シクラメン、歌って踊れるデブ(肉だんご)は1000kmの道のりを完走できるのか!?
シクラメン | 2015.08.21
最新ミニアルバム『こんにちは羽田』を引っ提げてのシクラメン全国ツアー“シクラツアー2015 愛は地球を救うのか!? 肉だんご日本横断1000kmマラソンの旅 24HOUR TOY’S FACTORY ”。
今回はツアータイトルにもあるように、メンバーの肉だんごが日本横断1000kmマラソンに挑戦することになっている。が、いくら歌って踊れるデブとはいえ、体重100kg超の男が1000kmなんて距離を走れるのか!? いや、そもそもこの企画が発表されるや本気で嫌がっていた男がマラソンなどするのか!? いやいや、でももしかしたら……という誰もが抱く期待と不安を胸に、会場であるZepp Tokyoへと向かった。
満員の会場には若者を中心に下は就学前のちびっ子からお父さんお母さん、上はおじいちゃんおばあちゃんまで、まさに老若男女。シクラメンのファンは本当に幅広い。つまりそれだけシクラメンの音楽は、どんな人にも、どんな年齢層にも好まれるポピュラリティがあるということだ。
開演を知らせるブザーが鳴り、「開演まで30秒前、20秒前、10、9、8、7」と影アナがカウントダウンを始めた。それに合わせてオーディエンスもみんな立ち上がり大声でカウントダウンする。「5! 4! 3! 2!」「2、3、4、5、6、7、8……ナ~ンテ。始まるよ~」と影アナ。このフェイントに会場がどっと沸く。開演前から遊び心いっぱい。この楽しさ満載の姿勢もシクライブならではだ。
ステージは寸劇から始まった。某24時間テレビのチャリティマラソンを中継する日本武道館……を思わせる設定で、DEppaと桃紅茶、スクリーンに映った肉だんごが、のっけから会場を爆笑の渦に巻き込んでいく。やがてスクリーンにはイメージ的な映像とともに“信じる気持ちがあれば叶う。空を飛びたいなら、そう願うんだ”という、のちの伏線となる暗示的な言葉が映し出され、暗転。そして改めてDEppa、肉だんご、桃紅茶の3人がステージに登場し、1曲目は最新アルバムの中でも1曲目に収録されている「誰かのために」。軽快なリズムに乗って熱く歌い、会場を一気にヒートアップさせた。「タオルを用意して! 振り回せー!」。そうDEppaが言って放たれたのは、これまた最新アルバムからのナンバー「風まかせ」。サンバのリズムが入った陽気なこの曲を3人は明るく全力で届け、オーディエンスも全力でタオルを回してそれに応える。イントロが鳴った瞬間歓声が上がった「MUSIC」では、より強力なエネルギーを会場に注ぎ込む3人。「ブチコメ!!」ではバックダンサーも登場し、誰もがダンス。見事なまでの一体感がそこに生まれた。
大爆笑の寸劇を挟んだ後は、中盤。ライブはここからさらに加速していく。「エール」では文字通り3人からのエールが1人1人に熱く贈られ、「必死マン」ではダンサーをバックに歌って踊って大いに魅せる。また、新曲「あとは野となれ山となれ」が披露されたかと思えば、新たな名曲!との呼び声も高い、(最新ミニアルバムの先着特典CDにはなっているものの)未収録音源である「青年」も歌われるなど、このツアーに足を運んだからこそ聴ける曲も用意されており、3人のオーディエンスに対する歓待の気持ちがそんなところからも伺えた。
MCタイム。ここでは事前にファンの人達に書いてもらった願いをメンバーが叶えるという、題して“みんなの願いを聞いちゃおうコーナー”へと突入する。ボックスから引いた最初の願いは“一度でいいからモテ期を味わってみたい”という女性からのもの。その願いを叶えるべく、3人はその女性客に向かって求愛。肉だんごはロマンチックなシチュエーションを設定して、桃紅茶はストレートに、DEppaは下ネタ系でお下劣に(笑)。3人それぞれのキャラが立った求愛はこの日何度目かの大爆笑を引き起こした。続いての願いは男性からで“もう一度DEppaのボーズ頭が見たい”。これにはさすがのDEppaも断固拒否!……したものの、肉だんごの煽りで「ボーズ!」「ボーズ!」と千数百人のボーズコールが起こり、Deppaはヤケクソ……もとい、潔く肉だんごにバリカンで頭を刈られ、なんと本当にボーズ頭になる!!という予想外かつ衝撃のシーンが展開したのだった。
予想外と言えば、後半。沁みる曲「マナザシ」「僕の宝物」がじっくり歌われている時、ステージ上のスクリーンに「実はあの男が、こんなことをしていました」というテロップが流れ、ガチで走る肉だんごの姿が映し出された。福岡から広島、長崎、大阪、名古屋、静岡、そしてここ東京はZepp Tokyoまで。薄く期待はしていたものの、あんなにマラソンを嫌がっていた肉だんごが、まさか本当に人知れず走っていたとは! みんなに勇気を与えるため、時に苦しさで顔をしかめながらも黙々とひた走る肉だんご。その泥臭くも必死の姿は感動的で、沁みる曲との相乗効果もあり、涙するオーディエンスも多かった。
それにしても……実際、肉だんごは1000kmを走ったのか? そのゴールシーンを目撃した者はいないという。が“願いは叶う、空だって飛べる”という例の暗示。どうやら肉だんごは1000km中50kmはガチで走り(50kmだってフルマラソン以上なわけで立派!)、残りの950kmは空を飛んだ(?)らしい。そんな彼をあるアメリカ人はこう呼んだそう。「He is a SKYWALKER」。そこから本編ラストは話題の羽田空港国際線旅客ターミナル応援ソング「SKYWALKER」へとなだれ込む。なんてニクイ流れなんだろう!
アンコールでは、「夏と言えばこれでしょう!」とDEppaが言って、「夏物語」で弾け、さらにアッパーな曲の4連打。特にラストの「ららら★フェスティバル」ではスタッフもステージに上がり、メンバー、スタッフ、誰もがタオルを回し、みんなで肩を組んでラインダンスのように踊る。オーディエンスも知ってる人知らない人関係なく肩を組んで踊る。その笑顔の絶景は“至福!!”そのものだった。
熱くあたたかくまっすぐ刺さる歌を中心に、笑えて泣けるシクライブ。ありそうで他にない全く新しいタイプの彼らのライブを、この日体感できて良かった。心からそう思えた、最幸の3時間だった。
【取材・文:赤木まみ】
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リリース情報
こんにちは羽田(初回限定盤)[CD+DVD]
2015年06月24日
トイズファクトリー
1. 誰かのために
2. 風まかせ
3. 流れ星
4. SKYWALKER
5. エンドレスサマー
6. - 午前2時-( skit )
7. ホタル
[DVD]
2015.2.8 ZEPP TOKYOライブ映像
1. オープニング 2. エール 3. らいふ☆カーニバル 4.MUSIC 5.101 6. ボルケーノ 7.Only 愛 8. ありがとう-Acoustic ver.- 9. はな 10. あかね 11. 行ってきます 12.100 年初恋 13. ここで泣こうよ 14. 僕の宝物 [Encore] 15. すまいる 16. ミュージックドリーマー 17. ららら★フェスティバル 18.SAMURIDER 19. エンディング
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お知らせ
シクラツアー2015 愛は地球を救うのか!? 肉だんご日本横断1000?マラソンの旅 ~みんなの「願い」が集まれば 空だって飛べちゃうぞ ver.~
2015/08/29(土)SHIBUYA SOUND MUSEUM VISION
※その他のライブ情報、詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。