11月18日、19日、コブクロの2人は、アコースティックライブツアー「KOBUKURO Acoustic Twilight Tour 2014」の2会場目、新潟テルサを訪れた。全国4会場、8公演しか行われない今ツアーは、チケットが取れない超プレミアムライブ。新潟2daysも例外ではなく、2日間で3,000席のところに申し込みが殺到し、チケットは即完売。会場駐車場には、「長野」「群馬」といった県外ナンバーも見受けられ、多くのファンが詰めかけた。ライブは、両日とも趣向を凝らした演出で、2人の抜群のハーモニー、絶妙な掛け合いのトークなどが楽しめ。大盛り上がりしたのだが、ここでは2日目の内容をレポートしていく。

　意外なことに、ギター、ピアノ、パーカッションのアンサンブルによるアコースティック編成でライブを行うのは、今回が初めて。それだけに会場に集ったお客さんも開演前から期待が高まり、開演直前に鳴るブザーに「ワッ」と歓声が上がるほど。やがて、会場の照明が落ち、ステージの薄明かりの中、コブクロの2人とバンドメンバーが登場。会場からは割れんばかりの歓声が上がり、ステージ上の2人がアイコンタクトを送る。「ララララ ララ ランラララ~」。セカンドシングル「轍-わだち-」のカップリング曲「遠まわり」だ。シンプルな伴奏に、2人の声が重なり美しいハーモニーを奏でる、まさに「アコースティックツアー」を象徴するような楽曲といえるだろう。続いて「未来への帰り道」「HUMMING LIFE」を続けて披露しMCへ。

　MCでは、前夜ライブ終わりで食べたものの話や、メンバー紹介から、楽器（パーカッション）の説明など盛りだくさんの内容。さらに、黒田が前夜に見たという「湘南乃風」の若旦那のライブ映像に感化されて、モノマネ（!?）を披露すると会場は大爆笑。少し落ち着いて、小渕がゆっくりと語りだした。
「今回、初めてアコースティックツアーを企画しました。いつも聴いてくれている曲もアレンジし直し、言葉のひとつひとつを、よりしっかり伝えられるツアーなので非常に楽しいです。懐かしい曲、新しい曲などたくさん持ってきました。今日ここに集まった1,500人が、自由に、1,500通りの楽しみ方をしてもらえればうれしいです」

　新曲「信呼吸」のイントロが流れる。黒田の低声、小渕のハイトーンが心地よく響いた新曲の披露に、会場も大盛り上がり。「Million Films」「ベテルギウス」と続けMCを挟んで、アルペジオ（＝弦を同時に奏でるのではなく、一音一音を紡ぐギター奏法）が印象的な「miss you」「毎朝、ボクの横にいて。」を披露し、優しい空気が会場をつつみ込む。続く「今、咲き誇る花たちよ」「Ring」では、逆にアコースティックとは思えないほど力強い演奏・歌声を披露。あらためて、彼らの音楽性の豊かさを感じさせる瞬間だった。

　「ここにしか咲かない花」、2人の歌声が映えるシンプルな伴奏で聴かせた「あなたへと続く道」と続き、ライブはいよいよ後半戦へ。今ツアーのツアータイトルにもなっている新曲「Twilight」を披露。続くMCで、この楽曲は映画「トワイライト ささらさや」のために書き下ろしたことなど楽曲への思いを吐露。さらに、来年の全国ツアーで新潟・朱鷺メッセ2daysが決定したことを告知すると、会場はさらにヒートアップ。ここでスタンディングを促し、一気にラストスパート。「轍-わだち-」「風の中を」「Summer rain」と疾走感あふれる楽曲を並べ、最後はスリリングなアップチューン「神風」。アコースティック編成とは思えない盛り上がりで、最高潮のまま終演を迎えた。

　客席の「朝まで僕らと一緒に歌ってくれませんか~コブクロ！」の大合唱に誘われて、ツアーTシャツに着替えてステージに登場した2人。小渕がこのツアーへの思いを語った後、会場を静寂が包む。黒田が「名もない花には?」と歌い出す。「桜」だ。一切の音を排し、黒田と小渕の歌声だけが、会場の空気を響かせる。2人だけのアカペラで、披露された「桜」に、お客さんの中には、こらえきれず目から光るものを流す人もおり、歌い終わった後にはこの日一番の歓声が上がった。そして最後は「ココロの羽」。コール＆レスポンスでステージと会場を一体化し終演を迎えた。終演後のあいさつでもバンドメンバーを2人でいじり倒すなど、大盛り上がりのまま、約3時間のライブは幕を閉じた。

　次回、新潟でのライブは2015年7月11日（土）、12日（日）に朱鷺メッセ・新潟コンベンションセンターで行われる。新潟テルサの4倍以上のキャパシティとなる朱鷺メッセでは、バンド編成によるまた違ったコブクロのライブが楽しめるはず。ぜひ、次回ライブにも足を運び、コブクロのライブの底力を感じて欲しい。

【取材・文：町井敬史】