アジア圏内で人気を誇るMayday(五月天)。台湾のバンドとしては初の日本武道館公演は、超満員!!
Mayday | 2015.09.10
アジアを代表するバンドのひとつ、台湾出身のロックバンド、Mayday。アジア圏内で圧倒的人気を誇るモンスターバンドである。EMTG MUSICではかつて、彼らのホームである台湾の高雄で5万人収容のスタジアム4DAYSという、とんでもないスケールのライブをレポート したが、そのパフォーマンスは圧巻だった。そんな彼らが、8月28、29日の2日間、バンドとして憧れ続けた日本武道館公演を開催。満杯のオーディエンスを大熱狂させて、大成功を収めた。デビューから16年、そして彼らが最初に日本でパフォーマンスを行った2001年の『GLAY EXPO 2001“GLOBAL COMMUNICATION”』からは、14年目――そんな時間の流れを、メンバーもファンもかみしめた2日間となった。ここでは2日目(8月29日)「Just Rock It 2015 TOKYO」 at 日本武道館 ~抱きしめて~の模様をお伝えしよう。
初日同様、本国やアジア各国からも熱狂的なファンが大勢詰めかけ、台湾語や広東語などが飛び交う。開演前から場内はインターナショナルなムードだ。客電が落ち、ステージを覆うスクリーンにメンバーのシルエットが浮かぶと、怒濤の大歓声が武道館を包む。1曲目は爽快なロックチューン「Do You Ever Shine?」。ドラマ主題歌でもおなじみの曲だけに、はやくも場内から大きな歌声が響く。日本語詞だが、日本のファンだけでなく、海外からのファンも完璧な日本語で歌っているのに驚かされた。続く「君は幸せじゃないのに」は、彼らの武器でもあるバラードナンバー。メロディーのよさに、共感を覚える歌詞(台湾語には日本語の訳がスクリーンに流される)が心に染みる。ただ、もし言葉がわからなかったとしても、彼らの音楽は多くの人の心に届くはずだ。この楽曲の持つ力強さが、国境を越えて支持される理由なのだと思う。ステージ後方にはバンドのヒストリー画像が映し出され、彼らが積み重ねてきた活動が紹介されていた。
最初のMCではボーカルのアシンが「こんばんは! Maydayです! 武道館……来た!」と喜びをあらわにする。そこからアグレッシヴな「モーター・ロック」へとつなげたが、ここではふたりのギタリスト、モンスターとストーンが、それぞれ下手、上手の花道の先端へと移動。その位置から5~6メートルになろうかというせり上がりの演出で、2階スタンドの観客を大いに喜ばせた。その後はベースのマサがステージ中央でベースソロ、そしてミンのドラムソロと、個々のメンバーをフィーチャーしていく。ソロタイムのあと、アシンはオーディエンスとの掛け合いで、観客の一体感を生み出していった。
後半にさしかかる頃にはサプライズゲストとしてflumpoolのボーカル、山村隆太を呼び込み、アシンとふたりで台湾で有名な楽曲「前へ進め」のカバーを熱唱。山村は流暢な台湾語で歌い、次の「Belief ~春を待つ君へ~」ではflumpoolのメンバー全員でステージに登場。豪華なコラボでライブに華を添えた。メンバー同士、ふだんから交流のある彼らだけに、温かいムードが流れる。MCで山村は、「flumpoolの5周年ライブにMaydayがゲストで出てくれて、すごくうれしかった」と語り、育ててきた友情をかみしめていた。
ここからライブは佳境へ。Maydayのライブには欠かせないマストチューン「OAOA」が始まるタイミングで、ステージ中央から何と、巨大な象が出現! 毎度、派手な演出で知られる彼ららしいひと幕だった。
熱狂の中、本編はラストまで進み、最後は人生賛歌ともいうべき壮大な代表曲「人生は海のよう」でしめくくられた。しかし、せっかくの武道館、アンコールなしでは終われない。“安可!(アンコール)”の大声援に押されて、メンバーが再びステージへ。熱い思いを代弁するように激しいサウンドの「YOUR LEGEND ~燃ゆる命~」でアンコールがスタート。続く「出陣の歌」を終えてから、各メンバーがそれぞれの心境を語っていく。
「武道館にたどり着くのに16年かかった。想像できなかった夢が今、現実になりました。皆さん、本当にありがとう!」とアシン。他のメンバーからも同様に感謝の言葉が届けられ、改めて武道館のステージに立った喜びをファンに伝えた。アンコールではじっくりと聴かせる曲も披露され、観客全員の大きな歌声が場内を包む。「僕は僕に嘘をつかない」では銀テープが飛び出し、1回目のアンコールはここで終了した。しかし、引き続きアンコールを要求する声援と“五月天(Mayday)”コールがなりやまない。
バンドはWアンコールに応え、「馬鹿」を披露。曲の後半には武道館の照明がついて、会場は満員の観客を浮かび上がらせた。この光景は、メンバーにも観客の目にもしっかり焼き付けられたに違いない。
台湾のバンドとして武道館の単独公演は初という快挙を成し遂げた彼ら、このあとはアルバムの制作に入るという。当たり前だが、日本武道館はまだまだ通過地点だ。次のステージを目指す彼らだけに、また新作を掲げてのライブにも期待したい。
【取材・文:海江敦士】
【撮影:橋本塁(SOUND SHOOTER)、近藤誠司】
リリース情報
YOUR LEGEND ~燃ゆる命~(初回盤)[CD+DVD]
2015年06月17日
A-Sketch
M1.YOUR LEGEND ~燃ゆる命~(將軍令 日本語ver.)
M2.追憶のナインボール(九號球 日本語ver.)
M3.青春の彼方/盛夏光年
M4.星空
M5.將軍令(オリジナルver.)
M6.九號球(オリジナルver.)
セットリスト
「Just Rock It 2015 TOKYO」
at 日本武道館 ~抱きしめて~
2015.8.29@日本武道館
- Do You Ever Shine?
- 君は幸せじゃないのに(你不是真正的快樂)
- 大切な何でもない事(最重要的小事...)
- 孫悟空(孫悟空)
- 武装(武装)
- OKさ(OK啦)
- コール・ミー・ナンバーワン(叫我第一名)
- モーター・ロック(軋車)
- 瞬間少年ジャンプ(離開地球表面)
- 追憶のナインボール(九號球)
- 抱きしめて(擁抱)
- 愛情万歳(愛情萬歳)
- 笑忘歌(笑忘歌)
- 前へ進め feat.山村隆太(向前走)
- Belief ~春を待つ君へ~feat.flumpool
- やさしすぎて(溫柔)
- OAOA(OAOA)
- ひとり上手にならないで(我不願讓你一個人)
- Three fools(三個傻瓜)
- Dancin’ Dancin’(Dancin’ Dancin’)
- 人生は海のよう(人生海海)
- YOUR LEGEND ~燃ゆる命~
- 出陣の歌(入陣曲)
- 満ち足りた思い出(知足)
- 僕は僕に嘘をつかない(倔強)
- 馬鹿(憨人)
※( )内は中国語表記