androp『one-man live tour 2016 “Image World”』東京公演ライブレポート
androp | 2016.05.20
愛知、福岡、大阪を経て迎えた『one-man live tour 2016 “Image World”』の東京公演。会場内が暗転し、SEが鳴り響くや否や観客の間から湧き起った歓声が、とにかくものすごかった。ステージに投影された幻想的なグラフィックが人々の興奮を煽った後、神々しく浮かび上がったのは“image world”のロゴ。そして、内澤崇仁(Vo & G)、佐藤拓也(G & Key)、前田恭介(B)、伊藤彬彦(Dr)がステージに登場し、演奏がスタートした。
5月22日(日)に行われるツアーファイナル、宮城・仙台PIT公演が間近に控えているので、このライブの詳細、曲順などに関する記述は控える。しかし、作品リリースに伴うものではない今回のツアーの核、テーマとも言うべきものが“image world”であったという点に関しては、ぜひ触れておきたい。「andropだけにしかできない、音楽、場所、感動を発信するトコロ」として立ち上げたことが既に公式ホームページなどで発表されている“image world。ファンならば「Image Word」を思い浮かべるだろう。内澤が上京する際に「音楽をやる」という強い決意をこめて作り、andropの4人が初めてスタジオで音を合わせた曲だ。この東京公演でも「Image Word」は披露されたのだが、演奏する前の内澤によるMCが、とても印象的だったので、要約しつつ紹介しよう……使っていたiPhoneをなくしてしまった内澤は、昔から持っていた携帯電話を使い始めた。そこに保存されていたのは、「Image Word」を作った頃に書き記していたメモの数々。読み返しながら、かつて言葉にした目標や理想の1つ1つが少しずつ形になっていったことを改めて確認した彼は、「まだブレていないな」と思ったのだという。「「Image Word」から始まって、積もり積もってこのようなステージに立つことになって、「word」が「world」になったような気がして“image world”と名付けました」と語っていた表情は、新しい第一歩に対する強い想いに満ち溢れていた。
そして、内澤が思った「まだブレていない」というandropの姿は、演奏された曲からも度々伝わってきた。特にそれを感じたのが、今年の3月にデジタルシングルとして配信された「Astra Nova」だ。「何かをやるとなった時、周りは“無理だよ”という人の方が多いです。でも、俺は背中を押せるような曲を作りたい。心の中に信じられるものがあるなら、やってもらいたい。心の声を信じてあげるべき」……「Astra Nova」にこめられているものは、悩みながらも“image world”を立ち上げたandropの想いとも同じである旨を内澤は語っていた。このようなMCを経て演奏がスタートした「Astra Nova」。美しい光を放つかのようにダイナミックに高鳴ったこの曲は、歌詞の言葉はもちろん、奏でられたサウンドの全体像も、清々しいエネルギーを我々に届けてくれた。
初期の曲から最新のものまで、幅広く網羅していたセットリスト。そんな中、「できたてのほやほや」だという未発表曲が披露されたのも嬉しいポイントであった。力強く躍動するサウンド、真っ直ぐに迫ってくるメロディに誘われ、観客の手拍子がどんどん高まった様は、この曲が頼もしいライブチューンへと成長していくことを確信させてくれた。そして、お馴染みのナンバーたちを、表現力豊かな演奏で体感することができたのも、堪らない喜びであった。鳴り響く印象的なクラップ音に合わせて、観客が夢中になって手拍子をして盛り上がった「MirrorDance」、共に歌う人々の声が素晴らしい一体感を生み出していた「Voice」などは、Zepp Tokyo全体をすさまじい勢いで揺さぶっていた。
多彩なライティング、ステージに投影される映像、飛び交うレーザービーム、点滅するストロボなど、視覚効果とサウンドのダイナミックな融合を展開していたのも、大きな見どころであった。また、終盤のインターバルが独特な雰囲気だったので、これについても書いておくとしよう。佐藤、前田、伊藤が賑やかに言葉を交わし合っていた一方、1人だけ大人しく立ち尽くしていた内澤。「いいメロディが浮かんだ。ボーっとしてた。帰ったら録音しようかな」とリラックスした様子で言った彼に対して「3千人のお客さんの前でボーっとできるってすごいね!」としきりに感心していた佐藤……和やかな笑いを誘った何気ない場面であったが、内澤の頭の中にメロディが浮かんだ瞬間を目撃できたのかと思うと感慨深いものがある。この時、ステージ上で生まれたメロディが、いつか曲となって我々に届けられる日が来るかもしれない。
既に発表されている通り、10月には全国5都市でのワンマンライブツアーが行われる。この秋のツアーでも、各地で素晴らしいサウンドが鳴り響くのだろう。“image world”から発信されていくものへの期待も膨らむ。広がり続けるandropの可能性は、我々をどのような世界へと連れていくのか? とても楽しみだ。
【取材・文:田中 大】
【撮影:上山陽介】
「来場者先行」より、抽選・整理番号が優遇されます!
~ 2016年5月23日(月)23:00まで
リリース情報
お知らせ
androp「one-man live tour 2016 "Image World"」
2016/05/22(日) 宮城 仙台PIT
チケット一般発売中
http://eplus.jp/androp/
androp「one-man live tour 2016」
2016/10/01(土) 福岡 DRUM LOGOS
2016/10/07(金) 宮城 仙台 Rensa
2016/10/10(月祝) 愛知 Zepp Nagoya
2016/10/12(水) 大阪 Namba Hatch
2016/10/16(日) 東京 Zepp DiverCity
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【受付期間】2016.05.23(月)23:00まで