愛とユーモア炸裂のABEDONの初フェス、大成功
ABEDON | 2014.09.02
ついにABEDONがライブ・デビュー。北の名物フェス、ライジングサンの最深部、ボヘミアン・ガーデンが記念すべき初ステージに選ばれた。
メンバーはABEDON、奥田民生、八熊慎一、木内健の4人。木内がずっとギター&コーラスをする以外、あとの3人はドラム、ベース、キーボードなど次々に楽器を持ち換えるスタイルだ。
太陽エネルギーで運用されているこのステージのバックヤードに到着したメンバーは、まずリハーサルの段取りに取り掛かるのだが、その第一歩は、なんとマスクの着用だった。
「最近のバンドって、リハーサルで自分たちの曲をやるじゃな いですか。これから演奏する曲を、本番前にやるって、かっこ悪くないですか?」(ABEDON・ 談)。そういうわけで、今日のサウンド・チェックはKISSの「デトロイト・ロック・シティ」をやることにしたと言う。そのために、全員がKISSのメンバーをかたどったマスクをすることになった。しかもスタジオでのリハ時間の大半を「デトロイト・ロック・シティ」に費やしたそうだ。まったく、それって、どういうこと??(笑)。
実際、開演を待つ間、メンバーの話題はKISSでもちきり。やがてメンバーがマスクのまま、サウンド・チェックにステージに登場したからたまらない。のんびりムード漂うボヘミアン・ガーデンに、笑いの渦が巻き起こったのだった。
一人一人、楽器の音をチェックした後、おもむろに始まったKISSナンバーに、あっけに取られるオーディエンス続出(笑)。しかも、そんなに上手く演奏できなかったから、一度、楽屋に引き上げてきたメンバーは浮かない顔。
何のためにやったんだぁ。しかし、後で考えてみれば、それが本番の成功に役立ったのだから、世の中はわからない(爆笑)。
ひと騒がせした後、ついにABEDONの初ライブが始まった。ABEDONはフライングVを持ち、ドラムのOTがカウントを出して、ep『R』に入っていたアップナンバー「SUN SET SUN」から、ライブはスタート。
うーん、滑り出しの演奏はかなり緊張気味。しかし、フロン トの3人がコーラスとかをやっているうちに、次第にその緊張が解けていく。八熊が会場を見渡して、「みんな、笑ってるぞ。いいなあ」と言うと、完全に緊張が解けて、いい感じのバンド・サウンドになっていったのだった。
2曲目「ONE AND THREE FOUR」では早くもメンバー紹介。ベース八熊とギター木内がちょっとしたソロをやり、ドラムのOTの番になったら、八熊が「なんか、すごいことやってくれ」と注文する。「いやいや、 さっきのKISSで出し尽くしたから」とOT。
「ここはのどかで、いいですなぁ」とABEDONのMCが始まった。ABEDONと同じようにホッとしたオーディエンスから拍手が上がる。「電気はソーラー、 そーらしーですよ」と一発目のダジャレが飛び出すと、さらに大きな拍手が上がる。
ABEDONがエレピを弾きながら歌った「欲望」は、初期のソロ・ナンバー。OTがアコギ、木内がエレキ、八熊がダンボールパーカッションというアコースティック編成で、愛を真摯に描いた歌詞が心に沁みる。
ロマンティック・ムードから一転して、「WAO!」のアコースティック・バージョンがよかった。八熊の抱えるリズムボックスが奏でるリズムに合わせて、全員で“WAO!”と叫べば、もう会場は一体だ。♪輝く波は 宝石のよう♪というサビでは、シンガロングが起こる。
終わって、エフェクターを通した“子供声”でABEDONのMCが始まると、ペースはすっかりバンド側がリードすることになった。
OTがリズムボックスを抱え、八熊がベース、ABEDONがブルースハープを吹いたのは、ABEX GO GOの大ヒット「おせわになりました」。「WAO!」に続く予想外のサービス・セットリストに、オーディエンスは大喜びだ。バンドもどんどん調子に乗ってくる(笑)。
「今日は来てくれてどうもありがとう。これからも札幌を拠点 に頑張ります。・・あ、ここ、札幌じゃない? 北海道全般を愛してます。最後の曲です。“SO SO GOOD”!」とカッコよく決めて、イントロに入ったら、どうもABEDONのギターの様子が変で、イントロで中断。
「チューニング、狂ってるよ」と、別のフライングVに持ち替える。「じゃ、聴いてください」と再開するも、またまた変で中断。OTが「チューニングが狂ってんじゃなくて、ABEDONが弾き方を間違ってんじゃないですかね?」と突っ込む。確かめてみると、OTの言う通り、ABEDONがフレットを間違えていたのだった。
普通なら慌てるところだ。しかし、再々度、気を取り直してスタートした「SO SO GOOD」が、この日、いちばんの出来になったのが、このメンバーらしい。すっかりこなれたABEDONバンドのサウンドが、北海道全般にこだまする。たぶんこれは、あのKISSリハでう まく脱力したおかげかも。ソーラーは電気だけじゃなくて、元気もくれたのかも。メンバーも会場も、みんなニッコニコのエンディングとなった。
笑いの中にしっかり愛のメッセージを込めたABEDONの初ライブは、大成功。秋のソロ・ツアーがもっと楽しみになったステージだった。
【取材・文:平山 雄一】
【撮影:寺島博美+古瀬桂】
ビデオコメント
リリース情報
BLACK AND WHITE(SMALLER盤)[CD+DVD]
2014年03月05日
SMALLER RECORDINGS
1. RGBOP
2. サヨナラサムライ
3. ONE AND THREE FOUR
4. Beautiful Day
5. 白い虹
6. GROUND
7. Right Room
8. チャイム
9. SO SO GOOD
10. B/W
11. BackGRound
12. SUN SET SUN
Disc2. DVD
1. SUN SET SUN (Music Video)
2. ONE AND THREE FOUR (Music Video)
3. 白い虹 (Music Video)
4. ABEDON×鹿野 淳 presents「動いて見れる「阿部ちゃんと海」」
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お知らせ
ABEDON SPECIAL 2DAYS "BLACK AND WHITE"
2014/09/16(火)ビルボードライブ東京
2014/09/17(水) ビルボードライブ東京
2014/09/26(金)ビルボードライブ大阪
2014/09/27(土) ビルボードライブ大阪
※その他のライブ情報、詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。