“DISCO”の大合唱が地元埼玉に鳴り響いた!the telephonesのLast Partyを完全レポート!
the telephones | 2015.11.17
「しばらくDISCOって叫べなくなるよ?」とthe telephonesのライヴ曲間に、明るく言い放つ石毛輝(Vo/G/Syn)の言葉が胸にズシッと響いた。そうか、そうなんだ。今日はDISCOを思う存分に叫ぶために、ここに来たのだ。
the telephonesは結成10周年を一つの節目に、無期限の活動休止を発表した。今日は彼らプレゼンツ「“Last Party~We are DISCO!!!~”」と銘打ち、さいたまスーパーアリーナで盛大なるパーティーをブチ上げた。出演バンドはメンバーが事前に口にしていたように、埼玉の先輩と同時代を伴走した仲間たちというラインナップが揃った。
午前11時半、トップを飾ったのは埼玉で結成された経緯を持つ、凛として時雨。ダークなベールを纏うように、うっすらとメンバー3人の姿が浮かび上がる。「SOSOS」で幕を開けると、エッジ際立つ爆音が響き、TK(Vo/G)と345(Vo/B)の掛け合いは胸を?き毟られるようなエモーションを放つ。また、「Enigmatic Feeling」の壮絶なアンサンブルにも息を飲んだ。それからピエール中野(Dr)は一足早く「We are」、「DISCO!!!」と観客とコール&レスポンスを交わし、場を熱くする。
次は同じ埼玉出身のdustboxが舞台に立つ。今年YU-KI(Dr)を迎え、新3人体制で踏み切ったばかりだが、緩急の起伏溢れる「Riot」から眩いメロディック・パンクで観客を照らす。中盤にDOACOCKの7110(Vo/G/Syn)を鍵盤奏者として招き、the telephonesトリビュート作収録のカヴァー「A.B.C.DISCO」をメンバー全員が唇サングラスを掛けてプレイ。続けて彼らの曲の中で唯一のダンサブル・ナンバー「Dance Until Morning」を披露し、当意即妙の選曲で会場を沸かせた。
「大切な仲間のために打ち上がれますか?」とthe telephones愛を炸裂させるROY(Vo/B)のMCを皮切りに、極上とキレとグルーヴで黒光りするロックを叩き付けたTHE BAWDIES。中盤には寸劇を挟み、ファニーな側面も強烈にアピール。インディーズの頃から一緒にやってきた兄弟であり、双子の様な存在と親密な関係性を吐露すると、the telephonesトリビュート作収録のカヴァー「sick rocks」を演奏する。ラストはthe telephones・長島涼平(B/Cho)がスーツ姿で登場し、「JUST BE COOL」で仲睦まじく共演を果たした。
昨年、6年の時を経て再始動したsyrup16gは、五十嵐隆(Vo/G)の味わい深い歌声とオルタナ/ニューウェーブの陰りのある演奏で会場に染み渡るような美メロを響かせる。「リアル」の震えるような生々しい歌声と身を切るようなエモーションも壮絶だった。五十嵐は埼玉出身で、どうやら使っているスタジオも同じらしく、意外にも接点が深い。今日は後輩のために駆けつけ、唯一無二の世界観をまざまざと見せつけてくれた。
「反逆のマーチ」から日本人の琴線を揺さぶる歌謡メロで爆走チューンを畳み掛けたのは9mm Parabellum Bullet。滝善充(G)、中村和彦(B)が楽器を振り回して暴れ狂うステージングにも血が滾る。「ここは見渡す限りDISCOだね。猿のように踊るか!」と菅原卓郎(Vo/G)が煽ると、「Monky Discooooooo」でthe telephones・岡本伸明(Syn/Cowbell)がカウベルを叩いて、場を一段と盛り上げる。「俺たちで焼け野原にする。みんなで焼きDISCOにしてやろう!」と菅原は明るく呼びかけ、the telephonesが大好きな曲と付け加え、「新しい光」を披露した。
エレクトロを用いたバンド編成でポピュラリティ抜群のメロディを奏で、大合唱を巻き起こしたのはサカナクションだ。「アルクアラウンド」を筆頭に踊れるナンバーを立て続けにプレイし、観客はノリノリで踊っている。「みんなまだまだ踊れるか?」と山口一郎(Vo/G)が声をかけ、「夜の踊り子」、「アイデンティティ」と繋げていく。途中で石毛と岡本が参加し、ステージを右へ左へと動き回り、お祭り感を刺激する。またすぐ戻って来て、新しいシーンを作るんじゃないかと山口が最大級の贈る言葉を発すると、「新宝島」で堂々と締め括った。
そして、スクリーンに無期限の活動休止を宣言した模様が映像で流れ、ステージ中央に設置されたミラーボールが煌々と回ると、遂にthe telephonesの出番が来た。「カモン、埼玉ー!」と石毛が熱く呼びかけ、パイロが派手に上がると、「HABANERO」で本編開始。「D.E.N.W.A」で会場はさらに盛り上がると、「Baby,Baby,Baby」で岡本は広いアリーナをグルッと一周して観客を沸かせる。「俺たちは楽しむことしか考えてない。ラストと付いてるけど、パーティーだから!」と石毛が宣言すると、地元埼玉にちなんだ「SAITAMA DANCE MIRROR BALLERS!!」を披露。シンセを効果的に用い、美しいメロディと壮大なムードで外から内から聴く者を虜にする。
後半戦はDISCO縛りの選曲で、「I Hate DISCOOOOOOO!!!」から「Love&DISCO」まで5曲を連打する猛攻撃ぶりだ。会場には巨大風船が投下され、さらに「10年間ありがとう!!!」と書かれた飛行船が宙空を舞い、バンドと観客によるDISCOの大合唱でさいたまスーパーアリーナを一色に塗りつぶした。アンコールに応えると、観客はケータイの光を翳して、メンバーを温かく迎え入れる。「the telephones、日本の音楽シーンを面白くしたと思う」と石毛は実感のこもった声で語りかけた。
人種、言語、ジャンルを飛び越え、誰もがわかるキーワード"DISCO"という魔法の言葉に、自分たちだけの体温を封じ込めてきた彼ら。聴く者をDISCOの向こう側まで誘う享楽的なサウンドが、アリーナ中央に設置された巨大ミラーボール以上にキラキラと輝いていた。活動休止は残念だが、いつの日かまたDISCOと大声で叫ぶ日を心待ちにしている。だって、あの言葉を我を忘れて叫ぶ場面なんて、the telephonesのライヴでしか有り得ないのだから。
【取材・文:荒金良介】
【撮影】
・小川舞:the telephones (1枚目)、Dustbox
・古渓一道:9mm Parabellum Bullet、サカナクション
・Viola Kam (V’z Twinkle):the telephones (2枚目)、THE BAWDIES、Syrup16g、凛として時雨
ライブ イベント the telephones 凛として時雨 サカナクション 9mm Parabellum Bullet THE BAWDIES syrup16g
リリース情報
We are DISCO!!!~tribute to the telephones~
2015年11月04日
ユニバーサル ミュージック
1. Urban Disco / POLYSICS
2. HABANERO / FRONTIER BACKYARD
3. sick rocks / THE BAWDIES
4. Love & DISCO / J
5. Monkey Discooooooo / 9mm Parabellum Bullet
6. A.B.C.DISCO / dustbox
7. kiss me, love me, kiss me / Koji Nakamura
8. I Hate DISCOOOOOOO!!! / ストレイテナー
9. Just One Victory / James Iha
10. Odoru~朝が来ても~ / Yogee New Waves
11. Fire, Fire, Fire / VOLA&THE ORIENTAL MACHINE
12. Say DISCO / Fragment×DOTAMA
リリース情報
[DVD] 武道館 DE DISCO!!! ~SUPER DISCO Hits 10!!! the telephones 10th Anniversary~
2015年11月04日
ユニバーサル ミュージック
01. D.A.N.C.E. to the telephones
02. Keep Your DISCO!!!
03. sick rocks
04. Yeah Yeah Yeah
05. Hyper Jump
06. Say DISCO
07. HABANERO
08. WoNdeR WomaN
09. Heigh-Ho
10. kiss me, love me, kiss me
11. A.B.C.DISCO
12. sleep,sleep,sleep(sadness of happy poor child)
13. Homunculus
[Disc 2]
14. Pa Pa Pa La Pa
15. DaDaDa
16. A A U U O O O
17. SAITAMA DANCE MIRROR BALLERS!!!
18. electric girl
19. Ex-Boyfriend
20. I Hate DISCOOOOOOO!!!
21. Baby, Baby, Baby
22. D.E.N.W.A
23. Don’t Stop The Move, Keep On Dancing
24. Monkey Discooooooo
25. Odoru~朝が来ても~
<アンコール>
26. Amber Romance(新曲)
27. Love&DISCO
<ダブルアンコール>
28. Urban Disco
初回限定生産盤のみ[Bonus Disc 3]
「オトナの!特別編the telephones~北浦和の中心でDISCOを叫ぶ!~」完全拡大版/約50分収録