ開始間際の和める光景だ。
彼らのライヴは会場に足を踏み入れた時点から始まる。温かい雰囲気とフレンドリーな空気は例え初見の人でもすぐに溶け込み、気づけばシクラ族(シクラメンのファン)と化しているほどアットホーム。言わずもがな。その雰囲気は決してアーティストだけで作れるものではない。そこに集まっている人たちが一丸となって、その空気を共有しなくては生まれにくいものだったりもする。<みんなが一緒に作り上げるライヴ>。まさにそれがここでは実現するのだ。
この日のライヴは、この1年の彼らの集大成であるのみならず、2014年以降の彼らの、更なる広がりとポピュラリティの獲得をしっかりと予見させるものがあった。
まずはミラーボールによるバックライトを背にDEppa、桃紅茶、肉だんごの3人が登場。1曲目「なみだのあと」からこの日のライヴはスタートした。ピンスポットの当たる中、3声による美しいアカペラのハーモニーがいきなり会場を魅了する。♪泣きたい時は我慢せずに泣いても良いよ その涙は君を強くするから♪と、優しく包み込むような歌声が、集まった3,000人の気持ちをステージへと引き寄せる。
頭3曲は、“大丈夫だよ”と声を掛けてくれる楽曲たちだった「大丈夫」では、歌に乗せられたメッセージによって、会場中を“そうだ一人じゃないんだ”と安堵させ、「さぁ、みなさん。楽しむ準備は出来ていますか? では、童心に還って下さい」というDEppaの誘いから入った「少年」では、多くの人があの頃と今の自分を振り返り、気持ちを重ね合わせた。
彼らの場合、ツアーのサブタイトルに「東京・名古屋・大阪はスペシャルver.」が付くと、通例のステージに幾つかのアトラクションが織り込まれる。この日もまさにそうであった。ステージの合間合間には、クイズや映像が用意され、箸休めをしながら次へのブロックへスムーズに進んでいく。2013年をクイズで振り返るコーナーでは、肉だんご、桃紅茶が出題し、DEppaとお客さんが競って答えた。正解者にはメンバーのサイン入りのバトンがプレゼントされ、しかもそれは、前列より手渡しでつながれ、正解者まで届けられるというもの。この辺りからもシクラ族同士の温かさや信頼感がうかがえた。
続いては、楽しい気分にさせてくれた「ホイホイホイ~それでも地球は回ってる~」、優しいほっこりとした気持ちと、ありがとうの感謝が会場中に満ちた「僕の宝物」、また、「みなさん2013年、お疲れ様でした。2014年も一緒に頑張ろうね」という言葉の後、“毎日よくがんばった”と、歌を通してエールを伝えた「毎日頑張る貴方へ」など、気持ちに寄り添ってくれる楽曲が次々と歌われる。さしずめそれらは今年も一年間頑張った自分へのご褒美やねぎらいの言葉のように響いた。
中盤の「ダメ社員でもいいじゃない」では、スーツでキメたシクラダンサーズたちと踊り歌いながらも、楽曲の持つほのぼのとした雰囲気によって気楽になり、アッパーな「必死マン」では、必死に頑張る者への声援が贈られた。そして極めつけは最新シングルのアッパーナンバー「ブチコメ!!」。桃紅茶はムエタイ、肉だんごはボクシング、DEppaはレスラーのコスチュームに着替え、アッパーで疾走感溢れるEDMに乗り、夢に向かっての力強い言葉たちが、次から次へと会場にブチ込まれていく。
そして、フロアに放たれた色とりどりの銀テープの向こう、ステージ上のシクラキッズ(キッズダンサー)たちと一緒に踊り歌った「Only 愛」、3声の美しいハーモニーと歌に込めたピュアな愛が会場の気持ちと同調した「100年初恋」のあと、本編最後のMCでは、DEppaが「自分たちにはまだまだ目標としている場所がある。これからもついてきて欲しい。みんなの力になれるようなアーティストになっていきたい。心の真ん中で聴いて欲しい」と告げ、ヒットシングル「マナザシ」が歌われた。壮大でダイナミックなトラックの上に、夢への秘めた強い想いをのせた同曲。CDの音源と同様の大サビの転調には感動すら覚えた。
アンコールは3曲。ステージ、会場が一緒に楽しめる楽曲が続いた。情熱的なサンバのリズムの上で、♪山あり谷ありだからこそ『人生』は面白い♪と歌った「らいふ☆カーニバル」、みんなが3人に合わせ一緒のフリで踊り、中盤では大ジャンプ大会も起こった「すまいる」、そしてラストは、“頑張れ、フレーフレー”のエールを、ステージ上で力いっぱい振る応援旗と共に届けた「エール」で締め。特に「エール」では、シクラキッズや銀吹雪も現れ、最後はステージも会場も一つになった。
今年もシクラメンは5月21日にはニューシングル「シクラメンの夏」をリリースし、夏には全国ツアーを行う予定だ。そのツアーの中には、これまで以上の広さを誇る中野サンプラザも含まれ、また更にシクラメンがポピュラリティを獲得し、広がっていくであろうことに期待が膨らむ。そして、2014年の彼らはこれをも軽々と越えていくに違いない。シクラ族の願いや想い、期待を乗せて。
【取材・文:池田スカオ和宏】
【撮影:米山三郎】
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リリース情報
セットリスト
シクライブ2013-2014
~シックスセンスを研ぎ澄ませて~
東京・名古屋・大阪はスペシャルver.
2013.12.29@Zepp Tokyo
- なみだのあと
- 大丈夫
- 少年
- ホイホイホイ~それでも地球は回ってる~
- 僕の宝物
- 毎日頑張る貴方へ
- ダメ社員でもいいじゃない
- 必死マン
- ブチコメ!!
- Only 愛
- 道
- 100年初恋
- ありがとう
- マナザシ
- らいふ☆カーニバル
- すまいる
- エール
お知らせ
シクラツアー2014~君と僕の夏物語~
2014/05/24(土)札幌ペニーレーン24
2014/05/25(日)旭川CASINO DRIVE
2014/05/31(土)福岡DRUM LOGOS
2014/06/01(日)熊本DRUM Be-9 V1
2014/06/07(土)岡山CRAZYMAMA KINGDOM
2014/06/08(日)広島クラブクアトロ
2014/06/11(水)静岡Sound Shower ark
2014/06/14(土)高松オリーブホール
2014/06/15(日)松山サロンキティ
2014/06/17(火)大分DRUM Be-0
2014/06/21(土)長野CLUB JUNK BOX
2014/06/22(日)金沢EIGHT HALL
2014/06/26(木)盛岡Club Change WAVE
2014/06/28(土)仙台Rensa
2014/06/29(日)秋田CLUB SWINDLE
2014/07/05(土)中野サンプラザ
2014/07/12(土)鹿児島CAPARVO HALL
2014/07/13(日)長崎DRUM Be-7
2014/07/18(金)Zepp Nagoya
2014/07/19(土)なんばHatch
2014/07/26(土)北谷LIVEHOUSE MOD’S
2014/07/27(日)北谷LIVEHOUSE MOD’S
※その他のライブ情報、詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。