Saku、メジャーデビュー後、初のワンマンライブをレポート!
Saku | 2015.07.10
会場内に入ると、ステージが色とりどりのメタリックなテープで飾り付けがされているのが、まず目を引いた。ミラーボールも置かれていて、早くも目一杯にキラキラしている。そして、いよいよ迎えた開演時間。バンドメンバーの山本健太(Key & Cho)、坂本夏樹/チリヌルヲワカ(G & Cho)、とまそん/She Her Her Hers(B & Cho)、山口美代子(Dr)がスタンバイしたのに続き、Sakuも登場。彼女が笑顔を浮かべて、ひときわ明るい雰囲気になったところで「FIGHT LIKE A GIRL」がスタートした。トレードマークとも言うべき水色のエレキギター(フェンダー・デュオソニック)を弾きながら歌う姿が眩しい。続いて届けられた「ゆがんだやつ」は、躍動感溢れるサウンドが観客の手拍子を自ずと誘う。フロア全体が爽やかな熱気で包まれていった。
「お集まり頂き、ありがとうございます。人がめっちゃいっぱいいる(笑)。最後まで楽しんでいきましょう!」、挨拶を挟んでさらに演奏が続いた。瑞々しいサウンドが心地よかった「あたしを好きだなんて天才かも」。ザ・キュアーのカバー「BOYS DON’T CRY」。アコースティックギターを弾きながら伸び伸びと歌声を響かせた「Violent Tiger」……US、UKギターロック、渋谷系、スウェディッシュポップなど、幅広い音楽のエッセンスを吸収して育ってきたSakuのルーツが随所で煌めく。各曲をプレイするのが嬉しくてたまらないらしい彼女のウキウキした表情が、とても印象的であった。
この日の自身のファッションのコンセプトを“とらわれた宇宙人”と解説したりもしつつ、観客を爆笑させていたMCタイム。ライブのために用意したという“光るグッズ”を次々と誇らしげに紹介する無邪気な姿も和やかな笑いを誘っていた。そして、まさしくその光るグッズを活用するコーナーへと突入。まず届けられたのは、ソフィア・コッポラ監督による同名映画にインスパイされて作ったのだという「Lost In Translation」(バンドバージョンで演奏するのはこのライブが初)。続いて、キラキラ光るスティックを振りながらハンドマイクで歌った「Sync-O-Cue」。キーボードを弾きながら歌ったジューシィ・フルーツのカバー「ジェニーはご機嫌ななめ」。ガーリーな魅力を放つ3曲が連発された。
「ミルクココア」と「Silver Moon」の後、メジャーでの初ワンマンをこの会場で行える感慨を語ったSaku。「19歳の頃からタワーレコードの外販部で働かせてもらっていて、この会場でもCD販売をやらせて頂いていました。早くあっち(ステージ)に立ちたいと思っていました。だから今日、嬉しくて」。そして、前日に行ったエステがめちゃくちゃ痛かった体験をユーモラスに紹介したりもしつつ、再び演奏へ。「毎日がいい日じゃないけど、できるだけ楽しくしたいなと思うので、そんな曲を」という言葉を添えて「Sing a Song」が届けられた。「1st Q&A」も披露し終えると、彼女は突然ステージ上から姿を消し、バンドメンバーたちによる熱い演奏がスタート。ドライヴ感たっぷりのサウンドを浴びて、観客が盛り上がり始めたところ、なんとフロア後方の扉からSakuが再登場した。光るサングラス&光るタンバリンで身を固めた姿は、少々誇張して表現するならば、まるでエレクトリカルパレードのよう。フロア内を巡りながらコール&レスポンスを何度も交わしつつ「SAKU-TV」を歌い、観客を大喜びさせていた。
終盤では、新曲「Moonrise Picnic」と「Girls & Boys」が初披露された。そして、本編のラストを飾ったのは「START ME UP」。「音楽を始めた9年前と今では変わっていることもあるけど、より音楽が好きになりました。これからも、もっともっと変わるだろうなと。でも、変わらないところも大事にしていきたと思います」、想いを語ってから歌い始めたこの曲。さらに力強く前進しようとする意志がこめられているのを感じた。
アンコールを求める声に応えてステージに1人で戻って来たSaku。VJをマネージャー、PAをなんとDub Master Xが務めていることが明かされ、観客はどよめく。そして、まずシンセサイザーによる弾き語りで披露されたのは、十代の頃からストリートで歌っていたというヴァネッサ・パラディの「Be My Baby」。その後、バンドメンバーたちを呼び込み、いよいよ最後の曲へ。「リリースした中で一番古い曲。18歳の時に作った大事な曲です。またお会いしましょう!」と言い、「走る少女」が届けられた。歌いながら彼女が浮かべる表情が、とても晴れやか。観客は手拍子をしながら身体を穏やかに揺らし、ステージを見つめる。温かいムードに溢れたエンディングとなった。
終演後、Sakuはロビーの物販ブースに登場。購入者特典のチェキ撮影を行った他、タワーレコードの店員をしながら磨いてきた特技“ポスターの早巻き”も披露してファンの喝采を浴びていた。彼女は親しみやすいキャラクターのまま、着々とアーティストとして成長している。今後も様々なイベントへの出演が決定していて、8月25日には自主企画ライブイベント『Girls & Boys vol.3 in OSAKA』、8月28日には東京で『Girls & Boys vol.4』が開催される。そして、8月26日にはメジャー第2弾作品『Girls & Boys e.p.』をリリース。精力的な活動が続く彼女から、目が離せそうもない。
【取材・文:田中大】
【撮影:佐藤祐紀】
リリース情報
リリース情報
セットリスト
「FIGHT LIKE A GIRL」&「START ME UP」RELEASE PARTY★
2015.7.2@渋谷WWW
- FIGHT LIKE A GIRL
- ゆがんだやつ
- あたしを好きだなんて天才かも
- BOYS DON’T CRY
- Violent Tiger
- Lost In Transration
- Sync-O-Cue
- ジェニーはご機嫌ななめ
- ミルクココア
- Silver Moon
- Sing a Song
- 1st Q&A
- SAKU-TV
- Moonrise Picnic
- Girls & Boys
- START ME UP
- Be My Baby
- 走る少女
お知らせ
JOIN A LIVE 2015
2015/07/18(土)北海道・いわみざわ公演
LOVE the ROCK~Supported by nano・univers×ぴあ
2015/07/19(日)大阪心斎橋・Live & Bar 11(オンジェム)
ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2015
2015/08/01(土)国営ひたち海浜公園
Girls & Boys vol.3 in OSAKA
2015/08/25(火)心斎橋Pangea
出演:Saku(BAND set)、Special Favorite Music、惑星アブノーマル、DJ TAISHI IWAMI、and more !!!
Girls & Boys vol.4
2015/08/28(金)渋谷MilkyWay
出演:Saku(BAND set)、恋する円盤、Seira Mirror、DJ:影正一貴(Club BAGSY)、樹里
※その他のライブ情報、詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。