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現代社会を“自分らしく”生きぬくパワーを与えてくれた、leccaの「tough vilage」ツアー東京公演

lecca | 2015.02.03

 Zepp DiverCityの会場に入るとまずそのステージセットに驚いた。山積みのスピーカー、傾いた電柱、落書きのあるトタン小屋――まるでジャマイカのストリートのような雰囲気だった。「tough village」と書かれた看板もある。それが今回のlecca「tough vilage」ツアーのステージだ。そして、そのトタン小屋のトビラから、まずは5名のサポートメンバーが登場してジャムセッションが始まる。その演奏に合わせて4人のダンサーも現れてフリースタイルな踊りを見せる中、1曲目「上がるLIFE」の演奏が始まりleccaが登場。女性ボーカリストとしては低めの、強い信念を感じさせる太い歌声を響かせて勢いよくライブはスタートした。

 この日のライブは、lecca自身も途中で「殺人的メニュー」と称したとおり、とにかく内容がテンコ盛りだった。早速、leccaの熱い言葉と歌とをテンポよく繋げたメドレーでは、真っ赤にギラつく光のもと「愛&lie&wine」から4曲を一気に披露。「Gambling」ではギターがパーカッションみたいにリズミカルに跳ね、「Golden Lion」ではドラムヘッドが破れんばかりに強く打ちつけられる。1月の東京の乾いた寒空に、ジャングルの熱気と湿度を運んでくるような強靭で野性的なグルーヴは、leccaのライブの特徴のひとつだ。

 MCでは、今回のツアーについて、「私がレゲエミュージックから受け継いだ愛しか渡さないと決めた」と語ったlecca。《あなたがあなたを信じられないなら/私がいるでしょ 頼もしいでしょ》と歌う「きっと大丈夫」では、ミディアムテンポの朗らかなリズムにのせてお客さんが高く掲げた腕が右へ左へとゆっくりと揺れていた。「それから現代社会は人にいっぱい買わせすぎ。そんないっぱい持って来なくても十分足りてると思うんですよね」と、身の丈あった生き方をlecca流に提唱する「充分エブリディ」のあと、なんと本日2回目のメドレー。「あきらめ女とラレ男」や「ヤマトナデシコ」など、日常をタフにサヴァイブする女の子たちに捧げるユーモアたっぷりの楽曲を並べながら、「ミソ-gal」ではアラサー女子のお客さんをステージに上げるという、フロア参加型の楽しい演出で会場は湧いた。

 さらに、怒涛のラインナップでライブは進む。「レゲエの兄弟のような音楽」だというHIP HOPからのアーティスト・SIMONを呼び込んだ一夜限定コラボ「Vibes Up」では強烈なビートが刻むトラックにふたりの声がぐいぐい切り込むと。2組のレゲエダンサーユニットHOTTIE CATと努(オンナマタヂカラ)のハイテンションな姉御たちによるダンスレッスン。「TARGET」ではフロアを半分にわけたダンスバトルを展開すると、20曲以上を速め楽曲を中心に披露してきたところで、しっとりとバラードタイムに。大切な人と生きる歓びの歌「君にしかないもの」では、たくさんの光に包まれてゆっくりと言葉を紡いでいった。

 leccaのライブはその音楽に耳を委ねると同時に、その言葉からエネルギーを受け取る場所でもある。特に終盤、「スタートライン」を歌う前に伝えた言葉はとても熱かった。
 「このステージに立たせてもらう前に一体何回わたし“やめたい”と思ったことでしょう。でも、なんでやめない? 答えはわかってる。好きで始めたから。自分はこれで世界を変えられると思ってるから。他の人が誰も信じない。それを自分だけは“やってやるんだ”と信じ続けることが、どんなに大変なことか。でも、続ければ続けるだけ新しい景色が見えてくる。だったら、やめたらもったいない。やめるのは、本っ当に納得してやめようと思ったとき。それが来ないんだったら、どうかやめないでください」と言って、「スタートライン」へと繋げたのだ。そこから、自分らしく生きる、その成長の物語を肯定する「growing」や「My measure」とったポジティブな楽曲を立て続けに披露。ステージの中央に立ち、前習えをするみたいにピンと真っ直ぐに腕を突き出したleccaが、「その信念、ぜひ、ぜひ大事にしていってください」と告げると、最後は「Brave New World」だった。メロウなトラックにのせて、自分を貫くことの大事さを切々と歌う。そうすることが、まさに自分がレゲエから引き継いだ“愛”を渡すことであり、使命なのだというような強い意志のこもった歌だった。

 アンコールではフロアから「Brave New World」の大合唱が起こると、再びステージに姿を見せたleccaは、自分もまたライブでお客さんに“またがんばろう”という元気をもらえるのだと、感謝を伝えた。すると、ここで東京だけのスペシャルゲスト・RHYMESTERが登場。コラボで披露した「Sky is the Limit」は、DJ JINのスクラッチが炸裂するなか、宇多丸&Mummy-Dのラップと共にleccaが艶やかに歌い上げる最高にクールなパフォーマンスだった。曲を終えて、《限界はない》という歌詞にちなんで、限界を超えるには? と大先輩への質問をぶつけたlecca。それに対して、「ガチャリと冷蔵庫の中を開けるとビールというものが並んでまして……」(宇多丸)、「魔法のドリンク」(Mummy-D)と回答したふたり。leccaは「酒の力を借りるんですね!」と言いながら、大笑いだった。そして、テレビ朝日系で放送されているドラマ「出入禁止の女 ~事件記者クロガネ~」主題歌として書き下ろした新曲「live again」を初披露のあと、「この曲を作ったときは、こんな景色を見れると思わなかった」と歌い出した「Dreamer」で、およそ2時間30曲以上も披露したライブを締めくくった。

 「tough vilage」とは、その名のとおりタフな人が住む村、とleccaは言っていたが、誰がタフって1番タフなのは、その村長たるleccaだった。誰かを励ましたり、勇気づけるには、まずは自分自身の心が強くなければいけない。満員のZepp DiverCity Tokyo、2,000人以上を前に最後まで凛として立ち続けたleccaの姿は、男女問わず憧れを抱かずにはいられない、現代社会を自分らしくサヴァイブする“かっこいい女性”の象徴のようだった。

【取材・文:秦 理絵】

tag一覧 ライブ 女性ボーカル lecca

リリース情報

tough Village[CD+DVD]

tough Village[CD+DVD]

2014年08月06日

cutting edge

[CD]
1. 上がるLIFE
2. INSIDE WARRIOR
3. Vibes Up feat. JUMBO MAATCH
4. きっと大丈夫
5. あきらめ女とラレ男
6. busy ガール
7. SUKI!
8. 君にしかないもの
9. JUST 1 TIME
10. Soldiers feat. Spinna B-ILL
11.充分エブリディ
12. growing
13. Brave New World
Bonus track
14.proud of me

[DVD]
・Vibes Up feat. JUMBO MAATCH -MUSIC CLIP-
・君にしかないもの -MUSIC CLIP-
・OFF SHOT

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