ABEDON、ソロライブをレポート!
ABEDON | 2014.09.30
アルバム『BLACK AND WHITE』を掲げたABEDONのソロ・ライブ初日の第1回目のステージは、1時間15分という長さの中に魅力を盛りに盛った、楽しさモリモリのライブになった。
六本木ミッドタウンにあるBillboard Live Tokyoは、食事も楽しめるちょっと大人なライブハウス。いつもと違う雰囲気にざわめく会場に、ABEDONが一人で登場。拍手が上がるとABEDONは、ガッツポーズで応える。そのまま愛用の“モーグ”をおもむろに弾き始める。モーグは初期のシンセサイザーを代表する名機で、ABEDONのソロでもユニコーンでも大活躍の楽器だ。完全ソロのインストを弾き切ったところでABEDONが「イェーッ!」と雄叫びを上げると、会場を覆っていた緊張が一気に解けて、全員笑顔のオープニングになった。
ドラムは奥田民生、ベースは八熊慎一(fromSPARKS GO GO)、ギターは木内健と、ここまではライジングサンと一緒だが、 そこにキーボード斎藤有太が加わった強力布陣。『BLACK AND WHITE』 の最後を飾ったアップ・ナンバー「SUN SET SUN」から軽快にスタートする。八熊の追っかけコーラスが楽しい。続く「ONE AND THREE FOUR」ではマイクスタンドを倒すパフォーマンスを決める余裕も。
「はい、どーも。ここはシャレ てますなぁ。いつもはマジソン・スクエア・ガーデンでやってるので、日本でやるのは初めてです。今日はABEDON日本初公演にようこそ! お客さんと近いなぁ。なので、香水つけてきました」と挨拶会場を和ませる。
さすがにABEDON、ソロ・アーティストとしてのビジョンが、早くも明確になっている。だからサポート・メンバーも安心して“ABEDONミュージック”を楽しみながら盛り上げる。それが“ABEDONイズム”というヤツだ。
そんなABEDONイズムが爆発したのは、「白い虹」だった。その前に斎藤とABEDONが1台のグランドピアノを2人で弾く“連弾”を披露。終わると、他の3人がわらわら近寄ってきてピアノに取りつく。つまり5人で1台のピアノを囲んで「白い虹」が始まったのだった。ピアノの中心になるのはもちろんABEDONと斎藤なのだが、高音部をOTが 担当すれば、木内低音部を担当。八熊はピアノを叩いたり。笑えるシーンを取り入れながらも、しっかり“歌”になっていたのが素晴らしかった。
終盤も、ABEDONイズムで盛り上がる。ABEDONがフライングVを持つと、奥田が早くも「行くぜ!」と叫ぶ。と、ABEDONが「ちょっと待ってくれよ」と制止する。八熊が「俺はさっき休んでたから大丈夫だけど」、再び奥田が「2回目もあんだぞ」。
そう、このライブは1日2回まわしなのだ。普段と勝手が違うから、ペース配分が難しい。互いに気を遣っているというか、アオリ合っていると いうか。そして始まった「WAO!」は、八熊の抱えるリズムボックスがドラムの代わりを果たして、賑やかに。次の「おせわになりました」は、ABEDONとスパ ゴーの合体バンド“ABEX GO GO”のレパートリーで、八熊もリードボーカ ルを取るから、奥田がリズムボックスを担当。すっかり会場があったまったところ で、『BLACK AND WHITE』を代表するロックンロール「SO SO GOOD」でビシリと本編を締めた。
ここまで堂々たる“ソロ”のABEDONを見せつけたから、アンコールは本来のアンコールの意味に戻って、来場してくれたオーディエンスに贈る“オマケ”的演奏。KISSのカバーで「Detroit Rock City」を、KISSのメンバーのマスクを付けてプレイする。ABEDONは最近ハマっているベースを担当。この曲はライジングサン出演の際にさんざん練習していたので、しっかりしたものだった。
ところが次の「風~CSA~風II」は、またまた度肝を抜くアレンジに。どうやら今回はこの曲のリハに 大半の時間を費やしたようだ。それぞれ普段と違うパートで、難しいアレンジに挑む。これでいいのだ。おそらく最終日の大阪では、立派に完成した「風~CSA~ 風II」が聴けるはずだ。初ライブならではの貴重なワンシーン。常に新しい“遊び”を真剣に追求す る音楽冒険心を、最後まで貫いたABEDONの潔いエンディングとなった。
【取材・文:平山 雄一】
【撮影:三浦憲治】
リリース情報
BLACK AND WHITE(Ki/oon盤)
2014年03月05日
Ki/oon Music
2. サヨナラサムライ
3. ONE AND THREE FOUR
4. Beautiful Day
5. 白い虹
6. GROUND
7. Right Room
8. チャイム
9. SO SO GOOD
10. B/W
11. BackGRound
12. SUN SET SUN
Bonus Tracks
13. SUN SET SUN (Abe-Tami Band LIVE)
14. SO SO GOOD (Abe-Tami Band LIVE)
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お知らせ
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