今年3月にシングル「鮭鮭鮭」でメジャーデビューした“あゆみくりかまき”4月26日（日）、渋谷ＷＷＷでワンマンライブ「ボクらの熊魂2015 ~いよいよ初鰹が美味しい季節ですよね編~」を開催。渋谷ＷＷＷは、ボーカリストのあゆみが加入（2014年5月）する前、“くりかまき”としてのラストライブが行われた場所。この記念すべき場所で3人は、汗と涙と笑顔と気合いに溢れたエモーショナルなステージを見せつけた。

　ライブは「DJ TIME」からスタート。まずは“くりか”（DJ＆VOCAL）がSEKAI NO OWARIの「Dragon Night」を大音量で流しながら“ドラゲナイ”のコスプレ（フラッグとトランシーバー）を披露。さらにあゆみ、まき（盛り上げ役＆Vocal）も登場し、MAN WITH Ａ MISSION、キュウソネコカミ、氣志團、クリープハイプなどのナンバーをつなぎながら、凄まじいテンションで煽りまくる（まきは勢い余ってステージ下に落ちてました）。ラストは“常に自分を向上させていくんだ！”というメッセージを含んだオリジナル曲「自分革命」。「鮭鮭鮭」のインタビュー時にくりかが「あゆみくりかまきには、DJセットとライブのふたつがあって。その両方を見てもらえるのはワンマンライブだけ」という趣旨のコメントをしていたが、このとんでもない盛り上がりを目撃すると「DJセットもあゆみくりかまきの大きな武器である」ということがはっきりとわかる。

　そして、わずか数分のインターバルでライブコーナーへ。「おまえをまたぎ（←ファンのこと）にしてやろうか！」というSE「またぎインダハウス！！」とともに赤いギンガムチェック柄に着替えた3頭（あゆみくりかまきは熊なので、数え方は“頭”です）がステージに現れ、まずエレクトロポップチューン「アナログマガール」でまたぎ（←ファン）の興奮を一気に引き上げていく。さらに和のテイストを取り入れた「クマトナデシコ」、桜が舞い散る映像とともに披露された「春色ディスカバリー」へ。DJ TIMEでもまったく動きを止めず、「こんなに飛ばして大丈夫か？」と思うほどのテンションだったのだが、ライブに入ると3頭のアクションはさらに激しさを増していく。この気合い、本当に凄い。

「本日は“あゆみくりかまき”としての１stワンマンライブ、“ボクらの熊魂2015”へようこそ！」（まき）という挨拶を挟み、新曲「KILLLA TUNE」。モダンヘビィロック系のギターリフとエレクトロ・テイストのトラックがひとつになったこの曲は、タイトル通り、あゆみくりかまきの新たなキラーチューンになる予感たっぷり。オーディエンスもヘドバン＆ジャンプを繰り返しながら激しいリアクションを見せていた。

　ライブのクライマックスの始まりは、「オリコンウィークリー5位以内を目指します！」（まき）という宣言も飛び出したニューシングル「蜜蜜蜜」（6月24日リリース）。“この声を　届けたいんだ”という切実な思いを込めたリリックがどこまでもアッパーなトラックとともに飛び込んでくるこの曲も、彼女たちの新たなアンセムとして浸透していくことになりそうだ。

　アンコールでは、3頭がステージをグルグル回りながら歌う「もりのくまさん」、そして、メジャーデビュー曲「鮭鮭鮭」を披露し、記念すべき最初のワンマンライブは終了。最後の挨拶ではあゆみがグループ加入以降の気持ちの変化に触れ、「最初はみんなが受け入れてくれるかなって心配していて。それでもこの2頭（くりか、まき）がいてくれたから……初めて言うんですけど、誘ってくれてありがとうございました」と話すと、会場から大きな歓声が沸き起こった。

　ニューシングル「蜜蜜蜜」のリリースに続き、9月20日（日）渋谷CLUB QUATTROでワンマンライブ「ボクらの熊魂2015 ~汗と感動の涙でデトックス編~」も決定。ロックとエレクトロを融合させた楽曲と全身全霊のパフォーマンスによって、あゆみくりかまきの快進撃はさらに勢いを増していくはず。そのことを確信させるに十分な、エモすぎるステージだった。

【取材・文：森朋之】