chay初の全国ツアー『ハートクチュール ツアー』赤坂BLITZでファイナルを迎える
chay | 2015.07.17
初のオリジナル・アルバム『ハートクチュール』を引っさげて行なわれた、初の全国ツアー。そのファイナルとなった赤坂BLITZのステージは、女の子が思い描く夢や憧れに包まれる魔法のような時間であると同時に、音楽の道を一歩一歩着実に進んで来たchayの真摯な姿勢を感じさせてくれるものでもあった。
蝶ネクタイの正装でキメたバンドメンバーがスタンバイし、ライブは「ハートクチュール」からスタート。赤地に白い水玉のワンピース、キラキラのハイヒールでポニーテールを揺らしながらchayが現われると、会場は大歓声に包まれた。女の子の1日の始まりをキュートに描いたこの曲では、階段状のステージがカフェになったり、パリの街並を思わせるような映像が流れたりと、フレンチポップの世界観を丁寧に表現。続く「恋はスペシャル」ではステージの端からなるべくオーディエンスの近くまで寄って行き、笑顔で手を降ったり、みんなでクラップをしたりしながら、ステージとフロアの距離を感じさせないパフォーマンスで盛り上げた。
「ついにやってきました、ハートクチュールツアーファイナル東京!こうしてみんなに会える日を待ちわびていました!初の全国ツアー、この特別な日をみんなで一緒に過ごすことが出来てとても幸せに思います。今日は最後まで楽しんでいってください!」
短い挨拶を挟み、ここからはギターを弾きながらのパフォーマンス。まさにトゥインクルな輝きを放つエレキギターでの「Twinkle Days」は、音源で聴くよりも一層パワフルになったような印象だ。デビュー曲の「はじめての気持ち」と、彼女の存在を一躍全国へと知らしめた番組「テラスハウス」で生まれた「I am」はアコースティックギターで。彼女の音楽人生の中での分岐点ともいえるであろうこの2曲が続けて披露されたのは、此処までの長い道のりがあったからこそ初心を忘れないという、彼女の強い思いが込められているような気がした。
雷と雨の演出で歌われた「Singin’ In The Rain」は、ミニのトレンチコートと真っ赤な傘というスタイル。雨が上がって小鳥のさえずりが聞こえ始めると、白いワンピースに着替え、カントリーテイストの「Weekend!」をバンジョーで披露した。待ちに待った”週末”が終わると、会えない時間の切なさを歌った「Love is lonely」をピンクのソファに腰掛けて。女の子の心模様がテンポよく表現されたこの流れは、目も耳もワクワクするような演出の連続だった。
名古屋、福岡、大阪、札幌、仙台、そして東京。長めのMCのコーナーではこのツアーを振り返るトークが展開されたのだが、各地のライブがどうだったかではなく、話はなぜか「その土地で食べた美味しいもの」というグルメ話に(笑)。他にもユニバーサルスタジオジャパンのハリーポッターのアトラクションがすご過ぎた話や、よく「まいまいに似てるって言われません!?」とショップ店員に声をかけられるといったエピソードも披露され、仲のいい友達と話しているかのようなアットホームな雰囲気で進んで行った。そんなホッコリしたムードのまま、アコースティックギター弾き語りによるカバー曲のコーナーへ。イントロで歓声が上がった「We Are Never Ever Getting Back Together」(テイラー・スウィフト)は「テラスハウス」でおなじみのナンバー。彼女がいちばん尊敬しているというシンディー・ローパーの「True Colors」、そしてビートルズの「Let It Be」という3曲だ。最初はまるでchayの部屋に招かれたような気分だなと思って心地よく聴いていたが、歌い進むうちに、その歌詞に込められた意味や思いと真っ向から対峙しているchayを感じ圧倒されてしまった。マイクの前に立ち、胸を張ってオーディエンスに音楽を届けている彼女とは真逆だけど、ギターと歌をギュッと抱きかかえ、音楽と2人だけの世界にいるような彼女もまた震えるほど魅力的。こういう瞬間に出会えるのも、ライブの醍醐味だ。
無数の星がきらめく中、ブルーグレイのドレスとティアラで現われたchay。プリンセスのような輝きを放ちながら「Forever」をエモーショナルに歌い上げ、三日月をバックにアコースティックギターで「Half Moon」を披露した。可愛いとか美しいだけではなく、人間としての強さがにじみ出たその歌声と存在感は圧巻だ。メンバー紹介を兼ねたセッションタイムを挟み、元気よく現われたchayはピンクのミニのワンピース。「ここから盛り上がって行くよー!」とアッパーなナンバーを連打し、月9ドラマ「デート~恋とはどんなものかしら~」の主題歌となった「あなたに恋をしてみました」で会場のテンションは最高潮に!60’sのアメリカンポップを思わせるサウンドは、彼女のキャラクターにもピッタリだ。オーディエンスを巻き込んでの大合唱となったこの曲は、これからもいろんな人の恋する気持ちに寄り添いながら愛され続けていくのだろう。楽しそうに体を揺らしながらプレイするバンドメンバーの様子も印象的な1曲だった。
「みんな楽しんでくれた?ライブは久しぶりだったけど、みんなに唯一直接気持ちを届けられる場所だし、直接歌を届けられる場所だし、直接触れ合える場所。本当に大切な場所なんだなって、あらためて感じました。こうやってみんなに会うことで、また夢も膨らんでいきます。小さな夢から大きな夢まで、いつもいつもみなさんに叶えてもらってるなあって、感謝してます。だから私も、前向きになれるような、背中を押せるような素敵な曲を作って、みんなに届けられたらなと思っています。頑張りますので、引き続き応援宜しくお願いします!」
心を込めた言葉でみんなに感謝の気持ちを伝え、本編の最後は彼女が19歳の時に感じた気持ちを書いたという「nineteen」を披露。「不可能が可能になるということをたくさん感じた」というその頃の、苦しさと喜びが入り交じったようなハダカの気持ちが伝わってくるアコギの弾き語りで幕を閉じた。
アンコールでは、彼女のライブで欠かせない楽曲「together」のサビでオーディエンスからのサプライズが用意されていた。ツアーもファイナルということで、思い思いのメッセージが書き込まれた黄色いハートで会場が埋め尽くされていたのだ。その光景に驚いたchayが涙で声を詰まらせる。最後に出てくる歌詞「みんなと出逢えたことが何よりも嬉しくて ずっと側にいるよ」。
この言葉をお互いに噛みしめているchayとオーディエンスの、泣き笑いのような表情がとても心に響いたエンディングだった。
【取材・文:山田邦子】
【撮影:古溪一道】
リリース情報
ハートクチュール
2015年04月15日
ワーナーミュージック・ジャパン
2. あなたに恋をしてみました
3. Twinkle Days
4. I am
5. はじめての気持ち
6. Singin’ In The Rain
7. 恋はスペシャル
8. Weekend!
9. Half Moon
10. Forever
11. Wishes
12. Summer Darling
13. nineteen
セットリスト
ハートクチュール ツアー
2015.7.4@赤坂BLITZ
- ハートクチュール
- 恋はスペシャル
- Twinkle Days
- はじめての気持ち
- I am
- Wishes
- Singin’ In The Rain
- Weekend!
- Love is lonely
- We Are Never Ever Getting Back Together(Cover)
- True Colors(Cover)
- Let It Be(Cover)
- Forever
- Half Moon
- DREAM SNIPER
- Summer Darling
- あなたに恋をしてみました
- nineteen
お知らせ
FM802 MEET THE WORLD BEAT 2015
2015/08/08(土)大阪・万博記念公園自然文化園「もみじ川芝生広場」
Exciting Summer In WAJIKI’15
2015/08/13(木)大塚製薬徳島ワジキ工場 野外ステージ
SUMMER SONIC 2015
2015/08/16(日)サマーソニック東京/QVC マリンフィールド&幕張メッセ BEACH STAGE出演
2015/08/15(土)サマーソニック大阪/舞洲サマーソニック大阪特設会場 FLOWER STAGE出演
※その他のライブ情報、詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。